かつて政治の世界では、保守的、進歩的というわかりやすい対立軸がありました。

保守対革新、保守対リベラルとも言われます。

日本では自民党が保守、民進党がリベラル、アメリカでは共和党が保守、民主党がリベラル、イギリスでは保守党が保守、労働党がリベラルの政党です。

しかし各国とも、党派による差異はあまりなくってきました。

利害関係がこれまで以上に錯綜した社会に対し、どちらからのアプローチでも結局やることはあまり変わらない、ということになってきたのではないか、と思います。

例えば、これまでの理解では、保守は企業フレンドリー、リベラルは労働組合にフレンドリーです。

しかし保守・共和党のトランプ大統領のやろうとした保守的な政策は、肝心の企業、しかもアメリカを代表する経営者たちから、厳しい批判を受けています。

グローバリズムを批判し、アメリカ・ファーストを掲げたたトランプ大統領とその支持者たちですが、今の事態は、アメリカがもっともグローバリズムの恩恵を受けていたことを証明しています。

️保守的な人ってどんな人?

政治的な保守とリベラルの区分は、実際にはあまり意味をなさなくなっています。

そして政治的な保守は、必ずしも保守的な人を表しているとは限りません。

ここでは政治的に保守な人の特性を、一つ挙げておきたいと思います。

それは柔軟性に富んでいることです。

政治的にリベラルな人には、社会正義の実現にこだわり、自分の主張も簡単には曲げない傾向があります。

その結果、かえって改革が進まなることが多いのです。

かつて革新政党といわれた日本社会党は、国鉄民営化、電電公社の民営化、コメの自由化、何もかも反対していました。

一方の自民党は、最近では郵政改革、道路公団改革など成し遂げて、今は農協改革に取り組んでいます。

アメリカの場合は、保守的で軍拡イメージの強い共和党政権のとき、平和な外交的手段で成果をあげ、リベラルで軍縮イメージの強い民主党政権のときに大戦争が起こる傾向があります。

