活字だけで読み手の心理状態にさえ影響を与える力もある小説。

現在も世の中には様々なジャンルの小説が存在し、幅広い世代から読まれています。

手軽で持ち歩きも便利なのでちょっと暇になった時間や、通勤時間中、就寝前などに読んでいるという人も多いのではないでしょうか。

今回はそんな小説の魅力や人気の作品についてまとめてみました。

小説を読む人が減っている?

ネットやニュースで、最近は小説を読む人が減っているという記事を見た事はありませんか。

図書館の利用客や、学校や職場での休憩時間などでも、昔と比べて小説を読んでいる人をあまり見かけなくなったという体験談もあるようです。

もし、それが事実なのであれば何か理由があるはずですよね。

ここからは、小説を読んでいる人が減っていると思われる原因についてご紹介します。

1.若者の活字離れ

小説を読んでいる人が減っていると思われる原因の一つとして考えられるのが、若者の活字離れであると言われています。

活字離れとはあくまで紙に印刷された文字媒体の利用が減っている事を意味しています。

主に、大人が若者に対して使われる言葉で、出版不足の原因として使われる言葉でもあります。

活字離れは社会問題として取り上げられる事が多く、活字を好まない若者は減らすべきであるという働きがありますが、インターネットを通じての活字も無視できないという見方もあります。

活字の意味をどこまでのものとするかによって、活字離れの対象も異なる為、人によって様々な意見がある難しい問題と言えます。

2.パソコンの普及

また、活字離れの原因としてパソコンが普及された為という説もあります。

インターネットが利用できるようになるまでは、ニュースや気になる情報なども紙媒体から得る事が主流でした。

また、最近ではパソコンだけではなく、スマートフォンの普及が更に拍車をかけている状態です。

加えてスマートフォンは年々使いやすくなっており、最近では若者のみならず、幅広い年齢層も手軽に利用できるようになり、電子書籍も楽しめる事ができるようになりました。

しかしながら、日本における活字離れは最近始まった事ではなく、書籍販売部数を見てみると1988年以降から徐々に下がり、その一方で書籍出版部数は年々上がってきています。

つまり、書籍を書く著者が増えているのに、読者の方は減っている状況になっています。

パソコンで一般的にインターネットを利用できるようになったのは1995年以降となる為、パソコンの普及が活字離れの原因になったとは断言できないようです。

スマートフォンの普及も合わせて考えてみると、紙媒体で情報を得る必要性をあまり感じなくなった、そもそも読みたいと思える本が無いなど、複数の理由があるようです。

3.忙しくて小説を読む暇がない

一冊のページ数にもよりますが、小説は漫画と比べて読み終えるのに時間が掛かりますよね。

読もうと思っていた小説があっても、時間が無くてつい先延ばしにしたり、読むのを忘れてしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。

こうした事から忙しくて小説を読む暇がないという理由も少なからずあるようです。

また、最近では通勤途中の電車やバスの中でスマートフォンを眺めている人が多く、小説を読んでいる人はあまり見かけませんよね。

これにはスマートフォンだけでもSNSやネットサーフィン、ゲームなど読書以外にも楽しめる事が増えたという理由もあるのかも知れません。

4.ノンフィクションのほうが価値があると思われている

2015年には講談社から出版されていたノンフィクション専門誌のG2が休刊となるなど、一時はノンフィクションの書籍の売れ行きは低迷しましたが、2016年には石原慎太郎さんの「天才」がノンフィクション部門でベストセラーになり、ビジネス書や自己啓発本などのノンフィクション作品が注目されました。

事実は小説より奇なりという言葉もありますが、ゆっくりと小説を読んでフィクションの世界に浸るというよりも、ノンフィクションを読んでリアルな体験を味わったり、必要な情報を得る事の方が、時間に追われる事の多い現代人にとって価値があると思われているのかも知れませんね。

