睡眠時間は、ひとりの人間の一生の中で三分の一にあたると言われています。

90歳まで生きるとしたら、その内30年も寝ていると考えるとかなりの量に感じますよね。

普段忙しいと一番に削るのが食事時間か睡眠時間という方は多いかと思います。

でも、睡眠時間を大切にしないことは、人生の三分の一をおろそかにしているということになります。

今回は身近過ぎてあまり考える機会がないことも多い、睡眠についてご紹介していきます。

️睡眠は健康にも美容にも大切!

睡眠というのは、周期的に繰り返す意識喪失という生理現象のことを指します。

意識喪失というとちょっと怖い感じもしますが、気絶や失神と比較して外からの刺激で比較的容易に覚醒するのが睡眠です。

睡眠をとることで体を休めることはもちろん、それによって消費するエネルギーを節約したり、記憶を定着させたり、お肌の調子を整えたりといった効果が得られます。

レム睡眠とノンレム睡眠


レム睡眠と、non-rem、つまりレム睡眠以外の睡眠によって、睡眠は成り立っています。

ノンレム睡眠のときには肉体疲労の回復に役立つホルモンが分泌されます。

レム睡眠では脳が覚醒準備を始めます。

第1段階

眠り始めですがまだ眠りは浅く、誰かに声をかけられたら起きてしまう程度の状態です。

寝始めると脳波からシータ波とベータ波が出るようになり、アルファ波が減っていきます。

このアルファ波が50%以下になった状態が第1段階だとされているんです。

この状態では一瞬で短い夢を見ることもあります。

睡眠時間全体の5%程度を、この第1段階の眠りが占めています。

第2段階


この段階に入ると安定した睡眠となり、意識はありません。

寝息を立て始めます。

ノンレム睡眠はほぼ、この第2段階で占められています。

第3段階

脳波にシータ波が増えてきて、20%以上になった状態です。

深い眠りに入っており、体温が低下します。

呼吸や心拍数も少なくなります。

この段階の睡眠は、睡眠時間全体のおよそ10%程度です。

第4段階

こちらも同じく睡眠時間全体のおよそ10%程度を占める第4段階の睡眠。

シータ波が50%以上になります。

非常に深く眠っている状態です。

第5段階

レム睡眠に入ります。

REM(レム)とは、『RapidEyeMovement』の頭文字です。

日本語に直すと、『急速眼球運動』となります。

脳波の状態は第1段階と似た状態になりますが、まぶたの裏で眼球が激しく動いています。

個人差がありますが、だいたい睡眠時間の20%から25%がレム睡眠です。

身体は眠っていますが、脳は起きている状態に非常に近いです。

脳が起きているので、この間に夢を見たことを、起きた時に覚えています。

ノンレム睡眠のときにも夢は見ているのですが、覚えていないことが多く、覚えている夢はだいたいはレム睡眠のときに見たものということになります。

眠り自体は第4段階などと比べると浅いのですが、揺り動かされてもちょっとやそっとでは起きません。

何かのはずみで起きたとき、身体が弛緩しているので、自覚としては起きているのに身体が動かない、と感じ、これが金縛りとして認識されることがあります。

夢を見ていて寝言を言ったり暴れたりするのを抑えるために、筋肉が弛緩するのだと言われています。

抑える力がなんらかの異常により働かないと、夢遊病などの病気になるのです。

レム睡眠のときには自律神経が不安定になり、呼吸や脈拍が乱れます。

あまりにレム睡眠に入っている時間が一般的な人より長くなってしまうと、心疾患などの病気になってしまう可能性があります。

また脳内の扁桃体が活性化した状態にあるため、不安や恐怖などネガティブな感情を抱くような内容の夢を見ることが多いとも言われています。

