ビジネスの場などでよく「ご足労いただき」という言葉を用いる機会があります。

取引相手に自分の会社へ来ていただいた際に使う言葉ですが、この「ご足労」という言葉の正しい意味や使い方をきちんと理解出来ていない人って、意外と少なくはないのです。

そこで、うっかり誤用してしまわないように、「ご足労」の正しい意味や使い方について再確認しておきましょう!

ご足労とは

「ご足労」は、普段使いとしてはそこまで用いる機会のない言葉です。

実際に、あなた自身も日常会話として「ご足労いただきまして・・」などと言うことはあまりないでしょう。

年配の人が訪問者に対して「わざわざご足労いただいて有難うございます」と言っているのを耳にすることはあっても、フォーマルな場でもない限り若者が同じように訪問者に対して言うことはほとんどないでしょう。

そのため最近では、ビジネスの場のように、かしこまった場面でのみ用いることの多い言葉です。

しかし、日常会話として用いる機会が少ない分、「ご足労」の言葉の本来の意味をきちんと理解し、また正しく使えている人は減ってきています。

とくに「ご足労いただき・・」と使う機会の少ない若い人ほど、うっかり誤用してしまいがちです。

そこで、この機会に正しい意味や使い方について改めて学んでおきましょう。

ご足労の意味

あなたは自分のところへ来ていただいた人に対して「ご足労いただき」という言葉を用いる際に、その意味を理解しながら言葉を使っていますか?

しっかりと意味を把握した状態で言葉を用いなければ、思わぬ誤用をしてしまう可能性があります。

そもそも、「ご足労」とは、「足労」に丁寧語の「ご」をつけた言葉です。

「足労」は「行く」などの意味を丁寧語にしたものですので、「ご」をつけることでより丁寧な言葉になります。

そのため、「ご足労」は「わざわざお越しいただく」という意味になります。

わざわざお越しいただいたことに対する感謝の言葉


「ご足労いただき」という言葉には、わざわざお越しいただいたことに対する感謝の気持ちがこめられています。

「ご足労」という一言の中に「ありがとう」の言持ちが入っていますが、その上で「ご足労いただきましてありがとうございます」と言葉にすることで、より一層相手に対する感謝の気持ちを表現しています。

年配の人が訪問者に対して「ご足労いただきありがとうございます」と口にする機会が多いのは、ひと昔前の人ほど他人に対する気遣いや感謝の気持ちをこまめに表現することが多かったためです。

また、もしもあなたが家や会社に呼ばれて訪問した際に、こちらが時間や手間を割いて訪問したことを相手がさも当然のように迎えたら、内心ではもやもやとしてしまいませんか?

「感謝しろ」とは言わなくても、せめて社交辞令として「ご足労いただき」と相手に言ってもらえることで、訪問した側も気分良くその場を過ごすことが出来るのです。

もちろん本心から感謝の気持ちを伝えてもらえれば嬉しいですが、形だけでも「ご足労いただき」という事で、円滑にその場のコミュニケーションを図ることが出来ます。

ご足労は敬語?

「ご足労」は一般的には敬語に含まれています。

しかし、先にも挙げたように、元々「ご足労」という言葉があったわけではありません。

元は「行く」「歩く」という意味の言葉を丁寧語にした「足労」があり、これに「ご」をつけてさらに丁寧な敬語の「ご足労」という言葉が成り立っています。

そのため、他にとくべつに丁寧な言葉を付け加えなくとも、「ご足労」だけで「わざわざお越しいただきましてありがとうございます」と感謝の気持ちを表現していることになります。

