皆さんも時々、あらたまった席などで「遅ればせながら」という言い回しを聞いた事があるでしょう。

使う側にとっても聞く側にとっても便利な結構使い勝手のいい表現です。

ですが「遅ればせながら」の正確な意味、使い方についてご存知でしょうか?

格好良い言い回しですから、すっとそのまま聞き流してしまう事も多いですが、あらためて考えてみると意味が良くわからないですよね。

「遅れる」は日常よく使う言葉だけれど「ばせながら?」はどういう意味なのでしょう?

「ばせながら」はちょっと考えると多分「ばせ」と「ながら」が組み合わさった言葉と想像が付きます。

でも、「ばせ」は普段は使わない単語ですよね。

「ながら」は「ながら勉強」のながらでしょうか?ちょっと意味が通りませんよね。

というわけで、今回は遅ればせながら「遅ればせながら」の正確な意味と用法について解説いたします。

️遅せばながら…ってどういうときに使う?

前もって申してあげます。

「遅ればせながら」の説明は話が長くなります。

その前に、まず「遅ればせながら」についてあまり出会ったことがない人のために、この言葉がどういう場面で使われるかのかについて簡単に説明しておきましょう。

「遅ればせながら」は少しかしこまった冠婚葬祭や歓送迎会などの会合で使われるとしっくり来る言葉です。

祝辞やご挨拶に立った時によく使われます。

「遅ればせながら」はビジネスの場面でもよく登場します。

あらたまった席や、たくさんの関係者が集まった場所で周囲をねぎらいたい場合などに重宝する言葉です。

「本来ならもっと早くに申し上げるべき謝辞(お礼)や謝罪(お詫び)です。遅くなってしまいましたが今から謹んで申し上げます。」
という長いニュアンスが「遅ればせながら」と音にして8文字で誤解なく明確に表現できます。

便利で機能的なフレーズです。

️遅ればせながらの解説


それでは遅ればせながらを解説してまいりましょう。

遅ればせながらの意味

「遅ればせながら」は、「遅れる」+「馳せる」+「ながら」の3要素が組み合わさってできている表現です。

「遅れる」は文字通りの遅れるの意味です。

「遅れ」については「後れ」をあてる場合もあります。

「後れをとる」の後れです。

意味としては「遅れ」も「後れ」もほぼ同じですが「後れ」をつかうと単に時間的に遅れたというニュアンスに加えて、不覚にもというようなミスした感が追加されます。

「馳せる」は、馳せ参じるの馳せるです。

現代語になおせば「駆けつける」「飛んでくる」あたりに相当します。

つまり「遅れ馳せ」は「駆けつけるのが遅かった」「タイミングを逃した」「来るべきときに間に合わなかった」という意味になります。

3つ目の「ながら」については、「逆接」のながらです。

逆襲のシャアではありません。
(えっ意味がわからない?脱線しました。ごめんなさい。)

「~にも関わらず」「~ですが」「~ですけれども」というような逆説の意味で使われる「ながら」は、現代の日常会話で使われることは少なくなってしまいましたが、今でも古い表現では多用されます。

