人間の表情は、喜怒哀楽に分かれています。

ゴールデンウイークやお盆、お正月には、家族で故郷に帰って、駅に出迎えに来てくれたおじいちゃんやおばあちゃんとお孫さんの笑顔のシーンが微笑ましいものです。

こんなニュースをTVで見ていると、いつものことながら見ている方も嬉しくなってくるものです。

自分も同じような出会いがあるからかも知れません。

それに対して、とても険しい表情でインタビューを受けているシーンも時々見ます。

これも事例をあげるとキリがないのですが、先日もありました。

大相撲の世界で、大横綱が若手の力士に暴行事件を引き起こした時です。

この事件の顛末について、日本相撲協会の会長や幹部が並んで、一様に険しい表情で記者会見を行っていた時です。

マスコミによって連日それに関する報道が流れていましたが、日本相撲協会としてその経緯について報告していたのです。

報告する協会側の人も、質問する記者たちも、それぞれが本当に険しい表情で臨み、その会場の空気も相当険しい雰囲気が漂っていたようです。

一問一答が重苦しくて、見ている方も「何が起こったんだ?」「どうなるんだ?」という気持ちで固まってしまったのです。

暴力事件だけではありません。

官僚のセクハラ疑惑もありました。

女性記者からの取材に対して、唐突に卑猥な言葉を投げかけている官僚の声が録音されていて、マスコミを通じて音声も公開されたのです。

この会話の録音が公開されても、取材に対してなおも否認を続ける官僚の顔は、怒声も交えて非情に険しいものだったのです。

質問する方もされる方も、怒りや緊張のためにとげとげしい表情になっており、このような状況を「険しい」と表現するのです。

険しいとは?

普段の会話で「険しい」と言う言葉を使う時は、登山について話しする時です。

休日を利用してみんなで山登りの計画を立てる時に、参加する人達の山登りのレベルを考えながら、どこに挑戦するかを検討するのです。

まだ経験が浅いとか年齢が高い人が混ざっていると、険しいルートを避けて穏やかなルートを検討するのです。

みんなはいろんな山を提案するのですが、「あの山は上級者でも登るのは相当険しいと聞いているので、今回はその山は外したい」などと相談します。

すると、「中級者でも登れるルートがあるらしい。

そこはそれほど険しくないそうだがどうだろう?」などという意見も出るのです。

この場合の「険しい」とは、山や崖などの傾斜が急で、登るのが困難なさまを意味しています。

このように傾斜が急で登るのが困難な状況を「険しい」と表現する時と、先ほどのように緊張や怒りで言葉や表情がきつくなっている時も「険しい」と表現します。

さらに、近々開催が予定されていたイベント会場が、前日に襲来した大型台風の影響で施設が破壊されて交通網にも影響が出たために、予定通り開催されるかどうかは「非情に険しい状況だ」との主催者側のコメントが出るのです。

台風によって発生した問題が、「早期解決が困難だと予想される時」にも、「険しい」と表現するのです。

このように、①怒りや緊張で言葉や表情がきつくなる時、②山や崖の傾斜がきつくて登るのが困難な時、③抱えている問題が厳しいので解決できないと感じる時、④自然現象が荒々しくて近寄り難い時、などに「険しい」と表現するのです。

意味

自分の前に立ちはだかった厳しい状況に対して、圧倒されるような威圧感を感じた時の気持ちを表します。

もうどうにもならなくなって、困難が続くとネガティブな考えしか浮かばなくなっているのです。

誰もが一度は経験したことがあると思いますが、その時にはもう二度とこんな気持ちになりたくないと思うものです。

険しい状況が続く時には、時として同じ苦難が襲うこともあるようです。

一難去ってまた一難の連続になることもあるようです。

人間は弱いもので、身の周りで険しいことが続けて起こると、スピリチュアルな考え方にすがるようで、急に神様に頼ってしまったり神秘的な事柄に取りつかれてしまいます。

現実的には、険しい状況に追い込んだ責任は自分にもあることを知るべきです。

古代から、自然の驚異は肌で感じているようで、気候の異変は食料の確保に大きな影響を与えるので、険しい事態に陥らないように雨ごいをしたり豊作を祈願する行事も各地に多いのです。

