ヴィンテージという言葉の意味は「知恵蔵」をみると、年代もののこと。

ただ古いだけでなく、年月を経て程良く味わいがでたものを指し、その代表は、ジーンズや老舗ブランドのアンティークなど。

本来は、ブドウの当たり年に作られた上質ワインを意味する。

となっています。

朝日新聞記者の解説ということで、一番簡潔にして、日本の実態にマッチしているように思います。

このような認識を基本として、ヴィンテージものとその愛好者の現状を、のぞいてみましょう。

️ヴィンテージほど価値が出る18個の商品

ジーンズ

NHKのドキュメンタリー番組で、究極の中古ジーンズ探しを取り上げていました。

それはアメリカの金鉱の跡において、今でも行われています。

かつての採掘坑を進み、目を付けたところを掘り返します。

すると土と同化したような古いジーンズが見つかることがあります。

それは19世紀に一攫千金を求め、盛んに活動していた荒くれ男たちの遺品というべきものです。

アメリカでは1948年にカリフォルニア州で、ゴールドラッシュが起きます。

1949年にはドリーマーたちが殺到し、彼らは49erと呼ばれました。

現代のプロアメリカンフットボール(NFL)のサンフランシスコ・フォーティナイナーズの名前は、彼らに由来しています。

今に残るほど強烈に、アメリカ人の遺伝子に残る出来事だったといえるでしょう。

金は産出しなくなっても、今は当時のジーンズが新たな金脈になっています。

原型を為していなくても数十万円の値がつくこともあるそうです。

これをヴィンテージと呼ぶかどうかは疑問ですが、ジーンズは使い込めば込むほど、味の出る商品の代表です。

今では新品のときから、ダメージ加工をするのが主流となっています。

ギター

ヴィンテージギターは少し具体的に調べてみます。

ビートルズの使っていたエレキギター、アコースティックギターから。

リッケンバッカー/325 48万3840円 
エビフォンカジノ    20万円前後(1965年バージョン)
ギブソンJ-160E30~35万円(1962年バージョン)
次は、「世界三大ロック・ギタリスト」の一人、エリック・クラプトンの使用エレキギターから。

フェンダーアメリカンヴィンテージ 16~20万円
ギブソンレスポールスタンダード 40~90万(1959~1960年バージョン)
価格はいずれもイシバシ楽器。

レジェンドたちの使っていたギターは、やはりなかなかの値段で取引されているようです。

ヴァイオリン

ヴァイオリンといえば、音楽界を突き抜けて一般の人にまで知られているのは、ストラディバリウスで決まりしょう。

イタリアの楽器製作者、アントニオ・ストラディバリは、2人の息子とともに1100以上の弦楽器を作成しました。

そのうち約600が現存しているそうです。

製作した時代は17世紀後半から18世紀前半、日本は江戸時代に当たります。

現代でも演奏家、収集家の羨望の的として億単位で取引されています。

最高額は2011年6月に落札されたストラディバリウス『レディ・ブランド』で12億7400万円でした。

日本のヴァイオリニストでも自宅を売却して、数億円払って購入した人もいるようです。

企業や団体が所有し演奏家に貸し出すケースも多いようです。

なぜかストラディバリウスという名には、熱狂がついて回っています。

スニーカー


ヴィンテージスニーカーのマーケットは、熱気が少し下降しているということです。

スニーカーは経年劣化の激ししい商品で、1980年代90年代はもとより、2000年代でもヴィンテージ入りするモデルがあるそうです。

比較的新しい、これが他のジャンルとの大きな違いです。

したがって寿命は短く、値動きも非常に忙しくなります。

例えばナイキの「エアジョーダン1」青黒モデルは、かつて10万円以上していたのが今は半額以下に、同じくナイキの「ミエカ」というランニングシューズは、ピーク時の7~8万円から、2万5000円くらいに下がっているといううことです。