小説を読むメリット

小説にはノンフィクション作品にあるような専門知識を得たりするような事はあまりありませんが、ノンフィクション作品には無い魅力もたくさんあります。

ここからは小説を読む事で得られるメリットについてご紹介します。

1.頭をよく使う

小説は基本的にフィクションです。

作品によって同じジャンルでも全く違った世界観やストーリーで描かれています。

そんなストーリーも全て活字で表現されています。

その為、ただ読んでいるだけでは内容が理解できない事も多々あります。

また、一度読んだだけでは内容が分からない事もあります。

こうした事からストーリーを理解する為に、自然と頭をよく使う事が必要になってきます。

本を読むと頭が良くなると言われていますが、小説もあながち外れではないようですね。

2.想像力が鍛えられる

「何故、作者はこんな事を描いたのだろう」と考えるのも小説の醍醐味ですよね。

小説にはその時の状況や、雰囲気、登場人物の台詞や感情などもすべて活字で表現されています。

また、敢えて活字にしていない部分も多々あります。

その為、作者の描いたストーリーを理解するには自分の想像力に委ねる事になります。

あれこれ想像しなければならないので、その分読み終えるには時間が掛かる事もありますが、自然と想像力が鍛えられるというメリットがあります。

3.人生の面白さを垣間見れる

小説はフィクションですが、中には体験談が元となっている作品もあります。

作中にはそんな作者の思いが一字一句に込められているのです。

中にはどうしてそんな結末になったのかと考えさせられる作品もあるかも知れません。

しかしながら、そういった作品と出会う事が刺激にもなり、経験にもなります。

そんな自分の人生とは違った面白さを垣間見れるというところも小説のメリットではないでしょうか。

4.人間関係の築き方を学べる

日常生活の中で、自分の周りで起こる人間関係に日々悩まされている人も多いのではないでしょうか。

そんな時、意外にも小説が役に立つ事があるのです。

小説のストーリーの中でも複雑な人間関係や、社会問題が巻き起こりますが、それに立ち向かう登場人物が存在します。

これは映画やドラマにも同じ事が言え、そのような人物を一つのモデルとして探してみるのも小説の醍醐味です。

自身が抱えているプライベートな問題の解決の糸口にもなるかも知れません。

5.知識や記憶力がアップする

小説はフィクションですが、上の記事でもご紹介した通り、中には作者の体験談を元に作られているものも存在します。

その為、実在する物や場所も登場しますし、それにまつわる知識も得る事ができます。

また、小説の中には登場人物が多かったり、時系列を追ったりする事もあります。

あれこれ想像したり推理したりする事が多くなる為、脳の働きが活発になり記憶力もアップします。

特に小説を読む事が脳に刺激を与えると言われており、結果的にアルツハイマーの原因と言われるベータアミロイドの分泌を抑制させる効果があるのだとか。

自分だけでなく、家族にも是非おすすめしたいですよね。

6.語彙が増える・表現力が鍛えられる

例えば、人と会話をしていて面白い話をするなと感じた事はありませんか。

もしかしたら、その相手の人は小説好きなのかも知れません。

小説には様々な言葉が用いられています。

私たちが日常会話で使っている口語ではまず使われないであろう、独特な言い回しや表現の仕方がたくさんあります。

一見、分からない意味の言葉や、難しくて読めない漢字も用いられる事も多々あります。

小説を読んでいると、このような難しい言葉も身に付き、会話や文章を書く時にも表現力が鍛えられるようになります。

また、もう少し人よりも上手く言葉を知りたいと思ったり、個性を出したいと思う人にも小説はおすすめですよ。

社会に出れば色々な人たちと接する機会も増えますが、そんな時にもきっと小説が役に立つ事でしょう。

7.集中力が養われる


