最近、大義名分という言葉をよく聞くことができました。

それは、2017年秋の衆議院の解散があった時です。

与党が解散を宣言すると、野党はこぞってこの解散には大義名分が無いと訴えていました。

この様子は、TVで何回も流されたので、大義名分という言葉が印象に残っていたのです。

大義名分とは、簡単に言うと何かを行う時の根拠や正当性ということです。

本来は儒教の教えに由来する考え方で、君主に仕える家来が本来守らなければならない節度や出処進退などのあり方を示したものです。

この観点から野党の意見の趣旨を考えると、解散を決める節度に欠けていると言うことでもあるのでしょうか。

でも、大義名分は難しい言葉なのですが、なんとなく理解できる言葉でもあります。

大義だけでも、人間が行うべき大切な道義という意味で、急に自治会の役を降りると「あの人は辞める大義がない」と非難されることもあります。

大義名分という言葉を解析!

名分という意味は、立場や身分に応じて守らなければならない道義と節度のことです。

大義も人間が行うべき大切な道義という意味で、大義名分とは、どちらも人間の道義や節度を守ることを表しているようです。

何事かを決める時や応援する時には、その理由というものをハッキリとさせます。

知り合いの子供が中学校に進学するに当たり、私学の名門中学校を受験するそうです。

家から少し遠いのですが、その中学校を目指すそうです。

近所の人の感想では、あの私立中学校は偏差値が高いし学費も高額なので入試も大変だということですが、それでも家族は受けさせるとのことです。

その父親もその学校で学んだということですが、受験する大義名分としては中高大一貫学校だからです。

中学校に入学すれば大学までの試験勉強はなくなり、のびのびと学生生活を楽しめるのです。

大義名分とは?


大義名分の本来の意味は、臣下として守るべき道義や節度のことですが、一般的にはある行動の理由づけや根拠という意味で使用されることが多いようです。

大きな組織で何か重要なことを幹部で協議して決断する時に、その結果が部下たちの意に反する方向に進むことになった場合には、単に「これこれの理由で止めます」というよりも、「このまま継続すれば、関連業界に対する大義名分が立たなくなるので辞退にしたい」という方が格式が高くもっとものように感じるのです。

1.人として守るべきこと

大義名分とは、本来人として守るべきことです。

人として守ることというのは、かなり重い言葉です。

何か法的な違反をして法律家に諭されているようです。

しかし、現実の生活の中でも、じつはこのことを利用していることが多いのです。

JRで通勤している時に、朝の出勤時間帯に人身事故が発生し、約1時間の遅れが出ます。

こんな時には、遅延証明書をもらって堂々と(少しは遠慮しますが)出社できるのです。

この列車が遅れた時の遅延証明書は、いわば出社が遅れる時の大義名分になるのです。

自分自身は、いつも通り出社しようとしたが、事故で遅れてしまったという遅れた根拠を説明できるのです。

仕事を失敗した時に、わたしはキチット準備していたのですが、材料の納品が遅れたので、予定通りにはできませんでした、などと他人のせいにする方法も、大義名分を活用した理由付けのようです。

2.その言動をする根拠となること


わたしの後輩が、高校のサッカー部で活躍しています。

先日、練習を見に行くと、しきりにオーバーヘッドキックを練習しています。

オーバーヘッドキックとは、後を向いたままで宙返りでキックする技です。

サッカー好きの人なら、一度は試合で決めたところを見ているはずです。

難しい技ですが、一生懸命練習しているのです。

後輩に、なぜそんな難しいキックを練習しているんだと聞くと、照れながらキャプテン翼の主人公の大空翼になった気持ちなのです。

漫画の世界で、ゴールポストに当たって跳ね返ってきたボールをオーバーヘッドキックで決めるシーンがありますが、まさしくこのシーンを頭に描いて練習しているようです。

これがこの練習の大義名分なのです。

3.口実となること

「えっ!なぜ今頃そんな事をする必要があるの?」と同級生から非難を浴びても、「だって、先生が今からすぐに取り掛かれと言ったもん!」と先生の肩書きを利用して、ごまかした経験はありませんか?

このパターンは、よく使われるようです。

部長や課長や誰か上司のせいにして、好きなことをしでかす者もいるのです。

しかし、課長からの指示だと言って行動していたら、当の課長がすぐそばにいて、「オレはそれに関して何にも指示していないぞ!」とバラされて、大目玉をくらった人もいます。

これは、完全な濡れ衣であり虚偽行為ですね。

特に、みんなの意に反する行動を取るには、大義名分すなわち口実が必要なのです。

いつ考えられた概念?