では、険しいという意味について、もう少し考えてみます。

山や坂などの傾斜が急で往復が困難


自然の中をロードバイクで疾走する快感は、経験した人でなければ分からないと思います。

休日に自慢のロードバイクに跨って、景色の良い海辺の道路を走っている人をよく見かけます。

景色を見ながら潮の香を吸い込みながら、軽快に走るのです。

ロードバイク専用の道路があると、5~6台が一列になって走る光景をよく見ます。

混んでなければ、平地では1回に50km程度の走行距離は普通です。

ドリンクさえ持っていれば、慣れた人なら平気で走れる距離なのです。

しかし、山や長い登り坂を越えて行くには、相当の訓練が必要です。

普段から脚力を身に付けておくことが必要です。

話が脇道に逸れますが、世界的に見ると自転車ロードレースの中で頂点に立ってるのがプロが走る「ツール・ド・フランス」です。

世界で約190ヵ国で放送されて、視聴者は実に約35億人とも言われています。

プロのロードレースですが、走行距離は約3300km、高低差が2000m以上という険しいコースを、23日間をかけて走り抜くのです。

山や坂などの傾斜が急な山岳コースと、平坦なロードを走る平坦ステージに別れているようです。

普通の人なら、こんな傾斜が急な難コースは走破が困難で非情に険しいことから、挑戦は無謀と思われます。

ツール・ド・フランスを走るプロの選手にとっても相当険しいレースで、チーム一丸となってバイクのメンテナンスもできるように伴走車を従えての挑戦になっているのです。

ロードバイクだけではありません。

箱根駅伝では傾斜が急な坂道を、往路に渡って走り抜くのです。

とても険しいマラソンと言えます。

これから先に困難が予想される

日本ではほぼ絶滅されていると思われていた麻疹(はしか)が、再び流行の兆しを見せているとTVのニュースで放送されていました。

麻疹は、予防接種で防げる病気なのですが、日本でも感染が確認されているようです。

ニュース番組で解説していた内容では、日本人の26歳から39歳の成人では、国際標準である2度の予防接種を受ける機会がなかったことによる影響とのことです。

先進国では過去の病と言われる麻疹で、日本でも2015年から3年間感染が確認されていなかったのです。

それが、2018年の春から感染が広がって、5月には患者が100人に達したそうです。

マスクや手洗いでは予防はできないようで、空気感染で広がります。

免疫がない人は、予防接種を受けるしか手立てがない険しい状況になっているようです。

麻疹のウイルスが国内に持ち込まれたのは、海外から日本を訪れる旅行者によるものだそうです。

水際で防ぐにしても、保菌者かどうかは一人ずつ検疫するのは困難であり、これから先も困難が予想されます。

こんな防疫体制では完全に防ぐことは困難であると予想されるので、ますます険しい状況に陥ると思われます。

このように、これから先の予想では困難が想定される時には、険しいという言葉が使われるのです。

とげとげしい

これは険しいと感じる時には、ものごとに行き詰ってにっちもさっちも行かなくなった時です。

万事休すの状態で、もはやこれまでなのです。

そうなると、何ごとにも過敏になってものの言い方や表情などがいかにも険悪できつくなるのです。

この状態は、とげが立ったように刺々しい(とげとげしい)と表現し、険しい顔つきになるのです。

他の人が何か提案しようものなら、たちどころに噛みついて罵倒してしまう雰囲気なのです。

誰も手助けしようとは思わず、できるだけ早くその場を立ち去りたい気持ちなのです。

「君子(くんし)危うきに近寄らず」なのです。

危険なもの、失敗しそうなこと、破滅を導くような険しい場面には、刺々しい人間関係が見られます。

険しい人間関係はみんな避けるようです。

かどだっている

「かどだっている」とは「角立っている」と書きますが、角が尖って刺々しい状態の言葉です。

これと反対に、みんな上手く行っている時には「円満」という表現を使い、角張っていなくて穏やかで丸い雰囲気を指しています。

「角立っている人」は、何か問題が起きた時にすぐに感情的に反応してしまいます。

普段から理屈っぽい人に多いようですが、正論を振りかざして誰かを責めてしまいがちになるのです。

反論しようものなら、とことんまで口で反撃するタイプなのです。

「物も言いようで角が立つ」ということわざのように、敢えて角が立つように話を持って行くようにも思えます。

この時の表情とは、険しい表情と言えるのです。