「卒爾(そつじ)ながら」といえば、突然ではございますがとビックリニュースのご報告に続きます。

「未熟ながら」といえば、まだまだ未熟者ではございますが、と大任を仰せつかって恐縮しつつも頑張る気持ちの表明になります。

「僭越ながら」というと、地位や立場上役不足な自分ではございますが、と音頭をとって乾杯したりするわけです。

いずれも「自分を貶める表現+ながら」の形をとってへりくだって(畏まって)謙遜する表現です。

「遅れ馳せながら」も同じです。

「これから皆様に申し上げる事は、最適なタイミングを逸してしまっている事で大変恐縮ではございますが、」と前置きしているのです。

ですので、自分や身内に対してしか使うことはできません。

格好いい表現だからといって、目上の人や他人を指して「遅ればせながら」と形容したら大変な失礼になります。

ご注意下さい。

ちなみに、現代の日常会話でこの逆説の「ながら」が登場するのは次のようなケース限定です。

「ダイエットしなくっちゃと言いながら、オヤツをやめない」ですとか「男なんてもう懲り懲り!と言いながら、合コンがあるとすっ飛んでくる」という風に登場します。

言ってる事とやっている事が違うよ!と非難・指摘する場合ですね。

逆説の接続詞は他にも沢山ありますので、順接と逆接が混同しやすい「ながら」の逆接用法は利用が減ってしまったのです。

遅くなりましたが

謙遜するニュアンスを外して「遅ればせながら」の前半部分の「遅れ」に注目してみます。

そうすると「遅ればせながら」は現代の表現なら「遅くなりましたが」に該当するでしょう。

この場合は、後ろにお詫びと対処(弁償・弁済・埋め合わせ)についての言葉が続きます。

お詫びして埋め合わせをするニュアンスです。

今更ではありますが

同じく謙遜するニュアンスを外して「遅ればせながら」の中央の「馳せ」に注目してみましょう。

この場合は「遅ればせながら」は現代の表現なら「今更ではありますが」に該当するでしょう。

この場合は、後ろには弔事のお悔やみや皆様への謝意・感謝などの言葉が続きます。

ねぎらうニュアンスです。

文章や会話の前置きとして使う


「遅ればせながら」は文章や会話の前置きとして使うのに重宝する表現です。

特にかしこまった文章や、多くの人達の前でスピーチ・挨拶する時にサラっと自然に使えると大人びて見えます。

慣用句に近い表現になっていますので、特に遅れていなくても、使って問題はありません。

ですが、以下のケースで使うとシチュエーション的にドンピシャリです。

遅れたことを申し訳なく思っているとき

実際に遅れてしまった場合、申し訳なく思っているなら「遅ればせながら」を是非使いましょう。

「遅れてしまって大変申し訳ございません。」

あなたに土下座をされては、待っていた周囲も気まずくなってしまいます。

(もちろん土下座するほうが適切な相手や場面もありますが…)

「遅ればせながら」と枕に言葉を置いて、真摯に謝罪と説明を受ければ、話を受けるほうも気まずい思いをせずに受けることができます。

それでいてあなたの申し訳ない気持ちはしっかり先方に伝わります。

事情がありタイミングを逃したとき

事情があってタイミングを逃してしまった時も「遅ればせながら」を使いましょう。

相手にとってベストタイミングを逃してしまっていますが、あなたのせいではありません。

そのことは先方も分かっています。

謝罪するのも謝罪されるのもちょっと微妙です。

ですが、タイミングを逸しているのにその事への言及が全くないのも、ちょっと心に引っかかります。

そんな時「遅ればせながら」を使えば、しっくり来るのです。

色々なニュアンスを含んでいるので、双方がすっと腑に落ちるのです。

白黒つけないグレーな定番表現にはこういう効用もあるのです。

ややかしこまった言い方

「遅ればせながら」は、ちょっと古めかしい表現です。

現代の日常生活で使うと、ややかしこまった感じになります。

多くの人が集まる会合での挨拶や、時候の挨拶の手紙などで使うとしっくりくる表現です。

ですが、オフィス内やプライベートの日常会話で使うと少し変な感じになります。

「遅ればせながら、LINEにリプライした。」
「遅ればせながら、営業日報を提出させていただきます。」
「遅ればせながら、ゴミ出しをする。」
意味としては、やるべきタイミングを逃して後からやったという事なので正しい訳ですが、かなり変ですよね。

️遅ればせながらを使うとき

せっかく使い勝手の良い「遅ればせながら」を覚えたのですから、ぴったりの場面で使いたいですよね。

ビジネスシーン、祝辞、弔事、お詫びの4つのタイミングでぴったりの場面が登場します。

ビジネスシーン

ビジネスシーンでは、いつでも時間が切迫しているものです。

契約を締結して納期が決められていなくても、見積書を送るのでも、外を飛び回っている営業マンに連絡を入れて先方に折り返し電話をさせるのでも、なにがしか相手を待たせる場面が多い訳です。