しかし、いくら一言で意味を表現しているとはいえ、「ご足労ですね」と短い言葉を使う人はまずいません。

二重に丁寧な表現になったとしても、「ご足労いただき感謝いたします」などと一つの文章を丁寧な言葉で繋げることが大半です。

ご足労の類語

「ご足労」には、他のたくさんの言葉同様に、類語となる言葉がいくつもあります。

もし「ご足労」という言葉を用いたくても、場の雰囲気がとても軽やかだった場合は、わざわざ堅苦しい印象の言葉を用いることには抵抗があるでしょう。

そんな時には、「ご足労」と似た意味を持つ別の言葉を使うことで、その場に合った表現が可能になります。

日本語はたくさんあって、日本人でも使いこなすのが大変だという皮肉をよく耳にする機会がありますが、言葉がたくさんあるからこそ、場面に応じていくつも言葉を使い分けることが出来るのです。

そんな便利な言葉の中でも、「ご足労」と似た意味を持つ言葉を以下にご紹介致します。

お手数をお掛けして

「お手数をお掛けして」は、「ご足労」よりも頻繁に用いる機会のある言葉です。

何故なら、「ご足労」が、わざわざ相手に自分のところへ来ていただいた際にのみ用いる言葉であるのに対して、「お手数をお掛けして」は、さまざまな場面で、さまざまな意味として用いることが出来る言葉だからです。

例えば相手に自分のところへ来ていただいた際にはもちろん、仕事の手伝いを頼んだ時や、ちょっとしたお願いごとを叶えてもらう際にも、気軽に用いることの出来る言葉です。

なおかつ、「お手数をお掛けして」という言葉自体は丁寧な表現方法ですので、目上の人や上司、会社の取引相手など、あらゆる相手に対しても使いまわすことが出来ます。

また、ビジネスの場面や公的な場面のみならず、ちょっとしたプライベートの場面で用いてもまったく違和感がない言葉ですので、「ご足労」の代わりとしてはとても使いやすい言葉と言えるでしょう。

子どもが使う機会は滅多にありませんが、社会人のみならず学生でも用いる機会が多い言葉でもあります。

お手間をとらせて

「お手間をとらせて」も、「ご足労」を使うと堅苦しくなってしまうような場面では代用できる言葉です。

「手間」という言葉には、「行なうために費やされる時間や労力」という意味があります。

これを他人に対して用いる際には、丁寧語である「お」をつけて「お手間」となります。

他人に対して「お手間をとらせて」と用いる際には、自分のために相手に時間を取らせてしまったことや、手間暇をかけさせてしまったことに対しての謝罪や感謝の気持ちを表すことになります。

そのため、例えば自分の作業を誰かに手伝ってもらった時には「お手間を取らせてすみません」と使うことがあります。

また、例えば自分の相談事を誰かに聞いてもらった時にも、相手に時間を割いてもらったことに対して、「お手間を取らせました」と使うことがあります。

「お手間をとらせて」は基本的に、本来は自分がすべきことを誰かに手伝ってもらった場合などに用いる言葉です。

しかし、自分で出来ることを相手が自分から「手伝いたい」と買って出た場合でも、お世話になったお礼としてこの言葉を用いることがあります。

また、場合によっては社交辞令として用いることもあります。

「お手間をとらせて」は、「お手数をお掛けして」よりは使う頻度が多くありませんが、「ご足労」や「お手数をお掛けして」よりももっと軽い雰囲気の場面ではよく用いられています。

お邪魔して

「お邪魔して」は、一見「ご足労」とはまったく違う意味に思える人も少なくはないでしょう。

それは、「ご足労」が相手に対して丁寧に用いる言葉であり、相手が自分のために行動したことに対する意味として用いている人が大半だからです。

しかし、「ご足労」も元々は「足労」という言葉であって、その意味は「足を運ぶこと」や「足を働かせること」です。

これに丁寧語の「お」をつけたために、「相手に足を運ばせる」「相手の足を働かせる」という意味に転じて使われています。

そのため、元々の意味としては、「足労」と「邪魔」は類語として扱われています。

「お邪魔する」という言葉の意味は、「相手の家や生活の場、または会社などの場をたずねること」だとよく認識されていますが、「人に時間や労力をかけさせること」という意味もあります。