ファンの要望に応えて復刻モデルを発売すると、想定したほどは売れず、中古の価値も落ちるというダブルパンチも繰り返されました。

またネットオークションの発達により、ヴィンテージショップでも、ネットの取引価格を参考にせざるを得なくなりました。

店側にとっても面白みは減っています。

さらに10代20代の若い世代は、価値観が最初から違っているといいます。

彼らは人気モデルを手に入れると、すぐにメルカリなどで売ってしまいます。

所有することにはあまり重きをおかないのです。

どうやら保守的で気取った従来型ヴィンテージショップでは、もうやっていけなくなる時代が、目前にせまっているのではないでしょうか。

スカジャン

スカジャンとは第二次大戦後の連合国占領時代、横須賀に駐留したアメリカ軍兵士が、自分たちのジャンパーに和風の刺繍を別注したのが、その起源とされています。

スカとは横須賀の須加ではないかという説も有力です。

上野アメ横で、ジャンパーをずらり並べたカジュアルショップのイメージです。

サテンや別珍などの光りもの素材に、鳥の刺繍を施すのが定番です。

昨年には展覧会も開かれました。

予想外の人気になったため、当初の会期から延長されたそうです。

こちらの方は下降気味のスニーカーより、熱気を孕んでいそうです。

ヴィンテージショップでは5~10万円、ヤフオクでは1~5万円くらいのものが主力の価格ゾーンになっているようです。

レザージャケット

1990年代までは、総合スーパーの衣料品売場でさえも、レザージャケットを品揃えしていました。

2万9800円~59800円くらいまでの価格ゾーンでした。

3万9800円以下ならお値打ち感が強く、当時はよく売れたものです。

アパレルメーカーにはレザーだけの担当部長が存在していました。

それが筆者の中国に駐在するようになった2000年代に入ると、韓国系のレザー工場が夜逃げしたぞ、という話を何回も聞くようになりました。

この間にレザージャケットは、専門店アイテムへと大きく縮小したのです。

これはユニクロ急成長の時期と重なります。

服にお金をかけなくなった時代の象徴でもあったのです。

ネット通販のビンテージ革ジャンをみると、1万円から15万円までさまざまな値段で販売されています。

昔の革ジャン全盛時代を知っている世代からすると、あまりヴィンテージ価値が付加されているようには思えません。

次のブームまでコーヒーブレイク中なのかも知れません。

ワンピース

婦人衣料もユニクロの影響というわけではありませんが、やはりカジュアル化が大きく進んでいきました。

ブラウス、スカート、セーター、ワンピースなどフェミニンなアイテムは、20世紀後半からは、すべて売上を落としています。

増えたのは、カットソー、シャツ、パンツといったアイテムです。

したがって古いワンピースをみると、昭和映画の世界に入ったような感覚におそわれることがあります。

ネットで見る限り、ヴィンテージのワンピースの取引価格は、あまり高価ではないようです。

映画「風と共に去りぬ」風の、アメリカ南部の大農場主の奥さんが着ていそうなクラシックなワンピースでも、1万円程度で販売されています。

時計

古い時計には、アンティーク時計、ヴィンテージ時計という言い方があります。

アンティーク時計には、日本アンティーク時計協会による定義があります。

デジタル時計が現れる前の機械式時計、という意味と、50年を経過したもの、という二つの意味を含ませているようです。

これに対してヴィンテージ時計とは、スイスに星の数ほどあった小さな時計メーカーで製造された、未使用の時計というしているサイトがあります。

しかしこの定義にかかわりなく、カルチェなどの中古ブランドをヴィンテージと称し、販売しているサイトも一方にあります。

まあそんなに厳密に考えることもないのでしょう。

品のよい中古時計の似合う人間を目指せばいいのだと思います。

オーディオ機器

ヴィンテージオーディオ機器とは一般に、管球アンプ、真空管アンプを使用した古きよき時代のスピーカーを中心として、インテリアとしての存在感をも備えたもの、と定義されているようです。

