塾講師は、現役大学生から主婦まで幅広い人が勤めている職種です。

自分の教養や知識を子どもたちに教える講師として教壇に立つ仕事は、とてもやりがいがあります。

しかしやりがいと同じくらい大変なことがあるのも事実です。

大変なことがあるからこそ、達成感や充実感を得てやりがいに繋がっているとも言えます。

塾講師の仕事に挑戦してみたいけれど、実際自分に務まるのか不安だという人も多いと思います。

未経験の人は「どんなところが大変なのだろう」「どんな人に向いているのだろう」など、この辺りがクリアになると挑戦しやすいのではないでしょうか?

今回は、塾講師の仕事の内情を詳しく解説するとともに、具体的なやりがいや大変さを紹介していきます。

塾講師はやるべきことがたくさん!

塾講師は単に「やってみたい」という気軽な気持ちではじめられる仕事ではありません。

塾講師になるには、必要なスキルや素質があります。

仕事の内容も指導を中心に意外と幅広いので、単純に勉強ができるから、頭がいいからと言って就ける職種ではないのです。

1.塾講師の種類


まず、塾講師として働く時の雇用形態など勤務スタイルについてです。

塾講師と一概に言っても、塾によって働き方や求める人材は異なります。

保育園や幼稚園に通う幼児たちを対象に英才教育や学ぶ楽しさを教える塾、小学生を対象に学力向上および中学受験に向けた指導対策を行う塾、中学生よ学力向上および高校受験に向けた指導対策を行う塾などさまざまです。

当然のことながら、対象となる生徒が違うと指導内容や接し方が異なるため、求められる能力も違います。

塾講師になるには、基本的に大卒以上という条件が応募資格となっており、入社の際に学力テストがあります。

現役大学生でも働くことが可能です。

こうした基本条件をクリアしていれば、実務経験が無くても就業できます。

未経験からのスタートを歓迎している塾も多いため、決してハードルの高い仕事ではありません。

1.正社員講師

塾講師にはもちろん正社員として働く人がいます。

正社員は塾講師として、生徒の指導はもちろん運営に関わる部分や、アルバイト講師の育成なども担当します。

生徒達の成績を伸ばすためにはどのような指導対策を練ればよいか、生徒を募集するため塾の経営方針はどのようにしていけば良いか。

塾の経営陣と顔を合わせて話す機会も多いので、経営戦略や塾の運営方法を学ぶことも可能です。

経験を積んで、ゆくゆくは独立し、自分の塾を持つことできます。

正社員として働く塾講師は、生徒一人ひとりと密接に関わり、成績向上をサポートする仕事なので、子どもが好きな人や誰かの為になる仕事にやりがいを感じる人が選ぶことが多いようです。

地域に密着した塾で地元の後輩達を見守りながら働くことも、地域貢献になるのでオススメです。

学校の先生に憧れていた、通っていた塾講師に恩を感じている、など自らの経験を通じて塾講師という職業わ目指す人も少なくありません。

全くの別業種で働いていた人の転職を受け入れている塾も多いので、ガラリと働く環境を変えて心機一転したいような人にも向いています。

2.アルバイト講師


塾講師は正社員だけでなくアルバイトの講師も多数在籍しています。

小さな塾ではアルバイトの方が多かったりもします。

アルバイトの講師は、授業での指導と生徒達とのコミュニケーションが主な仕事です。

アルバイト塾講師は現役の大学生や主婦など、幅広い年代の人が働いています。

これには、塾講師の働きやすいワークスタイルが関係しているのです。

塾講師のアルバイトは、1日1コマから勤務できる職場が多いため、学校や家事などの合間の時間をうまく活用することができます。

また、教える科目についても、自分の得意分野のみを選択して教科専属で教えることも可能。

なんと言っても塾講師は、ほかの仕事に比べて給与が良いこともメリットの一つ。

例えば1コマ(60~90分)あたり1500~2000円など、給与が良いので少ない時間でも効率的に稼ぐことができます。

さらに、自分の持っている知識を人に教えることで、自分自身の教養をさらに深めることになるので働きながら勉強することにもなります。

効果的な勉強方も学べるうえ、融通が利きやすい職種なので試験や就職活動などで忙しい大学生や浪人生などから高く支持されています。

夏休みや冬休みなど、塾の体験期間などが増える時期は短期のアルバイトを募集していることも多いので、まず短期から始めてみて自分に向いている仕事かどうか見極めるというのも一つの手です。