第一次大戦、第二次大戦、ベトナム戦争は民主党政権のときに起こっています。

共和党政権は口では勇ましいのですが、武力を使わず、中国との国交正常化やソ連の崩壊などの外交的成果を挙げています。

いずれも保守政党は、理想に惑わされない、極めて現実的な方法を採用しています。

️保守的な人とは

つまり保守的な人とは、保守政党を支持しているかどうかには、あまり関連性はありません。

原則に忠実で頑固な人は、保守とリベラルどちらに属していようとも、やはり保守的というしかありません。

保守の価値観は大切にするものの、実際の行動は強引で革新的という人もいます。

彼らは大事な体制や人を守るためには、制約を設けていないような大胆さにも見えます。

一方には政治的にリベラルでも、理想ばかりやかましく、結局何ら行動しない人がいます。

彼らも典型的な保守的人間というべきでしょう。

見え方は違っても、どちらもやはり保守的なのです

保守的の意味

正常な状態を保つ

保守的な人は、結局現体制を肯定し、受け入れています。

改革は行っていきますが、あくまで現体制を守るための範囲でという位置付けです。

今の先進各国においては、体制変革まで目指す勢力はごく少ないでしょう。

これはロシアや中国など強権的な国家でも同じです。

国内政治は体制を肯定している党派のみによる、主導権争いに過ぎません。

これはそれぞれの国が、それぞれ正常な状態を保っているといえます。

それではテロで世界を恐怖させるイスラム国はどうなのでしょうか。

おそらく彼らは預言者ムハンマドの時代こそ、正常な状態ととらえているのだと思います。

近代国家の枠組みは必要ないどころか、理想を阻む邪魔な存在という考えでしょう。

すると彼らも超の付く保守派と理解できないこともありません。

宗教を標ぼうしている団体は、保守的な人ばかりで占められているのだと思います。

改革者と呼べるのは、教祖だけではないでしょうか。

これまでの考え方や風習を守る


保守的な人は、現体制を支えている思想や風習に、大きな価値を見出しています。

少々やんちゃだった若者も年月を重ね、リーダー格となるにしたがって、現実とそれを支える思想を肯定的に捉え、体制を守る立場に立つことが多くなります。

こうして世代を重ねて守られてきた体制は、とても強固なものとなり、そう簡単に揺らぐことはありません。

またこれは、営利企業の場合には、取引先や得意先との関係にも適用されます。

その人間関係もまた強固なものです。

ただしがらみにとらわれていると言えないこともありません。

いつしか甘えともたれあいが生じ、時代遅れに陥るリスクは常に存在しています。

急な変化や改革に反対する

橋本前大阪市長の主導した「大阪都構想」は、ぎりぎりではありましたが、住民投票により否定されてしまいました。

またイギリスにおけるEUにとどまるべきかどうかの住民投票では、予想を全く裏切って、脱EU派が勝利しました。

これらは2つとも、若い世代の投票結果とは、違った結果になりました。

結果を大きく左右したのは、高齢者たちの票でした。

大阪の高齢者は、直近の年金や福祉水準の切り下げを恐れ、構想に反対しました。

一方で、制度そのものが危うくなるかも知れない若者層は、新しい構想つまり改革に賛成でした。

イギリスの高齢者たちは、かつての大英帝国の栄光が忘れられなかったようです。

EUによる干渉や難民の受け入れを拒否しました。

若者層はグローバルリズムは自然の流れとして、EUにとどまろうとしました。

表れた形は違いますが、いずれの場合でも高齢者は、保守的な傾向を示したといえるのではないでしょうか。

しかし若者の望んだことを、高齢者がつぶした結果になりました。

これには、果たしてこれで良かったのか?という少々煮え切らない感じが残ります。

つまり保守的な人とは

つまり保守的な人を一つのイメージでくくろうとするのは、無理があります。

思想傾向は一様でなく、行動様式でも、いろいろなタイプの保守的な人があり得るからです。

実際にとても行動的な人もいます。

しかしあえて一言でということなら、どれほどパワフルでアクティブであろうと、現状の価値観に高い評価を与えている人、ということにしかならないのではないでしょうか。

ここでは、対立関係も現状の中に含まれています。

️保守的な人の21個の特徴

保守的な人にはどのような特徴があるのでしょうか。

難しいことは抜きにして、これから共通する点を探っていくことにしましょう。

安定を好む

保守的な人は、足元の安定感を重視します。

安定した社会、安定した会社を望み、相手にするのも性格の安定した人を好みます。

論争は好まず、会議は事前の根回しを重視するタイプです。

そして周囲や社会を不安定化させる要素は、正義感をもって積極的に排除しようと努めます。

あまりにその場限りの正義感にとらわれて、近視眼的な行動を取ることもあります。

そのため、ウザイと思う人の出るのは、どうにも避けられそうにはありません。

ただしそうしたマイナス面さえ出なければ、おおむね正統派の頼りになる人と評価されているはずです。

変化を嫌う

保守的な人は急な変化は嫌います。

しかし変化そのものを否定しているわけではありません。

現状が当初目指した理想形から遠のいている場合には、引き戻そうとして強い力を発揮することもあります。

ただしそれ以外の動機によって、自分から変化を求めていくようなことはほとんどありません。

あくまでも体制を守るための、必要にして不可欠な変化のみに限られます。

居心地の良さを求める

保守的な人は、家庭のみならず、会社や社会関係の全般にわたって、居心地の良さを望んでやみません。