人に時間や労力をかけさせるという点では、「ご足労」も「お邪魔する」もまったく同じ意味です。

とはいえ、ビジネスの場や目上の人に対して「ご足労をおかけしました」という事はあっても、「お邪魔しました」という事はほとんどありません。

「お邪魔しました」というと、自分が相手のところに進んで訪問して、相手に時間を割かせたような意味として感じられますよね。

そのため、訪問した側の人が「お邪魔しました」と用いることはありますが、来てもらった立場の人が「お邪魔しました」ということはほとんどないのです。

「ご足労」の使い方や用例をご紹介します

「ご足労」の意味や、類語についてご紹介しました。

しかし、折角正しい意味や類語について理解しても、それを使う機会がなければ、覚えた意味もいつの間にか忘れてしまいますよね。

いざ使う場面になってまたうっかり誤用をしてしまわないためにも、日頃から「ご足労」を使う機会を伺って、積極的に言葉にしてみてはどうでしょうか?

「ご足労」は敬語ですので、言われた相手も悪い気分にはならないでしょう。

正しい意味や類語について理解を深めた後は、「ご足労」を使った用例をご紹介していきます。

自分がどんな場面でどんな風に言葉を使えばいいのか、ぜひ参考にしてみてください。

「ご足労いただき」という言葉はいつ使う?

「ご足労」は、ほとんどが「いただく」という言葉とセットで用いられます。

それを話し言葉にすると、「ご足労いただき」となります。

「いただき」の後には「申し訳ありませんでした」や「有難うございます」といった謝罪や感謝の言葉が続くのが一般的です。

では、「ご足労いただき」という言葉は、どんな場面やタイミングで用いることが多いのでしょうか?

敬語ですので、目上の人や年長者に対して用いるということはご存知でしょうが、それ以外ではどのような時に用いられるのでしょうか?

以下にご紹介します。

主にビジネスシーンなど


「ご足労いただき」という言葉は、主にビジネスシーンなどの、かしこまった場面や公的な場面で用いられることが多いです。

例えば会社の取引相手が、打ち合わせのために自分の会社に来た際に、「本日はご足労いただきまして、ありがとうございます」と挨拶をすることがあると思います。

この挨拶としての「ご足労」には、「本来ならばこちらが赴くところを、あなたにわざわざ来ていただいて本当に感謝しています」といった気持ちが込められています。

また、わざわざ相手を自分のところへ来させたことに対する謝罪の気持ちも同時に込められています。

自分の会社の方が上の立場の場合や、自分のところへ来てもらうことが当たり前の場合には、単なる社交辞令の挨拶として用いられることも少なくはありません。

とはいえ、単に社交辞令であっても、お互いに気持ち良くそのままコミュニケーションを図ることが出来ますので、必要な言葉であると言えるでしょう。

お礼として使うのが最適

「ご足労いただき」という言葉は、お礼として使うのが最適です。

日本人は昔から、感謝よりも先に謝罪の言葉がつい口から出てきてしまう癖があります。

相手に親切にしてもらった時などには、「ありがとう」とお礼の言葉を伝えるのが理想的です。

しかし、日本人は咄嗟に「すみません」や「申し訳ありません」と謝罪の言葉を口にしてしまいます。

それは日本人が持つ謙虚さや、相手への気遣いといった気持ちゆえに、感謝の言葉よりも謝罪の言葉がつい先に出てきてしまうのです。

それはつまり、「親切にしてくれてありがとう」ではなく、「相手に気を遣わせてしまって申し訳ない」という気持ちです。

日本人はそうした考え方が強いため、今でも感謝の言葉よりも、謝罪の言葉が出てしまうことが多いのです。

「ご足労いただき」という言葉も、「ありがとう」よりも「申し訳ありません」といった意味合いで使っている人が多いかもしれません。

しかし、誰しも謝罪をされるよりは、感謝をされる方が嬉しいと感じるものです。

相手から何ら迷惑をかけられていない場合には尚更、「ありがとう」とお礼の気持ちや言葉の方が嬉しいでしょう。

そのため、「ご足労いただき」と使う時にも、謝罪よりもお礼として使った方が、相手は心地よく受け取ることが出来ます。

ご足労の他の使い方は?