そんな時には「遅ればせながら」をメールやFAX、電話に一言添えるとすっと読み心地のよいビジネス文章になります。

・先日ご相談頂いていた商品のサンプルが取り寄せできました。遅ればせながら、本日そちらへ速達にてお送いたしました。

・営業◯◯と連絡がつきました。遅ればせでございますが、すぐにそちら様に伺うと連絡が入りました。今しばらくお待ち下さいませ。

・ただいままで打ち合わせが長引いておりました。遅ればせながら議事録をお送りさせていただきますので、よろしくご確認ください。

・ご依頼の件につきまして先程決済承認が通りました。遅ればせでございますが契約書をお送りさせていただきます。

祝辞

祝辞を述べることは、多くの人はそれほどたくさんは経験しない事でしょう。

祝辞は「遅ればせながら」を使う絶好の機会になります。

トライしてみましょう。

「ただいまご紹介に預かりました新婦の父でございます。この度はみなさまにお集まり頂きかくも盛大に…(つらつら)…遅ればせではございますが、皆様からの温かいご指導・お力添えに心から感謝申し上げます。」
と大口上の中で使っても良いです。

単に「遅ればせながら御礼申し上げる次第です。」と使っても問題ありません。

この場合、なにがどう遅ればせかがはっきりしなくなりますが、文脈で十分理解してもらえます。

多くの方には結婚式の場ではじめてお会いしますが、以前から新郎・新婦に良くしてくださってありがとう。

本来ならずっと前にお会いしてお礼を申し上げるべきでしたが、今この場で「遅ればせながら」まとめて一斉に御礼申し上げさせて下さい。

という意味で理解してもらえます。

結婚式の後の新郎新婦からのお礼状でも「遅ればせながら」は大活躍します。

仲人を勤めてくださった方や、司会をしてくださった方へのお礼状には、当日、ご挨拶する暇もなかったことをお詫びして「遅ればせながら」ご尽力に感謝するお手紙をしたためて下さい。

