誰かが亡くなった際には、遺族に対して「ご愁傷様です」と言うのが一般的ですよね。

また、周りで何か不幸な目に遭った人がいたら、同情や気の毒に思う気持ちから「ご愁傷様です」と言うこともあるでしょう。

誰もが当たり前に使っている言葉ですが、本来の正しい意味や、使い方について実はよく知らないという人もいるかもしれません。

そこで、「ご愁傷様です」の正しい用法や例文をご紹介していきます。

知らずに誤用して失礼や恥にならないよう気をつけましょう!

たまに耳に入るご愁傷様と言う言葉

子どもの頃、親族のお葬式で弔問に訪れた人たちが「ご愁傷様です」と口にしているのを聞いた覚えはありませんか?

または、弔問先で自分が口にした経験があるという人も決して少なくはないでしょう。

人は必ずいつか亡くなるものですので、これまでの人生で何度かその言葉を耳にしてきたことでしょう。

そして「ご愁傷様です」という言葉を口にする場面では、そのほとんどが重苦しい空気に包まれていることが多く、「ご愁傷様=相手にとってとても辛いことがあった」と認識している人も多いことでしょう。

そしてその認識はほとんどが間違いではありません。

「ご愁傷様」という言葉は、誰かが亡くなった際に用いられることがほとんどです。

しかし、必ずしもそうではなく、誰かにとってとても辛い出来事があったときにも、それに同情して「ご愁傷様です」と口にすることがあります。

言い方やタイミングを間違えてしまうと相手は嫌味や皮肉と受け取ってしまうこともありますが、一般的には誰かが亡くなったときや、誰かにとても辛い出来事があったときに用いられている言葉です。

正しい意味・使い方出来ていますか?

「ご愁傷様」という言葉は、その意味をきちんと理解していなければ、相手の心をひどく傷つける使い方をしてしまう恐れがあります。

そしてまた、もし相手を傷つけてしまったのなら、場合によっては、相手は二度とあなたのことを許してはくれないでしょう。

私たちは日頃何気なく言葉を口に出していますが、場面やタイミングなどによってそれはとても繊細で、また傷つきやすいものになります。

自分の発言に責任を持つのは社会人になれば当然のことです。

無知だからと言って誤った使い方をしても許されるとは限らないのです。

ましてや、「ご愁傷様です」という言葉を使うタイミングであればなおのこと、正しい意味を理解して、正しく言葉を使う必要があるということをしっかりと頭に刻み付けておきましょう。

ご愁傷様の意味


「ご愁傷様」は、誤った使い方をすれば人間関係に大きな亀裂を入れてしまいます。

場合によってはそれが二度と修復不可能になってしまうこともあるでしょう。

自分の無知ゆえに、またうっかりミスゆえに築いてきた人間関係を台無しにしてしまわないためにも、「ご愁傷様」の意味をきちんと理解して、正しく使いましょう。

正しい使い方や例文をご紹介する前に、まずは「ご愁傷様」という言葉の意味について確認しておきましょう。

気の毒に思う

「ご愁傷様」は、葬儀の場では遺族に述べるお悔やみの言葉の常套句です。

人の死による嘆きや悲しみを意味する熟語でしたが、これが近年ではお悔やみの言葉から転じて、親しい人に対する慰めや同情などの気持ちを表す際にも用いられるようになりました。

そのため現代では、葬儀の際にはもちろんですが、普段使いとしても用いられている言葉です。

葬儀では故人の遺族に対するお悔やみの言葉ですので、形式上の常套句として用いられています。

その意味としては、親族を亡くされた遺族の嘆きや悲しみに同情するものです。

また、普段使いとしては、親しい人に何か辛い出来事があったときに、その辛い気持ちに同情し、寄り添う気持ちから「ご愁傷様」という言葉を使うことがあります。

嘆き悲しむ

「ご愁傷様」という言葉には、その言葉を向けた相手に対する同情の気持ちや、相手の嘆き悲しむ気持ちに寄り添う意味が含まれています。

また、自分自身も悲しみの境地にいることを暗に示す言葉でもありますので、「ご愁傷様」の一言で相手に対する同情と共感、そして自分の感情表現を表わしていることになります。

弔問した自分自身も故人と親しかったときには、その悲しみの感情は大きく、「ご愁傷様です」の言葉にも、深い想いが含まれることでしょう。

しかし、ほとんど関わりもなく、形式上弔問に訪れた場合には、故人への想いというよりは、嘆き悲しむ遺族に同情して「ご愁傷様です」と述べることが多いです。

葬儀の場では重苦しく悲しい空気に包まれていますので、あまりに形式ばった述べ方をすると遺族から顰蹙をかってしまうことがあります。

そのため、ある程度こちらも暗い面持ちでお悔やみの言葉を述べることが大切です。

どんな人に使う言葉なのか


「ご愁傷様」という言葉は、どんな人を相手に使うべきなのでしょうか?

