「ご鞭撻」という言葉は、「ご指導ご鞭撻願います」のように、誰かに何かをお願いする際に使われることが多いです。

形式的な形として、また社交辞令としても使われることが多く、社会人であれば誰もが使えて当たり前の用語であると認識されています。

とくにビジネスシーンや結婚式などで使われることが多いため、きちんと意味を理解して正しく使えるようになっておくと、いざ必要な場面でスムーズに「ご鞭撻」の言葉を使うことが出来るでしょう。

そんな「ご鞭撻」の意味や正しい使い方、注意点などについてご紹介していきます。

「ご鞭撻」の使い方!困った時はこれ!

「ご鞭撻」は、形式的な場面やかしこまった場面で使われることが多い反面、あまり普段使いをされることはありません。

そのため、日頃からあまり敬語を使わない環境にいる人や、新社会人になったばかりの人では、上手く「ご鞭撻」を使いこなすことが出来ずに、困惑してしまうこともあるでしょう。

また、「ご鞭撻」は社会人になってから使うことが多いため、学生の頃に使い方を学んだという人も多くはないでしょう。

そのため初めて「ご鞭撻」の言葉を聞くという人は、どのようにその言葉を使えば良いのか分からず、またおいそれと誰かに聞くことも出来ないため、いつまでも正しい意味や使い方を理解することが出来ないかもしれません。

そこで、この機会に「ご鞭撻」について意味や正しい使い方を知っておきましょう。

意味については後述しますが、「ご鞭撻」を使う際には、「ご指導」という言葉と一緒に使われることが多いです。

そのため、「ご鞭撻」の使い方で困った時には、「ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。」と使っておくと、どんな相手にも通用しますし、丁寧な言い回しですので相手に与える印象も良いでしょう。

ただし「ご鞭撻」という言葉自体が目上の相手に使うものですので、目下の人に対しては使わないように注意しましょう。

「ご鞭撻」とは?

「ご鞭撻」を使いこなすためには、まずは「ご鞭撻」の意味についてよく理解しておくことが大切です。

言葉の意味を理解していなければ、何となく周りが使っているからと適当な使い方をして、その結果誤用してしまうことになりかねません。

また、社会人になって何年も経ってから誤用していたことに気付くと、とても恥ずかしい思いをすることにもなってしまいます。

そのため、他のさまざまな言葉と同様に、自分が使う言葉について最低限理解をしておかなければならないでしょう。

「ご鞭撻」は普段使いをしない言葉ですので、使う機会が少ない人の方が意味は理解しにくく、また使い慣れないことでしょう。

一方で、普段からビジネスシーンなどで「ご鞭撻」を使う機会が多い人では、どんなに緊張する場面であってもすんなりと言葉を使いこなすことが出来るでしょう。

使う頻度によって「ご鞭撻」を上手に使いこなせるかどうかは差がつきやすいですが、きちんと言葉の意味や使い方さえ理解していれば、焦らずに必要な場面で正しく言葉を使うことが出来るようになります。

スラムダンクでも使用されていた!?

実は「ご鞭撻」という言葉は、あの有名なバスケット漫画の「スラムダンク」の中でも使われています。

主人公の桜木花道のライバルである、流川楓(るかわかえで)が、バスケットボール部顧問の安西先生に対して使っていた言葉です。

流川は部活の顧問である安西先生に、「アメリカへ行ってプレーしたい」と己の気持ちを打ち明けます。

それを受けて、安西先生は流川の将来を考えた末に、アメリカ行きを反対します。

そして、後日流川に「とりあえず日本一の高校生になりなさい」と助言をします。

その際に、流川が安西先生に「よろしくご指導ご鞭撻のほど・・・」と言います。

これは「よろしくご指導ご鞭撻のほど、お願い致します。」という意味で使われており、顧問である安西先生に対して、「これからもご指導よろしくお願いします。」と意志を伝えています。