こうして見てみると、この「遅ればせながら」は相当に効率的な謝意表明の表現ですよね。

弔辞

弔辞の場合も「遅ればせながら」が大活躍します。

お祝いの席は前もって準備期間がありますが、弔事は多くの場合突然やってきます。

私たちは、昔のように知り合いが狭いコミュニティの中で職住近接で生活している訳ではありません。

ビジネスにプライベートに忙しく飛び回っています。

多くの場合、大事な知り合いの弔事にも遅参せざるを得ないのが実情です。

そんな時は「遅ればせながら」をつけて弔意を表しましょう。

「遅ればせながら◯◯様の訃報を知りました。」
「遅ればせながら謹んでご冥福をお祈り申し上げます。」

弔意を表すときは、「遅ればせながら」の同義語・類語「遅まきながら」「遅くなってしまいましたが」などよりも古風な感じのある「遅ればせながら」が一番しっくりきます。

是非使い方をマスターしましょう。

お詫び

お詫びをしなければならない時も「遅ればせながら」を使いたい場面です。

お詫びで使うシーンは、だいたいがビジネスの場面です。

上のビジネスシーンの節で説明しましたように、ビジネスでは何かにつけて相手を待たせる事が多いものです。

そんな時に先方への申し訳ない気持ちの表明に「遅ればせながら」は使えます。

一歩進んで、ビジネスで約束した期日が守れず遅延してしまった場合も「遅ればせながら」の出番になります。

多いのがお金の振込みの遅れと、クレームやトラブルへの対応が伸び伸びになってしまったケースです。

この場合はお詫びの気持ちの表明と、具体的な対処(できれば対処済の報告、無理ならば対処の方針)を2つセットで相手に伝える必要があります。

ビジネスですから、情実セットで相手に伝える場合、具体的な対処の部分「実」をしっかり伝えなければなりません。

お詫びの気持ちを表明する「情」の部分は、はっきり伝わる必要がありますが、ボリュームを取ってはいけません。

「遅ればせながら」と一言そえることで8文字で「情」の部分を伝えることができます。

この使い方も是非マスターしましょう。

️遅ればせながらの言い換え

遅ればせながらの言い換えについて確認してみましょう。

遅ればせながらの言い換えとしては「大変遅くなりましたが」と「遅まきながら」の2つが代表的です。

意味が近い言葉には「今更ではありますが」や「一歩出遅れながらも」などもあります。

大変遅くなりましたが

「大変遅くなりましたが」や「大変遅くなってしまいましたが」は、「遅ればせながら」の現代語バージョンです。

ですが「遅ればせながら」はなかば慣用句化して意味が広がっているのに対して「大変遅くなりましたが」には意味の広がりはありません。

「遅ればせながら」なら、実際にはたいして遅れてはいない場合や、今が最適なタイミングでは無いが、というニュアンスで使うことができますが、「大変遅くなりましたが」は実際に大変遅くなったと皆が感じていない状態で使うと違和感を感じてしまいます。

遅くなってしまって申し訳ないという気持ちを強く出したい時は「遅ればせながら」の代わりに「大変遅くなりましたが」を使うと良いでしょう。

そうでない場合はたとえあなたが若者であっても「遅ればせながら」を使うことをオススメします。

遅まきながら

「遅まきながら」も「遅ればせながら」と同じ意味で使われる表現です。

ですが、厳密にいうとニュアンスが違います。

「遅ればせ」は上でも解説しました通り、遅れて馳せ参じるという語源から発しているのに対して、「遅まきながら」は「遅れて」+「種まきをする」という語源です。

つまり「遅まきながら」にはお詫びのニュアンスは本来ありません。

普通の皆さんよりも遅れての出発ではございますが、というようなニュアンスです。

「遅まきながら御礼申し上げます。」
「遅まきながらお詫び申し上げます。」
「遅まきながらお悔やみ申し上げます。」は本来はあまり良い用法ではありません。
(実際多く使われていますが…)

他社が皆取り組んでいるジャンルの商品に、我が社も「遅まきながら」参入するですとか、みなさまが奨めてくださった趣味に私も本年より「遅まきながら」参加させていただきます、というような使われ方が「遅まきながら」の本来の用法です。

今更ではありますが

「今更ではありますが」は「遅ればせながら」と意味としては一番近い表現です。

ですが「今更ではありますが」には「遅ればせながら」にはある申し訳ないというニュアンスがごっそり抜けている点には注意が必要です。

「今更ではありますが」にも若干の後悔の気持ちはありますが、それが自分のせいか他人のせいかはっきりしません。

ベストタイミングを逃して心苦しい・残念だぐらいの軽いニュアンスになってしまいます。

お礼、お悔やみ、お詫び、いずれの場面にも意味としては使えますが、心を込めて伝えたいなら「今更ではありますが」よりも「遅ればせではございますが」を使いたいところです。

一歩出遅れながらも

プライベートでは使われることは滅多にありませんが、ビジネスの席や懇親会などでは「一歩出遅れながらも」「一歩出遅れましたが」が時々使われます。

「おかげさまで一歩出遅れながらも、今期お陰様で私共も東証一部に上場することができました。」
ベストの目標時期よりは遅くなってしまったり、競争相手に一歩及ばなかったけれども何かの目標を達成して仲間内やお世話になった人達で集まって感謝の意を表明したい時などに使われます。