集中力が続かなくて何でも途中で諦めてしまうという事はありませんか。

そんな人にも小説を読む事をおすすめします。

当然、読み始めたばかりの頃は集中力が持たなくなってしまいがちですが、そんな時は無理をせずに一旦休憩してから読むようにしましょう。

諦めずに少しずつでも小説を読む事が大事で、繰り返し続ける事によって集中力を上げるトレーニングになります。

また、小説には色々なストーリーがあります。

冒頭から引き込まれるようなストーリーもあれば、徐々に盛り上がってくるようなストーリーもあります。

一度でストーリーを全て把握する必要はありません。

まずは、深く考えずに小説を最後まで読んでみる事を目標にしてみましょう。

もしかしたら何度も読み返したくなるような小説にも出会えるかも知れませんよ。

小説の今

明治時代以降に近代小説が誕生してから、日本だけでも数多くの小説が出版されています。

これまでの間に、小説にも時代の移り変わりというものがありました。

昔と比べて現代の小説にはどのようなものになったのでしょうか。

ここからは現在の小説の形についてご紹介します。

1.オンライン小説


オンライン小説はインターネットやパソコン通信を通じて公開されている小説です。

オンラインノベルや、ネット小説などとも呼ばれています。

インターネットが一般的に普及される前までは、個人向けの利用目的として作品を公開する人も存在していました。

1980年代にパソコン通信によって当時のアマチュア作家による作品が公開されるようになったと言われており、当時の作家志望の人たちの間で利用されていました。

ほとんどの作品が無料で読む事ができ、作品の公開だけでなく、読み手の感想や批評も投稿する事ができます。

1990年代に入るとパソコン通信のブームは過ぎ去り、オンライン小説は形を変えていく事になります。

2.オーディオ小説

オーディオ小説は文字を読む事ではなく、音声として作品を聴いて楽しむ小説です。

日本では1980年代に著名人の漫談や落語などを録音したカセットブックが流行しましたが、欧米では、日本に比べて市場も大きく、持ち運びも便利な事から以前より多くの人たちから日常的に利用されていました。

特にアメリカでは移動に際に乗用車を利用する事が多かった為、交通機関の種類が多い日本では世間一般にはそれほど広まりませんでした。

その後、時代は移り変わり、最近ではipodやMP3やスマートフォンが誕生した事で、手軽に外出中でも音楽を楽しめるようになり、ダウンロード販売の売れ行きが伸びました。

iTunesStoreの中には音楽のみではなく、オーディオ小説の現代版とも言えるオーディオブックがダウンロードできるようになりました。

現在では、iTunesStoreの他にも日本最大手のオーディオブックダウンロードサイトであるFeBeや、2015年にサービス開始となったAmazonAudibleでも多くのオーディオブックをダウンロード販売しています。

オーディオブックの中には小説の他にも、アニメやゲームをドラマ化したドラマCDなどもあります。

3.朗読会

1990年代になると、日本では特に中高年の世代で朗読ブームが巻き起こりました。

2001年9月に斉藤孝さんの書籍「声に出して読みたい日本語」がそのブームの火付け役とも言われており、ベストセラーになりました。

その後も、数多くの朗読本や朗読CDが販売されるようになり、最近では読書好きな人が自分の好きな作品を持ち寄って朗読会を開く団体も誕生しました。

人前で声を出したり、他人の朗読を聴くことで気持ちもリラックスし、ストレス解消にもなるのだとか。

更に、昨年2016年には岐阜県飛騨市の公立図書館で大人向けのイベントとして、官能小説朗読会が開催されて話題となりました。

昨年大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」の作中に登場した図書館のモデルになった事でも知られ、以降は人気スポットにもなっている図書館です。