親しい人や関わりの深い人なのか、それともほとんど自分と関わりがなくても使うべきなのか、使い方をよく分かっていない人にとっては悩めるところでもあります。

一般的には葬儀で遺族に述べることが多いですが、葬儀会場の受付に立つ人に言えばいいのか、それとも遺族に言えばいいのか、また遺族と自分とが直接関わりがない場合には、いきなり自分が述べにいってもいいものなのかなど、あれこれと分からないことが出てきてしまう人もいるでしょう。

お悔やみの言葉はどんな人に使うべきなのか、以下にご紹介していきます。

遺族

お悔やみの言葉は、葬儀では遺族に述べます。

受付には遺族ではなく、近所の方が立っていることが多いため、受付では「ご愁傷様」の言葉は述べなくても問題はありません。

とはいえ、挨拶代わりに言うことも多いですし、そこでまず一言述べても良いでしょう。

故人や遺族と関わりのある場合には、葬儀の前や後に「この度はご愁傷様です」とお悔やみの言葉を述べましょう。

時間に余裕があり、遺族が忙しくない様子であれば、できれば葬儀前に一声かけた方が良いでしょう。

また、会社の付き合いなどの場合には、直接故人とも遺族ともまったく関わりがないことがあります。

その場合でも、機会があれば遺族に一言お悔やみの言葉を述べるようにしましょう。

誰かが亡くなられるということは大変悲しく辛いことです。

形式上弔問しただけであっても、弔問した以上は少しでも故人へ思いを馳せ、また遺族へお悔やみの気持ちを持って「この度はご愁傷様です」と述べましょう。

落ち込んでいる人

「ご愁傷様」という言葉は、葬儀の場のみでなく、普段使いとしても用いられます。

普段使いで用いる場合には、落ち込んでいる人に対して言うのが一般的です。

とはいえ、よく知らない相手に不幸があったからといって、それでわざわざ「ご愁傷様です」と述べるのは、場合によっては相手に嫌味と受け取られてしまう可能性もあります。

ですから、落ち込んでいる人に対して「ご愁傷様」の言葉をかける際には、なるべく自分に近しい距離の人にしましょう。

友達や親友、親戚など、自分と親しい人や仲の良い人に限定して使うようにしましょう。

身内の場合にはわざわざ「ご愁傷様です」と言ってしまうと嫌味っぽくなる上に、堅苦しくてわざとらしくなってしまうことがありますので、身内には使わないようにしましょう。

身内に対しては、「大丈夫?」「元気出して」など、もっとストレートでくだけた言葉で伝える方が受け取る側には温かく感じられます。

ご愁傷様の用法・例文

「ご愁傷様」の言葉の意味や、どんな相手に使えばいいのかをご紹介しましたので、今度は実際にそれを用いた用法や例文についてご紹介していきます。

使う場面は大抵葬儀か、または落ち込んでいる人に対してのどちらかですので、自分のおかれた場面やタイミングなどをよく考えた上で口に出すようにしましょう。

また、この言葉を述べる際には笑顔は厳禁です。

元々不幸や悲しい出来事があった人に対して用いる言葉ですので、悲しんだり落ち込んだりしている相手に対して笑顔で「ご愁傷様」と言うのは失礼以外の何者でもありません。

「ご愁傷様です」と相手に伝える際には必ず真面目な表情か、または相手の気持ちに寄り添い少し悲しそうな表情で伝えるようにしましょう。

この度は、誠にご愁傷様です

ほとんどがお悔やみの言葉として用いられます。

故人の葬儀で遺族に対して述べる言葉ですが、「ご愁傷様」の中でもやや畏まった言い方ですので、遺族の関係者や親しい間柄同士ではあまり用いることはないでしょう。

どちらかと言えば、故人や遺族とはほとんど関係のない場合に用いられることが多い言葉です。

例えば会社の取引先相手で、上司の代わりに弔問に訪れた際や、また自分は直接故人とは関わりがなくても、会社の関係で弔問に訪れた場合などには、少々畏まって「この度は、誠にご愁傷様です」と述べることが多いでしょう。

