自分で精一杯頑張ろうとする気持ちを言葉にしたり、誰かに助けて欲しいとお願いしたりする際に、「尽力」という言葉を用いることがあります。

この尽力を丁寧にした言い方が「ご尽力」ですが、この言葉の意味や、どのような場面でどんな相手に対して使うのかということを正しく理解しておくことで、社会に出てからも悩むことなく言葉を使いこなすことができます。

ビジネスの場などで誤用せず、正しく言葉を使いこなすためにも、「ご尽力」の意味や用法などについて詳しくご紹介していきます!

「ご尽力」という言葉を使いこなそう!

「ご尽力」という言葉は、社会に出てから使う機会がグンと増えます。

ある程度日本語の言葉使いを学んだ学生でも使うことはありますが、日頃から「ご尽力」と口にすることはあまりないでしょう。

何故なら、「尽力」も「ご尽力」も、目上の人や年長者に対して使う機会の多い言葉だからです。

また、とても丁寧で、場合によってはやや堅苦しくも思える言葉使いですので、ビジネスのような場面で多用されることはあっても、日常会話で用いることはほとんどないと言ってもいいでしょう。

それなりに畏まった言葉の表現ですので、「ご尽力」を使う場面でなければ、それに近い意味で、もっと砕けた表現を用いる方が一般的です。

日常会話では用いる機会が少ない言葉なので、もしかしたら正しい使い方を理解しているつもりでも、実際には間違った使い方をしているという人もいるかもしれません。

また、言葉の意味をきちんと理解していなければ、一つの文章として用いた際に、二重敬語になってしまったり、おかしな丁寧語になってしまったりする可能性もあります。

そのため、言葉の意味をしっかりと理解した上で、正しい表現方法を用いて「ご尽力」を使いこなせるようになりましょう!

尽力とは?

ビジネスの場や、目上の人に対して丁寧な言い方をする際に「尽力」と言葉を用いることがありますが、この言葉はそもそもどのような意味を持っているのでしょうか?

世間一般には「頑張る」という意味合いで理解されていますが、それがいつ、どんな場面に対して用いる言葉であるのかをきちんと把握しておくことで、正しいタイミングで言葉を用いることが出来ます。

そのため、まずは「尽力」の意味をきちんと理解しておきましょう。

目的を達成するために力を注ぐこと


「尽力」とは、「ある目的を達成させるために全力を注ぐこと」という意味があります。

例えば今よりも10キロ痩せるという目標を立てた人が、それに向かって必死にダイエットを行うことも「尽力」ですし、志望校に合格出来るように一生懸命勉強することも、「尽力する」と言えます。

「尽力」は、自分の目的を達成させるために力を注ぐことを意味する言葉ですので、いくら頑張っていてもそこに目的意識がなかったり、やりたくもないのにやらされていたりする場合には、それは尽力とは言えません。

あくまでも、自分自身で立てた目的があり、それに向けてやる気を出して行動する際に用いる言葉です。

何かのために尽くす

「尽力」の「尽」は、「尽くす」という言葉からきています。

「尽くす」とは「そのことのために全部を使ってしまうこと」や「全てを出し切ること」、「そのことの極めにまで達する」、「他の者のために精一杯働いたり努力をしたりすること」などの意味があります。

つまり、「尽くす」とは自分にある限りの力を全て出し切ることや、やり切ることを指しており、それに「力」を付け足すことで、「尽力」という言葉になります。

中途半端な努力ではなく、渾身の力を注ぎ、後悔がないほどに自分で努力を果たすことですので、それだけの覚悟や精神力、力を出し切ることが必要とされます。

「ちょっと頑張る」や「ある程度やる気を出す」程度では使ってはいけない言葉でもあります。

もうこれ以上ないほどに力を出し切る際に用いる言葉ですので、それを聞かされる側にとっても、相手がそれだけ本気なのだということを理解することが出来ます。

また、もし相手から「ご尽力いただきたい」などと請われたら、それだけ自分の力や能力を貸してほしいと頼まれていることになりますので、一度引き受けたらしっかりと最後まで相手の手助けをする必要があります。