荒々しく人を寄せつけない

険しい時の性格は、荒々しくて誰も人を寄せ付けない雰囲気なのです。

険しい感情を持つようになった理由は何かあるはずですが、そんな事を解決しようとか慰めて心を落ち着かせようなどという行為は、全て払いのけられる状態なのです。

ともかく、近くに誰も寄せ付けないのです。

チャンピオンベルトを賭けたボクシングのタイトルマッチで、挑戦者は終始優位に試合を進めて行きました。

どちらもダウンを奪うことはできなかったのですが、後半は明らかに挑戦者の方が手数も多くポイントを稼いでいるように思われました。

最終回も結局壮絶な打ち合いになって、挑戦者がチャンピオンをコーナーに追いつめて連打を与え、ダウン寸前のところまで詰め寄りました。

終わりのゴングが鳴ると同時に挑戦者は勝利を確信して喜んで飛び上がり、チャンピオンはうなだれて力なく椅子に腰かけてしまいました。

誰もが挑戦者の勝利を想像したのですが、判定はなんとチャンピオンの方に上がったのです。

茫然自失の状態でリングにたたずむ挑戦者は、判定に不満を漏らして主審に詰め寄りますが、判定はもちろん覆りません。

リングから降りて控室に戻る挑戦者に、セコンドやファンが押しかけますが、険しい表情の挑戦者は荒々しく人を寄せ付けないのでした。

判定に対する怒りでうち震える心を表しているのです。

怒りやショックで口を閉ざし、我慢がならないようなのです。

終始険しい表情で控室に戻ったのです。

険しいの類語や関連語


険しいという状態の雰囲気は分かってもらえたと思います。

険しいと感じたので、刺々しい態度や言葉を使い、相手を挑発するようにもなってしまうのです。

では、険しいという言葉の類語や関連語についてもまとめてみました。

1.鋭く傾斜しているさま

最近の若者にも人気の「ボルダリング」というスポーツがあります。

自然の岸壁をよじ登ることもありますが、若者や子供も手軽に楽しめるように、ホールドという突起を壁に作りつけた高さが4m程の人口壁を屋内に作っているところがあります。

ロープなどの道具を一切使わずに、素手でよじ登る競技なのです。

もちろん、万一の時のことを考えて、安全面では対策をしていますが、自然の険しい岩山をロープや器具を使ってよじ登るようなロッククライミングとは異なるものです。

このボルダリングというスポーツをやった経験がない人にとっては、垂直な壁の威圧感は相当であり険しいスポーツだと感じられます。

このように、急な坂や切り立った壁などは、険しい以外の何ものでもありません。

鋭く傾斜している様子を下から見上げた時に、険しいなあと思うのです。

仲間5人と近くの山にハイキングに出かけました。

家族で山登りができるように、なだらかな登山道が整備されていて、小さな子供連れでも楽しく登れるのです。

天気の良い休日には、お弁当を持って楽しそうに山登りをする家族連れも見かけます。

そんな標高が500mくらいの山なのですが、ハイキング道を外れると、急な坂道を木の枝をかき分けながら登っていく登山道もあるのです。

中学生や高校生にもなると、そちらの道を登っていく人も多いようです。

足元には大木の根っこがむき出しになっているし、岩も転がっているところを通り抜けるのです。

しかも、時には急な坂になっていて、前かがみで木の枝や岩を掴みながら登っていくのです。

こんな急な坂に出くわすと、上を見ながら「険しいなあ」と叫ぶのです。

このように、予想以上に急なところでは、「険しい」と感じるのです。

切り立った

「切り立った」というキーワードで思いつくのが、中国の険しい岩山の風景です。

中でも有名なのが湖南省の張家界市(ちょうかかいし)にある武陵源(ぶりょうげん)です。

ご興味のある方は、ネットで検索すればその風景写真が掲載されていますのでご覧ください。

山全体がのこぎりの歯のように天に向かって切り立っているのです。

数億年の年月をかけて作り出された自然の仙境と言えます。

中国の山水画にもよく登場します。

映画通の人には、映画「アバター」のモデルになった場所として有名になりました。

「武陵源の自然景観」として世界遺産にも登録されているのです。

この切り立った岩山の景色を見ると、絶対に登りたくない険しい岩山だと思うはずです。

このように、足がすくんでしまうほどの切り立った状態を、「険しい」と表現するのです。

2.振る舞いや態度において厳しい

物理的に上り下りの急なところは険しいと感じますが、それ以外でも人間の「行動」でも険しさを感じる時があります。

厳然たる(げんぜんたる)