「スラムダンク」の作品内で流川はまだ高校生ですが、このように丁寧に先生に指導を仰ぐ言葉を使っているシーンは印象的で、当時作品を読んでいた人も流川のこのセリフを覚えているという人は多いでしょう。

また、「ご鞭撻」を使った言葉を、この時に初めて知ったという人もいるかもしれません。

有名な作品は読者に大きな影響を与えますが、このような一コマのシーンでも、人によっては印象深く感じられるものです。

意味

「ご鞭撻」は、「鞭撻」に敬語である「ご」を付けたものです。

「鞭撻」そのものが言葉として使われることはほとんどなく、普段言葉や文章として目にしたり、使ったりする際には「ご鞭撻」の言い方をすることが多いです。

「鞭撻」とは、「鞭で打ってこらしめること」や「怠らないようにと強く励ますこと」という意味があります。

漢字の作りからも本来は前者の意味として存在している言葉ですが、一般的には後者の意味で使われていることの方が多いです。

この「ご鞭撻」を使った言葉として、「ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。」といったものがありますが、これは「少々厳しくても大丈夫なので、しっかりとご指導お願いします。」や「ビシバシご指導お願いします。」といった意味合いがあります。

つまり、こちらから相手に対して厳しい指導をお願いしていることになりますので、その通りに相手から厳しい指導を受けたとしても、喜んでそれを享受する覚悟がある場合に使うべき言葉でしょう。

よく形式的な言葉としても使われることがありますが、本来はこのような意味の使い方をしますので、単なる社交辞令として使うと後々自分が大変な思いをするかもしれません。

「ご鞭撻」を使う際には、その意味をきちんと理解した上で使うようにしましょう。

「ご鞭撻」と一緒に使われる言葉

「ご鞭撻」は、その言葉だけでは使われることはありません。

大抵は、「今後とも引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い致します。」といった一つの文章として使われることが多いです。

「ご鞭撻よろしくお願いします。」とシンプルな表現をすることもありますが、一般的には「ご指導」と一緒に「ご指導ご鞭撻のほど」と使われることの方が多いです。

「ご指導ご鞭撻」とは、相手の自分に対する指導や教育を敬った表現ですので、「ご指導」と「ご鞭撻」を合わせて使うことが多いです。

この他にも、「ご鞭撻」と合わせて使われることの多い言葉をご紹介していきます。

今後とも


「今後とも」という言葉には、「今だけでなく、この先の付き合いも」という意味があります。

また、「今回結ぶことが出来たご縁を、この先も繋いでいきたい」という意思表示でもありますので、相手から「今後とも」と使われた場合には、相手はこちらとこの先の付き合いも望んでいるという意味として受け取ることが出来ます。

プライベートやビジネスシーンなど、さまざまな場面で「今後とも」という言葉は使われていますが、例え社交辞令であったとしても、こちらが相手にとっては有益な存在であるということには変わりないでしょう。

「ご鞭撻」と一緒に「今後とも」という言葉を使う場合には、「今後も相手にビシバシ指導して欲しい」という意志を示すことになります。

それは少なからずこちらが相手を信頼しているがゆえに使うことの出来る言葉だとも言えるでしょう。

今後ともご鞭撻をお願いされた側にとっても、悪い響きとして受け取ることはないでしょう。

引き続き

「引き続き」は「今後とも」と同じような意味があります。

「今後とも」の場合には、今回出来た縁がこの先も続くようにという意味がありますが、「引き続き」の場合には、過去から現在、そして未来まで継続してといった意味合いがありますので、相手との縁がより長く感じられる言葉です。

例えば仕事で契約関係にある相手や、会社の取引先に対して、今後も付き合いをお願いする際などにも、「引き続きよろしくお願い致します」といった言い方をすることがあります。

「ご鞭撻」と「引き続き」を一緒に使う場合には、まずは日頃から相手と鞭撻の関係にあることが前提となっています。

会社でいえば上司と部下の関係であり、習い事でいえば先生と生徒の関係が日頃から指導関係にあると言えるでしょう。

その関係がある上で、何かの節目に改めて挨拶をする際に、「引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。」と使うことがあります。