ご愁傷様でございます

「この度は、誠にご愁傷様です」と同様に、主に葬儀の際に用いられているお悔やみの言葉です。

こちらも丁寧な言葉使いですので、故人や遺族との関係性が薄い場合に用いられることが多いです。

また、例えば教師の立場であり、教え子の親が亡くなったときのように、親密ではないものの、少なからず関係性があった場合にも用いられることが多いです。

「ご愁傷様でございます」といった言葉の響きから、男性よりも女性の方が進んで使う言い回しでもあります。

とはいえ、もちろん男性でもこの言葉を使っている人はいます。

この度は、ご愁傷様でございました

こちらも「この度は、誠にご愁傷様です」とほとんど意味は変わりません。

少しだけ言葉の言い回しを変えたものになります。

とはいえ、「この度は、誠にご愁傷様です」の方が、「誠に」の部分でより丁寧さや畏まった印象を感じさせます。

「この度は、ご愁傷様でございました」という言い回しは、言葉の響きから女性が用いることが多いです。

もちろん男性でも用いますが、会社内で地位のある男性や、上の世代の人ほどこの「ございます」もしくは「ございました」という言い方をする傾向が見られます。

また、「ご愁傷様でございます」という言葉は通夜や亡くなった直後に使われることが多いですが、「ご愁傷様でございました」と過去形にした言い方は葬儀の際に用いられることが多いです。

ご愁傷様と似ている言葉

葬儀に弔問した際や、親しい人が落ち込んでいるときに、相手に同情を示したり、相手の気持ちに寄り添ったりする意志を表わすために、「ご愁傷様です」という言葉を使います。

しかしこの言い方は、時にはトラブルの原因ともなってしまいます。

とくに普段使いで「ご愁傷様」と使う場合、タイミングや場面によっては相手に嫌味や皮肉と捉えられてしまいます。

こちらは本心からそう言っているのに誤解されて、関係が険悪になってしまうこともないとは言えないのです。

そのため、できれば別の言葉で自分の気持ちを表したいと思う人もいるでしょう。

そんな人のために、「ご愁傷様」と意味が似ているいくつかの言葉をご紹介します。

上手な言い方が思い付かないときにはぜひ参考にしてみて下さい。

お気の毒様でございます

最近では「ご愁傷様」という言葉を嫌味や皮肉の意味で用いることも少なくはありません。

そのため、「ご愁傷様」という言葉を使うことに対して抵抗を抱く人もいることでしょう。

葬儀の際には常套句ではありますが、どうしても悪い印象になってしまって、言葉を口に出したくないという人は、代わりに「お気の毒様でございます」と一言述べると良いでしょう。

人によってはお気の毒様」という言葉もまた嫌味に感じてしまう人がいますが、言葉の持つ本来の意味は「ご愁傷様」と同様に、相手に同情し、気遣うことです。

そのため、真摯な態度でそう述べるのであれば、悪い印象を抱く人はそうはいないでしょう。

一方で、普段使いの際にはこの言葉はあまり用いることはありません。

何故なら、普段使いで「ご愁傷様」を用いる際には、その相手とある程度親しい関係であることが前提だからです。

そう親しくもない人に対してならば使っても違和感はありませんが、自分と親しい人に対して「お気の毒様でございます」は、仰々しくまたわざとらしさを感じさせてしまうため、普段使いとしては不向きと言えるでしょう。

お悔やみ申し上げます

「ご愁傷様でございます」という言葉に抵抗がある人は、「お悔やみ申し上げます」と言い換えることで、発言する自分自身も違和感なく言葉を使うことができるでしょう。

「お悔やみを申し上げる」という言葉は、その一言だけでも十分に相手に対する気遣いが伝わります。

また、年齢や性別、立場などにとくに関係なく用いることが出来る使い方ですので、どんな場面でも問題なく用いることができます。

弔問する自分の立場によっては、どのようにお悔やみを述べればいいのか分からずに悩んでしまう人もいるでしょう。

そんなときには一言「お悔やみ申し上げます」と言っておけばトラブルにはなり難いでしょう。

大変だったね

葬儀の際にはあまり用いられることはありませんが、形式的な挨拶も必要ないほどに親しい相手や親族などの場合には、「大変だったね」の一言でも問題はありません。

むしろ親しい間柄の人ほど、「ご愁傷様です」と述べることでよそよそしく他人行儀に感じさせてしまいますので、これくらいくだけた口調の方が、より相手への同情が伝わりやすいでしょう。