「厳然」とは、厳(おごそ)かで近寄り難いさま、動かし難いさまの意味です。

要するに、誰が見ても分かるような明白な事実のことを指すようです。

良く使われる表現としては、「厳然たる事実だ」というものがあります。

推理小説やらドラマの中で刑事が殺人犯を特定していく過程で、「あの時間にこの現場にいられる可能性があるのは、君だけだというのは厳然たる事実だ」と詰め寄るのです。

動かし難い事実で、相手を追いつめるのです。

この時の刑事も、厳然とした態度、険しい態度で望んでいるのです。

厳然とした態度とは、確固たる意志を持った威厳のある態度という意味です。

その時の顔つきは、険しい表情になっているはずです。

「厳然たる」とは、動かし難いさまを表し、「厳然とした」というと威厳があるさまを意味するようです。

険相(けんそう)

これは人間の顔つきの表現です。

怒りをあらわにした険しい顔つきのことです。

険悪な人相とも言います。

何かに怒りを覚えて、おさまりがつかなくなった状態です。

今にも爆発してしまいそうな瞬間なのです。

仲間同士でもめ事があった時に、、普段はおとなしい青年が怒りをあらわにして拳を握りしめ、今にも殴りかかろうとする様子もうかがえます。

その時の険しい顔つきなのです。

いつもは穏やかな人であれば、険相の時はガラッと表情が変わって険しくなり、俗に言う「鬼の形相」になっているかも知れません。

3.危機や非常事態になる、近づく

自然災害は、いつ襲ってくるのか分からないものです。

先日もハワイ島のキラウエア火山が噴火したようです。

TVのニュースの映像では、火山の火口からかなり離れたところで、地面に亀裂が走ってそこから溶岩が噴出しているようです。

近くには民家が点在しており、溶岩の噴出で火災や倒壊が起こっているのです。

非常事態と言えますが、険しい状況になっているようです。

大型台風や集中豪雨、さらには政治的な内政事情から発生する紛争など、危機と言われる事態は多いようです。

このように、自分一人の力ではどうにもならないような状況に陥ると、険しいと感じるのです。

危ない

自然災害によって、家族が暮らしている住居が倒壊したリ水に浸かったりする事態は険しいのですが、自分達の命の危険まで脅かされることになれば、非情に険しい状況と言わざるを得ません。