「引き続き」には「今後も指導関係を続けていきたい」という気持ちが込められていますので、相手にもその気持ちが伝わりやすいでしょう。

どうか

「どうか」は、「心から丁寧に頼み込む気持ちを表す」「確かな根拠はなくとも、多分そうであろうという気持ちを表す」「具体的な方法はともかくとして、ある方法の解決を望む気持ちを表す」などの意味があります。

より心を込めて丁寧に相手にお願い事をする時には「どうか○○をお願いします」などと使うことがあり、注意深く聞いていれば、日常でも意外とあちこちで耳にする機会がある言葉です。

「どうか」を「ご鞭撻」と一緒に使うことで、「どうかご鞭撻をして頂けますよう、よろしくお願い致します。」といったように、とても丁寧に相手に対して鞭撻を願い出る形になります。

自分よりもかなり目上の人に対してや、結婚式やビジネスシーンなど、よりかしこまった場面で使われることが多いです。

それ以外の形式的な挨拶としては、「どうか」を使わないで鞭撻を願い出ることも多いです。

宜しくお願い致します

「宜しくお願い致します。」という言葉は、「ご鞭撻」だけでなく、さまざまな言葉と一緒に使うことがある言葉です。

そのため、「宜しくお願い致します。」という言葉だけでも使用頻度はかなり高いです。

相手にとても丁寧なお願いの言葉を使っているので、何か相手に対してお願い事がある場合に使われるのが一般的ですが、形式的な挨拶や社交辞令としても頻繁に使われています。

こちらの意図を察して欲しい時や、具体的に相手の協力が欲しい時など、さまざまな場面で頻繁に使われていますので、言葉を使う側も使われる側も、かなり耳に慣れている言葉でしょう。

「ご鞭撻」と一緒に「宜しくお願い致します」と使えば、誰でも「指導や強い励ましをお願いしている」ということが直ぐに理解出来るでしょう。

そのため、「鞭撻」をお願いされて頷いた側は、相手の望むように日々指導に努める気持ちでいる必要がありますし、何かあった時には相手に助言や助け船を出すつもりでいなければならないでしょう。

お互いに単なる社交辞令として挨拶をしているだけの場合もありますが、真剣に相手から「鞭撻」をお願いされた時には、こちらも真剣にその気持ちを受け取る必要があります。

「ご鞭撻」の類義語

「ご鞭撻」は「努力するように励ますこと」という意味です。

それは相手に対して励ましを送るということでもあります。

励ましの方法は、直接的なものや間接的なものなどさまざまですが、基本的には鞭撻は相手に対してお願いをするものであり、自分から相手に対して「鞭撻してやる」と主張するものではありません。

相手から頼まれるからこそ丁寧な言葉として使われることが多く、相手に頼まれてもいないのにこちらから鞭撻しようとすることは、相手にとっては有難迷惑であることが多いです。

そんな「ご鞭撻」には、いくつかの類義語があります。

「ご鞭撻」はとても丁寧な言葉ですので、場面によってはその言葉が相応しくないこともあります。

もっと気軽な場面や、少し砕けた場面では別の使い方をした方が良いこともありますので、その際には類義語を用いると良いでしょう。

では、「ご鞭撻」の類義語にはどのようなものがあるのでしょうか?以下にご紹介していきます。

ご教授

「ご教授」は、「教授」に敬語の「ご」をつけたものです。

「教授」には「学問・技芸を教え伝えること」「大学などの高等教育機関において、専門の学問・技能を教え、また自らは研究に従事する人の職名」などの意味があります。

「ご鞭撻」の類義語としての意味は前者であり、何かを誰かに教えるといった部分では「指導」とも同じような意味を持っています。

学生の頃から役職名である教授と、教えを受ける「ご教授」との違いについて自然と学ぶ人が多いため、社会に出る頃には大抵の人が「ご教授」の意味について理解していることでしょう。

