問題とは解決可能だからこそ、問題として認識されるのだ、という言い方があります。

これが間違っていると証明するのは大変だと思います。

そんなことにトライするよりも、これを肯定的に捉え一つでも問題を解決するようしたほうが、明らかに有意義でしょう。

それよりもまず問題を正しく認識する能力が大切です。

それには豊な感受性や、達成したいと思うヴィジョンを持っていることが必要になります。

社会問題だと思う8個のこと

人間の活動に起因して起こる問題は、個人的問題も含めすべて社会問題と捉えてよいと思います。

これから21世紀の日本をめぐる代表的な問題を、取り上げ考察を加えていきましょう。

1.地球温暖化

環境問題は地球規模の問題である一方、それに対してどう生きるべきかという社会的な問題を問いかけてきます。

地球温暖化と聞いて思い出すのは、「不都合な真実」の出版など環境保護活動での功績により、ノーベル平和賞を受賞したアメリカのアル・ゴア元副大統領です。

彼は、環境保護を先頭に立って唱導しつつ、その一方で上流階級にふさわしいバカでかい豪邸に住み、エネルギーをバンバン消費する生活をしているわけです。

温暖化が本当に爆発的に増加した人間活動の結果なら、今後はこういう生き方をどう評価するのか、という問題がいやおうなく重みを増すことになります。

人口13億のインド人が今のアメリカ人のエネルギー消費水準に達することは、永遠にないそうです。

地球にはそれだけの資源が存在しないからです。

どのように環境問題に接しつつ生きるべきか、生活スタイルを考える上での参考にすべきだと思います。

1.南極の氷が溶け海面が上昇


海面上昇の原因には、南極の氷だけでなく、グリーンランドやその他、陸上の氷河や氷の消失も、大きな影響を与えているそうです。

氷は太陽光を反射します。

その氷が減少すれば、地表はどんどん太陽光を吸収し、地熱を蓄えてしまいます。

これは二酸化炭素濃度の上昇と同じように、温室化効果をもたらします。

それがさらに氷を溶かす悪循環に陥ります。

そして海水の膨張をもたらし、最終的に海面が上がってしまうことになりなす。

2.夏期の気温上昇が進んでいる

気象庁のデータによれば、日本の夏期(6~8月)の気温は上昇傾向が続いています。

しかし100年あたり1.09度のペースということですから、これを聞く限りでは、大して上昇しているようには思えません。

しかし昔より熱くなった、と中高年の人たちが口をそろえるのはなぜでしょうか。

これは基準値からの偏差が大きい年、つまりめちゃくちゃに熱い年が増えたからに違いありません。

気象庁によると、2010年、1994年、1978年、2013年、2011年が、最近の熱い夏ベスト5だそうです。

1994年のことはよく覚えています。

筆者は埼玉県に住んでいました。

家から武蔵浦和の駅までわずか5~6分歩くだけで、ハンカチはびしょぬれになってしまいました。

この夏はハンカチを2~3枚持参して外出したものです。

2.難病が増えている


現在では、日本人の2人に1人がガンになるそうです。

これはガン以外で亡くなる人が大きく減少したため、ということも影響していそうです。

診断技術の進歩や、内視鏡など治療技術の発達により、開腹手術をしなくても、脳や心臓などの重大な疾患の治療が可能となりました。

患者の負担が減り、助かる率が大幅に増えているのです。

その結果、ますますガンに注目が集まるとともに、これまであまり知られていなかった難病にも、スポットライトがあたるようになりました。

1.なかなか治療法が見つからない

珍しい難病にまで、世間の耳目が集まるようになったことは、非常によいことだと思います。

原因の解明をしようという意欲を刺激するからです。

最近ではレディーガガが、「線維筋痛症」という聞きなれない病名を公表しました。

骨折しているのと同様な強い痛みが出るそうです。

しかしこれによって、この病気に対する理解は深まるでしょう。

そして治療に取り組もうとする医師や研究者の志を、大きく刺激するに違いありません。

とにかく一つ一つ立ち向かっていくことが大切です。

3.少子高齢化

高齢者の方々が、みな長生きすることに何の問題もありません。

日本の平均寿命は延び続けています。

ですから少子高齢化という場合、問題は少子化の方がより大きいことは明らかでしょう。

政府は2007年から少子化担当大臣をおいて、この問題に取り組んでいます。

しかし出生率は、一向に上向いていません。

それから10年経過した今となって、教育の無償化が課題にのぼっています。

自民党は消費税10%への増税分を、高校無償化に使う、と言い出しています。

ここまでやれば、ようやく出生率増加の軌道にのってくる可能性も出てきそうです。

一方高齢者にとって最大の問題は、平均寿命より健康寿命を延ばすことです。

平均寿命世界トップクラスへのこだわりはむしろ捨てた方がよいのでは、と考えています。

介護期間が延びるだけでは本末転倒になってしまうからです。

1.介護職員が少ない

確か鳥取県か島根県だったとおもいますが、介護士養成学校を取材したドキュメンタリー番組がありました。

その学校を卒業した若い介護士たちは、ほとんど東京へ向かいます。

地元にはほとんど職がなく、東京にはそれがあるからです。

東京へ行った彼らはどうなるのでしょうか。

人手不足の割りには、介護士の待遇はよいものではありません。

一方でベネッセなどの介護企業は大きな利益を挙げています。

サービス業のくせに、労働分配率は極めて低いのが特徴です。

今の待遇レベルでは介護士が東京で結婚して所帯を持つのは、至難の技といってよいでしょう。

それに地方の介護士養成学校が、東京の老人のためにあるという状況も、どうもしっくりしません。

人数合わせだけでは解決しない問題ではないでしょうか。

2.国の医療費制度が破たんする?

