いわゆる浪費と正しい消費の境目はどのあたりにあるのでしょうか。

浪費癖がひどいといわれている人でも、当の本人は正しい出費と思っているに違いありません。

浪費癖のあるなしは、標準的な世間の目線から見て判断される、ということになります。

それも周囲の人間たちの常識レベルに大きく左右されることになるでしょう。

したがって正確とはいえない評価、つまり誤解の可能性もあり得ます。

しかし一般的には当たっていることの方が多いものです。

浪費癖を指摘されたときには、しっかり耳をかたむけた方がよいでしょう。

いつまでもそうした風評と過ごしていては、行き当たりばったりの刹那的人生の繰り返しになってしまいます。

そうした人生を破たんなく歩んでいけるのは、ごく一部の才能に恵まれた人に限られます。

早めに現実に目覚め、計画的な路線に戻していきましょう。

浪費癖を治すための9個の改善方法

浪費癖を治療し、ごく普通の金銭感覚を持つまっとうな人間に生まれ変わるためには、何から手をつければいいのでしょうか。

何よりも有効なのは、まずやってはいけないことをはっきりさせることだと思います。

これからそれらについて順番に考えていきましょう。

1.財布の中には現金をあまり入れない

現ナマを持っていなくても、クレジットカードさえあれば買い物の支払いは可能です。

ですからそれだけではあまり効果は上りません。

どちらも持たないのが一番よい方法ですが、実際にはそういうわけにはいかないでしょう。

ここではそれぞれの特性をよく考えていきましょう。

クレジットカードは再発行できますが、現金はこれができません。

紛失、盗難リスクに強いのはクレジットカードの方です。

ただしカードはスキミングされて、偽造カードによる不正使用のリスクがあります。

筆者は中国の国内線飛行機の中で現金を盗まれたことがあります。

そのときルーティンとは違う動きをしていました。

なぜこの日に限ってそうしたのか覚えはまったくありません。

ズボンのポケットから財布をビジネスバッグに移し、さらにそれをオーバーヘッドロッカーにしまったのでした。

ところがそれを見ていた人間がいたようです。

北京空港に到着し、空港内で軽食を済ませ、会計しようとしたところ、100元札(最高額紙幣日本円1600円相当)のみごっそり抜かれていたのです。

まさか航空機内で盗難にあうとは思わず愕然としたのをよく覚えています。

これからまだ出張が続くというのに所持金はわずか30元(480円相当)になってしまいました。

一方で頭の良い犯人だと感心もしました。

現金ならカードと違い、元の所有権がわからず、まったく足がつかないからです。

このように紛失、盗難リスクは至るところに潜んでいます。

盗難を避けるため、と考えて多額の現金は持ち歩かないようにしましょう。

余計なお金が入っていると知らないうちに使っている

浪費癖があって給料が入るとすぐ使ってしまう人でも、お金のないときはじっと耐えていることができているわけです。

そうした耐久力をもう少しずつ伸ばしていきましょう。

まず余計なお金が財布に入っていても使わないようにしましょう。

たったそれだけのことでも生活は劇的な改善に向かうはずです。

2.クレジットカードは持ち歩かない

クレジットカードはもともと高額の買い物をするのに便利にできています。

多額の現金を持ち歩くリスクを軽減してくれるツールとしての意味合いの強いものです。

したがって簡単に限度額いっぱいまで買い物ができてしまいます。

だからこそ計画的に使うべきものなのです。

クレジットカードは衝動買いのお伴ではありません。