海外で内紛によって戦闘状態が続いている地域では、いつミサイルが飛んで来るか分かりません。

非常に危ない環境なのです。

自分や家族の命の保障もできない事態で、険しい環境なのです。

先ほどのハワイ島の噴火もそうですが、危ないとわかっているがどうしようもない状況を険しいと表現するのです。

深刻

深刻に感じることは多々あります。

日本国内に目をやれば、少子高齢化の問題も深刻です。

少子化の原因の一つは、共働き家庭の育児の問題があります。

母親が子供を預けて働きに出かける時に必要な保育園が不足していることです。

国会でも再三取り上げられているのですが、現実には不足しているようです。

子供を預けて働きたいと願っている親にしては、深刻な問題なのです。

保育園も保育士が不足しているし、認知症の介護施設も介護士が不足しているようです。

国や自治体もいろいろと施策を打つのですが、完全に問題が解消する見込みはなさそうです。

抱えている問題が厳しくて解決できないと感じる時に、険しいと思うのです。

4.困難や試練でいっぱいの

何と言っても、若者にとって険しいことと言えば入試と就活でしょう。

大学入試センター試験を受けて満足する結果が得られれば良いのですが、どうも上手く行かなかったと分かると、希望する大学を変更する必要にもせまられます。

そんなことも経験して何とか大学を卒業するメドがたっても、今度は就活の高い壁が待ち構えているのです。

人気の企業には学生が集中するし、競争倍率も高くなります。

無事に就職先が見つかれば良いのですが、なかなか内定が貰えないような苦しい状況では、焦りが出てくるのです。

就職してからもいろいろと困難や試練がいっぱい待ち構えているのですが、生きていくには避けて通れないのです。

このような困難や試練は、険しいものなのです。

大変

このような困難や試練は、生活していく上でいっぱい待ち構えています。

でも、みんなそれらを乗り越えて生きているのです。

険しくても我慢してぶつかって行くのです。

そんな険しいことを乗り越えるためにお互いにかける言葉が「大変」という言葉です。

「まあ大変」「大変ですね」などと、頑張って試練を乗り越えてくださいと激励するように声をかけるのです。

「険しい状況」を「大変」とサラッと表現するのです。

みんな大変な目にあっているのですから。

5.不快なほどに堅い

運動部の監督や会社の経営者というのは、様々なタイプがいるようです。

試合で練習した通りにうまくできなかった部員に、鉄拳制裁を加えたという話はよく聞きます。

野球や相撲では、バットやシナイで叩いて指導するのが慣例のようです。

もちろん限度がありますが。

会社の経営者でも、お客様に騙されたり仕事を取って来なかったりと成績が悪い営業マンには、会議の席で灰皿を投げつけたりする人もいたようです。

しかし、練習通りにうまくできて勝負に勝ったリすると、その選手を笑顔で褒めることもあるのです。

ところが、上手く行ったにも関わらず、二コリともしない監督や社長もいるのです。

部下に甘い顔を見せないという信念ですが、周りから見ると不快なほどに堅い表情なのです。

この「堅い」という言葉は、芯までしっかりと詰まっていて強いさまを意味します。

自分の信念が身体の内部までぎっしりと詰まっているので、一つや二つの出来事でも動じないという信念です。

良いプレイや仕事でも、それぐらいでは険しさは変えないのです。

不快と思えるほどに堅い信念なのです。

手厳しい

堅い性格の人は、自分にも他人にも手厳しいのです。

自分自身に関しても、今回は上手く行ったと思っても、安易に自分を褒めたり安心したリはしないのです。

「勝って兜の緒を締めよ」という言葉が多分好きなのでしょう。

内心は嬉しいのですが、決して表情には表しません。

ということは、他人や部下についても同じことが言えます。

上手く行った部下には「よし」ぐらいは言いますが、甘い言葉で褒めることは絶対にないのです。

「次の一手を考えろ」「油断するな」と叱咤激励するのです。

周りから見れば手厳しいと見えますが、本人は当然のことと思っているのです。

険しい気持ちがあると、手厳しく指導するようです。

過酷

勝負や仕事に対する情熱が強いと、過酷なまでの訓練と指導を行うようです。

険しい状況を理解すればするほど、部下を過酷に厳しく鍛えるのです。

険しいということを理解していなければ、集中することもできないのです。

ボクシングでも、今度の対戦相手が強豪であるとわかると、それに負けないような体力を作るために、過酷なトレーニングに励むのです。

険しいということを理解していると過酷になるのです。

6.連想される言葉

「険しい」という言葉で連想される言葉は、気難しい、むつかしい、疑い深い、などがあります。

それらの意味について考えてみました。

気難しい

「あの人はとても気難しい人だ」などと、ちょっと困惑した時につかわれます。

いつもワイワイと仲良く話をしているのに、何か気に入らないことを言われたのか急に険しい顔つきになって、会話に入って来なくなりました。

そんな時に「気難しいなあ」と表現するのです。

我慢できない性格なのか、プライドが高くて自分の意見が通らないとおもしろくないのかも知れません。

いわゆる我が強くて神経質な性格なのです。

機嫌が取りにくくて周りの人も困ってしまうのです。

気難しい人は、相手に対する気遣いができないようです。

険しいとは、そんな気難しい側面を持っているのです。

このような人と上手く付き合うには、まずはその人の話をしっかりと聞いてあげることです。

自分が常に話の中心にいることが重要なのです。

聞き上手になってみましょう。

むつかしい

漢字で書くと「難しい」となりますが、この読み方は本来「むずかしい」なのです。

読んで字のごとく、複雑で分かりにくい、難解であることです。

そして、その難解なことを解決するのが困難であることを意味します。

気難しいとは性格のことですが、むつかしいとは具体的なことが分かりにくく、解決する策がないさまを表しています。

一読しても理解できないような文章は、「むつかしい文章だ」と言い、話を聞いても簡単に理解できない時には「むつかしい説明をする」と相手を突き放すような表現になるのです。