当然相手も、こちらが全力で手伝ってくれることを期待しているのですから。

助けるの敬語

「尽力」は、「助ける」の敬語表現です。

自分で自分に対して「尽力する」と言葉を用いる際には、相手を立てて自分の立場をへりくだったものにする表現にもなりますが、相手に対して用いる際には敬語表現になります。

例えば自分が誰かを手伝うことになった場合、「お手伝いをさせていただきます」という言葉を、「尽力させていただきます」と言い換えることが出来ます。

親しい相手に対して手助けを申し出る際には「手助け」や「サポート」といった簡単な表現で構いませんが、ビジネスや公的な場、または目上の相手に対してそのように申し出る際には、丁寧な言い方の「尽力」を用いるのが一般的です。

相手には「ご尽力」と「ご」を付ける

「尽力」という言葉を自分にではなく、相手に対して用いる際には、必ず言葉の前に「ご」をつけます。

そうすることで、元々丁寧な言葉がより相手に対する敬語となって表現することが出来ます。

相手に尽力してもらう際には「ご尽力願います」と言ったり、「ご尽力いただきましてありがとうございます」などと言ったりして、力を貸してもらうことに対して謝罪と深い感謝の気持ちを言葉で表現します。

ただし、「尽力」を相手に対して丁寧な言い方をする際には、「ご」は付けても「お」は付けないように注意します。

「お」も敬語を用いる際にはよく使われますが、「お尽力」のように、「尽力」に対して用いることはまずありません。

そのため、必ず「ご尽力」と使うようにしましょう。

尽力の同義語

「尽力」は、自分の定めた目的に対して出来る限りの力を注ぐことを意味します。

そしてこの尽力には、同じような意味となる言葉がいくつか存在しています。

言葉が変われば具体的な意味も少しずつ変わってきますが、その中でも尽力に近い意味を持つ言葉を以下にご紹介していきます。

労苦


「労苦」は一見「苦労」とよく誤用される言葉です。

「労苦」の意味は、「心身が疲労して苦しい思いをすること」や、「苦労すること」です。

一方の「苦労」は、「精神的、肉体的に力を尽くして、苦しい思いをすること」や、「人に世話をかけたり厄介になったりすること」を意味します。

意味としてはほとんど「労苦」も「苦労」も同じですが、微妙なニュアンスが違っていることがあります。

また、一つの文章として言葉を選ぶ際に、言葉の使いやすさで「苦労」と「労苦」を使い分けることも少なくはありません。

例えば、「この目標を達成させるためにとても苦労した」という言葉と、「この目標を達成させるためにとても労苦した」とでは、恐らく前者の方が使いやすいと感じて言葉を用いる人が多いでしょう。

