誰かとコミュニケーションをとるためには、聴くことと話すことのバランスが重要になります。

このバランスが上手に取れる人はコミュニケーション能力の高い人。

反対になかなかバランスが取れない人はコミュニケーション能力の低い人になってしまいます。

でもコミュニケーションをとる相手によっても接し方は変わってくるので、そのバランスって凄く難しいですよね。

今回はそんな人に傾聴というコミュニケーション方法を紹介していきたいと思います。

傾聴という言葉を聞いたことがありますか?

なんとなく言葉のイメージから、耳を傾けて話を聴くのかな?とイメージする人も多いかと思いますが、実はもっと深い意味のある言葉なんです。

傾聴のメリットや方法を具体的に説明していくので、ぜひ実践してみてください。

傾聴するメリットは沢山!

傾聴することでのメリットはとにかく沢山あります。

これは自分自身ももちろんですが、相手にとってもメリットとなります。

例えば友達が彼氏の不満を言ってきたとします。

「うちの彼はいつも他の女に優しくていて本当に嫌なの。」と。

その一言であなたはいろいろ思うことがあるでしょう。

「それは彼が優しい証拠だよ」「嫌な気持ちを伝えてみたら?」なんてフォローやアドバイスを考えて伝えようとしますよね。

でも本当にフォローやアドバイスが欲しかったら「どうしたらいい?」「どう思う?」と聞くはずです。

そのような質問がなくただ一方的に話している時は、自分のモヤモヤしている気持ちを聞いてほしかっただけなんです。

何も言わずに「うんうん。嫌だよね。」と同調するだけでいいのです。

そうすれば友達の心はすっきりします。

聞いただけのあなたに「本当にありがとう」と感謝を述べる人もいるでしょう。

だから友達関係も良好になります。

信頼関係も深まります。

同調するだけで?と不思議に思うかもしれませんが、実践すると本当にメリットが多いので驚きます。

ここから具体的な傾聴についての説明をしていきます。

傾聴とは?


