2018年になってすぐ、夫婦別姓に関するニュースが話題になったのを覚えているでしょうか。

夫婦別姓を簡単にいうと、妻と夫で別々の名字にするという方法です。

海外ではこの制度が採用されているところが多く、近年は日本もそうすべきだという議論がみられるようになってきました。

積極的に夫婦別姓を主張する人たちも増えている中、それほど真剣に考えたことはないという人がほどんどではないでしょうか。

「なんだか便利そうな気もするけど実際どうなの?」「不都合もあるんじゃないの?」という疑問もあるはずです。

そこで今回は、夫婦別姓の導入の是非は置いておいて、夫婦別姓というシステムへの理解を深めるべく、メリットとデメリットについて見て行きましょう。

夫婦別姓について知ろう!

「名字別々ってことでしょ!OK、わかった!」でもたしかにOKなのですが、もう少し知ってからメリットとデメリットがわかりやすくなるので、夫婦別姓に関する事項をいくつか確認してみましょう。

夫婦別姓の概要、日本の法律上の婚姻に関する規定、日本における夫婦別姓制度の議論とその経緯を最高裁の判例を含めて解説します。

また、「海外はみんな夫婦別姓だから日本もそうしようよ!」という乱暴な論法を排除するために、他国の事情についても掘り下げてみます。

夫婦別姓とは?

夫婦別姓は、妻と旦那が別々の名字(姓・氏)を名乗ることです。

たとえば、山田太郎さんと佐藤花子さんが結婚したら、嫁入りなら山田花子、婿入りなら佐藤太郎のように名字が変わるところ、夫婦別姓では結婚後も山田太郎と佐藤花子のまま、というものを指します。

法的には「氏名」というように「氏」と「名」なので日本では夫婦別氏と称するのが適当ですが、便宜上「夫婦別姓」と呼ばれています。

日本の法律では夫婦同姓を定めている

民法750条では「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」と定められています。

これは戦前の旧民法では夫の氏を名乗ることになっていたのが、妻の氏でも構わないと変更されたものです。

現行法では夫婦別姓(別氏)は認められていません。

その理由として、夫婦同氏が慣行であること、対外的に夫婦であるとわかりやすいのが同氏であること、生活上便利なこと、戸籍編成の基準が同氏であることが挙げられています。

戸籍編成上の問題が大きいでしょう。

夫婦別姓を認めるとなると、その子供がどちらの姓になるかいちいち届け出ねばならず、役所で受理するのも大変だからです。

選択的夫婦別姓制度の議論経緯

選択的夫婦別姓制度は長いこと議論が続いている問題です。

最近では2018年1月9日にソフトウェア開発会社のサイボウズの社長が結婚時に夫婦別姓を選べないことは法の下の平等に反するとして国に損害賠償を求める訴えを起こしました。

しかし、これについては既に夫婦同氏が合憲であるかが問われた2015年の裁判で判決が下りています。

まず結論から言うと、この違憲訴訟は最高裁大法廷で「合憲」と判断されました。

15人の裁判官のうち10人が合憲としたからです。

この違憲訴訟について、違憲とした主張と合憲とした理由の双方を見てみましょう。

違憲であるという主張を大きく分けると、憲法13条、14条1項、24条2項への違反の3つが挙げられます。

憲法13条は幸福追求権で、公共の福祉に反しない限り立法その他の国政の上で国民の権利を最大限に尊重することを記したものです。

夫婦別姓にできないのは、これに違反しているとしました。

次に憲法14条1項ですが、これは法の下の平等に関する事項です。

性別などで差別しませんよという話ですが、現実問題として旦那の姓にすることが大半なので事実上女性が不利益を被っているという主張です。

そして憲法24条2項は婚姻に関する内容です。

夫婦が同等の権利をもっていること、相互の協力で維持することを1項で示した上で2項では個人の尊厳と両性の本質的平等を示しているため、どちらかの姓にすることはこれに違反しているとしました。