このように、意味としては「労苦」は「尽力」と似ていますが、労苦を用いずに「苦労」と用いる人も少なからずいます。

労力

「労力」は、「何かをするために心身を働かせること」や、「労働力・人手」という意味があります。

何かをするために心身を働かせることは、「尽力」の目的を達成させるために全力を注ぐこととよく意味が似ています。

「尽力」の方が、達成させたい目的がより明確になっているため、「労力」よりも心身ともに全力を尽くすといったイメージが強いです。

また、「労力」は「尽力」に意味が似ていますが、それ以上に労働力や人手といった意味合いで言葉が使われることが多いです。

例えば「労力が足りないため、仕事に支障が出る」や、「次のイベントに向けて労力を補充しておく」など、労働力に関係して使われることがとても多いです。

骨折り

「骨折り」は、「苦労すること」や「努力」などを意味する言葉です。

また「仕事に対する報酬」という意味もあります。

「骨折り損のくたびれ儲け」ということわざがありますが、これは「努力の甲斐もなく効果も上がらず、疲れだけが残ること」という意味です。

この場合の「骨折り」は、「努力」のことを指しています。

一方で、仕事の報酬として言葉を用いる場合には、「骨折りした分だけの収入があった」のように、金銭や物品などの具体的な報酬に対する努力の行為を指しています。

「骨折り」は、まさに骨を折るほどに自分が努力や苦労を重ねることを意味しますので、「尽力」と意味が似ています。

しかし、ビジネスの場や目上の人と話す際には、「尽力いたします」とは言っても、「骨折りいたします」と言うことはありませんよね。

会話として言葉を選ぶ場合には、「骨折り」よりも「尽力」を用いる機会の方が多いと言っても良いでしょう。

努力

ビジネスやスポーツの場のみでなく、日常会話でも頻繁に用いられる言葉が「努力」です。

当たり前に用いられ過ぎていて、「頑張る」というニュアンスで言葉を使っている人が大半でしょう。

「努力」という言葉の意味自体は、「ある目的のために力を尽くして励むこと」や「心を込めて事にあたること」、「骨を折って事の実行につとめること」などです。

目的のために力を尽くすという部分では「尽力」と意味が良く似ています。

そのため、日常会話や親しい人と話す際には、「尽力する」よりも「努力する」といったように「努力」の言葉を用いることが多いです。

一方で、ビジネスの場や畏まった場面においては、「努力致します」よりも「尽力致します」と使う方が一般的とされています。

力添え

「尽力」の言葉を言い換える際に、最もよく用いられている言葉が「力添え」です。

「力添え」とは、「他人の仕事を手助けすること」や「助力や援助」を意味します。

誰かに助けてもらった時には「お力添えをいただきまして有難うございました」とお礼を言うことが多いと思いますが、他人からの手助けに感謝をする際に用いることが多い言葉です。

また、誰かに助けてもらった時にも用いますが、一方で誰かに助けを請う場合にも用いることがあります。

誰かに助けて欲しい時には、「どうかあなたのお力添えをお願いいたします」と言葉を用いることが多いです。

「力添え」は、助けてもらった場合にも、助けを請う場合にも用いることが出来ますが、自分から相手を手助けする場合には用いません。

例えば「私があなたを手助けしましょうか?」と尋ねることはあっても、「私があなたを力添えしましょうか?」と尋ねることはありませんよね。

このように、用いる頻度は高いですが、誤用にも気をつけたい言葉でもあります。

支援

「支援」は、「力を貸して助けること」や、「他人を支え助けること」を意味します。

日常会話の中でも耳にする機会は多い言葉ですが、親しい人同士ではあまり使うことはないでしょう。

一方で、公的な場面やビジネスなどの場面では用いる機会の多い言葉でもあります。

例えば「友人の事業を金銭的に支援する」や、「NPO法人に対する支援」など、ある人や団体に対して主に金銭的な面や人数的な面で助けを出す際に用いられる機会がとても多いです。

支援とよく似た言葉で「応援」がありますが、応援は「力を貸して助けること」という意味があります。

どちらもよく似た意味を持つ言葉ですが、支援の方が上の立場から下の立場を助けるといった場合に用いることが多いです。

協力

「協力」は、「力を合わせて事にあたること」や「ある目的に向かって力を合わせること」という意味があります。

そのため、「目的を達成させるために全力を注ぐ」という意味の「尽力」と似ていますが、「協力」の場合には、自分一人だけではなく、誰かと一緒になって頑張る際に言葉を用いることが多いです。

「尽力」は一人だけでも使うことが出来ますが、「協力」は、誰かがいなければ成り立ちません。

自分が誰かを手伝う場合でも、誰かが自分を手伝ってくれる場合でも、自分以外に誰かの存在があることが前提として用いられる言葉です。

そのため、「尽力」の置き換えとして用いる言葉としては限りがあります。

「ご尽力」はどういう場面でよく使う?