また「ご教授」は「ご鞭撻」よりもシンプルに、「ご教授願います」と一言で使うことが出来ますので、あまり畏まり過ぎない場面では使い勝手の良い言葉でもあるでしょう。

【ご教授については、こちらの記事もチェック!】

ご教示

「ご教示」は、「教示」に敬語表現の「ご」がついたものです。

「教示」の意味は「教え示すこと」や「実験や調査で、研究者の意図する行動を被験者にとらせるための指示」などです。

「ご鞭撻」の類義語としては、前者の意味が当てはまります。

「教え示す」というのは、単に学問や技能を伝えたり教えたりするだけでなく、人生のあらゆる事柄についても教え示すという意味でもありますので、より深い意味として指示を仰ぐ場合には、「ご教示願います。」という言い方をすることがあります。

また、「ご教示」とは、自分が心から信頼し、尊敬している相手に向けて使う言葉でもありますので、社交辞令や単なる挨拶として簡単に使うべき言葉ではないでしょう。

挨拶としての意味であれば、「ご教授」と使った方が相応しいでしょう。

「この人には単に勉強を教えてもらうだけでなく、人生や生き方についても色々と指導して欲しい」と思える人に対して使うべき言葉でしょう。

「ご教示」は、「ご教授」よりは意味が深い場合に用いますが、「ご鞭撻」ほどは言葉の響きは堅苦しくはないでしょう。

ご指南

時々、「ご指南をお願いします」や、「○○さんにご指南を受けています」などの使われ方をする言葉です。

他の類義語同様に、敬語の「ご」がついており、元々は「指南」という言葉です。

「指南」は「教え導くこと」という意味があり、運動や武芸の世界でよく使われています。

例えば剣道で師範から教えを受けている人が、「師からご指南を受けています」などと表現をすることがあります。

運動や武芸の世界において、自らの腕を高めようと思ったら、一人だけで腕を磨くのには限界があります。

腕を上げるための基礎となる方法や練習の仕方などは、師や先生から教えを請う必要があります。

そうして指南を受けてある程度のレベルにまで達したら、後は自分で自分の能力を高めていくことも出来るでしょう。

どんな世界にもその道のプロというものがいます。

一足先にプロとなった人が師や先生となり、新たにその道を極めようとする生徒に対して、教え導いていきます。

そのため師や先生から教えを受けたいと思ったら、「よろしくご指南をお願い致します。」と腰を低くして指導をお願いする必要があるのです。

「ご指南」とはそのような場合に頻繁に使われる言葉です。

師事する

「○○さんに師事している」という使い方をすることが多く、言葉の響きからよく「自分が相手に教えている」という意味で誤解されることがある言葉です。

「師事」とは「(相手を)師として仕え、教えを受けること」という意味があります。

つまりは自分が求める相手を師匠や先生として仰ぎ、その人から教えを受けるということです。

この意味を正しく理解していれば、決して誤った使い方をすることはないでしょう。

万一誤った使い方をすれば、その言葉を受ける相手を大いに誤解させたり、困惑させたりしてしまいます。

また、「師事する」「師事しています」などを使う場合は、主に勉学や思想的な部分で教えを受けていることが多いです。

運動で教えを受けている場合に使うこともありますが、そうした教え以外にはあまり「師事」の表現を使うことはないでしょう。

特に会社内で仕事に関して指導を受けている時に、「○○さんに師事を受けている」といった表現をすることはほとんどなく、もし使っている人がいれば聞いていて違和感を覚えてしまう人もいるかもしれません。