朗読会では飛騨市市長も聞き手として参加し、イベントの内容に高い評価をされていたそうで、参加者の多くは女性だったとの事。

もしかしたら、今後は全国的に新たなブームが起こるかも知れませんね。

面白い小説15選

以前と比べて読まれる事が減ってしまった印象のある小説ですが、まだまだ根強い人気があります。

ここからは面白くて人気のある小説をご紹介します。

1.『サラバ!』西加奈子

2014年10月に小学館より出版された小説家、西加奈子さんによる作品です。

西加奈子さんは、2004年に小学館より出版された小説「あおい」で作家デビュー。

2013年には「きいろいゾウ」が映画化された事でも話題になりました。

今回ご紹介する「サラバ!」は。

第152回直木賞受賞作品にも選ばれた作品で、主人公である圷歩(あくつあゆむ)の半生を描いた長編小説となっています。

幼い頃に西加奈子さんが実際に住んでいた事のある、イランやエジプトや大阪も登場します。

父親の海外赴任先であるイランで生まれた歩。

母親というよりもう一人の娘のような若々しい言動が特徴の母親と、周りから常に注目を浴びていたいと願うワガママで個性の強い姉。

そんな姉を持った歩は、周囲から一歩引いているような少し大人びた少年。

そんな一風変わった家族に囲まれながら過ごす海外赴任先での物語で、他にも様々なユニークな登場人物が出てきます。

そして作中で明らかになるサラバの意味とは何なのか・・・気になる人は是非チェックしてみて下さいね。

2.『Q&A』恩田陸

2004年6月に幻冬舎より出版された小説家、恩田陸さんによる作品です。

代表作には第26回吉川英治文学新人賞を受賞した「夜のピクニック」や、最近では第156回直木三十五賞を受賞した「蜂蜜と遠雷」などがあります。

今回ご紹介する「Q&A」はその名の通り、Q&A形式で物語が構成されているという斬新なミステリー小説となっています。

物語は「M」という架空の都市の郊外にある大型商業施設が舞台。

この場所で原因不明の重大な死傷事故が発生してしまいます。

事故に関わった人Q&A形式でへインタビューをしていきますが、証言はどこか胡散臭くて食い違うものばかり。

果たして事故の原因とは何だったのか、そもそも本当に事故だったのか・・・と、気になるとこだらけのミステリーです。

ちょっと変わったタイプの小説を読んでみたい人におすすめの作品です。

3.『リバース』湊かなえ

2015年5月に講談社より出版された小説家、湊かなえさんによる作品です。

湊かなえさんは2008年に第4回大学読書人大賞第3位にもなった「告白」で作家デビューをしました。

今回ご紹介する「リバース」はテレビドラマ化されて、今年2017年4月からTBS系で毎週金曜22:00からも放送されているので、知っている人も多いのではないでしょうか。