あなたはどんな場面で「ご尽力」という言葉を使いますか?とても丁寧な言い方なので、自分に対して用いることはまずないでしょう。

万一自分に対して誤用してしまうと、その場で恥を掻いてしまうことになります。

他人に対して「ご尽力」と使う際には、相手が目上の立場の人の場合や、ビジネスの取引相手や上司などの場合が多いです。

丁寧な言葉使いですので、プライベートの場面でも用いる機会はありますが、年長者や自分が尊敬している人、適度に距離の空いた関係性の人に対して使うことがほとんどです。

身内や親しい関係性の相手に対しては、「ご尽力」と用いるとわざとらしい印象になってしまいますので、親しい人には使わないのが基本です。

人の功績を紹介する時

「ご尽力」という言い方は、人の功績を紹介する時に用いることがあります。

例えば社内で、ある人物の功績を讃える際に、「今回のプロジェクトは、〇〇さんのご尽力によって大きな成果を得ることが出来ました」などと言うことがあります。

誰かの助力によって自分や自分に関係のある人が救われた場合に、その功績を讃えたり、感謝の気持ちを表わしたりする際に用いることが多いです。

とても丁寧に功績を紹介する言い方ですので、相手が自分よりも立場が上の場合に用いる場合が多く、自分よりも下の立場の人に対して用いることはあまりないでしょう。

【功績の意味については、こちらの記事もチェック!】

目上の人に協力してもらった時

例えば納期までに自分の仕事が終わりそうになく、困っているところへ先輩が来て仕事を手伝ってくれた場合、助けてもらえたことに対して当然謝罪とお礼の言葉を述べることでしょう。

その際に、「先輩のご尽力のおかげで無事に仕事を終わらせることが出来ました!」と「ご尽力」の言葉を用いることがあります。

また、自分ではどうしても解けない問題を、目上の人の協力で解くことが出来た時や、困っている状態を手助けしてもらえた時などにも、謝罪とお礼の気持ちを込めて「ご尽力いただきありがとうございました」と言葉にすることがあるでしょう。

「ご尽力」は、その丁寧な言葉だけで謝罪と感謝の気持ちを同時に伝えることが出来ますが、大抵は「ありがとうございました」と感謝の言葉と一緒に伝えることが多いです。

ビジネスで取引先に対して

ビジネスの取引先に対しては、よく「ご尽力いただきましてありがとうございます」という言葉を用いる機会が多いです。

ビジネスでは、どんな取引先であれ、自分の会社と取引してくれているからこそ自社の利益に繋がることがあります。

少なからず自分の会社にとって重要な存在となっているのが取引先の会社であるため、例えそこまでお世話になっていなくても、社交辞令として何かの折に「ご尽力」の言葉を用いることがあります。

また、社交辞令としても用いますが、実際に取引先の会社のおかげで自社の利益に繋がった時には、しっかりと感謝の気持ちを込めて「この度はご尽力いただきまして誠にありがとうございました」と言葉にして相手に伝えます。

「ご尽力」の例文を見てみよう

「ご尽力」は、自分に対して用いる際には「ご」を取って「尽力」として言葉を用います。

これから頑張ろうと思っているのなら、「尽力してまいります」と言うことで、丁寧な言葉使いの中にも確固たる意志を感じさせますので、聞き手に与える印象も良くなりやすいです。

一方で、自分に対しては「これから頑張る」という意味で言葉を用いることはあっても、「頑張りました」という意味で「尽力しました」と言葉を用いることはあまりありません。

日本語としては間違っているというわけではありませんが、使う機会が少ないため、自分に対してはこれから先の意味として用いることが多いです。

「ご尽力」として用いる場合には、「ご」という尊敬の言葉が入っているため、自分以外の相手に対して使います。

自分が尊敬する相手や目上の人、ビジネスの相手などに対して謝罪や感謝の気持ちを込めて「ご尽力」と用います。

では、「ご尽力」を使った文章にはどんなものがあるのか、以下に例文をご紹介していきます。

彼は国の発展のためにご尽力されました

長い歴史の中で、国の発展のために尽力し、大きく貢献した人物はたくさんいます。

それは冒険家であったり、医師や技師であったり、または大勢の人々を率いて国の代表となった人物だったりします。

誰しもが大なり小なり、自分のため、誰かのため、または社会のために貢献することがあるでしょう。

その規模がとても大きく、人によっては自分自身の人生をかけて行動した結果、それが自国の発展に大きな貢献を果たしたのであれば、それを讃える人はとても多いです。

その人の功績を讃える際に、「〇〇さんは国の発展のためにご尽力されました」と表現することがありますが、尽力しなければ国の発展にまで貢献することは出来なかったでしょうから、正しい評価の表現方法であると言えるでしょう。