健康保険の総支払額は、毎年右肩上がりに増加しています。

これは高額の先進医療にも保険適用されるケースの増えたことが、原因の一つとされています。

たとえば高額のガン治療薬「オプジーボ」を使用すると、治療費は跳ね上がります。

オプジーボの薬価は、今年から半額に引き下げられましたが、国際的にはまだまだ高いようです。

ところで最近のテレビコマーシャルは、保険会社のそれが全盛を極めています。

自動車保険、がん保険、それに医療保険も目立ちます。

健康保険との補完として考えている人が、増えているのではないでしょうか。

4.年金問題

マスコミで取り上げられる年金問題は、常に破たんの恐怖をもって語られています。

高齢者を支える現役世代が減り続けているという理由からです。

果たしてこれは本当でしょうか。

そのような単純な理解でよいのでしょうか。

1.納付率が下がっている

年金の納付率は、昭和の終わりから平成8年にかけては80%以上を保っていました。

それが平成14年から60%台に下がり、それ以降一度も70%台を回復していません。

最新データの平成27年は63.4%です。

厚生労働省は危機感を訴えています。

ところがこれにはからくりがあるようです。

納付率と未納者数では対象者が違うらしいのです。

納付猶予者、納付免除者、第3号被保険者(一定収入以下の配偶者など)など本来払う必要のない未納者も、納付率の分母に入れているのです。

これらを差し引くと納付率は97%近くになる、というフィナンシャルプランナーもいます。

データはできるだけピンチのように見せ、予算を引き出そうする役所の本能が見て取れます。

2.年金制度が破たんするかもしれない

年金制度は、政府予算全体の基礎的財政収支(プライマリーバランス)が均衡を保っている限り、破たんはしません。

実態は先述の通りですから、あまりおびえる必要はないのです。

恐怖を煽っているのは、財務省、厚生労働省とその意を受けたマスコミ、御用学者たちです。

国家財政は借金まみれで、破たん寸前、消費税増税は不可避といった論です。

彼らは自分たちの組織防衛と利害を最優先にしています。

日本は莫大な政府資産をもっていたり、資本収支が黒字であるなど、政府が説明しない、優良資産を保有しています。

それらを国民に嗅ぎつかれないようするのが基本姿勢です。

いつからこのようなセコい政府に変わったのでしょうか。

5.生活保護世帯の増加

生活保護世帯数は、直近の5月のデータで164万世帯ほどです。

21世紀に入り大幅に増加しましたがここ数年は小康状態です。

86万1000世帯、52%が高齢者世帯、このうちの9割は単身世帯、つまり一人暮らしの老人です。

敬老の日のニュースでは、90歳以上が初めて200万人を突破したということで、高齢化は加速する一方です。

しかしそれにも関わらず、生活保護世帯の増加がここでとどまっているということは、悪い傾向ではないような気もしますが、実際はどうなのでしょうか。

1.フリーターよりも生活保護の方が収入が良いことも

かつてNHKのサウジアラビアのレポートを見ていて驚きました。

御存じのようにサウジアラビアは金満国家です。

教育も医療もただ。

さらに若者の失業保険がすごいのです。

番組に登場した青年の失業手当は、日本円で月44万円ということでした。

彼は仲間とトヨタ・ランドクルーザーを乗り回して遊び呆けていました。

つまり最低でも50~60万円の職につかない限り、働く意味はないのです。

人生こうなったらもう終わり、これ以上あり得ないような豪華な社会保険です。

これは社会の安全装置にたよっていては、いつまでたっても独り立ちできないことの例証になります。

幸い今は好景気です。

どこのスーパーやドラッグストアでも人を募集していないところは見かけません。

働いてまず納税者になりましょう。

すべてはそこから始まります。

6.ニート問題

ニート問題は、おとなりの中国には存在しません。

日本とは社会の前提が、まったくことなっています。

中国では、家族一族しか頼る者はなく、回りは敵だらけです。

そのため周囲に働きかけ、味方を増やさなければなりません。

自己主張し、交渉を重ねることはその基本です。

そして交渉を有利に進めるため、自己を大きく見せようとします。

これは人に対して恐ろしく積極的な姿勢に見えます。

セーフティゾーンを増やそうと必死に闘っているのです。

つまり自己主張しないことには生きていけないきびしい世界です。

これを子どもたちにもたたき込みます。

英語圏も同じだと思いますが、Why?Becauseを小さなころから繰り返させます。

日本は自己主張よりも社会の調和が重視されています。

調和を乱すものは遠ざけられます。

筆者はニートたちに、中国へ旅行することを進めます。

まったく哲学的なところではありませんが、かえってその方が得るものはあるはずです。

1.ロスジェネ世代に多い

ロスジェネ世代とは、バブル崩壊後の失われた10年間、1994年から2005年にかけての超・就職氷河期に就職活動をした、現在40歳前後になる世代のことを指しています。

就職期が、不況とともに終身雇用、年功序列の崩壊していくところにぶつかりました。

その衝撃を吸収できなかった人が多かったのでしょう。

ワイドショーで取り上げる事件には、こういう中年ニートが、かなりの頻度で出てきます。

2.ひきこもりが増えている

ひきこもりを表に再び引き出すには、多大なエネルギーが必要です。

かつて戸塚ヨットスクール事件というのがありました。

自閉症、不登校、引きこもりの生徒をあずかり、スパルタ訓練を課し、死亡者や行方不明者、自殺者などが複数でて、戸塚校長以下は有罪となり服役を終えています。

生きるということは命がけということを叩き込む、その方針に対する賛否両論は、今でも続いています。

ただ引きこもりを世にもどすには、それくらいのエネルギーが必要ということだけは確かであるように思います。

7.所得格差問題

実は日本の所得格差は世界的に見れば、非常に小さいのです。

新入社員と社長の給与格差が最も小さい国と言われています。

よその国は、親の総取り状態です。

発展途上国ともいえないような最貧国では、先進国からの援助物資は、役人が独り占めして売りさばくようなことも普通です。

かつての一億総中流という意識は消えても、世界標準では日本は公平な国なのです。

1.学歴や会社で人生が決まってしまう?