傾聴とはケイチョウと読みます。

とにかくじっと黙って相手の話を聞くこと。

というのでも間違いではありません。

傾聴とは、相手が話している時に無駄なことを言わずに話を聞くことです。

ただ大切なポイントとしては「相手の話をそのまま受け止めながら話を聞くこと」なんです。

相手が全てを話し終わった時に「自分の話をこの人に受け止めてもらえた」と思ってもらうことが必要です。

「綺麗な虹を見た」と相手が言ったとすると。

どこでどんな虹を見たのか知りたくなるでしょう。

でも傾聴では、このような質問はしません。

相手が綺麗な虹を見たと話したのであれば、どこかで綺麗な虹を見たのだとそのまま受け止めてあげれば良いのです。

それが傾聴です。

「綺麗な虹を見たんだね」と返してあげるのが正解です。

意味

傾聴とは、もともとはカウンセリングにおけるコミュニケーション技術の一つです。

耳を傾けて熱心に話を聞くことという意味があります。

人の話をただ聞くのではなく、注意を払って深く丁寧に聞くこと。

自分が相手に聞きたいことを聞くのではなく、相手の話したいことを真摯に聞く技法です。

傾聴の目的は相手を理解することで、それによって相手が自分自身の理解を深めて建設的な行動がとれるようにサポートすることです。

傾聴は言葉を受け止める他にも、その姿勢や表情や声の調子などにも注意を払い、相手のすべてを理解しようという思いで話を聞くことが大切です。

先ほどの「綺麗な虹を見た」という言葉も目をキラキラさせて嬉しそうに話しているのか。

もしくは切なくて悲しそうな表情で話しているのか。

これによっても受け止め方は変わってきますよね。

それらのすべてを含めて話を聞いて受け止めることが傾聴なのです。

使い方


会話の中では傾聴という言葉を使うことってほとんどないですよね。

「私はあなたの話を傾聴するね!」なんて断言してから聞く人なんていません。

使い方としては「それは傾聴すべきお話しです」といったり行動を示す言葉として「静かに傾聴しました」なんて伝えたりすることがあるでしょう。

類義語

傾聴の類義語は「聞く」「聴く」の他に「ご清聴」「拝聴する」という言葉があります。

・ご清聴
ご清聴は聴く人のことを敬う表現の言葉です。

スピーチや発表などで、自分の話を聞いてくれた人に対して「ご清聴ありがとうございました」と述べることが多いです。

単に「静聴」という言葉だけだと、静かに聞くことを意味しています。

同じ読み方ですが、漢字が異なるので注意してください。

・拝聴
拝聴とは聞くことの謙譲語です。

聴くことをへりくだって使います。

使い方としては「ご意見を拝聴いたしたく伺います」というように目上の人などの話を自分が聞かせてもらうという表現となります。

対義語

実はこの傾聴には辞書に登録されているような対義語は存在しません。

ただ対義語に近いと考えることのできる言葉を紹介していきますね。

まず傾聴とは耳を傾けて深く話を聞くことです。

つまりこの対義語とは、軽く話を受け流すことですね。

それを表現する言葉としては、そのまま「聞き流す」あるいは「無視」という言葉が出てきます。

他にも四文字熟語にはなりますが「馬耳東風」という言葉が傾聴の類義語に当てはまります。

馬耳東風とは、人の話をまともに聞こうとしないこと。

まさに傾聴する姿勢とは反対といえるでしょう。

傾聴のメリット

最初に傾聴することには聞き手にも話し手にも大きなメリットがあることをお伝えしました。

では具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。

ここからは傾聴することで得られるメリットを聞き手と話し手とそれぞれの立場で紹介していきたいと思います。

聞き手

まずは聞き手、つまりは傾聴する側の人に得られるメリットです。

聞き手は傾聴をします。

相手が話していること、そしてその姿勢や表情から、何を話していて何を受け止めてほしいのかを深く丁寧に受け止めます。

決して話を遮ることはせず、また否定もせず、質問をしてもいけません。

ありのまま話していることを受け止めるのです。

これによりどんなメリットがあるのでしょうか。

相手を理解できる

傾聴をすることは、相手を知ろうとすることです。

今までは相手の表面的な部分だけしか見えていなかったかもしれません。

しかし傾聴することで相手の本質まで見えることも多々あります。

例えば相手の失恋話を傾聴したとします。

普通に聞いているだけでは「失恋して可哀想」くらいにしか思わないでしょう。

しかし傾聴することで相手の痛みまで感じることができます。

「すごく好きな人がいたのね」「とてもいい恋愛ができていたんだな」「この恋を失ってつらいだろう」と相手の背景も含めた色んなことを理解することができます。

また傾聴をすると、話している方が必要以上に話しやすくなります。

きっとその雰囲気に話をもっと聞いてほしいという気持ちになってくるのでしょう。

通常であれば人には話さないような深いことまで心を開いて話してくれるようになります。

そこでより相手のことを深く知り、理解することができるのです。

人間関係が良くなる

傾聴することで相手との人間関係はとてもよくなります。

ただの仲良しという関係から信頼という強い絆も生まれます。

まず話を聞いてもらっている相手は傾聴してくれた人に対して心を開きます。

「この人は私の話を真剣に聞いてくれる」「この人は私の意見を受け止めてくれる」「また何かあった時にはこの人に私の話を聞いてほしい」「この人に何かあった時には私が助けになってあげたい」
このような色んなプラスの感情が出てきます。