これもひとえに御社のご尽力の賜物です

例えば取引先の会社と一緒に行ったプロジェクトが成功した時に、「これもひとえに御社のご尽力の賜物です」とお礼を述べる場合があります。

「御社」とは、取引先の会社のことです。

また「賜物」には、「天や神からいただいたもの」「他者から受けた恩恵」「よいことや試練などの結果与えられた成果」などの意味があります。

この場合には、「他者から受けた恩恵」の意味が当てはまるとされ、「取引先の会社から受けた恩恵」と考えられます。

すなわち、「今回の成果に至ることができたのも、御社のご尽力のおかげです」といった意味の感謝の言葉となります。

自分の会社だけでは得ることが出来なかった利益を得た時や、自分の会社と取引をしてくれて、業績を上げてくれている会社に対して使うことの多い言葉です。

日本人には謙虚さや、自分よりも相手を立てる傾向があるため、仮に取引先の会社から特別に恩恵を受けることがなかったとしても、取引関係を保っている以上は社交辞令として相手を立てるためにこのような言葉を述べることがあります。

ご尽力を賜りましたこと、一生忘れません

「賜る」とは、「もらう」の謙譲語です。

相手から何かをもらう際には、それを「〇〇を賜る」と表現することがあります。

「尽力」が目的を達成するために力を注ぐという意味なら、「ご尽力」はそれを相手がすることになります。

つまり、「ご尽力を賜る」ということは、「相手に全力を注いでもらう」という意味になり、自分のために相手が手を尽くしてくれることになります。

相手自身のためではなく、自分のために相手が何かをしてくれるということは申し訳ないと思う以上に、とても有難いことです。

それがご飯を作ってもらった、落とし物を拾ってもらった程度のことではなく、自分にとってとても大きな出来事となった場合には、深い感謝の気持ちを込めて、「ご尽力を賜りましたこと、一生忘れません」と言うことがあります。

「一生」と聞くと大袈裟に思えるかもしれませんが、もしも自分にとってそれだけ感謝すべきことを相手がしてくれたのであれば、「一生」という言葉を使っても決して大袈裟ではないでしょう。

「ご」が無い場合の例文

「ご尽力」は、自分に対してではなく、相手に対して用いる言い方です。

「ご尽力」を用いた例文を先にご紹介しましたが、ここからは「ご」がない場合の例文をご紹介していきます。

「ご」がない、つまり「尽力」では、自分自身に対して用いる言い方です。

相手に対して「尽力」と用いると失礼な印象を与えてしまうかもしれませんので、誤用しないように注意して言葉を使い分けましょう。

では、「尽力」を用いた例文を以下にご紹介します。

復興のために、私も一生懸命尽力したいと思います

自分自身に対して「尽力」を用いる際には、「目的を達成するために力を注ぐ」という意味になります。

この例文の場合には、復興が尽力の目的となり、それを達成させるために一生懸命に力を注ぐという意味合いになります。

そのため、「復興のために、私も一生懸命尽力したいと思います」という言葉を言い換えた場合、「復興という目的を達成させるために、私も一生懸命に力を注ぎたいと思います」となります。

お安くできるよう、尽力させていただきます

例えば自分がお店を経営しており、お客が店の商品を「安くしてほしい」と相談してきた場合に、「出来る限り値引きを検討してみます」という意味で、「お安くできるよう、尽力させていただきます」と言葉を用いることがあります。