そのために、どこにいても主流の位置を確保しておきたいという、強い意欲を持っています。

不遇な環境は自分には似つかわしくはなく、受け入れ難いものと考えています。

自分の周囲の調和を乱すものは、ひとまず遠ざけておきます。

余計なことに関わらないのが基本姿勢です。

心を開きにくい

保守的な人は、権威に従順、敏感、または弱いなどの傾向があります。

それらはときに情けなく、または堅苦しくも感じさせます。

そのため少しとっつきにくい印象を与えているかも知れません。

秩序を乱すようなアプローチは、冗談であっても受け付けられないところがあります。

したがって互いの分を守って、しっかり接することが必要になります。

相手方は、下手に出た方がよいのです。

それでも自分の価値観に照らして、相手の評価を確定するまでには、少々時間がかかります。

しかしこれは、決して他人を避けようとしているわけではありません。

人間嫌いというわではないからです。

新しいことが面倒

保守的な人は、新しいモノや出来事を評価するにも、ゆっくり時間をかけます。

何に対しても、正当な評価を望みますから、それらの評価が社会的に定着するまでは、手や口を出さないことが多いのです。

そのため臆病なように見えたり、面倒くさがりにとらえられたりもします。

何に対しても慎重な態度を崩さないように保つことを、基本姿勢としています。

すぐに弾けるタイプではありません。

臆病な部分がある

保守的な人の新しいモノに対する慎重に過ぎる姿勢は、ひょっとして臆病なのでは?という疑念を与えます。

自分が主導的立場にない、またはさっぱりわからない未知ものに対して、臆病な傾向があるのは確かでしょう。

ただし常に変化していいくIT社会についていけないようでは、これからの社会では、まったく使いものになりません。

ただしそれに恐怖し、及び腰だった人たちは、すでのオフィスから一掃されたように思いますが、果たして正しいでしょうか。

新商品より定番の品

保守的な人には、最先端のファッションに飛びつくようなイメージはありません。

ただし着るものにはしっかりお金をかけています。

いつも洋服の青山やアオキではなく、百貨店のスーツを着ている本格派の印象です。

セーターやカーディガンもワンポイントが入って、もちろんユニクロより高級なものを羽織っています。

男性ならバーバリーやダンヒルなど、保守的でクラシックなブランドがよく似合いそうです。

実際にも好きなのだと思われます。

賭け事をしない

保守的な人は、あまり強い射幸心は持っていません。

賭け事にはまるような精神的もろさのある性格ではないのでしょう。

ビジネスにおいても1発に賭けるようなイチかバチかの営業はせず、見積もりを幾つも積み重ねた提案をするタイプです。

ときに石橋を叩きすぎて、割ってしまうリスクすらありそうです。

そのため一気に成績を上げるということは、まずないでしょう。

営業マンでいえば新規開拓向きではありません。

従来の取引先をしっかり顧客フォローして逃がさないタイプでしょう。

あくまでも堅実に進めていくことを好みます。

堅実な恋愛をする

保守的な人は、恋愛でも堅実に進めていきそうに見えます。

ナンパしたされたというようなシーンからは、かなり離れたところにいるのではないでしょうか。

しかるべき人に紹介され、周囲の理解を得て、みなに祝福されて、というオーソドックスなコースを進みそうな雰囲気で覆われています。

むしろ決められたコースを望んでいるかのようです。

チャラチャラしたところはまずありません。

そのためストーリー性やドラマが感じられず、人として面白みを欠くのは避けられそうにありません。

マジョリティの意見に傾く

保守的な人は、主流の立場に身を置いて存在感を保ちたい欲求を持っています。

保守本流でありたい欲求が強いのです。

そのため節操もなく自分の意見を変えるということはありませんが、結局はいつも多数派の意見についていることが多いのです。

とくに大男と美人には、このタイプが非常に多いものです。

彼らは人目をおもいきり引き付けます。

非常によく目立つ人が、傍流のポジションでしょんぼりしている姿は、いかにも景気の悪い光景です。

本人たちがそれを一番気にかけているのです。

伝統を重んじる

保守的な人は、伝統的な考え方を時代遅れとして排斥するようなことは、まずありません。

日本伝統の形式美とその精神は、何をさておいても尊ぶべきものと考えています。

そうかといってそれに縛られているというわけではなさそうです。

重視する伝統は、いちいち選別しているようにも見えます。

要は好みに左右される問題なのでしょう。

保守的な人同士でも、意見の分かれるところです。

ネガティヴになりがち

保守的な人は、自分から積極的に状況を変えていこうとはしません。

いつでも周囲の動向を見極めてから行動を起こすタイプなのです。

全体の方向性がまだわからないうちは、行動を躊躇しています。

ときには状況が自分の理解を超え、混乱してしまうこともあります。

そうして負のモードに入ってしまうこともたびたびあります、そのため実際はそうでなくても、ネガティブなタイプに見られることになってしまいます。

心配性である

保守的な人は、最悪の事態を想定することに、とても熱心な様子があります。

慎重すぎて、あきれてしまうことさえあります。

またその姿勢が、行動を制約しているとしか見えないこともあります。

さらに心配性に過ぎるところが、傍目には面白くない人間と映ることも多々あります。

しかし周囲からの信頼感はそれなりに得ています。

それはあまりお世辞やうそはったりを言わないからに違いないでしょう。

リスクを回避する