決して間違った使い方というわけではありませんが、少なくとも会社内では相応しい使い方とは言えないでしょう。

手本とする

「手本」とは、「初心者が絵や字を習う時に真似て似せるべき絵や字」「物事をする時にならうべき人や物。先例となる人。」などの意味があります。

「ご鞭撻」に近い意味としては後者になります。

「手本」は真似ることですので、それを良しとしない考えの人も時々いますが、何かを始める際には、まずは習うべき先例がなければ何も始めることは出来ません。

そのため、最初に自分が手本とする人に対して習い、自ら学びながらそれを自分なりの形にしていくというのがごく一般的で当然の流れです。

誰かに教えてもらったり、習ったりするという意味では「ご鞭撻」と意味が似ていますが、それをもっと簡単で分かりやすい表現にしたものが「手本とする」という言い方です。

この言い方であれば子どもにも伝わりやすいですし、さまざまな年代の人を前にした時に使いやすい言葉でもあります。

ただし、簡単な表現方法だからこそ、かしこまった場面では使われることはあまりありません。

「ご鞭撻」が使われるシーン

「ご鞭撻」は、どのようなシーンで多く使われるのでしょうか?

「ご鞭撻」という言葉が、目上の人に対する敬語表現だということは理解出来ても、どのようなシーンで使うべきかということをよく分かっていないと、相応しくないシーンで使ってしまうかもしれません。

例えば自分が指導してもらっている先生を含めて、仲の良い面子で和気藹々と騒いでいるところに、急にかしこまって「今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。」などと言ったら、急にその場の楽しい雰囲気がぴたりと止まってしまうかもしれません。

また、公共の場や見知らぬ人たちが周りに大勢いる中で同じような使い方をしても、周りの人たちからは「何事か」とジロジロと注目を浴びてしまうかもしれません。

そのため、「ご鞭撻」はその言葉に合ったシーンで使うのが一番です。

では、どのようなシーンで使われることが多く、またどんなシーンで使うべきなのでしょうか?以下にご紹介します。

ビジネス

「ご鞭撻」は、ビジネスシーンでとても多く利用されます。

例えば部下が上司に対して「今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうかよろしくお願い致します。」と使うことがあります。

とはいえ、普段のビジネスシーンで頻繁に使っているというわけではありません。

例えば上司と2人だけで飲みに行った先で、話の流れで今後も指導をお願いすることはあります。

また、忘年会や新年会のように、何かの節目で飲み会を開いた際などに改めて部下から上司に対して挨拶をする際に、「ご鞭撻」をお願いすることもあります。

ビジネスシーンでは、主に上司と部下、もしくは大手会社とその下請け会社との間でこのように「ご鞭撻」を使ったやり取りがされることがありますが、毎日のように使われているわけではありません。

また、「ご鞭撻」は、改めて目上の人に対して指導をお願いするものですので、上司に対する尊敬もなく、仕事も適当にやっているような人が「ご鞭撻のほど何卒お願い致します。」などと言っても、その心意気は全く伝わることはないでしょう。

それどころか、「口先だけの社交辞令」と取られてしまい、余計に上司からの印象が悪くなってしまうこともあります。

さらに、部下が何かミスをして上司に迷惑をかけた際に、その謝罪として「この度はご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。

今後はこのようなことがないように十分に注意して仕事を行いますので、今度ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。」などと上司に言うことがありますが、この場合にも上司の神経を逆なでしてしまう可能性があります。

実力主義の上司の場合、わざわざかしこまった謝罪をされるよりも、さっさと仕事に戻ってミスした分も次は結果を出すことを求めます。

その場合には、「上辺の謝罪はいいからとっとと仕事に戻れ!」とさらに怒りを買ってしまうこともありますので、ビジネスシーンでは「ご鞭撻」の使いどころを間違えないように注意する必要があるでしょう。

結婚式

「ご鞭撻」という言葉は、結婚式でも使われることが多いです。

結婚式の場合、直接言葉にするのではなく、挨拶状として「ご鞭撻」を使うことがあります。

挨拶状の中で時候の挨拶と2人の結婚の報告をした後で、「まだまだ未熟な2人ではございますが、今後とも宜しくご指導ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。」といった文章を添えるのが一般的です。