「遅ればせながら」とちょっとだけ意味がかぶりますが、どちらかと言うと「遅まきながら」の現代表現バージョンといったほうが適切でしょう。

️遅ればせながらの頻出フレーズ

既に何度も「遅ればせながら」を使った文例を会話例をあげていますが、頻出フレーズを列挙・紹介いたしましょう。

遅ればせながら書類をお送りさせていただきます

ビジネスでクライアントや協力会社、あるいは就活中の学生に書類を送るときの送り状に使いましょう。

実際に書類作成に手間取って依頼を受けてから発送するまでに、時間がかかってしまった時は是非使いましょう。

実際にはまったく遅れることなく郵便書留やバイク便で即日配達されるとしても使って問題ありません。

「遅ればせながら」と送り状に一言添えてあるだけで、受け取った側はやわらかい印象を受けます。

たった8文字ですが効果は抜群です。

遅ればせながらご回答申し上げます

ビジネスでクライアント、協力会社などから問い合わせを受けて、メールやFAXで返信するときに使える表現です。

Webフォームやメールでの問い合わせはどこの会社でも増えています。

問い合わせにすぐに回答するのはどこの会社も困難な状況です。

特に込み入った問い合わせであれば、担当部署に問い合わせをして返事をうけて整理をしてから返信しなければなりません。

Webフォームやメールで問い合わせをした側は、インターネットの利便性が進んだこともあって相手は24時間365日営業しても当然だみたいな勢いで待っているものです。

問い合わせへのメール、FAX回答では、「遅ればせながら」や「お待たせしました。」の表現を目立つように記載するのが得策です。

返信の定形フォーマットの上にあらかじめ「遅ればせながら」や「大変ながらくお待たせしました。」あたりを入れておくと良いでしょう。

遅ればせながら◯◯おめでとうございます

祝辞を後から文章で送る時には「遅ればせながら◯◯おめでとうございます」を使いましょう。

ビジネスで様々な方々とお付き合いがある人の場合、ビジネス上の知り合いが結婚をしたりお子さんが生まれたり、昇進したニュースを後から知ることも多いでしょう。

そんな時はそのまま放置せずに、祝意のメッセージを送りましょう。

メールでも良いですが、出来ることなら形に残る手紙やハガキにしたためることをお薦めします。

人は結婚や子供の出産、昇進については知り合いから「おめでとう!」といわれるととても嬉しいものです。

たとえ後から「おめでとう!」であってもです。

そんな時には「◯◯おめでとうございます!」ではなく「遅ればせながら◯◯おめでとうございます!」の出番です。

あなたの人脈が広がること間違いなしです。

友人・知人のお祝い事に関しては筆まめになりましょう。

遅ればせながらご挨拶まで

「遅ればせながらご挨拶まで」もよく使われるフレーズです。

この使い方については「ご挨拶が遅くなってしまいましたが」という表現も一般的です。

お世話になった恩人や先輩、上司で今は疎遠になってしまった方に、自分の近況の重大な変化について報告するお手紙を書く時に使えるフレーズです。

重大な変化ですから、変化の最中は周囲に近況の連絡をとっている時間がありません。

勢い一段落してからの事後報告になってしまう訳ですが、そんな時には、最後に「遅ればせながらご挨拶まで」とつけるか、最初に「ご挨拶が遅くなってしまいましたが」とつけて近況語りを始めましょう。

今は縁遠くなってしまっているとしても、かつてお世話になった恩人や恩師、友人、先輩、上司などはあなたの人生の宝です。

近況に大きな変化があった時は、引っ越したり、昇進したり、職を変わったり、結婚したり離婚したり、子供が生まれいたり、時々に近況ご挨拶を書いてみることをお薦めします。

遅ればせながら粗品をお送りします

「遅ればせながら粗品をお送り(お贈り)します」も使えるフレーズです。

商取引やちょっとした集まりで、何か手助けをしてもらったり、何かちょっとした迷惑をかけてしまったりすることは良くあるものです。

そういう相手に対してあとからちょっとした粗品を見つくろってお送りすることもあるでしょう。

そんな時は「遅ればせながら」と一言送り状に添えて送りましょう。

手助けしてもらったり、迷惑をかけてから時間がたっているのですから、「遅ればせながら」がぴったりくるシチュエーションです。

ほのかな謝意またはお詫びの気持ちも程よく表現されている送り状になります。

遅ればせながら、謹んで◯◯様のご冥福をお祈り申し上げます

前の段落で、弔意を表す時には「遅ればせながら」がぴったりだと説明しましたが、頻出フレーズの節でももう一度説明いたします。

お悔やみ事は基本突然起きます。

私たちはみんな毎日忙しく飛び回っていて外せないスケジュールが一杯詰まっています。

突然のお悔やみ事には基本間に合わないことが多いのです。

「お悔やみ申し上げます。」には「遅ればせながら」はセットで使うものと考えておいてそれほど間違いはありません。

遅ればせながら書中をもってご回答申し上げます

「遅ればせながら書中をもってご回答申し上げます」は、「遅ればせながらご回答申し上げます」とほとんど同じフレーズです。

こちらの場合は、Webフォームやメールへの回答ではなく、実際にミーティングしたり電話でやりとりしたクライアント・協力会社に対して書面やメールで回答を送る時に使います。