この大義名分という概念は、儒教の始祖と言われる孔子が、紀元前500年ごろの中国の春秋時代に作られたと推測されます。

その後日本に伝わって、儒学者や国学者の間で儒教思想を基本とする大義名分論という思想が普及しました。

そして、江戸幕府が設定した士農工商の身分制度は、君臣の支配服従関係を確立するために大義名分論によって支えられました。

1.儒教や国学に由来

大義名分は、儒教に由来する考え方であり、君主に仕える臣下が守るべき道義や節度、出処進退などのあり方を説いた考えです。

日本の儒学者や国学者にも影響を与えたのです。

大義名分のよくある使い方

大義名分のよくある使い方について説明します。

1.大義名分を持たない人は成功しない

スポーツの世界でも、象徴的な出来事があります。

万年Bクラスで低迷していたバスケットチームが、存続の危機に陥った時です。

スポンサーも離れていき観客数も減っていったので、存続が困難になったのです。

この時の監督は、チーム設立時から指揮を取っていたのですが、責任を取ってこのシーズンで引退することが新聞に掲載されたのです。

これを知ったリーダーはチームメート全員を集めて、このシーズンは団結して上位を目指そう。

そして、監督の花道を飾ろうと提案したのでした。

たちまち、試合での勝利への執念が強まり、一致団結してなんとトップになってしまったのです。

このシーズンは、監督のこれまでの努力に報いるためという大義名分があったからではないでしょうか。

大義名分を持つことにより、成功に結び付けることもできるのです。

2.あなたの論理は大義名分として成立しません

大きな組織になると、指示・伝達が思うようにいきません。

現場では、よく報告・連絡・相談を徹底するように通達が回ります。

しかし、みんな忙しいこともあってなかなか報告を上げることが面倒なのです。

大きな仕事を行う場合でも、それを実行するには企画書を上司に提出して、幹部の判断を仰ぐのですが、なかなか結論が出ない時があります。

キチット決済がおりてから実施するのがルールですが、かといってもゆっくりしているとライバル社に負けてしまいます。

そこでつい、部長もこの件については前向きだからと、大義名分をかざして始めようとします。

しかし経理部門から、あなたの論理は大義名分として成立しませんと釘を刺されたのでした。

3.この戦争には両国に大義名分があった

国と国との戦争や紛争は、一時の感情の捻じれだけで始まるものではありません。

また、その国の指導者が個人的な考えだけで、相手国に攻め込むようばこともありません。

そこには、国としての戦争をする大義名分必ずあるはずです。

過去の戦争のいきさつを考えてみると、様々な原因がありました。

例えば、1840年に起こったイギリスと中国(清)とのアヘン戦争です。

イギリスがインドで栽培していたアヘン(麻薬)を中国に密輸して巨利を得ていたのです。

そこで、アヘンを禁止していた中国(清)とイギリスの間で戦争が起こったのです。

結果的にはイギリスが勝利して、香港を統治することになったのです。

現在は、香港は中国に返還されています。

このアヘン戦争は、清がアヘンの密輸で利益を上げるイギリスに対して、清がこれを防ぐという大義名分があったようです。

4.大義名分さえあれば何をしても良いと思っている人がいる

大義名分があれば何をしても良いと思っている人もいます。

よくあるのは、財テクで金儲けが成功し、成金になった人の二世に多いようです。

お金と名誉があるので、父親の名前をかざして傍若無人に振る舞う人もいるのです。

周りからヒンシュクをかっているのに気付かずに、何をしても構わないと思っているのです。

何か失敗してもオヤジが後の面倒を見てくれるからと、大義名分をかざして行動するのです。

最近事件で話題になっている二世タレントも同じですね。

業界の中で父親の知名度を大義名分にして、中途半端な活動をして後ろ指をさされている人も多いようです。

まずは、人としての生きざまが評価されるべきです。

5.休みたいけど大義名分がない

学生時代から、授業をサボって遊びに行ったり、街で女の子を追っかけ回していた人は、社会人になると時間がなくなって辛く感じるものです。

休日は、どこも一杯だしゆっくりできないからです。

そこで、何とか休みを取りたいので、いろいろ大義名分を考えます。

なんとなく休みたいといっても、みんな同じだと一喝されるのがおちです。

そこで、もっともらしい大義名分を考えるのです。