2.塾講師の仕事は多岐に渡っている

次に、塾講師の仕事内容を詳しく紹介していきます。

塾講師の仕事のイメージというと主に授業の進行や準備だと思いますが、意外にも仕事内容は多岐に渡ります。

1.学習指導

まず、メインとなる仕事はやはり「学習指導」です。

塾によって、マンツーマン指導かクラス単位の授業か体制は異なります。

アルバイトの場合は、この授業体制によって時給の金額も違います。

基本的に塾にはそれぞれ、指導方針やマニュアルが用意されているので、その指針に沿った指導を行います。

1コマおよそ60~90分の間、計画表に合わせて授業を進めていきます。

生徒の疑問に臨機応変に答えられるよう、塾講師自らも指導範囲の基本知識はしっかりおさえておかなければいけません。

塾講師として働くうえでは、生徒との信頼関係がとても重要です。

頼りになる先生として、生徒達に学ぶことの楽しさや大切さを伝えていくことが使命だと心得ましょう。

2.両親との面談

塾講師は担当している生徒の両親と面談をすることもあります。

生徒の進路、塾での態度や成績など、さまざまなことについて定期的に報告や相談を行います。

特に、受験に差し掛かった中学生3年生や、高校3年生になるとこうした面談にも熱が入ります。

二者面談のこともあれば、三者面談のこともあります。

普段から生徒個人の様子や成績を気にかけていなければ的確な指導も面談も出来ませんので、日頃の取り組みが非常に重要になります。

また、こうした面談は社員が行うことが多いので、アルバイトが任されることはごく稀です。

3.進路相談

生徒達の進路相談を行うのも塾講師の立派な勤めです。

本人の希望はもちろん、両親の希望や成績を考慮しながらしっかりと考えなければいけません。

高校や大学の進路は将来に与える影響も大きいため、生徒の人生を左右する決断だとも言えます。

生徒達が将来に向けて明るく楽しい理想像を描けるよう、その道を切り拓く手伝いをするために生徒の将来を親身に考えなければいけません。

塾は、生徒一人ひとりのために思考を凝らし、安心して受験に臨めるよう万全のサポート体制を整える必要があります。

なかには、合格できるかできないか、判断が難しいラインの志望校を挙げる生徒もいるでしょう。

こうした時、諦めを選び安全な道をゆくか、挑戦を選び険しい合格の道を目指すか、究極の選択に迫られることもあります。

こういう時、生徒のモチベーションを保ちながらより良い方向へ導くことができるかという部分で指導者としての手腕が試されることになるのです。

生徒の目標達成のため、それぞれに必要なカリキュラムや勉強方法を用意し、やる気を引き出すのも大切な役目になります。

4.教材作成

授業では基本的に予め用意された教材や資料を使いますが、時には塾講師オリジナルの教材を用意することもあります。

授業ごとに必要になる資料やプリントの事前準備をするのはもちろんですが、より生徒達が理解できるよう分かりやすい授業を展開するために予備となる資料を手づくりしたりするのです。