訳が分からなくなると、「むつかしいことを言うな」とけん制して、「むつかしい事抜きで話そう」と譲歩を促すのです。

「むずかしい」という発音は関東的で、「むつかいい」という発音は関西的だという学者もいますが、漢字で書くと同じなのです。

理解するのが険しい状況なのです。

疑い深い

簡単に相手のことを信用しない人のことを「疑い深い人だ」と呼びます。

疑う気持ちが強すぎて、簡単に信用しないのです。

過去に、簡単に信用し過ぎて痛い目にあわされた苦い経験を持っている人かも知れません。

騙されたときの怒りや緊張で表情も険しくなっているのですが、「二度と騙されないぞ」という気持ちが表情に現れているのです。

険しいの使い方・例文

「険しい」という表現について例文をまとめました。

崖はどこまでも険しく高かった

「思い切って崖をよじ登ることを決めたが、崖はどこまでも険しく高かったと後悔したのでした。」初めは登れると感じたのですが、実際にチャレンジすると傾斜が急で険しくて、登り切るという目的は達成できそうにないと感じたのです。

傾斜が急であることを険しいと表現するのです。

険しい目つきをした男が立っていた

「事件の現場に行くと、険しい目つきをした警官が見張っていました。」大変な事件が起こってしまって、まだ解決のメドも立っていないので、緊張した表情で現場を監視している様子が目に浮かびます。

「険しい目つき」とは、ピリピリした緊張の中で見ている表情を表しているのです。

急に険しい表情になり、威圧を感じた

「今までうつ向いてじっとしていた男が、自分が悪者だと罵られたので顔を上げて、急に険しい表情になり相手を威圧した。」抑えていた怒りの感情が、何かのきっかけで溢れ出てしまったのです。

いつ相手に飛びかかって行くかもしれない雰囲気なのです。

怒りの気持ちが強くなった時のさまを表現します。

成功への道が遠く険しいと感じずにはいられなかった

「フルマラソンに挑戦すると仲間に宣言したが、練習で10kmほど走ると足腰に強い痛みを覚えてしまった。この状態では、フルマラソンの完走は険しいと感じずにはいられなかった。」今の自分の体力と実力では、完走は非常に困難だと感じたことを「険しい」と表現したのです。

出来ないことが分かった時に使います。

自分が険しい顔になっていることに気づいた

「大雨で故郷の町が水害に遭い、知人の家も濁流に流されたと連絡が入った。
彼は無事なのかどうかの情報も無いことから、自分が険しい顔になっていることに気づいた。」心配で緊張するあまり、顔が険しくなったようです。

不安な心を表しているのです。

険しい表情の特徴

険しい表情とはどのような顔でしょうか。

緊張で顔が強張る、表情が硬い

緊張のあまり笑顔もなくなり、グッと口を結んでこらえている表情です。

緊張で言葉も出ないので、口元は固まったままです。

顔がお面のように固くなっている

人間の顔は、喜怒哀楽で表情が変わるのです。

しかし、険しい表情では顔全体が固まってしまって筋肉の動きがない状態になります。

能面みたいな顔と言いますが、まさにお面をつけたように動きのない顔なのです。

極度の緊張の時に起こりやすいのです。

固い面持ち

深刻な状況になってしまったけれども、まだ一縷(いちる)の望みはあるようなのです。

しかし、そんな吉報を待つ間は険しい表情なのです。

誰からかの問いかけには答えるのですが、終始険しい顔をしているさまです。

力んだ顔つき

誰かを応援する時の表情です。

つい自分も手に力を入れて見ている様子です。

顔も紅潮して真っ赤になって、目もつりあがって一点を凝視しているのです。

神経の凝固した顔

顔面の神経の一部が麻痺した状態の顔です。

精神的なことか神経の病気か分かりませんが、顔の表情を作る「表情筋」の動きができなくなるのです。

思いつめたような顔

失恋したリ何かに失敗してしまった時に、落ち込んでしまった顔つきです。

悲しそうな目をしてうつむき加減でじっとしているのです。

会話はできますが、敢えて話は避けているようで、笑顔は消えてしまっています。

正しい意味を知って正しく使おう(まとめ)

「険しい」という言葉は、これは簡単には達成できないと感じた時に発する言葉です。

いろんなシーンで使われますが、自分の能力や技量ではにっちもさっちも行かなくなった状況なのです。

恋愛の場面でも、仕事の場面でも、さらには自然の脅威に遭遇した時など、「これは険しい」と覚悟するのです。

これ以外には、「険しい顔」「険しい視線」「険しい態度」などと、相手を威圧する時にも使われます。

「あえて険しい道を選ぶ」などと、あえて困難な方法にチャレンジする姿勢を表すこともあります。

ともかく「険しい」とは、困難に直面した状況を指しているのです。

できるなら、険しくなるまでに問題を回避したいものです。