インフルエンザと言えば、一日で完治する訳でもなく、これはなかなか使えません。

急な腹痛・頭痛などの体調不良は大義名分として使えます。

それと、最近胃がキリキリ痛くて困っているので、病院で検査してもらうという検査も大義名分には効果的です。

そのほかでは、知人や親戚の法事です。

13回忌とか何回忌の法事は、命日にすることがあるので平日でも行うからです。

法事が何回も続くと不審に思われます。

もっと、ユニークな大義名分があるはずです。

6.これを提案するためには大義名分が必要だ

これは、ごくもっともな考え方です。

何かを提案するには、仲間のコンセンサスや責任者の同意が必要です。

このためには、これを実行するための大義名分が必要です。

しっかりとした大義名分があれば、提案も通りやすいはずです。

ことある毎に大義名分を述べる人の特徴

ことある毎に大義名分を述べるのは、自分の提案に自身がないか、後ろめたいことがあるからかも知れません。

この辺のところを考えてみました。

1.常に使命感に燃えている

本人はこれを成し遂げようという強い使命感に燃えているかも知れません。

そのために、周りの人に協力してもらおうと必死なのです。

そのために、これを実行するための理由付けを大義名分として活用しているのです。

2.自分の存在意義を常に考えている

自分を正当化するために、大義名分が必要なのです。

これをやるべき理由や根拠があるから、自分は努力していると、自分の存在意義を示しているのです。

3.自分は常に正しいと思っている

大義名分は、誰が考えても納得のいく理由のはずです。

それを実行する自分は、常に正しいと思っているのです。

4.理想が高い

大義名分で実行することは、立派な成果をあげて立派に社会に貢献できるという夢を追うのです。

大義名分の下では、邪魔するものはいないのです。

だから理想は高く掲げるのです。

5.几帳面

大義名分が好きな人は、常に新しい目標に向かう新しい大義名分を考えます。

このように、何かを行うための根拠が明確になるので、几帳面と言えます。

【几帳面については、こちらの記事もチェック!】

6.白黒はっきりさせたがる

大義名分の下で行動するので、これに従うか従わないかを区別する傾向があります。

つまり、敵か味方かです。

白黒はっきりさせたがるのです。

7.自分の言動全てに意味を持たせようとする

大義名分によって行動する人は、ある意味水戸黄門の印籠をかざして説得させようとするのと同じことです。

自分の行動は正しい、意味があると思わせようとしているのです。

8.論理的思考をする

もともと大義名分とは、何かをする時の理由や根拠という意味で使われますので、大義名分が好きな人は理屈っぽくて論理的思考が好きなのです。

【論理的思考については、こちらの記事もチェック!】

9.人の話をあまり聞かない

大義名分で動いている人は、理由付けがしっかりとしていると思っているので、人の意見やアドバイスを嫌います。

人の話をあまり聞きません。

10.自分を良く見せようとする

当然ですが、自分は大義名分によって実行することを選ばれたと感じているので、自分が正しいと良く見せようとするのです。

11.すぐに疑問をいだく

自分の思うことと違う行動を取られたり、意見が異なると、すぐに疑問を抱く性格です。

12.人の揚げ足をとろうとする

自分の行動は大義名分によって正当化されているので、逆らうものには反発して人の揚げ足を取ろうとするのです。

13.マニュアルや決まりを厳守しようとする

意外と堅実な性格なのです。

大義名分で守られているので、マニュアルや決まりを厳守しようとします。

14.物事を計画的にやろうとする

大義名分で行動する時には、自分がやりたいことはほぼ思うとおりに進みます。

そこで、物事も計画通りに余裕をもって進めることができるのです。

15.優越感を感じたい

大義名分があれば、怖いものはありません。

優越感を持って行動できるのです。

まとめ

戦争でも何らかの戦いでも、軍の兵士は上官の命令には従って戦います。

しかし、その戦いに大義名分がある時には、その集団は結束して一丸となって戦えるのです。

少数劣勢の軍が、大義名分をかざして大軍を退けたという話しはいくつも存在します。

大義名分という旗印は、効果絶大なのです。

あなたが、何かで行き詰って悩んでいる時には、この大義名分を探し出して利用すると、思わぬ突破口が見つかるかも知れません。