アメリカの名門ハーバード大学の学費は、年700万円ほどかかるそうです。

もはや富豪の子弟でないかぎり入学できません。

大金持ちのサロンを再生産しているだけのようです。

やがて名前だけの存在になりそうですね。

ヨーロッパでも10代の早いうちから、進学校と職業学校に分かれます。

また中国と韓国における大学受験の厳しさは、日本の比ではありません。

どこの社会も教育問題を抱え込んでいます。

日本の流動性はこれでも高い方なのです。

確かにメガバンクや大手総合商社に就職しようと思ったら、従来の価値観を大切にしなければなりません。

しかしそれを捨てたところから始まるものもたくさんあります。

2.シングルマザー問題

刑事ドラマを見ていると、犯罪の背景描写として、施設で育った、腹違いの兄弟、ドメスティックバイオレンスに続いて、シングルマザーも、定番のようによく出てきます。

健気に頑張っているシングルマザーが犯罪に巻き込まれるパターンです。

しかしこれだけがシングルマザー問題の本質とは思いません。

シングルマザーが頑張れば頑張るほど、子供には痛々しさが伝染してしまいます。

そして子供らしい伸びやかさを欠くようになります。

こうした子供側の視点も検討すべきだと思いますが、誰もしていないようです。

8.ブラック企業問題

今をときめくユニクロも、かつてはブラックでした。

筆者は元ユニクロの店長という人にお会いしたことがあります。

彼は2000年代に大卒で入社したそうです。

同期生は60人程度ということでした。

株価が高かったので、将来性が高いと見込み選んだそうです。

ところが労働環境は、あまりにもひどかったといいます。

店長になるとまったく休みがとれない上、閉店後も10~11時まで、発注や在庫整理に追われていたそうです。

最も忙しい12月末~正月にかけては、従業員はみな死んだ魚のような白目になってしまったといいます。

点滴を打って頑張ったエピソードも聞かせてくれました。

今では同期生は数人しか残っていないそうです。

完全に使い捨てだったのです。

もちろん徐々に改善されていき、今は障害者の採用でも高い評価を受けるようになっています。

1.長時間労働の横行

小売業やサービス業などの現業部門では、今どき残業代未払いというケースは少ないのではないでしょうか。

運送業ではヤマト運輸が今になって過去の残業代を支払っています。

しかし今でも店長や副店長など幹部が、無償で行っていることは多そうです。

店長が残業代のつかない経営職かどうかも問題となっています。

ユニクロのように会社そのものの発展、労働環境改善の見込みがなさそうなら、見切りを付けさっさとやめましょう。

2.過労死することも

電通は、新入社員の自殺事件により法人として起訴されました。

裁判では社長が出廷し、謝罪しています。

現在は午後10時以降の残業は禁止だそうです。

それで社員たちは仕事ができない、と戸惑っているということです。

どこまでワーカホリックなのでしょうか。

商店や運送などの現業部門と違って、ホワイトカラーの多くは、使命感に燃え、残業代なしでやっていることが多いのです。

サラリーマンの鏡のようですが、ここに欧米とは違う決定的な問題があります。

日本企業は、単に効率が悪いだけなのです。

どの業界もここに手を入れようとはしないようです。

社会問題は増えている

昨今では、これまでなら問題とされていなかったことが、新たに問題として浮上してきています。

これはよいことです。

インターネットの恩恵で個人でも情報発信が可能となったことが大いに影響しているでしょう。