「ご足労」は相手に対する敬語で、相手へ謝罪や感謝の気持ちを伝える際に用います。

シチュエーションによっては「ご足労」という言葉ではなく、それに近い意味を持つ別の言い方をすることもあります。

そんな「ご足労」は、どんなタイミングで使えばいいのでしょうか?

相手に来ていただいた際だけなのか、それともその前後に言葉を用いても良いのかなど、具体的な使い方について以下にご紹介します。

こちらに来ていただく前に使う

「ご足労」は、相手に自分のところへと来ていただいた際に用いる言葉だと思っている人は多いでしょう。

もちろんそれも間違いではありませんが、実は「ご足労」は、相手にこちらへ来ていただく前に使う場合もあります。

例えば近々会社の取引相手が自分の会社へ来ることになっており、その確認も兼ねてメールや電話で連絡を取った際に、「当日はご足労をお掛けして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願い致します」などと用いることがあります。

これは相手が自分のところへと来ることが決まっている場合にのみ用いられます。

間違っても、まだどちらがどちらのところへ行くのか決まっていない内から、「ご足労をお掛けしますがよろしくお願いします」などと言わないように気をつけましょう。

もしまだ予定が決まっていない内からそのように言ってしまうと、「自分のところまでわざわざ来いと言うことか。失礼な人だな。」と思われてしまいます。

どんなに丁寧な言い回しをしていても、決まっていない内から自分のところへ来いと言うのは相手に対してとても失礼です。

うっかり誤用しないように十分注意しましょう。

「ご足労をお掛けしますが」

予め相手が自分のところへと来ることが決まっている場合には、前々から「ご足労をお掛けしますが、よろしくお願い致します」と相手に言うことがあります。

これは、「当日はわざわざこちらまで来させてしまうことになり大変心苦しいですが、何卒よろしくお願い致します」といった意味合いの言葉ですので、感謝の気持ちよりも、「申し訳ない」という謝罪の気持ちをより強く表しています。

一方で、実際に相手が来た後で「ご足労いただき」と言う場合には、「申し訳ない」という謝罪の気持ちよりも、「ありがとう」という感謝の気持ちの方がより強く表されています。

事前に「ご足労お掛けしますが」と言葉を用いるような場面は、大半がビジネスの場面であることが多いです。

取引相手の会社の人に対して用いられるのが一般的ですが、場合によっては自分の会社の上司に使う場合もあります。

例えば自分が働く工場の視察に、普段は本社にいる上司が訪れることが決まっている場合などに、事前連絡で「ご足労をお掛けしますが」と使うことがあります。

基本的には取引相手や目上の人に用いる言葉ですので、明らかに立場が下の会社や部下など、目下の相手に対して用いられることはあまりありません。

「ご足労いただき恐縮ですが」

「ご足労いただき恐縮ですが」という言い方も、予め相手が自分のところへ来ることが決まっている場合に用います。

「恐縮」は「恐れて身がすくむこと」や「迷惑をかけたり、厚意を受けたりして申し訳なく思うことや、恐れ入ること」といった意味があります。

「ご足労」と一緒に使う場合には、後者の意味として用いられています。

「ご足労」が「相手にわざわざ時間を割かせたり、手間をかけさせたりすること」という意味ですので、そこに「恐縮」と付け加えることで、「ご足労」に対するもうしわけないという気持ちを表現することが出来ます。

また、先にご紹介した「ご足労をお掛けしますが」という言い方は直接口にする機会も多いですが、「ご足労いただき恐縮ですが」という言い方の場合は、直接口にするよりも、手紙やメールで伝えることの方が多いです。

とても丁寧な言い方ですので、ビジネスの場面や、かしこまった場面で用いられるのが一般的です。

こちらに来ていただいてから後日に使う

「ご足労」は、予め相手が自分のところへ来ることが決まっている場合に、数日前に用いることもありますが、一方で実際に相手に来ていただいた後で、時間を空けてから「ご足労」を使うこともあります。

