あなたは、飄々という言葉を使いますか?
または使われている場面に遭遇したことはあるでしょうか?
そもそも、飄々ってどう読むかご存知ですか?
「ひょうひょう」と読みます。
飄々ってどういう意味があるのでしょう?
また、この言葉はどんなときに使われるのが一般的なのでしょうか?
そんな言葉、聞いたことも無いという方は、是非この機会にこの言葉を覚えて使う機会があれば使ってみるのも良いですし、もし今まで聞いたことがあっても意味がわからず会話にいまいち集中できなかったという方は、理解することで今後もし同じような場面に遭遇した場合でも、もう大丈夫ですよね!
飄々の意味とは
飄々の、「飄」という漢字ですが、音読みですと「ひょう」と読みますが、訓読みの場合は「つむじかぜ」と読みます。
ですので、「飄」の持つ意味は、急に舞い上がる風を表したり、風にひるがえって何かが舞う様を表現します。
それが転じて、浮かれ遊ぶ様、気まぐれなどの意味を持ちます。
飄々という言葉の意味は、風のように捉えどころの無い様という意味で、ぶらぶらとあてなくさまよったり、掴みどころが無い人の様子を言います。
風が吹く音
諸説ありますが、風が吹く音が転じてこの言葉になったという説もあります。
風の音は、一般的に「ひゅーひゅー」と表現されることが多いですが、このヒューヒューという音が飄々という言葉に変身したという説です。
飄々の飄という漢字には、風という文字が使われているので、風に関係している様であることは間違いありませんね。
風に吹かれてひるがえる様子
風に吹かれて舞う花弁はなかなか掴むことができません。
このように、風任せにあてどなくふわふわとしている花弁のような状態を飄々としていると表現します。
地に足をしっかりつけるのではなく、気まぐれに吹かれるままに、自然に任せてというイメージが思い浮かびます。
当てもなくぶらぶらさまよう様子
飄々とという言葉は、人にだけ当てはまる言葉というわけではありません。
動物や植物、物体に対してもこの言葉は使われることがあります。
例えば、紙飛行機が風任せにふわふわ舞っている様も「紙飛行機が飄々と飛んでいる」と表現できます。
あても無くぶらぶらさまよう様子については、どちらかと言えば人に対して使う言葉かもしれませんね。
とらえどころがない様子
あなたの知り合いの中に、「本心がわからない」「何を考えているのかいまいちはっきりしない」というような人はいませんか?
そう言う人はまさにあなたにとっては「飄々としている」ように映ります。
掴みどころが無い人を表現するのには、「風まかせ」の意味を持つ「飄々としている人物」というのはぴったりな言葉です。
人の性格に対して
人の性格を表す言葉として「飄々とした性格」というように表現することがあります。
掴みどころが無いとか、何を考えているのかわからないというような人に対しての表現ですので、決して褒め言葉として使えるとは言えませんね。
しかし、悪口と言うわけでもありませんので、「あなたって飄々としているわね」と言われて、本当に飄々としている人はそれで気分を害することはありません。
自分のことをどう言われているかをさほど気にしないので「あ、そう」という感じです。
世間とズレている感じ
天然というとまた少し違った意味になるのですが、少し世間とずれている方を飄々としていると表現することがあります。
わかりやすい言い方ですと、マイペースというようなイメージでしょうか。
ふわふわとしているのですが、人のいいなりになっていると言うわけではないのです。
また、世間とずれているといえば、世間知らずと表現される方もいます。
多くは、おぼっちゃま育ち、お嬢様育ちの方に対して表現される言葉ですが、飄々としている人は別に世間を知らないというわけではありません。
むしろ、世の中をよくよく観察していて自分がその中でどう生きるべきか見極められることができる人が多いです。
飄々の使い方
それでは具体的に、「飄々」と言う言葉の使い方をみていきましょう。
最近ではあまり使うことが無い言葉ではありますが、知っておくと便利ですし損は無いので、どんな例文があるのか一つずつ分析して行きます。
飄々と雪が降っている
通常雪を表現する言葉は、「しんしんと」という言葉を使うことが多いのですが、「飄々と雪が降っている」というような表現では、雪が風に舞いながら降っていることをイメージさせます。
降雪量自体は多くなく、ふわふわと風に舞うような雪の降り方で、積もるタイプの雪ではありません。
飄々と鳴り続ける風
この文面のようなパターンで使われる「飄々」は、音をあらわしている場合です。
びゅーびゅーという風ではなく、少しきつい風で、ひゅーひゅーというイメージでしょうか。
飄々とという言葉の後に「鳴る」という動詞が使われているので、この場合の飄々は音を表現するのに使われていると判断できます。
川に葉っぱが飄々と流れている
川に葉っぱを流して、どこまで流れるかとか、誰の葉っぱが早く下流に行きつくかなんて遊んだ経験はありませんか?
川に葉っぱが流れている様子は、その葉っぱがどこに向かうのか予想できない、どんな状態かわからないという不安定なものです。
川に葉っぱが飄々と流れる様子は、まさにこの不安定な状況を上手に表現できている言葉です。
ピアノの音が飄々と流れている
飄々と言う言葉のイメージをだんだん理解して頂けたと思いますが、いわゆる「激情」や「怒涛の」といったイメージとは程遠いことがわかります。
ピアノに限って言えば、楽器ですから荒々しいメロディもあれば、優しいイメージの曲もあります。
ここでいう、ピアノの音が飄々とというのは、どこかからかピアノの音色がポロンポロンと聞こえてくるというイメージになりますね。
ただし、楽器の音色に対して「飄々と」と言う言葉を使うことは滅多にありません。
いつでも飄々とした態度
飄々と言う言葉は、音をあらわすだけでなく、人の様子や感情を表すこともできる言葉です。
例えば、飄々とした態度という場合はふわふわとどこか掴みどころの無い、マイペースで何を考えているのかわかりにくいというようなイメージが思い浮かびます。
飄々としている人は、大勢でつるんでいるとか、常に人に囲まれているというイメージはありません。
どこか一匹狼的な存在である人が多いですね。
落花飄々
落花というのは、文字からも想像できますが、花びらが落ちて行くことを言います。
これに飄々と言う言葉がつくことで、花がふわふわと風に吹かれながら、自由に不規則に散り行く様を表現しています。
飄々とした性格の特徴
それでは、ここからは、飄々と言う言葉でも人の性格を表す場合の表現方法としての飄々をみていきましょう。
飄々とした性格の人って、一体どんな人のことを言うのでしょうか?