リスクを回避する方法はいろいろありますが、基本は危険なところには近付かないことです。

そうすれば遭難することはありません。

会社においても現状を批判したりすると、じゃあお前がやってみろ、とはよくなりがちなところです。

そこで具体策を持っていないと、あわてふためいてしまうことになります。

そうしたリスクを避けるには、積極的な意見など出さないことに尽きます。

会社での地位は、上司との安定した人間関係によって保とうとするのです。

会社内の付き合いは熱心に行うタイプです。

口コミを気にする

保守的な人は、上下、左右、前後、いずれの秩序をも重んじています。

そのバランス感覚は当人の自慢でもあります。

会社では自分が安定の重しとなっていると考えています。

そのためそれを乱しかねない風評には、常に目配りを欠かしません。

もちろん自分の地位に関するものには特に鋭く反応します。

自分の行いが正しかったかどうかより、口コミの威力の方を重視しています。

貯金をコツコツ貯める

保守的な人には、マイナス金利となっても元本保証の安全な預貯金を解約しないイメージがあります。

そこで現在では、政府自身が音頭をとって、貯蓄から投資へのシフトを進めようとしています。

それにも関わらず、日本人はリスク資産を抱えることを、いやがる結果を出しています。

これは日本人全体の保守的傾向を示しています。

借金やリスク資産の増加を恐れないアメリカ人とは、決定的に違う点です。

それでいて、怪しげな投資話に騙されてしまう日本人は、後を絶ちません。

これには人生経験豊富なはずの中高年も、数多く含まれています。

こういう事態を避けるためにも、若いうちからジュニアNISAなどで投資経験を積ませよう、という政府の方針は、悪い方向性ではありません。

金融資産は元本保証の預貯金だけに限らず、できるだけ分散させるようにしましょう。

プライドが高い

プライドとは他人との境遇を比較することによって発生します。

自分の気位を保つために、有効に機能する自尊心とは異なるものです。

保守的な人は安定していて、かつ主流派としての位置を望むため、それを阻もうとする力には、敵意を向けることになりがちです。

したがって危機を感じるほどにプライドを固めて武装する、ということになってしまいます。

これは危険な兆候となりかねません。

爆発にまでは至らずとも、人格を疑われ、職業キャリアを台無しにしてしまうこともあり得るからです。

周りの目を気にする

保守的な人は、いつでも他人の評価を気にかけています。

主流派として重きを成しているという状態を何よりも好むからです。

そこからはずれるような兆候は、本能的にチェックしておきたくなるようです。

それらは周囲に対する目にはっきり表れてきます。

疑いの目を向けているのがわかります。

会社内の場合なら、公式ではないインフォーマルな動きや、給湯室の噂話にも、機敏に反応します。

穏やかな日常が何よりの幸せ

保守的な人は、心穏やかな日常を何よりも重視します。

彼らの頭では物事はあまり流動的ではありません。

アメリカ南部の保守的な人々では、これが徹底しています。

学校で進化論を教えるなら、同時に神がすべてを創造したという説も教えなければならない、と主張しています。

万能の神が、何もかも現在の通り創造なさったと本当に考えているそうです。

トランプ大統領の支持層です。

彼らは万物を固定的にとらえ、流動はしていないと捉えています。

、まさに保守的な感覚というべきでしょう。

過去に辛い経験をした

過去の失敗は、人を委縮させます。

臆病な人間に変えてしまうことがあります。

大切な人を失った、または思いもかけず裏切られたような辛い体験は、人間関係における積極性を失わせる契機となります。

また仕事における失敗でも、新人のころならともかく、中堅になってからの失敗は、あとあとまで尾を引きます。

やはり積極性を失わせてしまうことにつながります。

真面目過ぎて、シビアな体験をうまく処理できないことがあります。

そんなときは、残りかすが身体の底に沈殿してしまっているようです。

保守的な環境で育った

生まれ育った家庭の文化は、子供たちに決定的な影響を与えます。

1980年代後半から90年代初めのバブル期には、家業を継ぐ、という生き方は、人生の可能性を狭めるように感じ、決してうらやましいとは思われていませんでした。

しかしバブル崩壊後の就職氷河期を過ごしたロスジェネ世代にとっては、次ぐべき家業があるというのは、幸いだったと思います。

このころの社会はうちにこもり、すっかり保守的になっていました。

某大学教授はテレビ番組で、今の大学生は、非常にまじめで、金がない、と発言していました。

また土曜日に講義をやっても、ほとんど不平は出ないそうです。

彼らが従順で大人しいのはやはり環境の影響が大きいのでしょう。

自分の力で状況を変化させようという発想は、出てこないようです。

️保守的な人は堅実だけどつまらない?

保守的な人は、意見を聞くには最適な存在です。

新しい政策を採用するときには、よい参考になります。

その反面、刺激的な存在とはいえません。

権威に従順で、新しい状況を切り開くチャレンジャーには見えないないからです。

あふれる夢を持ち、ビジョンや理想を語る熱さもありません。

使命感を持ち、行動的にみえる人でも、あくまで体制内の金属疲労をリフレッシュするためのアクションをしているだけです。

どこから見ても、創業者タイプの人ではないのです。

保守的な人は、堅実で安心感を与えてくれます。

しかし堅苦しく感じられ、どうしても面白みを欠いてしまうのは避けられないようです。

年配の人には、大阪やイギリスのように、若い世代の障害となるのは避けてほしいものです。