この場合は結婚の挨拶として「ご鞭撻」を使っていますので、形式的なものだと言えるでしょう。

そのため、「ご鞭撻」の言葉を真に受けて、あれこれと夫婦にお節介をかけたり、余計なお世話を焼いたりするのは夫婦にとっては迷惑でしかありませんので控えましょう。

もし夫婦から助言を求められるようなことがあれば、その時に初めて助言をするようにしましょう。

年賀状

年賀状でも「ご鞭撻」の言葉を使うことがあります。

年賀状は新年の挨拶をさまざまな人へ送りますが、例えば会社の上司や日頃からお世話になっている人、習い事の先生などに年賀状を送る際には「ご鞭撻」を使った文章を書くことが多いです。

年賀状で書く文章の多くは、新年のご挨拶と、昨年はお世話になりましたというお礼、そして今年一年もよろしくお願いしますといった流れで書かれています。

この今年一年の豊富の部分で、「今年も精一杯に励んでまいりますので、何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。」などと「ご鞭撻」を使った挨拶を書くことが多いです。

年賀状の挨拶は形式的なものでもありますが、自分が普段本当にお世話になっている人に対して送るものでもありますので、当然そこには本心も込められています。

結婚式の挨拶状とは異なり、自分が「ご鞭撻」を使いたい相手にだけそのように書けばいいので、もしもそのような文章が年賀状で送られてきたのなら、相手は本心から指導を望んでいるということでしょう。

「ご鞭撻」の代替表現

「ご鞭撻」はかしこまった表現ですので、シーンによってはその言葉が相応しくないこともあります。

そのような場合には類義語を使っても良いですが、類義語以上に「ご鞭撻」と意味が近い代替表現がいくつかあります。

それを以下にご紹介していきますので、もしも「ご鞭撻」が使いづらい場面があった時には、代替表現を使ってみるといいかもしれません。

よろしくご指導ください

「ご指導ご鞭撻」という表現がかしこまり過ぎていると感じられる場合には、「よろしくご指導ください」の一言だけでも問題はありません。

シンプルな言葉ですが、意味はしっかりと相手に伝わりますし、かしこまり過ぎない表現は、相手との距離が近ければより受け入れられやすいでしょう。

もちろんやや堅苦しい場面やビジネスシーンにおいては、「ご鞭撻」の言葉を使った方がいい場合もあります。

しかし、それらのフォーマルな場面以外では、「よろしくご指導ください」という表現の方が、こちらの相手を信頼しているという気持ちが素直に伝わりやすいでしょう。

お叱りと激励

「ご鞭撻をお願い致します」という言葉が堅苦しいと感じる場合には、「お叱りと激励をお願い致します」という言い方で表現することが出来ます。

「お叱りと激励」であれば、万一相手が「ご鞭撻」についてあまり詳しくなかったとしても直ぐに意味は伝わりやすく、またストレートに「あなたに叱ったり励ましたりして欲しい」という気持ちも相手に伝わりますので、言葉を受ける側も快い気持ちになることが出来ます。

習いごとやスポーツなどで師事している先生に対して使う機会が多い表現でもあります。

ご声援をいただきたく

「ご声援をいただく」の「ご声援」には、「お叱りや激励」などの意味が含まれています。

そのため、「ご声援をいただきたく存じます。」と言えば、相手には「応援して欲しい」という気持ちが容易く伝わるでしょう。

この表現もスポーツの場面で使われることが多いです。

「ご鞭撻」は社会人の基本用語!

「ご鞭撻」の意味や正しい使い方、類義語などについてご理解いただけたでしょうか?

「ご鞭撻」はとても丁寧な言葉遣いですが、使う場面によっては余計に相手を怒らせてしまったり、誤解させてしまったりすることがあります。

また、形式的に使うのか、それとも本心から使っているのかという気持ちの違いについても、明確に相手に示す必要があるでしょう。

「ご鞭撻」は社会人の基本用語の一つですので、正しい意味や使い方を身に付けて、相手に誤解のないようにきちんと自分の気持ちを伝えるように心がけましょう!