世の中の日常的な言葉の使い方の中に「~させていただきます」という言い方があります。

さてこの言葉、具体的にはどういった意味があって発言した人の真意はどこにあるのでしょうか?

またこういった言い方、どのようなところで使われるのでしょうか?

今回はこの「させていただきます」についてスポットを当ててみたいと思います。

「させていただきます」とは

冒頭にも申しました「させていただきます」。

この言葉は一体、どういった意味を持っているのでしょうか?まずはそこから入ってゆく事にしましょうね。

「させてもらう」の謙譲語

「させていただきます」とは「させてもらう」に対する「謙譲語」として用いられることになります。

謙譲語とは「敬語の一種。その動作や状態の主体を,相対的に下位にあるものとして示す単語や語法」という意味をもっています。

(https://kotobank.jp/word/謙譲語-60678「コトバンク」より引用)

つまり、会社の中やある組織の中において、「わたしの立場はあなたより下です。

だから立場が上であるあなたに対して私は率先してあなたの手を煩わせないよう動きますよ」といった解釈にとってもらえたら分かりようかもしれませんね。

相手に許可を求めて、行為を遠慮しながら行う

「させていただきます」を別の角度からみれば「相手に許可を求めて、行為を遠慮しながら行う」という言い方にも解釈することが出来るでしょう。

よって、身分が下の者はその行為を遠慮、すなわち「謙遜」しながら相手への配慮を怠らずに進めていく、という形に捉える事が出来るでしょう。

「させていただきます」は身分制度を考えた上でイメージしたら理解しやすいのではないでしょうか?

「させていただきます」の正しい使い方

それでは「させていただきます」の正しい使い方をここから説明していきましょう。

「させていただきます」を正しく理解してゆけば、自ずとその使い方もより鮮明にみえてくると思いますよ。

使う場面


それではまずは「させていただきます」を使う場面を考えてみましょう。

これから紹介していきます2点を満たしている事が条件となってきますよ。

相手の許可を受けて行う場合

「させていただきます」を使う場面の1つ目は「相手の許可を受けて行う場合」です。

「させていただきます」には相手の指令や受けた任務に対して、こちらが了承した旨を示す意味合いが籠っています。

よって、こちらが相手の意向を何も考えずに勝手気ままにやりたいようにやってしまうのだったら、何もわざわざ、「させていただきます」などというへりくだった言い方をする必要はないのです。

相手の気持ちを尊重し、相手の意向に対して反抗したり拒否したりする気持ちの表れが「させていただきます」という表現になるわけです。

「させていただきます」という表現は、相手からの許可を受けようとする気持ちの表れであり、同時に私はあなたに対して忠誠心を誓っていますよ、という意思の表れでもあるわけなのです。

そのことで自分が恩恵を受けるという事実や気持ちがある場合

「させていただきます」の正しい使い方の2つ目は「そのことで自分が恩恵を受けるという事実や気持ちがある場合」です。

これは昔の武家社界を想像していただけたら分かりよいでしょう。

武士の世界にとったら上司たる主君は命に代えても守らなければならない存在。

よってその主君からの命令や指示は絶対のものです。

それと同時に、武家社会は功を立てれば出世という美味しい「蜜」を味わう事が出来ます。

覚えめでたく上司たる主君の目に止まれば、とんとん拍子で出世街道の階段を上ってゆくことも夢ではありません。

そのような世界で生きてゆく人間にとったら主君からの指示や命令にいかにしてありつくか、生き延びるための方法論ともなってくるのです。

よって、主君からの仕事の命令や依頼などについては、引き受ける事を大前提としつつも、そこには己へのいくばくかの「恩恵」という報償が転がっていることが必要なのです。

こういった下の者が成り上がってゆくための知恵は現代社界においても脈々と受け継がれ多くのビジネスマンたちによって昇華されていっているのです。

自分の恩恵を考えたら奈良、当然ながら「させていただきます」という丁寧な言い回しになるのは当然の事でしょうね。

例文

それではここからは「させていただきます」を用いた例文をご紹介して参ります。

この例文で大体の意味合いは掴めていくのではないか、と思います。

全部で3個のご紹介です。

体調不良により、早退させていただきます

「させていただきます」の例文の1つ目は「体調不良により、早退させていただきます」です。

この「させていただきます」は自分の体調の悪化を憂慮し、このまま仕事を続けていても周囲の皆、及び組織に対して迷惑をかけるばかり、という思いが駆け巡り、不本意ながら戦力とならない我が身と自身の意気込みに一つの終止符を打って、上司の許可を得た上で引き下がらせてください、という苦渋の決断の後が伺う事ができます。