また、葬儀よりも普段使いとして使われることの方が圧倒的に多いです。

例えば親しい関係の人に何か不幸があったりトラブルに巻き込まれたりした場合に、「大変だったね」という一言をかけることで、その後で相手と深い話ができたり、何か力になってあげられたりするかもしれません。

たった一言の労いの言葉で相手の気持ちがほぐれることもありますので、親しい相手にほどくだけた言葉で慰めを入れましょう。

本当に残念

「本当に残念」という言葉は、単に「残念」と言うよりもさらに悔しさや口惜しさ、悲しさや辛さといった感情を暗に感じさせます。

そのため、葬儀で「良い人だったのに、本当に残念です」と言うことで、故人を偲ぶ気持ちはしっかりと周りに伝わりますし、また遺族に対しても気遣いや遺族の辛い気持ちに寄り添いたいという思いが伝わることでしょう。

「ご愁傷様です」という言葉は、聞く人によっては堅苦しさや無感情さを感じてしまうこともありますが、「本当に残念です」という言葉は誰が聞いても「心底残念に思っているのだ」ということが容易に伝わります。

そのため、誰が聞いても分かりやすく、また残念な気持ちが伝わりますので、お悔やみの述べ方に困ったらこの言い方をすると良いでしょう。

冥福を祈る

「冥福」とは、一般的には「めいふく」と読まれていますが、元々は「みょうふく」と読む言葉です。

意味は「死後の幸福」また「死後の幸福を祈って仏事を営む事」です。

つまり、故人があの世で幸せに過ごすことが出来ますようにとお祈りすることを、「冥福を祈る」と言うのです。

これは普段使いとしては決して用いません。

何故なら、「冥福」という言葉自体が死後を意味していますので、もし普段使いで言ってしまうと大変なトラブルになる可能性が高いからです。

「冥福を祈る」という言葉は、葬儀の際に用いられます。

大抵は「〇〇さんの冥福をお祈りいたします」といった言葉で述べられることが多いです。

死後に幸福になれるのか、そもそも死後の世界が存在しているのかどうかは人によって意見が分かれるところですが、故人を思い遣った言葉は温かく遺族の胸に染み入ることでしょう。

哀悼の意を表します

時折テレビなどで、「哀悼の意を表します」という言葉を耳にすることがあると思います。

震災や事故で犠牲になった人たちに対して、市民を代表してお悔やみの言葉を述べる際に、このような言葉が用いられることが多いです。

そのため、「哀悼の意を表する」という言葉は、大勢の死者に対して用いられると考えている人もいるかもしれません。

しかしこの言葉自体に用いる制限のようなものはありませんので、一人の故人に対して使っても何も問題はありません。

故人の葬儀で、遺族に対して「ご愁傷様です」「お悔やみを申し上げます」といった言葉はよく使われますが、「哀悼の意を表します」という言葉でお悔やみを述べる人はそう多くはないでしょう。