しかし、これらについてはそれぞれ、幸福追求権を侵害しているとはいえない、妻だけに姓を変更することを強制していない、同姓にしなければいけないことで婚姻を断念する人がいたとしても民法750条が合理性を欠いているとはいえない、という判断が下り、合憲となりました。

この最後の部分が今も議論を呼んでおり、実際に同姓にしなければならないことで婚姻を断念している人がいる以上問題があるだろうとする意見も多いのが現状です。

ただ、一度結論の出た裁判でも時代とともに最高裁の判断が変わることもあるので、今後どうなっていくかはわかりません。

結局まだ実現していない

議論には上りますし、国会議員も超党派で洗濯的夫婦別姓を主張する集会を開いたりしていますが、結局のところまだ実現はしていません。

それに、もし将来的に法的な解釈が変わって違憲とされることがあったとしても、役所の手続き方法も大きく変えなければなりませんし、データベースから何から一新しなければなりません。

これから結婚する人だけでなく、現在同氏にしている人も変えたいということになるでしょう。

そして、その子供もじゃあもう一方の姓を名乗りたいとなるかもしれないし、どkもまで許容するかの議論も必要です。

一朝一夕で導入できるようなシステムではありませんから、導入するとしても、実現まではかなりの時間を要するでしょう。

韓国は夫婦別姓

韓国は元々の制度が夫婦別姓なので同氏から切り替えたわけではありません。

日本でいうところの夫婦別姓の必要性とはちょっと違います。

これには宗教が関係しています。

日本は先祖の霊への信仰が古くから政治(まつりごと)も含めたベースにあり、名字が変わればその家の者になったことになります。

一方韓国は儒教がベースにあって、その人の名字はその人の血族の名前なので、結婚しても別の家の者にはならないという意識があります。

つまり、日本でいうところの夫婦別姓の議論との違いというのは、韓国の夫婦別姓は実質的に嫁入りの形でも嫁は嫁、夫の血族の一員ではないという意識がある点です。

日本における夫婦別姓の議論は、女性の社会進出が背景にあり、結婚して名字を変えるとなると挨拶やら何やら不都合が多いからなのですが、儒教のベース文化では血統が重視されているためであって、これを比較に出すのは少しズレています。

さらに言えば、子供の名字は夫の名字になるため、妻が一人娘だったとしても、そこで血統が途絶えるということを意味しています。

ちなみに、キリスト教圏では1人1人が神の子供という扱いなので名字にこだわりはないらしく、選択的夫婦別姓が導入されていることが多いです。

今の日本で別姓でいつづけるためには?

日本では結婚すると法的に別姓を証明することはできませんが、仕事上などで名乗り続けることは自由ですし、自宅の表札に2つの名字を記載することも自由、別々のお墓に入るのも自由です。