持ち歩くのは明確な買い物の目的があるときだけにしましょう。

それがないときは家においていた方が無難です。

現金だけだと使えるお金が限られる

現金はその性質上、その金額以上に価値が増えることはありません。

その点が使用限度額として明解な歯止めとなっています。

どうしても余計なものを買ってしまう人は、現金派に一度立ち返ってみるとよいでしょう。

そしてその制約の中で有効にお金を使うように心掛けましょう。

一昨年、日本では中国人の爆買い真っ盛りのころの話です。

日本を訪れたある上海人の一家は、買い物は現金でしか支払わない、と決めていたそうです。

事前に友人たちから「大阪・心斎橋には魔物が住んでいる。何から何まで買ってしまいたくなる。」と聞いていたからです。

これは賢明なやり方でした。

とにかくあのブームの中でも冷静に対処していた人たちはいたのです。

3.一ヶ月に使えるお金を決めておく

浪費癖を正していくには、出費の計画性を高めるのが一番です。

とはいっても初めから出納帳をつけるなどできっこありません。

まずは一カ月に使う金額の上限を設定するところから始めていきましょう。

実際に守れるかどうかよりも、常にその金額を意識し続けられるかどうかがポイントです。

きびし過ぎる目標を設定しても絵に描いた餅になってしまいます。

実現可能性の高い水準から始めるとよいでしょう。

無計画なお金の使い方が浪費につながる

まず最初に何にお金を使っているのか、その分析から行いましょう。

「もの」消費と「こと」消費に分けて考えてみます。

食料品の購入は「もの」ですが、外食は「こと」になります。

これらの分類をしてみると自分の消費傾向が良くわかるはずです。

そこで少しでも反省点が見つかれば、しめたものです。

それは浪費を減らす最初の手がかりになるでしょう。

そうしてカットできる「もの」消費から徐々に減らしていきましょう。

4.買い物をするときはリストを作る

今後「もの」消費に対処するにあたっては、ネットショッピングサイトを見習い「欲しいものリスト」を作ることから始めてみましょう。

するとすでに所有していてしかも使っていないという、持ち腐れ品をもう一度リストアップしているかも知れません。

もちろんそういう品はただちにカットしましょう。

これは自分の持ち物を一度棚卸し、整理することにもつながります。

無駄なコストを防ぐことにつながるのは間違いありません。

買い物に出掛ける時は事前に何を買うか決めておく


こうして出来上がった「欲しいものリスト」の中から買うものをはっきり決めた上で、実店舗でのショッピングに出かけるようにしましょう。

最近ではネットでアイテムや機種を絞り込み、値段の比較も済ませた上で、実店舗へはサンプル確認のために行く、という買い物スタイルも増えている、ということです。

労力は必要ですが安く買うことはできます。

こうして実店舗に行く機会が減ることにより、衝動買いの機会も減ります。

浪費癖の強い人には大変良いことに違いないでしょう。

5.買ったものを書き出してお金を管理する

買い物が済んだところで、今度は買ったものを書き出して、これもリストにまとめておきましょう。

次に似たようなものの衝動買いを防止できる上に、今後の消費行動に計画性を加えることにつながります。

これを繰り返しているうちに、お金の管理も意識せずに行えるようになります。

これは必ずや将来の計画的消費生活への大きなプラスにつながるに違いありません。

自分のお金の使い方をしっかり把握する


あなたは自分の可処分所得をどのように扱っていますか?消費にあてているのはどれくらいの割合ですか?

