高齢化は日本の深刻な問題になってきています。

それは日本が世界でもトップクラスの長寿国であると同時に、少子化が進んでいるからでしょう。

医学の発展、食生活や治安の良さなど、長生きできる環境が整っていることと、晩婚、不妊、子供を持たない生き方の選択など様々なことが関係しています。

今日本にいる全ての人の年齢を足して平均を出した、2017年度日本平均年齢は46.5歳です。

この数字をみなさんどう思われましたか?”高齢化といっても46歳ならまだまだ若いじゃん”と思われたでしょうか?

日本の平均年齢と言われてもピンとこないかもしれませんが、なんと世界ランキング1位で、28.2歳という世界平均よりはるかに高く、日本にいかに高齢者が多いかを表しています。

しかも、シュミレーションによると年々平均年齢は上がり続け、2036年には、平均年齢が50歳に到達すると危惧されています。

そんな長寿国の日本では、シニアになってからどう過ごすか、人生の終盤の過ごし方が興味の対象となっています。

いつまでも健康で長生きしたい

長生きすれば良いというわけではなく、体の自由が聞いて、やりたいことができ、生き生きとした暮らしを最後まで楽しみたいというのが皆の願いですよね。

長寿になればなるほど、退職したり、子育てが終わった後の時間が長くなるわけですから、責任から解放された後の自由な時間に、どれだけ充実した生活が送れるかが、その人の一生の幸福度を左右することもあるでしょう。

しかし残念ながら、どんなに望んでいなくても老化現象は誰にでも現れてしまします。

人の体の成長は、20代をピークに緩やかに下っていきます。

そして40代に入ると体の機能が低下し、疲れやすくなったり、白髪やシワが目立つなどの外見の変化が見られたり、筋力や運動神経、反射神経が鈍くなるなど衰えを自分でも自覚するようになります。

そう考えると、人生の半分は老化現象と戦いながら生きることになるのです。

健康寿命を伸ばそう


それだけ老人としての時間があるということは、やはり真剣に自分の健康と向き合う必要があることがわかります。

みなさんは「健康寿命」という言葉を聞かれたことがありますか?その意味についてはこれから深く掘り下げますが、簡単にいうと、健康で活動的に暮らせる期間のことです。

80年〜90年ある人生の中で、病気にならず、頭もしっかりした状態で暮らせる期間はいったいどのくらいでしょうか?亡くなる最後の最後まで、健康な人は決して多くはありません。

老衰の場合は、徐々に低下する思考力や、体の不調と戦いながらが最後を迎えます。

老化は避けることができないことですが、少しでも健康に、頭もしっかりとした状態、つまり健康寿命をできるだけ長くするなら、より有意義で実りの多い人生を送れるのではないでしょうか?

健康寿命とは

「平均寿命」という言葉は、昔からよく耳にしてきましたが、「健康寿命」という言葉は最近ちらほらと聞くようになってきましたが、平均寿命ほどには普及していないかもしれません。

しかし先ほど考えたように、高齢化や少子化が進んだ日本で、シニアとしてどれほど自立して暮らせるかは、すぐにでも真剣に取り組むべきこととして考えられるようになり、国を挙げて「健康寿命」を伸ばすことが推奨されるようになっています。

ですから、これからじっくりと健康寿命とは何かについて調べていきましょう。

健康の問題がなく日常生活を送れる期間


「健康寿命」とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指数で、「健康の問題がなく日常生活を送れる期間」、「日常的・継続的な医療や介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間」と定義されています。

つまり、平均寿命から病気や衰弱、痴呆などになる期間を除いた期間と言えます。

一般的に老化現象は40代から始まりますが、年齢からのものと、病気などによって引き起こされるものの2種類に分かれます。

症状が同じようなものなので、その二つの老化現象の違いを見分けるのは難しいですが、病気によって起こるものは、進行が早かったり、低年齢で発病することが多いです。

老化現象の症状としては、視力や聴力の低下、筋力の低下に運動神経や反射神経の衰え、関節の弾力がなくなったり、骨が弱くなったり、血圧が高くなったり、動脈効果が起きたりします。

しかし、老化現象が始まったからといって、健康ではないということではありません。

まだ十分に日常生活を楽しみ、誰にも迷惑をかけずに自立した暮らしを送れる人もいます。

ですから、その場合はまだ「健康寿命」の範囲内ということができるでしょう。

しかし、老化現象が進行し、体のいたるところに不調が見られるようになると、人と上手にコミュニケーションが取れなくなったりして外出することが苦痛になったり、何もないところで転倒して骨折し、それを境に動けなくなってしまったり、脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる深刻な病気に発展してしまう可能性が高まります。