例えば取引相手に自分の会社へ来ていただき、打ち合わせを終えたその日の夜や翌日になってから、取引相手に改めてお礼の形で「先日はご足労いただきありがとうございました」と伝えることがあります。

この場合にも、わざわざ相手に来ていただくことに対する申し訳ないという気持ちよりも、「来ていただいてありがとうございました」と感謝の気持ちで言葉を用いる方が多いです。

ビジネスの場面でなくとも、例えばあなたがお世話になった人に対して、翌日に「先日はどうもありがとうございました」とお礼をすることがありますよね。

これも、言い方を丁寧にしただけで、まったく同じ意味になるのです。

後日にご足労いただいたことのお礼を伝える場合には、直接口で伝えるよりも、手紙やメールで伝えることの方が多いです。

もしくは、次に会った時に前回のお礼を口にすることもあります。

「先日はご足労をいただきありがとうございました」

「先日はわざわざ足を運んでくださって、本当にありがとうございました」という意味合いでよく用いられることがあります。

相手にご足労いただいた翌日に、このように挨拶を兼ねてお礼を述べることが多いです。

大抵はご足労いただいた日の夜か翌日、少し間が空いたとしても一週間以内には伝えるのが一般的です。

あまり間が空いてから前回のお礼を述べてしまうと、相手が「軽んじられている」と勘違いしたり、「直ぐにお礼をするのは忘れていたのか?」と思ってしまったりする可能性もあります。

いずれにせよ、あまり遅くなってからのお礼では、反対に失礼になってしまうこともありますので、お礼をするなら早めにしましょう。

また、お礼の気持ちを伝えたいと思って、ご足労いただいた日の夜や後日、さらには次に会った時にまで何度も「この前はご足労いただきまして・・・」と言おうとする人もいますが、あまりに何度も相手に対して言ってもくどいと思われてしまいますので、お礼を伝えるのは一度だけにしておきましょう。

ご足労の用例は?

ご足労の正しい意味や類語、またどのような場面で用いられることが多いか、さらにはご足労いただく前後にも使えることなどについてご紹介してきました。

これらを踏まえた上で、「ご足労」をどのような言葉として用いることが多いのか、その用例についてもご紹介します。

せっかく「ご足労」の正しい意味を理解して、いざ使おうと思っても、そこに付け加える言葉や敬語が間違っていては、誤用になってしまう可能性があります。

そのため、「ご足労」という言葉を用いた言い回しの中でも、普段からよく耳にする用例をご紹介しますので、同じようなシチュエーションになった時にはぜひ使ってみてください。

ご足労お掛けしますが宜しくお願いいたします。

この言い方は、予め相手が自分のところへと訪れることが決まっている場合の、事前のやり取りで用いることが多いです。

例えば数日後に会社の取引相手が自社を訪れる場合や、年長者が自分の家へと訪れる場合など、ビジネスの関係相手や目上の人、年長者などに対して先にお願いをしておく際に「ご足労をお掛けしますが宜しくお願いいたします」と言うことがあります。

言われた相手も、予め自分が相手のところを訪問することが決まっているため、快くその言葉を受け入れてくれる可能性が高いです。

万一相手の反応が芳しくない場合には、もしかしたら相手は自分から赴くことに対して納得していないか、何らかの不満がある可能性があります。

その場合には改めて相手との予定を確認するなり、相手の不満の原因を探るなりして、当日に円滑なコミュニケーションが図れるようにしておきましょう。

本日はご足労いただきありがとうございます。

この言い方は、当日相手が自分のところへと訪れた際に用いるのが一般的です。

「ありがとうございます」という言い方が現在進行形ですので、相手にご足労いただく前や後に言うのはおかしいですし、言われた方も違和感を覚えてしまいます。

そのため、実際に相手にご足労をいただいたその場で言うようにしましょう。

「ご足労いただきありがとうございます」という言葉も、ビジネスの場面などで用いられることが多いです。

同じ意味として、「わざわざお越しいただきましてありがとうございます」という言い方をする場合もありますが、かしこまった場面では、やはり「ご足労」の言葉を用いた方が良いでしょう。