中古レコードも最近とみに人気が高まっています。

オーディオ機器と連動したアナログ回帰の動きなのでしょう。

通常の新品販売店でも、中古販売を手掛けるところが増えているそうです。

マニアはやはり海外ものを好むようです。

アメリカの専門メーカー、アルテックなどで、マニア以外にはあまり知られていないところばかりです。

レコード

レコードに関しては、最近のテレビ番組で、何回も取り上げられています。

相当なブームであることがわかります。

先日も国道16号線は、中古レコードの新しい聖地、というテーマの番組は放映されました。

東京都内のおしゃれなヴィンテージショップ気取りの店より、はるかに安く買えるのが人気になっているそうです。

一方ではビートルズのアルバムが、アナログレコードで復刻されるというCMも放映さました。

オーディオ機器、レコードを合わせて、アナログ回帰ブームの核になっているようです。

カメラ

カメラは21世紀に時代が変わり、フィルムカメラそのものが消滅してしまいました。

ちょうど50年前、機械式時計が、デジタル時計にとって変わられていった状況とよく似ています。

カメラの廉価版は、スマホの一部品と化してしまい、中高級の一眼レフもすっかりIT機器っぽくなってしまいました。

そんな中、かつての名機の手触りをいつくしむ心情は、マニアでなくてもよくわかります。

実際に古いフィルムカメラには、ほとんどヴィンテージ感があるといってよいでしょう。

人気の高いはやはりドイツ製、ライカ、カール・ツァイス、ローライなど、日本製はやはりニコンを中心に、取引されています。

車のヴィンテージ、クラシックカーはなかなか一般の人に手の出るものではありません。

入り込むには生活を犠牲にするしかありません。

ところがそれをしてまで、はまり込んでいる人の多いのもこのカテゴリーの特徴です。

ところで車の業界では、ビンテージカーとクラシックカーの違いはあいまいなようです。

どちらも古くて希少価値の高いクルマ全般のことを指しています。

海外ものは大富豪の世界でしょうから、ここでは、何とか手の届きそうな日本のヴィンテージカーを挙げておきましょう。

おおむね1970年以前のものです。

トヨタ2000GT、初代トヨペットクラウン、スカイライン2000GT、いすず117クーペ、マツダコスモスポーツなどが代表的な存在です。

バイク

バイクの歴史は車より新しく、ハーレーダビッドソンがバイクらしきものを作ったのは1903年ですから、実は飛行機とあまり変わりません。

現在のオートバイの構造が確立したのは1920年代です。

このころすでにアメリカの車業界では、フォードVSゼネラルモーターズの販売合戦が繰り広げられていました。

確かに車より遅い商品です。

ヴィンテージ・バイク界では、スニーカー界と同じように復刻モデルがよく出るそうです。

実際のヴィンテージ市場で取引されているメーカーは、オーディオ機器と同様、マニアックすぎます。

もっと身近な日本のホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4大メーカーの品でも、ヴィンテージとされている名機がたくさんありました。

その中にホンダCB400Fという型を見つけました。

これはかつて筆者が中古で30万円くらいで買い、2~3年乗っていたタイプの一世代前の型式でした。

それが128~170万円くらいで取引されています。

人気のある商品を選び、大切に使うといいことがあるかも知れない、ということですね。

ワイン

ワインこそヴィンテージの語源です。

10年もの、15年ものという言い方と、1990年もの、2003年ものという言い方があります。

1990年以前は極めて高価なものが多くなります。

そして高価なものには必ず金持ちの思惑がからむため、さまざまな物語を生むことになります。

ネットでは当たり年ワイン早見表が公表されています。

年代、産地の双方から検索することが可能になっています。

家具

家具の場合にも、アンティーク、ヴィンテージという2つの言い方があります。

これにはWTO(世界貿易機関)で使われる、しっかりした定義があります。

アンティークは、製造から100年を経過した美術品、工芸品、手工芸品を指します。

これが証明されたアンティーク家具には、関税がかからないそうです。

ヴィンテージ家具はそれより新しい100年以内のものを指します。

30~99年前くらいのイメージです。

アールデコ様式、スカンジナビアン、アメリカのミッドセンチュリーなどがよく知られています。