「させていただく」という言葉は、基本的には相手の合意を得た上で用いる表現方法です。

この場合には予め客から値引きの相談を受けているため、「させていただく」と用いても何らおかしくはありません。

また、単に「検討させていただきます」の場合には、本当に安くするつもりはなくても社交辞令として言うことがありますが、「尽力」の場合には本当に安くできるように努力をするということになりますので、ある程度の結果が予想されることも珍しくはありません。

「ご尽力」を使う時の注意

「ご尽力」の言葉を用いる際には、いくつか注意すべきことがあります。

まったく何も注意せずにどんどん言葉を使っていると、自分でも気づかない内に誤用してしまっていることがあります。

学生であればまだしも、すでに社会に出ている身で誤用してしまうと恥ずかしい思いをすることになりますので、きちんと正しい使い方が出来ているかを意識して使うようにしましょう。

以下に注意点をご紹介していきます。

親しい人には使わない

「ご尽力」は、親しい人には決して使わない言葉です。

絶対に使ってはいけないということはありませんが、親しい人に対して使うとよそよそしい印象になったり、わざとらしく思われてしまったりすることがあります。

そのため、親しい人にはまず使わないように注意しましょう。

例え仲の良い友達に尽力してもらい、それに自分が本当に深く感謝しているとしても、その気持ちを表わそうとして「ご尽力ありがとう」などと言うと変に思われてしまいます。

また、親しいからこそ「ご尽力」以外の言葉がため口になってしまうのも、日本語としておかしくなってしまいますので注意しましょう。

とても丁寧なので、大げさだと受け取られる場合も

言葉の響きからも分かるように、「ご尽力」とはとても丁寧な言葉の表現です。

「尽力」だけでも堅苦しさを感じる人にとっては、「ご尽力」と聞くとかなり大袈裟に思えてしまうかもしれません。

例え自分が誰かを善意から助けたとしても、それに対してわざわざ「この度はご尽力いただきまして誠にありがとうございます」などと丁寧過ぎるお礼を言われたら、大袈裟に感じてしまうのではないでしょうか?とくに自分がそこまで「大したことはない」と感じていることに対して丁寧過ぎるお礼を言われたら、反対にこちらが恐縮してしまうかもしれません。

そのため、相手によっては大袈裟に受け取ってしまうかもしれないということを意識して、言葉の表現方法を使い分けましょう。

相手と自分の立場をしっかり見極めて使おう

もしもあなたよりも目上の立場の人や上司が、あなたに対して「ご尽力いただきまして・・」なんて言ってきたら「そんなことは!」と焦って恐縮してしまいますよね。

明らかに自分よりも立場が上の人から敬語を使われてしまうと、誰だって慌ててしまうことでしょう。

あなたが自分より目上の人から敬語を使われたら恐縮してしまうように、もしもあなたよりも目下の立場の人があなたに「ご尽力」と言われたら、きっと恐縮してしまうでしょう。

相手を無駄に慌てさせたり、恐縮させたりしないためにも、相手と自分の立場をしっかりと見極めて言葉を使うようにしましょう。

感謝の気持ちを込めて言わないと嫌味に聞こえる

「ご尽力」は、とても丁寧な敬語です。

そのため、感謝の気持ちを込めて言わなければ時には相手にとって嫌味に聞こえてしまうことがあります。

丁寧な言葉使いはその人の品性を表わしますが、どんなに丁寧な言い方をしていても態度が失礼であったり、わざとらしく敬語を使っていたりすると、場合によってはそれが慇懃無礼に思われてしまうことがあります。

例えばあなたが大して尽力していないのに、相手から深々とお辞儀をされて、「ご尽力いただきまして・・」と言われたらどうでしょうか?相手が根っからの良い人であれば単純に恐縮してしまうかもしれませが、もしも悪意のある笑顔で言われたら、嫌味に聞こえてしまうことでしょう。

このように、言い方や態度一つで善意も悪意に受け取られてしまうことがありますので、「ご尽力」の言い方には注意しましょう。