昔から「ご愁傷様」という言い方が一般的でしたので、「哀悼の意を表する」というお悔やみの述べ方はわりと新しく、常套句としてはそこまで広がっていないのでしょう。

畏まった言い方ではありますが、聞く人によっては「ご愁傷様です」よりも優しい言葉に感じられることがあります。

また、直接遺族に対して述べるよりも、電報やメール、手紙などで記されることの方が多いでしょう。

哀惜の念に堪えない

「哀惜の念に堪えない」という言い方も、「ご愁傷様です」と意味はよく似ています。

しかし、「堪えない」という言葉がある分も、人によっては「ご愁傷様です」よりも、一層悲しく辛い気持ちを表わしているように思えることがあります。

そのため、より故人を亡くしたことに対して辛い気持ちを表したい場合には、こちらの言葉で伝えても良いでしょう。

また、この言葉も直接葬儀で遺族に述べるよりは、電報やメール、手紙などで伝えることが多いです。

普段聞き慣れない言葉ですので、葬儀の際に「本当に哀惜の念に堪えません」と伝えても、直ぐには遺族にこちらの気持ちが伝わらない可能性もあります。

また、聞く人によっては「わざわざ畏まった難しい言い方をする」と思えてしまうこともありますので、口にするよりは文章として思いを伝えた方が良いでしょう。

ご傷心

自分にとってとても辛いことがあり、心が酷く傷ついていたり、落ち込んでいたりする時には、そんな自分の心を「傷心」と呼びます。

時々、「あの人は今傷心しているから・・」や、「傷心を癒す旅に出る」などと、耳にする機会もあることでしょう。

そんな「傷心」という言葉を、自分ではなく傷ついている人に向けて発する際には、丁寧語を付けて「ご傷心」と言います。

身内が亡くなって悲しんでいる人がいるのなら、「ご傷心の身かと存じますが、どうぞお気を確かにお持ちください」などと慰めの言葉を送ることが多いでしょう。

「ご愁傷様」や「お悔やみを申し上げる」といった言葉では、その一言で同情と辛い気持ちに寄り添う心、そして励ましの気持ちが込められていますので、それ以上言葉を余計に付け足す必要はありません。

しかし「ご傷心」とは、相手の心がとても傷付いている状態を示す単語ですので、悲しんだり落ち込んだりしている相手に対して言葉をかける際には、「ご傷心」の他にも何か慰めになる言葉を一緒にかけるのが一般的です。

それをせずに、例えば「ご傷心ですね」とだけ述べると、「あなたは悲しんでいますね」と事実だけを口にしていることになりますので、受け取る側からすると「悲しいに決まっているでしょう!」と気分を害してしまうこともあります。

そのため、「ご傷心」という言葉を用いる際には、必ず一緒に慰めや励ましになるような言葉を添えるようにしましょう。

痛恨の極み

「痛恨の極み」とは、「これ以上ないほどに残念であること」や「非常に悔やまれること」また「痛恨」は「大変残念である」という意味があります。

時々テレビのニュースや雑誌などで、「〇〇、痛恨の極み!」といった見出しやコメントを目にすることがありますが、「哀悼の意」や「哀惜の念」といった言葉に比べれば、まだ耳に慣れた言葉だという人も多いでしょう。

それもそのはずで、「哀悼の意」や「哀惜の念」は、葬儀のような場面でのみ用いられる言葉ですが、「痛恨の極み」とは、比較的普段使いでも多く用いられている言葉なのです。

例えばスポーツの試合で最後の最後でミスをして負けてしまった時に、「痛恨のミスだった」と表現することは多いです。

また、試験であと1問正解していれば合格できたところを不合格になってしまった時にも、「痛恨の極みだ」と言うことがあります。

言葉自体は比較的私たちにとって聞き慣れたものですので、誰かが「痛恨の極みです」と口にしても、そこまで重要視はしないかもしれません。

しかし、本来の意味は「本当に口惜しく、とても残念なこと」ですので、それを言っている当人にとっては、本当に辛いことがあったのでしょう。

もしあなたの親しい人がとても落ち込んでいる時には、その辛い気持ちに寄り添ってあげましょう。

ご無念

「無念」には、二つの意味があります。

一つ目は仏語としての意味で、「迷いの心を離れて無我の境地に入り、何事も感じないこと」です。

二つ目は、「悔しいことや、そのさま」という意味です。

この場合の「無念」は、二つ目の意味として用いられます。

人に対して使う言葉のため、丁寧語をつけて「ご無念」と言います。

故人の葬儀の際に、故人がまだまだ先の人生が長かったり、若い歳の内に逝ったりした場合には、「さぞやご無念でしょう」などと故人や遺族の気持ちに寄り添って述べることがあります。

一方で、「無念」は普段使いとしてもよく用いられています。

本人にとって悔いが残るような、残念で辛い出来事があったときには、その気持ちを汲んで「ご無念でしょう」と同情することがあります。

哀悼の辞を表する

「哀悼の辞を表する」は、「哀悼の意を表する」とまったく同じ意味の言葉です。

言い方が少し違っているだけですので、どちらを用いても構いません。

ただし、一般的には「哀悼の意を表する」という言葉の方が定着しているため、知らない人が「哀悼の辞」と聞いたときには、「その言葉使いは間違っている」と指摘される可能性もあります。

そのため、無難に伝えたいときには「哀悼の辞」よりも「哀悼の意」の方が良いかもしれません。

どちらにせよ、「哀悼の辞を表する」とき、人の死を悲しみ悼む言葉を伝えるということには変わりはありません。

葬儀のように誰かが亡くなられた際に、遺族に対して「ご愁傷様です」と言葉を用いる代わりに、「哀悼の辞を表します」と述べても問題はないでしょう。

メールや手紙でも使える?