貯金や資産形成のことを考えたことがありますか?こうした自問を繰り返すことで自分のお金の使い方をしっかり把握しましょう。

昨今では国も直接には少子化対策の一環ということではないでしょうが、若い家族の資産形成を考えた制度設計をいろいろと打ち出してきています。

そして現代では回りを見渡すとフィナンシャル・プランナーと呼ばれる人たちが大活躍しています。

彼らはさまざまなメディアに登場し、それらについて解説を加えています。

わかりやすい人を見つけたら、耳を傾けてみるとよいでしょう。

資産作りの考え方のヒントが得られます。

6.定期預金を利用

資産運用という視点では、現在のマイナス金利状況において、銀行預金をする意味はまったくありません。

何しろ日本銀行がそれをさせまいとして、やっきになっているわけです。

この際、独身者なら社会勉強を兼ね、株式投資や投資信託など、投資の勉強をしたほうがよいでしょう。

世の中への理解を深めることにもなります。

また金融の世界におけるリスクを学ぶのは必ず将来にためになります。

既婚者なら資産形成コースや保険について研究しておいた方がよいでしょう。

定期預金は一度預けると簡単には降ろせない

しかし定期預金は浪費癖のある人にとって、強制的に資金を塩付けにしておけるという意味はあります。

浪費癖に対処する積極的な矯正手段と言ってもよいでしょう。

半年、1年単位でお金を寝かせておく感覚を身体に覚えさせるとよいと思います。

そのうち脳が貯金という新しいチャレンジ目標に目覚めてくれるかもしれません。

7.お金のかからない趣味を見つける


浪費癖のある人は、資金運用に目覚めても今度はそれに傾倒して、借金でもしてしまいかねません。

それよりも、あまりお金のかからない趣味を探しましょう。

例えば、囲碁、将棋、オセロ、チェスなどは相手は1人いればよく、そのあとにお金はまったくかかりません。

勝負のスリルや上達の喜びも得られます。

女性の場合は、やはりブログやFace Book Twitterなどの発信系ということになるのでしょうか。

注目される確率は男性のそれとはケタが違います。

しかしここでも、他人との差別化のためにお金を浪費するようなことになってしまっては、元の木阿弥です。

買い物以外に何か没頭できるものを見つける

浪費癖のある人は、とにかく買い物以外の行為に関心を向けるようにしましょう。

「こと」消費なら事前に料金が決まっています。

オプションを付加することはあっても、衝動買いというケースはまれです。

「こと」消費を含む体験行動というものに目を向けましょう。

きっと新しい世界が待っています。

8.お金の管理を家族に任せる

大相撲の幕内上位の取組では勝ち力士に懸賞金が出ます。

一本につき6万2000円ということです。

これは相撲協会がいったんあずかるそうです。

そして納税充当金と事務経費を引いたのち、本人には3万円を手渡すという決まりになっています。

全額を本人に渡してしまい、あの巨体で飲み食いに使ってしまうと大変です。

人気力士の場合、翌年課されることになる高額の税金を払えなくなってしまうからです。

浪費癖の治らない人は、こうした考えを取り入れてみたらどうでしょうか。

家族という信頼性の高い金融機関に積み立てておく感覚です。

自分で好き勝手に使えない環境を作る

そのようにして、家庭の中でさえ好き勝手にお金使えない環境を作っておきます。

しかし今ではインターネットバンキングや、ネット通販で自由に資金を移動することができますし、さまざまなカードローンもあります。

何もかも完全に管理することはできません。

あくまで浪費の激しい家族に対しプレッシャーをかけるという意味合いです。

それでも浪費癖の矯正には一定の効果は得られるに違いありません。

9.人生の計画を立てる

浪費癖が改善に向かい、多少なりとも計画的な出費ができるようになったとしたら、次のステップとしては、さらなる長期計画へ目を向けていきたいところです。

そこで国立社会保障・人口問題研究所が定期的に行っている出生動向基本調査(2015年)を見てみましょう。

その中に、一年以内に結婚するとしたら何が障害となっていますか?という質問項目があります。

それに対して、結婚資金の不足を挙げる人が男女とも最も多くなっています。

男性で43.3%、女性は41.9%を占めているのです。

まずここで資金不足をクリアしない限り、人生は先に進みません。

まず結婚に向けた計画を立ててみましょう。

長期的な人生の計画を真面目に立てる

そのためには浪費をさらに控え、長期の資金計画を立ててみましょう。

これまでそむけていた目を現実に向けることになります。

まずは交際している人がいなくても結婚のシュミレーションをしてみるとよいでしょう。

平均的なパターンをチェックしてみると、その必要な費用に気が遠くなってしまうかもしれません。

やはり資金がネックとなることがわかります。

しかしいまの時代はいくらでも新しいやりようがあります。

結婚費用データの元になっている従来型の方式は減少しています。

まずは空想からでもかまいません。

人生の長期計画を立てることは、浪費を止めるためのさらに大きな一歩になります。

浪費癖がある人の特徴は?