丁寧な敬語を用いることが出来れば、それだけで相手には、こちらに教養があるように思わせることが出来ます。

相手が自分よりも立場がかなり上の場合には、まず「ご足労」の言葉を使っておけば相手のこちらに対する印象は悪くはならないでしょう。

遠方よりわざわざご足労いただきありがとうございます。

もしも相手が遠方からわざわざ自分のところへと来てくださったのなら、「遠方よりわざわざご足労いただき」という言葉で謝罪と感謝の気持ちを表す場合もあります。

例えば本社の役員が、地方の会社へと視察で訪れた際には、地方の会社の責任者が上記のような挨拶をしながら役員を出迎えることがあるでしょう。

また、例えば今は遠方に住んでいる恩師に、同窓会に来ていただく際にもこのような言い方をすることがあります。

「遠方」がどの程度の距離なのかは人によって感覚が違うと思いますが、一般的には車で数時間程度かかる距離であれば、「遠方」という言葉を用いても問題はないとされています。

1時間程度で着けるような場所は遠方とは言わず、例えば県を跨ぐような、かなりの長距離にいる場合には「遠方よりわざわざご足労いただき・・」と言葉を用いても良いでしょう。

先日は大変ご足労をお掛けしました。

すでにご足労いただいた後でお礼を述べる際には、このような言い方をすることが多いです。

先にもご紹介したように、ご足労をいただいた日の夜か、翌日にお礼の挨拶として述べるのが一般的です。

後日わざわざお礼をする場合には、直接電話で時間をいただいてお礼を言うよりも、メールや手紙で相手が時間のある時に確認することが出来るようにしておくと親切です。

直接電話や顔を見て伝える場合には、ご足労いただいた日からある程度期間が空いていることが多いですが、相手との関係が悪くなっていなければ、「その節はご足労いただきまして、どうもありがとうございました」と挨拶代わりにお礼を言ってもおかしくはありません。

そのため、お礼を言うタイミングとしては、ご足労頂いた直後か、ある程度期間を空けて次に直接相手と会う時が良いでしょう。

中途半端に一週間や二週間と時間が経ってからお礼の連絡だけを入れると、反対に相手に対して失礼になってしまったり、要らぬ誤解を与えてしまったりする可能性があります。

御立会の際はご足労いただきまして誠にありがとうございました。

「御立会」は、「立会」を丁寧な表現にしたものです。

すなわち、「御立会のためにわざわざお越しいただきまして本当にありがとうございました」という感謝の気持ちを言葉にしたものです。

立会はその人自身がいなければ場が成り立たないため、相手の時間を割いて、手間をかけさせてしまうことになります。

それを申し訳ないと思う気持ちと、それ以上に「ありがとうございました」という感謝の気持ちが込められています。

非常に丁寧な言葉使いですので、ビジネスの場やかしこまった場面で用いられることは多いですが、その反面気軽な場面ではまず用いられることはありません。

何かのイベントで司会進行役が、後日に役員や偉い立場の人に対してお礼をする場合にもこのような言い回しをすることがあります。

まとめ

「ご足労」は、相手に時間を割かせ、手間を取らせることです。

そのため、「ご足労」に対しては謝罪や感謝の気持ちを伝えるのが一般的です。

私たち日本人はつい「ご足労」の後で「すみません」や「申し訳ありませんでした」と言ってしまいがちですが、相手が本当に言って欲しい言葉は、きっとそうではないはずです。

「ご足労」をかけたことに対して申し訳ない気持ちを持つことは大切なことですが、それ以上に「ありがとうございます」と感謝の気持ちを持って伝えることで、言われた相手も「わざわざ時間を割いて良かった」と思うことが出来ます。

言葉の正しい意味を知ればこそ、その言葉に自分の気持ちを込めて伝えることが出来るのです。

ですから、「ご足労」の正しい意味を知った上で、その場面に合った言葉の使い方をしていきましょう。