便宜上の問題はこれだけでもクリアできるので、あとは夫婦同氏についてどう思うかという意識の問題になります。

事実婚状態を保つ

法的にも別姓にしたいのであれば、婚姻届を出さずに事実婚状態を保つしかありません。

しかし、この場合は法的に結婚が認められていないため、相続、離婚裁判に関する慰謝料や親権、子供の名字を事実婚の旦那の名字したい場合では問題が生じます。

夫婦別姓の5個のメリット


それでは夫婦別姓のメリットを見てみましょう。

ここでは、事実婚または通称によって夫婦別姓を適用しているのではなく、民法、戸籍法を変えて法的にも夫婦別姓が認められた場合のメリットを中心に解説します。

自分が慣れ親しんだ姓をずっと使い続けることができる

法的にも慣れ親しんだ姓のままが良いということを望む人は一定数いるようです。

アンケート調査によってもバラつきがあるのですが、夫婦別姓の制度を導入してもいいのではないかとする割合は半数程度、積極的に別姓にしたい人は1~2割となっています。

自分の名字に愛着がある人は多い

1割というと少なそうに感じますが10人に1人は名字に愛着があると考えれば多いですよね。

全員揃って別姓にしましょうという極端な制度ではなく、選択肢として別姓もあるという柔軟性があると幅広い人が納得できるのかもしれません。

役所で面倒な手続きをする必要がない

姓が変わると各種手続きがとても面倒くさいので、それがなくなるというのはメリットです。

面倒臭い手続きには次のようなものがあります。

健康保険の名義変更、銀行口座の名義変更、携帯電話等の契約者名の変更、年金手帳の名前変更、パスポートの名前変更、自動車登録の名義変更、生命保険の加入者名の変更、クレジットカードの名義変更、免許証記載の名前の変更、印鑑の変更(印鑑登録している場合はその手続きも含む)、レンタルビデオ等の会員カードの名義変更などです。

ザッと挙げただけでもこれだけあるのでとても面倒くさいです。

そして、手続きによって戸籍謄本や本人確認書類の提出が必要なので、婚姻届提出後、役所発行の書類に全て反映されるまでの1~2週間くらいは手続きできないというのも面倒臭いです。

これらをしなくて良くなるとたしかに便利ですね。

仕事や生活上で改姓の連絡などの面倒がない

結婚したこと自体の会社への届け出は税金や社会保険の関係もあるので絶対必要ですが、仕事上で使う名字も変更するなら、所属部署、関連部署、関係取引先への連絡もしなければなりません。

社内ならまだしも、そんなに仲の良くない取引先に名字変更の連絡をするのは億劫だったりします。

今までプライベートの話を一切してこなかった相手に結婚のことだけは言わなければならないというのも面倒な話です。

そのため、仕事上では名字を変えない(通称として旧姓使用を続行)という人も多いですが、法的に名字を変えなくてもいいとなれば、より一層気が楽になるでしょう。

名刺や公共料金の変更手続きなどが不要


名刺がかわったらいちいち挨拶に出向かなければならないので大変です。

とくに営業端の人の苦労ははかりしれません。

嬉しい報告とはいえ、靴が擦り切れてしまいます。

公共料金などの変更手続きは銀行口座名義などの変更と同じく手続きが必要となるので、そういったものも大変です。

また、自営業者であれば税務署への変更届も必要になります。

結婚しているか否かのプライバシーが守られる

結婚しても名字が変わらない側は、銀行にしろ公共料金にしろ、窓口の人に結婚したかどうかがバレることはありませんが、名字が変わる側はどうしてもバレてしまいます。

公的機関の手続きならまだ良いとしても、ポイントカードレベルで店舗のアルバイトの人たちにまで知られるのはちょっと嫌かもしれません。

夫婦別姓が導入されれば本人確認書類の名前もそのままになるので、せいぜい住所が変わったことが知られるくらいで済みます。

女性は名字だけで結婚しているか否かがすぐわかる

日本は妻側の名字に旦那が変更するのも認められているので一概に女性だけの話ではないとしても、実情は女性の結婚がバレることが大半です。

同窓会を取り仕切る人に連絡するときなどは、なおさら気になってしまうでしょうね。

あとは、離婚したときです。

結婚のときには名字が変わりましたと報告し、離婚したら名字が戻りましたと報告しなければいけないので、結婚という嬉しい報告なら良くても離婚報告は心が折れます。

男女の不公平感を払拭できる

実は、日本の同氏制度は2003年と2009年、2015年に国連の女性差別撤廃委員会から改正を勧告されています。

これは国連が1979年に採択した女子差別撤廃条約の中に選択的夫婦別氏制度が定められていることの基づいた勧告で、日本としては国民の意識の把握、議論を深めるとして早急な対応とはしていません。

平成24年の法務省の世論調査では、選択的夫婦別姓を導入してもかまわないと回答した人は35.5%、夫婦同氏制度のままで良いという人が36.4%と好評しています。

この数字をどう見るかによって議論ができそうです。

民法および戸籍法を見る限り、即ちしれが男女差別につながるものではないと言わざるをえませんが、妻側の姓にする夫婦が少ないという現状はあるため、国連の勧告も含めて、何か意識的な性差別感、不公平感があると認識されているようです。

夫婦別姓が法的に導入されればこの感覚は消えるでしょう。

なぜ女性が変えなければいけないのか?