そうなると、医療や介護に頼らざるをえない暮らしになりますね。

医療や介護に頼ることがない状態

どんな人でも体調が悪くなればお医者様にいきますし、若い人でも持病があるなら常備薬を服用していることもあるでしょう。

さらには、入院したり、一時的に人の助けが必要なこともあるでしょう。

しかし、健康寿命に含めない医療や介護には、常習的に誰かの助けや、医療の補助がなければ日常生活をおくれないことという意味です。

ですから、自立した生活を送りながらの薬の服用や、一時的な介護は含まれません。

つまり、要介護、要支援の状態をさしているのです。

介護の問題も連日ニュースを賑わせていますが、高齢化と少子化が進んでいる日本では、介護される人の人数に介護する人の数が追いつかず、慢性的な人手不足で介護施設や訪問介護の会社が悲鳴を挙げていますし、現場にいるスタッフの負担も非常に高くなっています。

さらには、老々介護と言われる、高齢者が超高齢者を介護するという、介護する人の年齢の高さも問題になっています。

ですから、介護や支援を必要としない、健康で自立した生活を送れる期間を少しでも長くすることは大切です。

健康寿命の平均

ここまでで、健康寿命が何かを見ることができました。

では、実際の日本の健康寿命はどれくらいなのでしょうか?気になりますね。

一番最近の健康寿命の公式データーは、2013年に厚生労働省が発表したもので、男性71.19、女性74.21歳になります。

健康寿命の平均の算出方法には、Sullivan法、Katz法、Rogers法と様々ありますが、日本で用いられたのはSullivan(サリバン)法です。

基本的に、年齢階級別の死亡率と、健康な人の割合の2つの基礎データを元に算定されます。

「平均」と聞くと、単純に人数分を足して割ると、算数の授業で習ったことをイメージしてしまいますが、平均寿命にしても健康寿命の平均にしても、そのような単純な算出方法ではなく、複雑なデーターに基づいて算定されています。

ですから、さらに詳しくお知りになりたい方は、専門的な知識を個人的に深めていただくとして、ここでは厚生労働省が採用している数字で話を進めてまいりたいと思います。

男性は71.19歳

この数字をみなさんどう思われましたか?皆が夢見る「幸せな老後」が、70歳までなんて悲しくなりますよね?

あくまで平均ですので、この歳を過ぎても元気にシニアライフを楽しんでおられる方が周りにおられる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、23歳か24歳で就職して、休みもほとんど取らずに、場合によっては家族との時間や趣味の時間を削って一生懸命仕事し、60歳や65歳までほとんどの時間やエネルギーを仕事のために費やす男性が一般的な日本で、その後の5年か10年しか元気で、自由に楽しめる時がないなんてあまりに残念です。

ですからこの数字を見て、退職後少しでも長く健康でいたい、もしくは、父親や夫の元気な時が、できるだけ長く続くと良いなという願いが強くなったのではないでしょうか?

女性は74.21歳

女性は男性よりも3歳ほど長い74.21歳です。

しかし少し長いといっても、やはり短いというのが率直な感想ですよね。

自分の母親や祖母、また妻の年齢を考えてください。

家族の中で”お母さん”という存在ほど大きなものはないですよね?

母親や妻が風邪をひいたり、怪我をしただけでも、家の中がパニックになったり、ごちゃごちゃになってしまうほど、家の中で女性が担っていることは多いのです。

食事の支度、洗濯、家の掃除、買い出し、ご近所との付き合いなどの実務的なことから、相談役、聞き役、安らぎなど精神的な支えになっていたり、家族内のバランスを保ってくれるような家族にとってかけがえのない存在であることが多いですね。

ですから、万が一母親や妻が倒れて、寝たきりになったり、介護が必要になると、結婚して家を離れていた子供達までみんなの暮らしに影響を与えるほど大きなダメージを与えます。