一見すればちょっと「ぶっきらぼう」にも感じるこの表現ですが、そこは上司とこの方の日頃の人間関係の是非が効力を発揮しているのでしょう。

勿論、いきなりこの言葉を言ってしまったらかなり不自然になります。

最初は別の表現を取ったうえでこの言い方を用いるのが普通になるでしょうね。

予定を変更させていただきます

「させていただきます」の例文の2つ目は「予定を変更させていただきます」です。

物事というのは、当初、立てた計画通り運べば苦労はいらないのですが、まあ100回やったら90回以上は最初の計画に狂いが生じるものです。

時の経過とその時のタイミング次第で世の中の動きは日々一刻と変化していきます。

だから、ほんの数週間前に立てた計画ですら、細かい箇所を見直さなければならない事態は無数に存在するものなのです。

そういった周囲の状況を慮って発案者なりプロジェクトのリーダーなりが責任を覚悟する部分と利益を守るための両方を被るが如く、このような発言を行うわけです。

と、同時に上司に対してはその予定変更への許可とこちらへの「よくやった」という恩恵(評価)の部分がしっかり潜んでいるのです。

ハッキリ言って「予定を変更させていただきます」という真意の裏をよくよく見落とさないようにしないと自分の立場が危うくなってしまいます。

ことさらその部署のボスが短気で激情型の人物だった尚の事、こんなセリフは言いたくないのが人情というものでしょう。

だからこそ、不退転の気持ちを組織のルールに従って努めて冷静に丁寧に言っているのです。

言い方を誤ってしまえば取り返しのつかない事態を引き起こしかねない発言内容ですが言った本人には自信があるからこその発言なのでしょう。

こういった部下がいる組織は確かに盤石な組織かもしれませんね。

こちらを処分させていただきます

「させていただきます」の例文の3つ目は「こちらを処分させていただきます」です。

さてこの例文はどのようなケースで用いられていたのでしょうか?

例えばお店においてお客様から不良品の現物を持ってきていただいた、と仮定します。

その不良品について店側とお客様側とが十分話し合いが出来、双方が納得いく形で解決したとして、店側の人物がその不良品の現物の処理の仕方について、お客様に委ねて許可をもらう、という形式が取られているのです。

だから、店側の人物は丁重に「こちらを処分させていただきます」という表現でお客様から許可と理解を得、自らはこの問題の解決を図るという「恩恵」を得る事になるわけです。

もし、お客様側の方が、解決策に対して納得していなかったら、その現物を簡単に処理させることはないでしょう。

重要な「証拠」となるわけですからね。

このように双方に利益と満足感が起こって初めて「させていただきます」という表現が成り立つのです。

よって、この表現は事の顛末の最後の方になってようやく使える言葉、という事になるのでしょうね。

「させていただきます」の間違った使い方

さてそれでは次に参りましょう。

「させていただきます」の間違った使い方についてみていきたいと思います。

本来、「させていただきます」は自分を低くみせる「謙譲語」となるのですが、現実的には相手を崇める「尊敬語」と混ざってしまってごちゃごちゃになってしまっているケースが多々、見られるようですね。

そのあたりを踏まえながら「させていただきます」の間違った使い方をご紹介していきましょう。

くどい表現

先程も申しましたように「させていただきます」は、本来は自分の立場を相手より低く見せる謙譲語の範疇に入っている言葉です。

ところが現実社会では、相手の事をあまりにも奉ろうとするあまり、尊敬語も使うは謙譲語も使うは、で何とも言えないくらい「くどい表現」になっているケースが非常に多くみられるのです。

尊敬語も謙譲語も表現がくどくなれば本来の言葉の意味が薄れ、むしろ相手に対して「慇懃無礼」な印象を与えかねない事態にならないとも言えません。

そのあたりを重々、意識しながら言葉を選ぶ必要がありそうですね。

文法を間違っている表現

「させていただきます」の間違った使い方として多くの方に指摘されるのは、文法を間違っている場合です。

文法と言ってしまうと学校時代の国語の時間を思いだして、思わず身震いしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?