銀行への就職に失敗をしてしまい、オフィス機器販売会社の営業マンとなった深瀬和久。

平凡な日々を送っていて、趣味と言えばコーヒーを飲む事くらい。

行きつけのコーヒー店でパン屋で働く越智美穂子と運命的な出会いを果たし、恋人同士となる。

そしてある日突然、越智美穂子の元へ一通の手紙が届き、そこには「深瀬和久は人殺しだ」とだけ書かれていた。

深瀬和久へ手紙の内容を問い詰められて、ついに3年前に起きた事件について告白する時がやってくる・・・というところから物語は始まります。

尚、ドラマの主役である深瀬和久を演じるのは藤原竜也さん、恋人役の越智美穂子を演じるのは戸田恵梨香さんです。

気になる人は、ドラマの方もチェックしてみて下さいね。

4.『君の膵臓を食べたい』住野よる

2015年6月に双葉社より出版された小説家、住野よるさんによる作品です。

小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿された作品で、後に書籍化されました。

2016年には月刊アクションの10月号から桐原いずみさんによって漫画化され、同時にFebeからオーディオブック版のダウンロード配信も開始されました。

更に、今年2017年7月より映画実写版も公開予定となっている事でも話題になりました。

本作は青春ドラマ小説となっていますが、そのタイトルに強烈なインパクトを感じたという人も多いのではないでしょうか。

主人公である「僕」がとある病院で偶然一冊の日記を見つけると、そこには手書きで「共病文庫」と書かれていた。

内容を読んでみると、どうやら膵臓の病気で余命僅かであるらしい事を知る。

そこへラスメイトである山内桜良が現れる。

日記の持ち主である事と、自分はもうすぐ死んでしまうけれど誰にも言わないでほしいと約束をさせられる事に。

二人はそんな約束をきっかけに、徐々に親密な関係になっていくという青春物語です。

ヒロインが死んでしまうという設定はありがちではありますが、結末に向けて思わず泣けてしまうという読者も多いとか。

漫画や映画も合わせて楽しめるのでおすすめの作品です。

5.『あかね空』山本一力

2004年9月に文集文庫より単行本が出版された小説家、山本一力さんによる作品です。

第126回直木賞三十五賞受賞した作品で、2006年3月には角川ヘラルドより映画実写版が上映されました。

舞台は江戸時代。

京の町で修行を終えた永吉は深川で豆腐屋を始めようとするも、右も左も分からず上手くはいかず。

そもそも深川では固い豆腐が主流で、永吉の作る柔らかい豆腐は受け入れられない。

それでも永吉は自分の豆腐が売れると信じていた。

そんな姿を陰で見ていた桶屋の娘であるおふみが永吉に世話を焼く事に。

やがて二人は夫婦となる。

永吉とおふみが力を合わせて豆腐屋を切り盛りしているところへ、商売敵の平田屋に目を付けられてしまう・・・といったお話です。

江戸の風情と家族愛が詰まった時代小説。

歴史が好きな人にもおすすめの作品です。

6.『十五少年漂流記』ジュール・ヴェルヌ

1888年に発表されたフランスの小説家、ジュール・ヴェルヌによる作品です。

ジュール・ヴェルヌはSF小説家のパイオニアとされており、SFの父とも呼ばれる偉大な小説家です。

十五少年漂流記は日本で1896年に博文館から出版されていた雑誌、少年世界に掲載され、その後単行本になったと言われています。

本作は無人島に漂流してしまった少年たちの生活を描いた冒険小説。

15人の少年たちを乗せた船が嵐に襲われ、謎の土地に漂流してしまうところから物語は始まります。

島を探索した結果、無人島である事が分かり、少年たちはそれぞれの役目を与え、やがて生活を始めるようになる。

島の生活にも慣れた頃、ブリアンとドニファンの間で意見が分かれ対立する事に。

それがきっかけとなり徐々に仲間割れが起こってしまう。

そして、島に謎の船が漂着する事によって少年たちの生活に異変が起こり始める・・・と言ったお話です。

日本以外の小説も読んでみたいという人にもおすすめの作品です。

7.『時をかける少女』筒井康隆

1965年に学習研究社で出版されていた教育雑誌、中学三年コース11月号から連載され、1966年に同社の高一コース5月号まで掲載されていたSF小説です。

SF小説で有名な筒井康隆さんの作品で、単行本となった後も現在までに何度もアニメ化や映画化をされた事でも知られています。

主人公である中学三年生の少女、芳川和子は同級生である深町一夫と浅倉五郎と理科室の掃除をしている時に、実験室から突然ガラスの割れたような音に気づく。

しかし、中には誰もいない。

そこで芳川和子は実験室に漂うラベンダーの香りを嗅いで気を失ってしまう。

そして、その三日後から芳川和子の周りに様々な事件が起こるようになるが、深町一夫の家が火事になる事や、浅倉五郎が交通事故に遭いそうになると芳川和子は事故のい前日にタイムリープしていたのだった・・・といったお話です。

尚、アニメ版やドラマ版では原作のストーリーとはかなり違った内容になっているので、まだ小説を読んでいないという人は、まずはこちらから読んでみるのも良いかも知れませんね。