つまり相手の存在意義を認めて必要であり大切な人となり信頼関係が生まれるのです。

自分が真剣に話しているのに、携帯をいじりながらなんとなく聴く人。

一方で目を見て理解しようしながら聞く人。

どちらが信頼できるかといえば一目瞭然ですよね。

親身になることでどんどん人間関係が良くなるのです。

適切なアドバイスができる

傾聴することはアドバイスは必要としません。

ただ聞いてあげることが目的ですので、そこでアドバイスをしてしまうと傾聴ではなくなってしまいます。

しかし相手があなたに「どうしたらいい?」とアドバイスを求めてきた時には、あなたが考えるアドバイスを返してあげることが必要になります。

先ほどの失恋話で考えてみましょう。

ただ失恋したという話をなんとなく聞いていた場合は、そのアドバイスなんて人並みのことしか言えないですよね。

「時間が解決してくれるよ」「男なんて他にもいっぱいいるよ」「たくさん泣いてすっきりしてね」なんて、誰にでも当てはまりそうなことしか言えないですよね。

でも傾聴していたらどうでしょうか。

この人はどんな恋愛をしてきたのか。

そしてどんな別れ方をしてしまい、今どんな気持ちでいるのか。

これらを理解しているわけです。

失恋にも様々な形がありますが、この場合の形をきちんと見極めることができているのです。

だから相手にあった適切なアドバイスができます。

「まだ諦めないでもう少し頑張ってみてもいいと思う」「あの彼は今は何もしないのが一番だと思う。

その間にあなたも少し視野を広げてみて1年たっても好きだったらもう一度アタックしてみるのはどうかな」など。

具体的で適切なアドバイスが浮かんでくるのです。

もちろんそれが正解かどうかはわかりません。

しかしありきたりではない具体的なアドバイスができるのは良いことですね。

信頼関係ができる

先ほどの人間関係が良好になることでもお伝えしましたが、傾聴することで信頼関係ができます。

そしてそれは深いものとなるでしょう。

信頼とは、字の通り相手を信じて頼ることです。

自分の話を自分のことのように真剣に聞いてくれる人に対して信頼感を抱くのは当然ですよね。

この人なら自分の話を真剣に聞いて受け止めてくれる。

少し恥ずかしい話でも、情けない話でも話してみよう。

信じてみよう。

そう思うことができるのです。

今までは上辺だけの付き合いであった人とも、傾聴することで関係は深くなります。

そしてお互いの信頼関係がうまれて良好な関係を築いていくことができるのです。

話し手

続いては話し手のメリットです。

傾聴してもらう側にも大きなメリットがあります。

傾聴してもらうことでどんな良いことがあるのでしょうか。

具体的なメリットについてみていきましょう。

自分自身に対する理解が深まる

傾聴をしてもらうと、一人で考え込むよりも自分自身を理解することができます。

これは一度誰かに話すことで物事を客観的に考えることができるからです。

考え事をする時って頭の中がごちゃごちゃしていますよね。

だから解決策が見つからずに余計に混乱してしまうことがあるのです。

でも人に聞いてもらう時って上手に頭の中を整理しながら話すことができるのです。

さらに傾聴とは、相手が自分の言葉を繰り返して聞いてくれる場合が多いので、自分で言った言葉を相手がもう一度復唱してくれます。

そうすることで客観的に整理された状態で話を頭に入れていくことができるので、話し終わった時に自分自身のことをより理解している状態になるのです。

相手が何もアドバイスをしていないのに、話しただけで自分で解決策を見つけることもできてしまいます。

承認欲求が満たされる

誰かに何かを話す時は、誰しもが承認欲求というものを持っています。

これは「自分のことを認めてほしい」という気持ちです。

この気持ちがない時にはそもそも人に話をするということをしません。

今SNSが流行っているのも承認欲求からくるものといえるでしょう。

今日あった出来事などをSNSにアップして人から「いいね!」をもらうことで自分が認めてもらえたような気持ちになるのです。

その欲求を満たすために、カワイイ画像を撮影するのに必死になっている人が多いのです。

傾聴をしてもらうと、自分の話すのすべてを受け入れてもらえます。

そうすると承認欲求が満たされてとても良い気持ちになります。

「私は認めてもらえた」「私のことをわかってくれた」その承認してくれたことが嬉しいのです。

物事が解決していなくても承認してくれる人がいるという事実だけで話し手にはメリットになるのです。

判断力が身につく

頭が整理されてない時や悩んでいる時は、正常な判断ができなくなることがあります。

あとで落ち着いて考えた時に「なんであんなことしたんだろう」と自分でも不思議になることってありますよね。

会社で凄く嫌な上司がいて、傷つくことを言われたとしましょう。

家に帰って悔しくて涙しますよね。

そうするとすべてが嫌になってしまい、勢いで辞表届を書いて提出してしまったりします。

ついでに社内恋愛していた彼とも別れたりと思い切った行動に出てしまうこともあります。

これは正常な判断ではないですよね。

勢いでしてしまったもので、判断力がなかったのです。

もし傷ついた日に傾聴してくれる相手がいたらどうでしょうか。

嫌な上司のことや、言われたことを聞いてもらうのです。

一通り話すとすっきりしますよね。

そして「あんな器の小さい上司の言うことなんて受け流せばいいんだ」と思えます。

今は会社を辞めるべきではないこと。

つまらない人のせいで大切な彼と別れる必要はないことに気付くことができるでしょう。

これが正常な判断です。

傾聴してもらうことで判断力を身に付けることができます。

だから間違った判断で後悔することもなくすことができるのです。