生徒個人のレベルや苦手分野にあわせた試験対策など、それぞれにあわせた特別教材を作成することもあります。

生徒がつまづきやすい部分を徹底して丁寧に補足するための教材を手がけることも。

生徒達のために何が必要かを先回りして考え、より質のいい授業を行うことが大切です。

こうした教材作成は授業の無い空き時間などにおこないます。

5.人生相談

塾講師の役割は単に成績を向上させるだけでなく、生徒達が一人の人間として成長していくためのサポートも含まれています。

小学生や高校生というのはまだまだ幼く、多感な時期です。

悩むことも多く、将来への不安やコンプレックスなども抱え込みやすい年代。

学校の教師や両親にはなかなか言えないことを、塾講師に相談してくる生徒も多いものです。

将来の夢や学校での出来事、家庭内での悩みなど、実にさまごまな事柄を相談されます。

時と場合に応じて臨機応変に対応する柔軟性と、まだ未熟で若い感性を受け入れる器の広さが求められるでしょう。

あなたの返答次第で生徒達の考え方や意見も変化する可能性があることを心得た上で相談に乗りましょう。

6.いじめなどの問題への対処

学校だけでなく、塾というコミュニティの中でも、いじめが発生する可能性があります。

仮に自分の受け持っている生徒達の中でいじめが行われていたらもちろん問題解決に踏み出さなければいけません。

仮に塾内でなくても、通っている生徒が学校や家でいじめや虐待といった問題を抱えているようなら決して見逃してはいけません。

塾講師として、勉学だけでなくプライベートな部分のケアも行いながら生徒の将来のために尽くすことが重要なのです。

7.採点

塾講師は、塾内で行ったテストや模擬試験の採点もおこないます。

受け持つ生徒が多ければ多いだけ、採点するテストの枚数も多くなります。

時には生徒達の成績表にコメントを書き込んだりすることも。

また、塾以外で実施された学校の試験や模試についても事前に答え合わせをしたりして点数の予測を立てたりすることもあります。

最近ではネット上でのオンライン塾などもメジャーになっているので、在宅で生徒達のテストの採点だけを行う専属のスタッフも増えています。

8.教室の掃除

塾講師は塾が始まる前や終わった後に、使用する教室内の掃除を行います。

生徒達が快適な空間で授業に専念できるよう環境を整えるのも講師としての重要なお仕事なのです。

黒板やホワイトボードをキレイにしたり、机の落書きをチェックしたりゴミを片付けたり、細かい部分までしっかり確認します。

9.生徒募集

塾に通う生徒がいなければ、塾講師は御役御免です。

そうならない為にも、塾に通う生徒の募集をすることも大切なお仕事。

学校の卒業シーズンとなる春は、進学して塾を辞める生徒が多いので特に募集が大変になります。

しかし辞める分、新たに進級して塾への入会を希望する人が増える時期でもあるので新たな生徒を獲得しやすい時期でもあるのです。

どのようにアプローチするか、新しい生徒達にどうやって馴染んでもらうか、とても忙しくなる時期になります。

新規生徒獲得のために、チラシを作ったり配布したりすることもあります。

10.受験指導

塾講師は受験のための指導や対策もおこないます。

生徒一人ひとりの目指す進路に合わせて、必要な対策は異なりますので、あらゆるパターンの指導が求められます。

受験に向けて照準を合わせて、生徒と二人三脚で勉強に取り組みます。

塾での指導内容はもちろん、普段の勉強法や課題の取り組み方など細かいフォローが必要になります。

自らの受験経験を踏まえながら、時代にあった学び方や指導を見出していく必要があります。

塾講師のやりがい

塾講師は、仕事の内容が多岐に渡るためとても充実しています。

大変な一面もありますが、やはりそれに勝るやりがいを感じられるというのが何よりの喜びでしょう。

仕事にやりがいを求めている人、自分の存在意義となる仕事に出会いたい人には、またとない環境かも知れません。

1.生徒の成績が上がること

塾講師として働く大きなやりがいは、生徒の成績が上がることです。

指導の成果が実際に形になるというのは、非常に喜ばしいことです。

しかし、この成果は、ただ自分が精一杯やったからと言って結果になるという単純なものではありません。

自分の指導に応えてくれる生徒の頑張りが実ったことの現れです。

自分だけの成果ではなく、生徒と共に喜びや笑顔を共有できるというのは実に充実感のあるものです。

立派な仕事の成果と言えるでしょう。

2.生徒が志望校に合格すること

教えている生徒の成績が伸びることは、もちろん嬉しいことでありやりがいです。

しかしそれは、通過点でしかありません、そうした成長の先きあるのは、志望校への合格という目標地点。

受験は生徒達が自分の将来を真剣に考え、夢に向かって大きな一歩を踏み出すもの。

塾講師は、生徒達の重要な分岐点に関わる仕事でもあります。

目標に向けてコツコツと努力を積み重ね、数ヶ月もしくは数年の間、共に過ごした生徒もいるでしょう。

信頼を築き、共に苦楽を分かちあった存在である生徒は、まさに自分の身内のように大切な存在となります。

そんな生徒達が見事に合格という結果を掴む瞬間は、言葉に言い表せない程の感動です。

まるで自分のことのように嬉しく感じられるでしょう。