ですからやはり、いつまでも健康でいてもらわなくては困りますよね。

健康寿命と寿命の差

寿命とは、みなさんご存知のように、生命の存続する期間のこと、つまり、人が生まれてから死ぬまでの時間のことですよね。

ですから、当然ながら一人一人異なります。

また、生まれた環境、国、持って生まれた体力、生活環境、医療の充実状態などに大きく左右されます。

そして平均寿命とは、ある集団に生まれた人間が平均して何年生きられるかの期待値です。

算出方法は、健康寿命と同じく、様々なデーターに基づいて算出されます。

単純に同じ年生まれの人の死亡した年齢を人数で割るような計算で出すものではないのです。

しかも基本的には、0歳児の平均寿命というシュミレーションのようなものなので、「今年の平均寿命が86歳だから、46歳の私は後40年ある」というように使うものではありません。

「平均」とか「寿命」ということだけでイメージして、このように言われている方をよく耳にしますが、実際はもっと複雑で、その年に生まれた人の平均余命を、データーに基づいて算出していると覚えておきましょう。

しかし、細かいことはひとまず置いておいて、同じ歳の平均寿命と、健康寿命を比べて、その差を把握するなら、何年くらい介護やサポートが必要になるのかをイメージするのに助けになりますし、その差をできるだけ縮めるために何かできることはないかと考えやすくなるので、早速、平均寿命と健康寿命を比較して見ましょう。

先ほどの健康寿命と同じデーター年の2013年度の平均寿命は、男性80.21歳、女性86.61歳です。

男性の平均寿命は80.21歳

日本は、治安が良く、医療も充実しており、食生活も健康志向なので、長寿なのは昔から知られていますが、平均寿命も年々伸びていることを皆さんご存知ですか?世界保健機構の2016年の男性平均寿命でも80.5歳と、世界ランキング6位と高いレベルを維持しています。

ちなみに1位がスイスの81,3歳、2位がアイスランドの81.2歳、3位がオーストラリアとなっています。

男女混合の平均だと、昨年に引き続き世界ランキング1位になります。

このように、世界的にもかなりの長寿国であり、かつ平均寿命も伸びているのであれば、健康寿命も伸ばしてその差をできるだけ埋めていきたいですね。

約9年の差

2013年度の男性の健康寿命が71.19歳でしたから、その差が9年になります。

9年もの間、人や医療のサポートがないと、生きられないなんて辛いですよね。

この9年を、その前の時と同じ健康状態を保ち、自由に出かけたり、趣味を楽しめたらどんなに良いでしょうか?

よく「死ぬときはコロッとしにたい」と言われている男性がいらっしゃいますが、確かに、病気で苦しんだり、寝たきりになったりして、毎日痛みや歯がゆさと戦わないといけないと思うとそれを考えるだけで、歳をとるのが怖くなってしまいます。

女性の平均寿命は86.61歳

日本女性の平均寿命は、世界ランキング1位です。

世界平均が、73.8歳であることを考えると、それよりも10年以上も長い日本は、稀に見る長寿国と言われるのも納得ですね。

しか日本人女性がなぜこれほどまでに長生きなのでしょうか?

それは、医療制度の充実、高齢になってからの社会参加に加え、米や魚、大豆食品を中心とした健康的な食生活、緑茶を飲む習慣など、日本人独特のライフスタイルが大きく関係しているようです。

さらには、入浴や身の回りを清潔に保つ習慣なども、感染症の予防に繋がり健康促進に役立っていると言われています。

でも、これらは男性にも当てはまることですね。

日本人男性の平均寿命80.21歳よりも6歳も女性の方が長い要因としてどんなことが考えられるでしょうか?

その要因として、3つの男女の違いをあげることができます。

まず、ホルモンの働きです。

女性は、血圧を下げたり、悪玉コレステロールの毛中濃度を下げる女性ホルモンの”エストロゲン”を多く要しています。

さらに、動脈硬化を抑える”アディポネクチン”というホルモンも、女性の方が数値が高いです。

2番目の違いは、基礎代謝です。

基礎代謝とは、息をしたり、体の臓器を動かすなど、生きていくために必要な最低限のエネルギーです。

その基礎代謝の量が、女性の方が少ないのです。

ですから、男性よりもより少ないエネルギーでも生きていけ、環境の変化にも順応できる体と言えます。

さらに基礎代謝が低いと、老化を促す活性酸素もできにくいのです。

3つめは、健康意識です。

女性の方が、食事の栄養バランスを気にしたり、生活習慣を規則正しく保ったり、自分の健康にも敏感と言われています。

そして、異常を感じたらすぐに医療機関を受診するなど、普段から健康に注意しているという違いが、寿命の長さとして現れているのでしょう。