お悔やみの言葉は、できれば遺族に直接述べた方が良いですが、直接会うことができない場合には、取り急ぎメールや電話で伝えても問題はありません。

葬儀のように突然の不幸は誰にも予測できるものではありません。

そのため、直ぐに弔問に伺えない場合には、電報や手紙を送ると良いでしょう。

お悔やみの言葉は、文頭に記すようにします。

そうすることで、何よりもまず故人の死を悼んでいるという意志を読み手に伝えることができます。

また、葬儀ではなく、親しい人が落ち込んでいるときにも、励ましとしてメールや手紙を送る方法もあります。

メールや手紙の場合には、「ご愁傷様です」のように堅苦しい言葉使いをすると、相手によそよそしさを感じさせてしまいますので、「痛恨の極み」や「大変だったね」など、普段使いの多い言葉を用いるようにしましょう。

単体だと白々しい印象を与える

会話や文章は、あまりに長々としてしまうと、相手に与える印象が悪くなってしまいます。

一方で、あまりに短すぎる言葉も、こちらの気持ちが十分に伝わらずに、相手に誤解を与えてしまうことがあります。

例えば故人の葬儀に弔問した際に、故人や遺族とほとんど関わりのない人であれば、「この度はご愁傷様でございます」と一言述べればそれで良いでしょう。

しかし、それなりに関わりのある場合には、一言だけでは何だか味気なく、また寂しく素っ気ない印象になってしまうことがあります。

ですから、お悔やみの言葉を述べた後で、故人との思い出や遺族への労いの言葉などを続けることで、こちらの気持ちが遺族側にも伝わりやすくなります。

また、落ち込んでいる友人や親しい人に対して慰めの言葉をかける際にも、単体で言うと白々しい印象を与えてしまうことがありますので、「大変だったね」と声をかけた後で、「大丈夫?」「良ければ話を聞くよ」と言葉を続けると良いでしょう。

もう一言添えて送る

慰めの言葉を送る際に、相手はとても心が傷付いている状態だということを、よく胸に刻んでおきましょう。

そうすることで、たった一言だけの慰めの言葉ではなくて、その後で自然と相手の気持ちに寄り添うような言葉が出てくるものです。

葬儀の場であればまだしも、親しい人に本心から慰めるつもりがないのなら、最初から慰めの言葉をかけるのは余計な誤解を与えてしまうだけですので止めておきましょう。

皮肉めいて使うのは間違い

最近では、「ご愁傷様」という言葉を皮肉として使うことも少なくはありません。

人の失敗を皮肉って「ご愁傷様」と言ったり、嫌いな人が落ち込んでいる姿を見て嫌味として言ったりと、悪い意味として用いられることも残念ながら増えています。

また、テレビやマンガ、物語の中でもそうしたシーンはよく見られるため、「ご愁傷様=皮肉や嫌味」として覚えてしまっている人もいるでしょう。

そんな人にとっては、故人の葬儀の際に自ら「ご愁傷様です」と口に出すことに抵抗を感じる人もいます。

その場合には別の言い方をすれば良いのですが、やはり本来の意味とは異なる使い方をするのは悪影響になってしまうでしょう。

相手をからかう言葉ではない

「ご愁傷様」とは、先にもご紹介したように、相手の不幸に心から同情したり、気遣ったりする意味を持つ言葉です。

そのため、決して相手をからかうための言葉ではありません。

いい大人で皮肉として用いている人を時折見かけることがありますが、第三者から見れば品も知性も感じられず、悪い印象のみが残ってしまいます。

自分の品性を落とさないためにも、からかいの言葉として用いるのは止めましょう。

間違った使い方をしていたなら直して

「ご愁傷様」という言葉が持つ本来の意味をご理解頂けたでしょうか?

また、その言葉に対してどうしても悪いイメージが拭えないという人は、これまでにご紹介した別の言い方を使って相手に慰めや励ましの言葉を送るようにしましょう。

もし自分がこれまでに一度でも誰かを皮肉るために「ご愁傷様」という言葉を使ってしまっていたのなら、今後は二度と間違った使い方をしてしまわないように、くれぐれも注意しましょう。