もともと直接会ったり電話をしたりリアルタイムのコミュニケーションでの依頼や質問に対して、後から書面で回答するわけですから、「遅ればせながら」+「書中をもって」と2重に不義理をお詫びしているのです。

この言い回しを使う書面を送る時は、先方の希望に添えない内容の回答の場合が多くなるでしょう。

そうした意味でも表現だけでも丁寧にすることは大切です。

定型フレーズとして辞書登録しておくと良いでしょう。

️遅ればせながらを使うときのポイント

最後に、遅ればせながらを使うときのポイントについて整理しておきましょう。

目上の人にも使用してOK

「遅ればせながら」は自分の行為をへりくだる表現ですので、目上の人に対して使ってOKです。

あくまでも、自分の行為や身内の行為が「遅ればせ」であることに使う点だけは注意が必要です。

相手方や第三者が好機を逸してしまったり、遅れてきたりした様子を指摘して「遅ればせながらやっとご登場です。」などと言ってはとんでもない失礼になってしまいます。

ご注意下さい。

上司やクライアントでも使用可能

遅ればせなのが自分と身内の行為や状態である点を注意しさえすれば、あとは上司に対して使っても、クライアントに対して使っても問題はありません。

ちょっとあらたまった言葉ですが、冠婚葬祭や大きな会合のスピーチだけでなく、日常的なビジネスの打ち合わせの場で使っても違和感はありません。

話し言葉でも使えますし、ビジネスメールやビジネスレター、それから資料や粗品などに添える送り状に書いても構いません。

たいへん適用範囲の広い優れた表現です。

謝罪の場合はこれだけではNG

謝罪する場合も、最初に「遅ればせながら」を使いましょう。

ですが「遅ればせながら」には遅くなって申し訳ないという気持ちの表明しかないことに気を付けましょう。

ビジネスの場でも謝罪の場でも、相手方は謝ってもらうだけでは困ります。

そのままでは事態がなにも解決しないからです。

「遅ればせながら」だけでは「ごめんなさい!」と頭を下げている状態です。

「遅ればせながら」にはその後の対処法・リカバリーの方法、もしリカバリーもできないなら再発防止のための心構えなどの改善の意思を具体的に示す必要があります。

遅ればせながらだけでは謝罪にならない

つまり、遅ればせながらだけでは謝罪になっていないのです。

「遅ればせながら」は情実の情の部分です。

具体的な実の部分をしっかり練った上で、その頭に「遅ればせながら」をそっと添えて謝罪しましょう。

そうであってこそ謝罪の場面で「遅ればせながら」が生きるのです。

️遅ればせながらを正しく使用しよう

「遅ればせながら」の言葉の成り立ち、本来の意味、利用される場面、類似表現との違い、頻出フレーズ、使い方のポイントについて順番に解説してきました。

「遅ればせながら」をなんとなく使ってきた人、はじめて見聞きした人いろいろな方がいることと思います。

ですが「遅ればせながら」って現代でも使える表現だな、と思っていただけたのではないでしょうか?

遅ればせながらは、ちょっと古風で格式ばった場面での利用ばかりが目立ちがちです。

ですが、本来は普段のビジネスや友人・知人のちょっとしたお祝い事などで、手紙やメールにしたためることでも応分の威力を発揮するフレーズです。

もともと筆まめな方は、すでに毎日のようにお使いかもしれませんが、スマホ全盛の今の時代でもハガキや手紙の威力はまったく衰えていません。

今は疎遠になってしまった恩人や友人に「遅ればせながら」を使った近況報告などからはじめてはいかがでしょう?