法的にはそんなことないのですが、慣行というものがありますから妻が旦那の名字に変えるのが大半です。

旦那の方が名字を変えると「なんだ、婿入りか」と一々突っ込まれることが目に見えていますし、なんだか嫁の気が強いみたいなイメージがつくのではないかと懸念する声もみられました。

実際、妻側の名字にする夫婦は全体の4%とされています。

女性が男性のほうの家系のものになったという感覚が嫌

これもまた女性だけに強制された話ではないですが、姓を変更した母数は圧倒的に女性が多いため、その中からこのように考える女性が一定数います。

『サザエさん』でもマスオさんはどうみても「磯野家」の一員のような並びなのに、「フグ田サザエ」「フグ田タラオ」ですから男性の家系が優先されるという考え方は日本に深く染みついているといえます。

ちょっとひねったプロポーズで「僕の名字を君にあげます」なんていう台詞は、それだけで嫌われるということもあるようです。

夫婦別姓の5個のデメリットとは?

ここでいう夫婦別姓のデメリットは、法的に認められていない日本で事実婚として別姓のままにしておく際のデメリットが多いです。

一部法的に認めた場合のデメリットも紹介しますので自分の考え方を深める際の参考にしてみましょう。

日本では配偶者として扱われない

事実婚は法的に配偶者として認められません。

つまり、死別などによる相続に関して遺言でいちいち書かないと、配偶者としての相続権が事実婚の相手に適用されないといった面倒なことがしばしばあります。

また、離婚というものも存在しませんから、慰謝料請求の正当性が裁判で争われるときには不利です。

婚姻関係が認められていない以上、主張に関しては事実婚の関係を証明するしかなく、一方が「付き合っていただけ」といえばそれまでです。

携帯電話の家族割のサービスも現状認められていませんし、思い病気などで輸血や臓器移植などの手続きも本人の意志が確認できないとき(混濁状態など)は家族が決定しますが、事実婚だとそれができません。

生命保険の受取人に事実婚の相手を指定するのも困難です。

【配偶者については、こちらの記事もチェック!】

配偶者控除が適用されない

事実婚では配偶者控除を適用できません。

配偶者控除は税金にかかる控除です。

民法上の配偶者以外は認められず、納税者と生計を1つにしている人で給与収入103万円以下、自営業等給与以外の合計所得金額が38万円以下の配偶者がいる場合に控除されます。

控除額は一般が38万円、老人控除対象配偶者が48万円です。

控除を受ける方の合計金額が900万円を超えると控除額は減額されていきます。

一方、社会保障に関しては事実婚でも扶養として適用可能です。

ただ同居しているだけでは役所が事実婚なのかどうかわからないので扶養家族としての手続きは必要です。

年収130万円以下で生計を1にしている人は扶養家族にできます。

そのため、健康保険料や国民年金保険料にの負担額や割合に関しては事実婚でも法律婚とも変わりがありません。

周囲から奇異の目で見られる

仕事の便宜上、通称として旧姓を使っているというのなら大丈夫ですが、日本では法律上同氏になることが前提となっているため、事実婚となると奇異の目で見られがちです。

単なるカップルの同棲も2年くらいすれば事実婚なのではないかと思われるようになりますし、周囲から「いつ結婚するの」と言われることも増えてきます。

二人にとって事実婚も結婚なのに、と思っていても、それを周囲の人たちに理解してもらうのはなかなか大変ですし、その経緯や理由を説明するのも骨が折れます。

何か訳アリな人達なのでは?という偏見

法律上の婚姻関係にないということは、相続などのメリットが受けられない分、縛られないということも意味しています。

突っ込んだ言い方をすれば、不倫も離婚もしやすいということです。

もちろん精神的な縛りはありますが、慰謝料などを請求する場合は事実婚の裏付けをして民事で裁判をしないとどうにもならなかったりするので法的拘束力は法律婚よりも格段に弱いです。

