自分の意見をしっかり持っている、というだけでなく、その自分の意見に基づいた行動をしっかりできる、ということになります。
つまり、 リーダーシップ がある。
自分で自分の事業のあり方を決められる(決めなければいけない)自営業や、弁護士などの「士(さむらい)業」、会社員の中でも、重役や管理職に向いている資質です。
そう考えると、組織に属さない一匹狼や、組織の中でも異端児的存在も含め、優秀な人材は、ほとんどの場合、「ドS」という感じがします。
少なくともドS的資質を持っていないと、務まらない仕事です。
となると、実は「ドS」って「リーダーの資格がある」ということの別名なのでは?という気さえします。
気分が表情に出やすい
「ドS」な人々はすぐ感情を表に出します。
出してはいけないときにも、出てしまいます。
そんな率直さが、いろいろなトラブルの元になりがちなのですが、反面、いい方に解釈すれば、 「自分の気持ちに正直だ」 ということも言えます。
実社会では、感情を表に出してはいけない、ということがよく言われます。
確かに、日々のコミュニケーションで、毎回のようにいきり立ち、肩をいからしているような人には誰もついていけないでしょう。
しかし、だからといって、自分の意見を押し殺し、ひたすら上司や取引先に媚びへつらう、というのが正しいのでしょうか?
むしろ言うべき時は言い、従うべきときには従う、そんなメリハリを持って他の人と接する人の方が、人間的に魅力的ですし、結局は、人も集まってくるのではないでしょうか?
アップルの創業者、スティーブ・ジョブズは傍若無人な言動で有名でした。
気に入らない製品は、たとえ公の発表会の最中でも投げ捨て、担当者に文句を言う、投資家や提携企業の社長など、自分より目上の人物に対しても、批判・反論すべきことがあれば容赦なく攻撃し、まとまりかけた交渉がそのせいで座礁に乗り上げたことも何度もありました。
しかし一方で、ジョブズが生み出した革新的な製品やサービス、そして弁舌さわやかなプレゼンには熱狂的なファンがいます。
こう考えると、感情を表に出してコミュニケーションをとる、というのは、ある場合においてはマイナスだけれども、相手の気持ちをつかみ、ファンを増やす、という点ではプラスになることもある、といえそうです。
几帳面
「ドS」の人には、几帳面な性格の持ち主が多いようです。
「ドS」は完璧主義で、間違いや欠点が許せません。
そうした完璧さへの情熱が、他者へ、のちょっと強圧的な態度に出てしまうのでしょう。
他人にだけ厳しいのでは、ただのわがままですが、自分にも厳しいということを前提に他人に厳しくするのは、少し意味合いが違ってきます。
今ある状態を受け入れ、のんべんだらりと日常を過ごしていれば、自分にも他人にも厳しくせず、波風を立てずに生きていけます。
しかし、現状に問題があり、改善や向上が必要だと思うのなら、行動を起こすべきです。
そしてそうした前向きの行動は、現状に甘んじている人からは、必ず批判されます。
なぜなら怠惰な人間にとって、現状を変えようとする人は敵でしかないからです。
敵であればまずは足をひっぱり、そこまではいかなくても影で批判したり、それとなく足を引っ張る。
それが人間の本性というものです。
周囲に流されない「ドS」は、こうした付和雷同、烏合の衆的な行動を最も嫌います。
そして自分の価値観を守るために孤独な戦いを始めます。
几帳面さは、他人を上回る、あるいは他人に求められるよりさらに上の水準の仕事を自分に課し、それを達成しようとする意志の表れです。
そう、「ドS」キャラは、誰しも、一人ぼっちの戦士。
そういう目で見てみると、ふだんイライラさせられるアイツの言動も、ちょっといじらしく、切なくなってしまう……ここが「ドS」の魅力なのかもしれません。
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