何しろこれは歴史上、初めての事態なのです。

大きな戸惑いもあったのは当然です。

反動をこなして消化する時間が必要でした。

1.社会が複雑化している

インターネットの出現により社会は変化し、その最終形と思われるスマホの登場によって、モノや情報の動く方向性が一定ではなくなりました。

思いがけない方向に飛び、本人の預かり知らぬところで火の手が上がり、素人でも大炎上するような事態がたびたび起こっています。

インターネットの発達は、取引の合理化、簡素化には大きく貢献しました。

しかしその一方で、新たなスマホやSNS依存症を生む、など社会の複雑化にも一役買っています。

2.社会問題が増える原因

社会問題が増えているのはなぜでしょうか。

社会を見る視野が変化したことが挙げられます。

ドローンによる空撮では、固定カメラでは得られないアングルの画像を見ることができます。

それと同じように、ネットの世界は、あちこちの出来事を集約し、新しい視点を提供できます。

それも個人レベルから発信できるのです。

1.個人主義の蔓延

欧米式の個人主義が日本に蔓延しているとは思いません。

アメリカの犯罪者は、派手なカーチェイスで警察から逃げ切ろうとします。

警察はいとも簡単に銃撃を浴びせます。

犯罪者は強い意志を持って悪人として生きる道を選んでいます。

裁判でも徹底的に抵抗します。

日本の個人主義者は、ここまでの覚悟のある人はほとんどいません。

実はまだまだ温かみを備えた社会です。

斜に構えているだけの人が多いのです。

個人主義者気取りはやめておきましょう。

2.人間関係の希薄化

現代社会においては、余計なことには首をつっこみたくない、という傾向が確かに進んでいるようです。

両親や親戚などのごく狭い地域社会が担ってきたことを、直接関係ない第三者である自分が、なぜ引き受けなくてはならいのか、というようなうっとうしさを感じているのだと思います。

家族の希薄化こそ問題の根源ではないでしょうか。

3.社会への無関心

日本人は国際的に比較すると、決して社会に無関心な国民とは言えません。

さまざまな意味において、社会に期待しているところが大きいからです。

たとえばお隣の中国人は、すべて自分で交渉して解決を目指します。

選ばれた人格者が正しい方法で社会を導いていくべきだ、などは考えていません。

まるで関心がないのです。

日本人は無関心を装いつつ、社会に凭れかかっている感じが強くあります。

社会に頼らず、自分が社会を変革させてやる、といった気概が欲しいところです。

3.社会問題を解決するための団体も増えている

1998年、特定非営利活動促進法が施行されました。

特定非営利活動を行うことを主たる目的とする団体に法人格を付与することで、自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促すための法律です。

保健、医療、社会福祉、まちづくり、学術、文化、スポーツ、環境、災害、人権、男女共同参画などに関する非営利活動が対象です。

認定されたNPO法人の数は2011年の改正法以来急速に増加し、2011年の198法人から、2017年には1021法人に増えました。

いずれも何らかの形で社会問題の解決を志向し、具体的な手段を提示しているのでしょう。

まとめ

すべての社会問題にコミットし続けるのは難しいです。

興味を持ったことのある社会問題の中から、自分の課題にふさわしい問題に絞って、継続的に関心を向けていきましょう。

そうしているうちに、あなたが問題解決のキーマンになるかもしれません。

ネット時代には決してあり得ないことではないと思います。