8.『舟を編む』三浦しをん

2011年9月に光文社より出版された小説家、三浦しをんさんによる作品です。

2013年4月に映画化、2016年10月から同年12月までアニメが放送されていたので、知っている人も多いのではないでしょうか。

主人公は出版社、玄武書房に営業部員として勤めている馬締光也。

玄武出版では中国語辞典「大渡海」の編集を計画中であったが、辞書編集部のベテランである荒木公平に馬締光也を引き抜く事に。

馬締光也は真面目だが、コミュニケーション能力に難があり、周りの人間から厄介者扱いをされていた。

持ち前の粘り強さで辞書作りに没頭する馬締光也と周囲との人間模様を描いた作品です。

9.『何者』朝井リョウ

2015年6月に新潮社より文庫版が出版された小説家、朝井リョウさんによる作品です。

第148回直木三十五賞受賞作品。

2016年10月には映画化もされた作品です。

就職活動を目前に控えた大学生4人は、アパートの一室を就活対策本部として集まるようになる。

みんなでアイデアを出し合って、共に就職活動を頑張ろうと誓うも、それぞれの本音や心の闇が見え隠れしていくというお話です。

最近の若者らしく、SNSを利用した人間模様にドロドロした関係が伺える、実にリアリティーのある小説です。

10.『ちょっと今から仕事やめてくる』北川恵海

2015年2月にメディアワークス文庫より出版された小説家、北川恵海さんによるデビュー作品です。

また、今年2017年5月に映画実写版が公開予定となっている事でも話題になりました。

自分の希望していた会社に就職できなかった主人公、青山隆。

他の会社に入社するも、とんでもないブラック企業だった。

日々、上司に怒鳴り散らされて駅のホームから飛び降りようとしたその時、山本と名乗る男に救われる。

小学校の同級生だと言う山本に覚えがなかった隆だったが、それを機に仲良くなる。

しかし、同級生の山本は海外滞在中である事が分かる。

山本と名乗る男の正体とは・・・とっても気になりますよね。

タイトルの台詞もどのタイミングで出てくるのか気になる人は是非原作を読んでみてくださいね。

11.『対岸の彼女』角田光代

2004年11月に文藝春秋から出版された小説家、角田光代さんによる作品です。

第132回直木三十五賞受賞作品で、2006年1月にテレビドラマ化もされました。

人付き合いの苦手な専業主婦の小夜子。

ある日パートに出る事を決意し、とある企業に務める事になるが、偶然にも会社の社長はかつて同じ大学に通っていた葵だった。

葵は小夜子と違い、行動派でおしゃべりな性格だが、徐々に仲良くなっていく。

それぞれ違う立場の女同士の友情と亀裂を描いた作品です。

12.『1Q84』村上春樹

2009年5月に新潮社より出版された小説家、村上春樹さんによる作品です。

尚、本作はBOOK1からBOOK3まであり、それぞれ上下巻があるので全6巻になります。

主人公は青豆雅美と、川奈天吾という二人の男女。

小学校を最後にそれぞれ別れてしまい、二人はお互いの消息を知らぬまま時は流れ、1984年4月に二人はそれぞれ1Q84という不思議な世界に入り込む事になるというお話です。

全6巻という長編のストーリーなので、非常に読み応えのある小説です。

読む時間があり、村上春樹さんの世界にどっぷりとハマりたいという人にはおすすめの作品です。

13.『クライマーズ・ハイ』横山秀夫

2003年8月に文藝春秋より出版された小説家、横山秀夫さんによる作品です。

2005年12月にNHKにてテレビドラマ化、2008年7月には映画化もされました。

1985年8月12日、群馬県上野村の山中に飛行機の墜落事故が発生し、乗客520名が死亡。

この事故によって主人公である新聞記者、悠木和雅は編集長から事故を扱う新聞の編集を担う日空全権デスクを命ぜられる事になる。

本作は、著者の横山秀夫さん自身が新聞記者時代に起きた日本航空123便墜落事故をもとに作られたのだそうです。

そんな新聞記者の奮闘を描いたリアルな作品です。

14.『人間失格』太宰治

1948年7月に筑摩書房より出版された小説家、太宰治さんによる作品です。

太宰治さんの代表作の一つとしても有名な為、小説を読んだこ事が無いという人も、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

2010年には太宰治生誕100年を記念して映画化もされました。

主人公の大庭葉蔵は幼少時代から気が弱かったが、人に悟られないようにわざと無邪気さを装い、周囲の人間を欺いていた。

成長してから多くの女性と関係を持ち、快楽と薬物に溺れる日々の中、自殺未遂をも引き起こす。

そんな大庭葉蔵の半生を描いた作品です。

尚、太宰治はこの作品を発表した一か月後に自らの命を断った為、完成された小説の中では最後の作品とされています。

15.『永遠の0』百田尚樹

2006年8月に太田出版より出版された小説家、百田尚樹さんによる作品です。

2010年1月には漫画化、2013年には映画化もされました。

弁護士を目標にするも司法試験に落ちて、生きる目標を失っていた佐伯健太郎のもとへ、フリーライターの姉、慶子からアルバイトをしないか?という電話が入る。

その内容とは自分たちの実の祖父である宮部久蔵について調べる事だった。

宮部久蔵はかつて太平洋戦争で戦死したゼロ戦のパイロットだった。

国の為に命を捧げる事が当たり前とされていた時代にも関わらず、宮部久蔵は人一倍生きる事について執着した人物だった。

そんな宮部久蔵の壮絶な生き様を、僅かな手がかりをもとに辿っていくというお話。

歴史に興味のある人にもおすすめの作品です。