嫌な夢を見ることで、実際に嫌な状況に陥ったときの対処法を脳が考えているのだという説もあるようです。

睡眠中はレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返す

睡眠中は、ノンレム睡眠とレム睡眠を交互に繰り返します。

1サイクルがノンレム睡眠60分から80分、そのあとレム睡眠が10分から30分、合計でだいたい90分で、1セットです。

これを睡眠周期と呼びます。

個人差もありますし、その日によっても異なるので、一定ではありません。

眠り始めるとノンレム睡眠が多くなり、だんだんとレム睡眠が多くなってきて起床にいたります。

睡眠時間は90分の倍数が良いと言われるのはこのためなのです。

睡眠の質を上げよう

このように、良い睡眠を取るためにはレム睡眠とノンレム睡眠をバランス良く取る必要があります。

単に睡眠時間が長ければ良いというわけではないのです。

最近では、あまりに長い睡眠時間を取ると寿命が短くなるという説も出てきています。

これは上でご紹介したように、睡眠時間が長くなることでレム睡眠も多くなり、自律神経が不安定になり様々な病を引き起こすリスクが上がるということなのです。

脳波の内容を意識し、良い睡眠を取ることを心がけましょう。

脳波はいくつか種類がありますが、上に出てきた3つについて、下記で少しご説明しますね。

ベータ波とは

起きているときに出るのがこのベータ波。

交感神経が働いているときで、ストレスや緊張でいらいらしたり興奮したりするとベータ波が強く現れます。

ストレスが身体に悪いのは、実はこのベータ波がたくさん出ていると、ノルアドレナリンやアドレナリン、コルチゾールなどのストレスホルモンと呼ばれるホルモンが多く分泌されてしまうからです。

脈拍や呼吸も早くなり、活性酸素が増えて自己免疫力が低下してしまうのです。

アルファ波

リラックスしているときに出るのがこのアルファ波で、音楽を聞いていたり座禅を組んでいたりするときにも出てきます。

寝入りばなにも多くなってきます。

集中力も高い状態で、左脳が活発に動いているのでなにか良いアイディアをひらめきやすくなります。

βエンドルフィンが分泌され、ストレスが解消されて幸せな気分になり、免疫力も強くなります。

シータ波

寝始めたときや、深い瞑想に入っているときに現れます。

この状態のときには記憶の定着がしやすく、インスピレーションも出てきやすいです。

人生を豊かにする快眠

人は眠らないと、思考力や判断力が鈍っていきます。

お酒を飲んでいるときと同じような状態になってしまうのです。

不眠状態が続くと、妄想や幻覚を見たり、記憶障害がでたりしてしまいます。

眠らないでいると、数秒や数十秒ふっと意識を失ってしまうマイクロスリープが起きるようになります。

これは無意識の内のことなので、ときどき寝ていないのに人から「今寝ていたよ」と言われたり、明らかに寝ている人を起こしたのに「なに? 起きてるよ?」と言われたりすることがあるのは、このマイクロスリープ状態と考えられます。

慢性的な睡眠不足は病気を引き起こし、健康を維持することができなくなってしまうのです。

寝るのにも体力を使うので、年齢を重ねたり、疲労がたまりすぎたりすると、だんだんと睡眠を長く維持することができなくなり、眠りが浅くなってしまうのです。

眠りが浅いと、どれだけ長く寝ていても質の良い睡眠は取れません。

深い睡眠に入る前に目が覚めたり、身体を回復するホルモンが出る前に起きたりしてしまうと意味がないのです。

逆にきちんと快適な眠りをとることで、起きている時間が充実し、身体も健康を保つことができます。

良い睡眠を取ることが、人生を豊かにしていくのです。

️寝るのに最適な環境とは?