これまでは浪費癖のある人に対し治療の指針を示してきましたが、彼らにはどの程度共通点があるのでしょうか。

以下その特徴を探って行きましょう。

物欲ではなく物を集める事が好きな人

収集の趣味とは本来、自らの美意識を基本に据えた上品なものであるべきでしょう。

浪費癖のある人が深い考えもないままに参戦すると、さらに浪費癖を増幅させるだけになってしまいます。

やはり思い込みの激しい浪費家では、いい「もの」のオーナーになりたい、という真の収集家となるには不向きです。

あまり踏み込まないようにした方がよさそうです。

見栄っ張りな人

ブランドもので身を固めているわけではなくても、服装にやけにお金を使っている人がいます。

キラキラです。

収入を超えてしまっているため、給料日の近辺以外は遊びにいくこともままなりません。

そこまで見栄を張っている人には、周囲は引いてしまいます。

実際にこういう人はいるのです。

筆者は以前、某大手百貨店の経理課・給与担当者の方とお話をしたことがあります。

同社では低い社内金利で有利にお金を貸してもらえる従業員福利制度がありました。

その人の話によると、その社内融資の返済に給料のほとんどを費やしている社員が結構多かったといいます。

手取りはほとんど残りません。

大手百貨店の人はダサい服装をしているわけにはいきませんから、出費はかさみ、いろいろと大変なのでしょう。

しかし生活費まで食いつぶしてしまうのは、どうみてもやりすぎと言うしかありません。

ギャンブル好きな人

日本のパチンコ・パチスロ業界は平成に入ってからは不況を極めているようです。

遊戯人口が3000万人から1000万人以下に、売上げは30兆円から18兆円へと大幅に落ちているそうです。

また競馬、競輪、競艇、オートレースの公営ギャンブルも中央競馬以外はどれもこれもぱっとしません。

つまりいまどきギャンブル好き、ギャンブル依存症の人などはなど時代から取り残されているといえます。

趣味としての範囲内でやる、借金してまでやるものではない、という健全な意識は定着してきたようです。

賭け事というより遊びに変わってきたわけです。

趣味の範囲を超えたギャンブル好きの人を見かけたら、その時代遅れを指摘してあげましょう。

ストレスが溜まりやすい人

女性は買い物でストレスを発散している、と世間では言われています。

筆者は結婚して初めてこの真実を理解することになりました。

けんかして気まずい状況を手っ取り早く改善するには、買い物に連れ出すのが一番よいことがわかったからです。

想像以上の効果に愕然としたものです。

しかしこれではいくらお金があっても足りません。

逆に男性にとってのストレスとなってしまいそうです。

男女とも原因物質であるストレスを極力貯めない生活を心がけましょう。

今の求人状況は悪くありません。

ブラック企業やハラスメント企業から見切りをつけるチャンスでもあります。

趣味が多い人

趣味にもお金はかかります。

収集や毎月会費を払うようなものでなくてもそれは変わりません。

現代人はただジョギングをするだけににしても、ウエアやシューズなど外見をとても気にかけます。

その結果、本来お金がかからないはずの趣味にも、相当な額のイニシャルコストがかかるようになってしまいました。

これらを複数もっているとすれば、これはかなりの出費になりそうです。

浪費にまで至らないうちに、本当にお金のかからないものへ方向性を修正していくとよいでしょう。

お酒を飲むことが好きな人

都道府県別の一人当たり酒類消費量のデータを見ると、東京都が断トツの全国1位です。

飲食店が集中していること、車で通勤する人がほとんどいないことなどがその要因でしょう。

車通勤の多い地方都市のサラリーマンでは、その日の気分で同僚同士一杯やろう、ということにはなりません。

前もって飲む日を決めた上で、予め帰りの足を確保しておく必要があるからです。

例えばトヨタ自動車のおひざ元で、車通勤の多い愛知県の一人当たり消費量は、東京の70%以下でしかありません。

もし東京から地方へ転勤になれば酒量は間違いなく減ります。

独身の人なら、お酒を減らし規則正しい生活に戻すため、地方勤務を希望するのもありだと思います。

それに新天地では新しい男女の出会いも大いに期待できます。

オシャレな人

オシャレな人は、最先端のスポットへも頻繁に行きたがります。

当然それなりの服装が必要となり、遠征費用と合わせ、ダブルでお金がかかることになります。

流行への感度を高めておくことは、仕事にも生活にも必ずプラスに働きます。

これはこれとして積極的に行うべきです。

しかしあくまで可処分所得の範囲内で行うべきことです。

借金をしてまでやるべきではありません。

クレジットカードの使用頻度が高い

浪費癖のある人が、クレジットカードを何枚も持っていること自体大きな問題です。

それぞれの限度額まで、ネット通販を利用すれば何でも買えてしまいます。

何かの会員証に付属したような使用頻度の少ないものは、この際整理してしまった方がよいでしょう。

実際にいくら使ったのかわからなくなってしまうだけになり、デメリットしかありません。

クレジットカードは、一つか二つに集約して、ポイントをしっかり貯めた方がより合理的な経済行動といえるしょう。

最後に

人生とは投資の連続です。

消費行動も自分への先行投資と考えることができれば、より有意義なものを選ぶようになるでしょう。

むやみに消費する前にいったん立ち止まり、この消費によって短期でも中長期でもどちらでもよいから、

今後の人生にどのようなリターンがあるのかどうか考えてみましょう。

こういう投資の視点を加えることによって消費における取捨選択をより厳しくしていきましょう。

そうすることによって生活の質は必ず高まっていきます。

意識を変えれば浪費癖は治せる

とにかくこのような意識を持続することにより、消費行動をよりスリムで役に立つものに変更していきましょう。

浪費癖は意識の持ち方次第で必ず改善できます。

日本は第三者の目を気にする社会ですが、それは礼儀にかなっているかどうかのチェックに重きをおいたものです。

身分不相応に着飾ったり、大きく見せたりする必要はなく、かえってマイナスとなります。

浪費癖もその一つです。

浪費癖の強い人はケチくさいと思われたくない、という意識が強い人なのかも知れません。

しかしそれも日本社会においては、自意識過剰と見られ、ほとんど必要のないものです。

こういう社会との調和からも、無駄使いしない意識へ変えていきましょう。