まあ、確かに「文法」で言われてくると逆に自分でも意味が不明になってしまいどっちでもいいや、という気持ちになってしまうかも分かりませんね。

ただ、どこの国の言語にしても言えることですが、言葉や文章を正しく相手に伝えるための最低限の文法の習得は疎かにしてはいけない、という事です。

日本語の丁寧語に当たる「尊敬語」や「謙譲語」などは日頃あまり意識して使っていない方が多いでしょうから、両者の違いを説明せよ、と言われてもそれは無理、という方が多いかも分かりません。

それでも日本の文化の中には厳として「相手を敬う気持ち」が残っているのです。

社会に出たならば常識として「尊敬語」や「謙譲語」といったものを使い分けて世間を渡ってゆかなければならなくなるのです。

そういった意味においても「させていただきます」の文法上の間違いをなくすよう、今から気持ちを切り替えておいてもいいと思いますよ。

二重敬語

「させていただきます」について最も多く間違いを指摘されてしまうのが「二重敬語」についてです。

さてこの「二重敬語」。

一体どういったものを指して言うのでしょうか?具体的な例を挙げながらみていくことにいたしましょう。

よく間違われる例


では「させていただきます」の二重敬語の実例をみていく事にしましょう。

拝見させていただきました

「させていただきます」の二重敬語としてよく用いられるものの中に「拝見させていただきました」というのがあります。

ん?「拝見させていただきました」のどこが二重敬語になっているの?

言葉の意味としてはこの通りでいいのではないの?

一体、どこが間違っているの?

という疑問をお持ちの方も多いかも分かりませんね。

では「拝見させていただきました」を細かく分解していく事に致しましょう。

「拝見」は「見る」の謙譲語

「拝見させていただきました」は「拝見」と「させていただきました」がくっついた言葉なのですが、この両方共が問題なのです。

まず「拝見」についてですが「拝見」は「見る」の謙譲語となるのです。

つまり、上役や上司の所有物や大事な物、もしくは秘密情報等を「見させていただきます」といった意味になってくるのです。

その「見る」の部分を「拝見」とやればそれだけで謙譲語扱いとなり、相手に対する誠意は十分、伝わっている事になるわけです。

この「拝見」という言い方、仲の良い関係同志だったらば、まず使うことはないでしょうね。

何もそこまでへりくだる必要がありませんからね。

「拝見」を使う場面というのはやはり職場や組織の中において部下が上司に対して用いるのが一般的な場面でしょう。

そういった意味合いが頭にあったなら、「拝見させていただきました」が日本語としておかしな使われ方である事がうすうす、理解できたのではないでしょうか?