質の良い睡眠を取るためには、十分な睡眠時間の確保はもちろんのこと、快適な睡眠環境を整えることもとても大切です。

良い睡眠環境を整えるために、項目ごとにご紹介していきますので、ご自分に合うもの、試しやすいものからぜひ整えてみてください。

寝るのに適した服装

寝るのに適した服装は、やっぱり寝間着やパジャマです。

一人暮らしをしている方など、外から帰ってきて部屋着に着替えたらそのままの格好で寝てしまうという方も多いのではないでしょうか。

ジャージやスウェットは部屋でゆっくりするのには良いのですが、寝るときには適していないものも多いので注意が必要です。

着ている服のせいで睡眠の質が低下してしまうということも実はよくあることなんです。

ナイトウェアは寝るために専用に作られた服なので、やはり寝るときに適した作りをしているんです。

着替えることで「これから寝るぞ」と気持ちが切り替わり、眠る環境を作ることにもなります。

通気性

冬でも寝ている間に200ccの汗をかくので、汗を吸い取ってくれて素早く蒸発させてくれるような材質で作られたものが好ましいのです。

素材でいうと、コットンやシルク素材のものがおすすめです。

化学繊維もパジャマ用に特化した機能性の高いものがありますので、探してみてください。

保湿性

寝ているときには水分が補給できませんし、真冬でも汗をかくので水分は失われていく一方です。

夜中に喉が乾いて起きてしまう、なんていう経験がある方も多いのではないでしょうか。

寝ている間に水分が失われてお肌がかさかさになってしまうのを防ぐには、睡眠中の保湿が期待できる材質のパジャマを身につけるのがおすすめです。

たとえばシルク素材のパジャマなら、シルクの原料である蚕の繭に含まれている『セリシン』という天然のタンパク質成分がお肌を保湿してくれます。

保湿性の高いパジャマを着るのが難しい場合は、かかとや肘、手などに貼ったりはめたりする保湿グッズもあるので試してみてください。

起きた時にお肌がしっとりしているのは嬉しいですよ。

また、寝る前にはコップ一杯の水を飲むのもおすすめです。

着心地の良さ

身体を締め付けずゆったりした作りになっていて、肌触りも良いのでとても着心地が良いです。

身体が締め付けられていると自律神経の働きを阻害してしまうこともありますし、息苦しかったり痒くなったりしてしまって眠れないですよね。

また、どんなに寝相の良い人でも10~30回は一晩に寝返りを打つと言われています。

寝返りに耐えて、ごわごわしたり布団に巻き込まれたりしない適度の丈夫で薄手のものが良いのです。

着ていてリラックスできる素材やデザインも精神面に影響を及ぼすのでとても大切なことなんです。

寝るのに適した時間

寝ているときに成長ホルモンが分泌されるのですが、ノンレム睡眠のときにより多く分泌されます。

ノンレム睡眠の中でも寝はじめてから最初のノンレム睡眠が一番成長ホルモンが分泌されるのです。

この成長ホルモンにより、脳や身体の疲労や傷の修復・再生が促されます。

身体の疲れをとり、お肌のケアや老化防止を重視した睡眠をとるためには、この初めのノンレム睡眠がとても大切になります。

ゴールデンタイム

寝はじめてから3時間から4時間ほどの睡眠時間の間を、『睡眠のコアタイム』『ゴールデンタイム』などと呼ぶことがあります。

夜10時から2時に寝るのが望ましいという説がありますが、寝る時刻よりも時間のほうが大切なんです。

90分刻みがおすすめ

上でもご紹介したように、ノンレム睡眠とレム睡眠は1セットになっており、1サイクルがだいたい90分です。

個人差はありますが、ノンレム睡眠とレム睡眠を何度も繰り返して眠るので、睡眠時間が90分の倍数になるようにするのがおすすめです。

できるだけ3時間以上は眠るようにしてください。

身体は睡眠中にこのサイクルを繰り返しながら、徐々に血圧が上がり始め、覚醒に向かっていきます。

ノンレム睡眠で成長ホルモンを分泌し、レム睡眠で起きる準備を整えてから起きるとすっきり起きられるのです。

一般的におすすめの睡眠時間は、4時間半、6時間、7時間半です。

寝るのに適した光

身体は光を浴びることで体内時計をリセットします。

朝起きたら太陽の光を浴びることで身体がリセットされ、新しい一日を気持ちよく始めることができるのです。

寝るときに強い光を浴びてしまうと変な時間に体内時計がリセットされてしまい、質の良い睡眠を取ることができなくなってしまうので注意してください。

たとえば寝る前にコンビニエンスストアに出かけてしまうと、強い光を浴びてしまうのでNG。

寝る数時間前から、室内の照明はやや暗めの、落ち着いた明るさに調整するのがベストです。

調光できるタイプの照明なら明るさを落とすと良いです。

またはメインの照明を消して、ダウンライトなどの間接照明にするのもおすすめ。

目に入る光の量を減らしていきましょう。

また、光の色は暖色系や白熱灯の明かりなどのやさしめのものが良いです。

蛍光灯などの青い系統の光は体内時計が狂いやすいので要注意。