このような特徴も含め、双方ともに不倫しがちなのではないか、どちらかの実家とすこぶる仲が悪いのではないか、実は一方がまだ誰かと結婚している状態で離婚できていないのではないか、などなど憶測を呼びかねません。

子供が非嫡出子扱いされてしまう

非嫡出子(ひちゃくしゅつし)とは法律上の婚姻関係が認められない男女の間に生まれた子供のことで、もっと俗な言い方をすると未婚の母の子です。

つまり事実婚では非嫡出子となります。

非嫡出子は、胎児認知されずに出生届が出されると母を筆頭とする新戸籍に入ることになり、戸籍上の父は不在です。

名字も母の名字以外に選択肢がなく、旦那の名字にすることはできません。

知識を深めるために、男女間に生まれた子供の扱いの種類について紹介しておきます。

非嫡出子は先述の通り、事実婚であろうと未婚の母の子の扱いとなります。

一方の嫡出子には推定される嫡出子と推定されない嫡出子の2パターンがあります。

前者は、婚姻中に妊娠した子供のことです。

婚姻成立から201日以降、婚姻取り消し(離婚)から300日以内に生まれた子供は、嫡出否認の訴えが認められない限り法律婚をしている男女の子供であるとされます。

嫡出否認の訴えというのは、妻の不倫によって自分の子であるという確信がない場合などに裁判をするもので、出生を知った時から1年以内に裁判し、DNA鑑定などで血縁関係がないことが認められるなどすれば法的な親子関係は取り消されます。

後者の推定されない嫡出子はいわゆる「できちゃった結婚」の子です。

婚姻届の提出から200日以内に生まれた子供は、法律上お付き合いをしていて浮気していないことを認める証明書はないので、父親不明の子供の扱いです。

この場合、推定される嫡出子とは違って出生を知った時から1年以内に夫が「自分の子供ではない」として親子関係不存在確認の訴えをすればよく、推定される嫡出子ほど厳密な要件を満たす必要がないことから簡単に訴えられてしまいます。

さて、話は戻って、非嫡出子を事実婚状態の夫が自分の子とする場合には、認知という手があります。

夫が認知すると、その男女間の子であるということが法律的に認められ、嫡出子と同じ身分を取得します。

しかし、名字を夫側に変えることはできません。

また、相続に関しても、法定相続分は嫡出子の半分になります。

非嫡出子が父の名字(姓・氏)を名乗りたい場合は、戸籍上も変更するなら父と養子縁組をするしかありません。

戸籍や親権は別として氏を変更する場合には家庭裁判所で氏の変更申立てを行います。

戸籍や親権も父のものとするなら、入籍届と親権届の提出が必要です。

これらの手続きはとても面倒ですし、裁判もろもろでお金もかかるので日本では父の氏を適用するなら一旦法律婚をして、戸籍などを提出し、その後離婚して事実婚に戻るというケースもみられます。