言葉の持つ音(読み方)からもなんとなく想像できるかもしれませんが、「掴みどころの無のない人物」というのが最大の特徴です。
自由に生きている
自由という言葉ですが、実はこの自由も奥が深い言葉です。
自由に生きているからといって、気ままに生きていると言うわけではない人もいます。
飄々と生きていると表現されるような人物は、一見何も考えてないようにとらえられがちですが、そんなことはありません。
いつでもマイペース
風にふかれるようにとか、きままにというイメージが想像される「飄々」ですが、優柔不断というわけではありません。
ですので、飄々とした性格の方は、一見誰にでもなびくようなイメージを与えがちですが、そうではなくてマイペースな方が多いのです。
【マイペースな人については、こちらの記事もチェック!】
ひとりでも全然平気
飄々としている方は、一般的に大勢とつるんでいるのが苦手です。
マイペースでもありますので、何かを行うにしても一人でささっとやってしまう人が多いです。
女性の中には飲食店に一人で入って食事ができないと言う人もいますが、飄々としている人はそういうことも全く平気でこなしてしまいます。
受け流す能力が高い
飄々としている方は、人の話を聞いていないというわけではなく、面倒なことが嫌いです。
ですので、何か自分にとって興味が無いことや不穏な話題を持ちかけられた際に真剣に聞いてしまうと巻き添えをくらうので、スマートに受け流すことができます。
それも嫌みなく、さらっと別の話題に変えるなど、受け流す能力が大変高いのが特徴です。
本音が見えづらい
ここまでお読みいただいた方は、何となく飄々としている人がわかってこられたかと思いますし、ご自身の周りにこのような人がおられる場合は、その方をイメージされている方も多いと思います。
お気づきの方もおられるでしょうけど、飄々としている人って本音がなかなか見えません。
掴みどころが無いと言ってしまえば簡単ですが、ようするに何を考えているのかわからない人が多いのです。
物事に動じない
飄々としている人は、何事にもあまり慌てふためくことがありません。
かといって率先して解決してくれるわけではありませんが、確かに物事に動じないという傾向にあります。
ですので、何かトラブルが起こってもやるべきことをとにかくしなければ何もならないということを心得ているので、自分が今やらなければならないことを瞬時に理解して、誰の意見に惑わされること無くマイペースに解決していきます。
人に流されない
飄々としていると表現される人は、その言葉のイメージとは逆に、人に流されるというわけではありません。
自分というものをきちんと持っている方が多いので、人の意見に左右されることはあまりないのです。
毒っ気がない
飄々としている人って、どこか不思議な空気を醸し出しています。
ですが、毒っけがあるわけではありません。
逆にものすごく親しみを感じるというわけでもないので、嫌みが無い・親密さも感じないという点では、やはり独特の雰囲気があると言えます。
無理に人に合わせない
飄々としている人は、人に流されることが無いので人に合わせることはまずありません。
もちろん、自分と同意見である場合は賛同しますが、自分の意にそぐわない場合は無理してその場に合わせようとはしません。
それが逆に空気が読めないというように言われてしまうこともあります。
ただし、他人にどう思われようが全く気にしないといのが飄々としている人の特徴です。
ですので、他人の悪口を自分自身も言うことはありません。
他人のことに首を突っ込まない
飄々としている人は、そもそも他人にさほど興味がありません。
自分にものすごく興味があるかと言えばそういうわけでもないのですが、他人のことに首を突っ込むことで面倒なトラブルから遠ざかりたいと言う意識が働きます。
芯を強く持っている
飄々としている人は、マイペースでもあるので自分のポリシーと言うものをきちんと持っている方が多いです。
芯の強い人であるとも言えますね。
飄々とする、風になびくように生きているということは、逆に言えば自分をしっかり持っていなければ自分を見失うので飄々と生きることができません。
どうにかなるさ精神で生きている方が多いですが、そういう想いになるにはまずは自分というものをしっかりと持っている必要があります。
あっさりしている
飄々としている人は、わりとあっさりした人が多いです。
人づきあいも広く浅くの付き合いを徹底している方が多いですし、面倒なことにも首を突っ込んで熱くなることはありません。
お節介も必要以上にしませんし、まったく人の世話をしない人もいます。
でも、それで人間関係を上手に楽しんでいる方もたくさんいます。
深入りしないので、そこが心地よいとされるのか友達は多いように思います。
飄々の意味、理解できましたか?
さて、あなたは飄々の意味や、飄々としている人がどんな特徴を持つのかおわかりいただけましたでしょうか?
現代ではなかなか「飄々としている」という言葉を使う場面は少なくなりましたが、知っていて損することはありません。
何かの会話で出て来た時に、想像することができて相手との会話を楽しむこともできますものね。
あなたのまわりには、飄々としている人、いましたか?
もしかして、あなたご自身こそ飄々とした人間と言えるのではないですか?
「私ってもしかして、飄々と生きているのかな?」と思われた方がおられるかもしれませんね。