いじめの原因になりかねない

法律上は夫婦ではないので、母と他人の同居という扱いになりかねません。

家の表札も2つの姓が記載されることになりますし、親の間の噂(偏見によるもの)も手伝っていじめの原因になることが絶対にないとは言い切れないのが現実です。

シングルマザー、シングルファザーよりも一般的ではない関係の間の子供ですから、周囲で話題になってしまうことは考えられるでしょう。

とはいえ、それが直接的な原因で必ずいじめられるというものではありませんし、嫌な言い方ですがいじめられる子はいじめられ、いじめられない子はいじめられません。

いじめられる子になってしまった時に、ネタの1つとして陰口を叩かれることはあります。

子供が嫌な思いをする可能性

子供がある程度成長してくると、世間一般の常識と自分の家族の関係の相違に気付くので、人知れず思い悩んだり嫌な思いをすることもあるかもしれません。

法律上認められないことを親の気持ちでそうしているわけですから、それを子供に説明しても、心から納得してくれるかはやってみるまでわからないです。

さらに子供が大きくなって、大人になると、どちらの墓に入るべきか、入れるのかという問題に悩んだり、将来の結婚相手にどう説明しようか悩んだりすることもあります。

また、子供が何人も生まれた場合は父だけ違う名字ということにもなります。

無邪気な子供から「どうしてパパだけ名字が違うの?」と言われた時の旦那の気持ちも、そうなってみるまでどう思うかわかりません。

夫婦仲が冷えてしまえば本当にただの他人になってしまうことも考えられます。

もし事実婚でできた子供を夫が養子縁組し、その後事実婚関係が破たん(離婚)して子供を妻が引き取ろうとすると手続き上、かなりやっかいです。

法律婚が取り消される場合は妻にも旦那にも親権があるので争うことになりますが、旦那と子供が養子縁組をしている場合には妻の親権はなくなっているので新たに要求する形になります。

事実婚とその子供という関係が継続するのは、夫婦仲がすこぶる良い状態でないと、とても難しいものがあるのです。

親にとって不自由がないことと、子供にとっても不自由がないことは別の話であることをよく理解しておきましょう。

参考までに養子縁組の親権に関する取扱いの情報を記載しておきます。

未成年者が養子縁組すると、義親が親権者になり、未成年の内に義親と死別した場合には未成年後見人が選出されることになります。

一方、死別ではなく離縁の場合には実親へ親権が戻ります。

互いの親戚との交流が深まりにくい

どちらかと言えば旦那側の親戚との交流ですね。

一人娘でそもそも婿入りを相談し、義父母の理解も得た上で妻側の姓に変更する場合は抵抗感はないでしょうが、事実婚だとそれ自体に理解を示してもらえないこともあります。

仮に法的に夫婦別姓が認められることになったとしても、なぜその選択をしたのかという疑問が消えうせるまでには世代が一新される期間を要するでしょう。

良く思わない親戚が増える

夫婦別姓の議論は以前からあるといっても30年以上前から大々的に取り上げられてきたわけではありません。

今の40歳以下の父母、また祖父母や親戚あたりはまだ夫婦別姓に抵抗のある世代ですから理解を得るのは大変です。

ましてや、息子側の親戚ともなればせっかく孫ができたと思っても名字が違うわけです。

今後、法が変わって選択的夫婦別姓が認められることになったとしても、子供の名字をどちらにするか、双方の親戚で揉めることも容易に想像できます。

逐一名字に関して説明をしなければいけない

これは事実婚にしても選択的夫婦別姓が認められるようになったとしても、どちらも説明をしなければならないことに変わりはありません。

これをしなくてよくなるのは、法律が変わり、何十年と運用された結果、多くの夫婦が別姓を名乗るようになって初めてできることでしょう。

まとめ

夫婦別姓についてメリットやデメリット、法律上の問題などについて詳しく見てきました。

国連からの勧告や、日本以外の国の動向を見ていると夫婦別姓が世の中の潮流であるという見方もできますが、余所がやっているからそれが正しいという考え方はよろしくありません。

メリットやデメリットをしっかり把握し、自分の頭で考えてみた上で意見を持つことが大切です。

また、世の中の法律や政治が大きく変わろうとするとき、万人が納得するものは存在しません。

イギリスの元首相、ウィンストン・チャーチルは「民主主義は最悪の政治といえる。

これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」という言葉を残しています。

この言葉を「つまり、民主主義が最良」とする解釈が通説ですが、一方で、現代のほとんどの国が取り入れている民主主義も「全てが素晴らしいわけではないよ」とも解釈できます。

もしかしたら将来、今のところ誰も想像できていない、びっくりするような新しい主義が生まれて、それが素晴らしいと言われる時代が来るかもしれません。

このように、時代や人々の考え方の変化によって、何が正しい、効率が良い、便利かということは変動していきますから、夫婦別姓だけでなく、世の中のことに意見を持つきっかけにしてみてはいかがでしょうか。