「させていただく」も謙譲語

次に「させていただく」も謙譲語扱いとなります。

この「させていただく」も、今回テーマに掲げている「させていただきます」とほぼ同意味ということになりますからご納得いただけるでしょう。

ということで「拝見させていただきました」は2つの謙譲語「拝見」と「させていただく」がくっついた文章構成となっていることが分かりましたね。

これなどは先ほど挙げさせていただきました「くどい」表現の典型例ということになるでしょう。

「させていただく」は少々、乱暴っぽい言い方にも聞こえますがれっきとした自分を下の立場に追いやった「謙譲語」です。

決して上の人に対して反抗的な意思を投げかけている訳ではありませんからね。

二重敬語となり間違い

で、本題に戻りましょう。

「拝見させていただきました」はこういった理由で立派な「二重敬語」扱いとなる、という事が立証されました。

二重敬語というのは、文法的に間違っています。

あり得ない表現方法なのです。

敬語というのは本来は一つ、文章の中に用いればそれでいいものなのです。

むやみやたらに一つの文章内にいくつも用いたからと言って、それでその人の意思が尊ばれるという事もありません。

逆に「しつこくてうざったらしい」という印象を与えてしまうでしょう。

敬語というものはシンプルにスマートに使ってこそ、その持ち味が如何なく発揮されるのです。

だから、日本語における「敬語」の扱いはビジネスマナーの研修に必ず登場してくるのです。

世の中で誤った使い方をする人があまりに多いから、ですね。

正しくは「拝見しました」

それではここで正しくまとめておきましょう。

「拝見させていただきました」は「拝見しました」というのが本来の正しい言い方です。

どうですか皆さん?ご納得いただけましたか?

何か言い方が物足りない。

これで本当にこちらの気持ちが伝わるのか?という思いもあるのではないですか?

しかし、これでいいのです。

もし、受験で国語の問題として出題されたなら迷うことなく「拝見しました」を正解の答えに挙げてください。

そうしないとテストでは失点してしまいますからね。

まあ、しかし日常会話において文法を意識しながら発言しているか、と問いただしたら、恐らくほとんどの人がそこまで意識はしていないでしょう。

それほど文法というものは分かりづらく覚えにくいもの、とも言えるでしょう。

ですが、日本に住んでいる限り正しい日本語をマスターするのは日本語を母国語にする人にとっては一種の「義務」かもしれません。

後世の子供たちが間違った日本語を使わないためにも今を生きる私たちがしっかりと正しい日本語を使いたいものですね。

大事なこと

それでは次に参りましょう。

「させていただきます」というのは一体どのような場面で、またはどういった局面で使うべき言葉なのでしょうか?

それがこの「させていただきます」を使うに当たって最も大事な事のはずです。

この問題について少々、振り返ってゆきましょう。

使う場面や状況を意識する

「させていただきます」を使用する時に大事なことは「使う場面や状況を意識する」という事でしょう。

何事もその物事に対して相応しい言動や対応があるものです。

謝罪しなければいけない場面でヘラヘラ笑っていたり存外な態度を取ったりしたらどうなるでしょうか?

「させていただきます」もこれと似たようなものです。

要するに自分が下の立場であるならば率先してこの言葉使いを行わなければならない、という事です。

但し、他人同士であっても家族づきあいのような仲であったり、本当の親類関係ならばここまで丁寧に言う必要もないのですよね。

あくまで利害関係があったり先輩・後輩のような関係の時に用いるようにすべきなのです。

まあ、それでもピンと来ないならば、一度周囲の人達がどのような言葉遣いをやっているか、じっくり観察・研究してみることです。

日本語の使い分けは英語に比べたら遥かに複雑でややこしく難しいかも分かりません。

本や教科書にもそこまで具体的に書かれたものは売っていないでしょう。

となれば実戦でもまれるより他にありません。

「させていただきます」を使うに当たって、いかにしたら正しく使う場面や常識を感じ取り意識することが出来るようになるか。

それはあなたの感性と素直さにかかってくるのです。

ビジネスの面でトラブルとならないように

「させていただきます」はビジネスの世界で頻繁に用いられる言葉遣いです。

これは日本にいる限り避けては通れない現実と思っていた方がいいでしょう。

だからこそ、研修においてビジネスマナーをよく会得し実践していって自分なりにビジネスの世界で使う感覚を養っていってほしいのです。

例えばあなたが今年、会社に入りたてのフレッシュマンだっとして、上司に何か頼まれたり依頼されたりしたならば、どういう受け答えを行いますか?

「させていただきます」という言い方は紋切り型の決め台詞ではありません。

その指示内容や依頼内容をよく聞いて自分なりに吟味したうえで、自分が出来るかどうかを判断してから使うべきなのです。

だから「させていただきます」というのは本当に最終的な返事と同じ意味合いを持つ言葉、という概念を持ってもらいたいという事ですね。

指示内容や依頼内容に疑問点や不可解な点があるのなら、質問を繰り返して相手の伝えてきている内容を正しく把握したのかどうか、を確認してから使うべきなのです。

だからビジネスの場面で安易に使ってしまうと、後々、トラブルの種になってしまうことがあるのです。

「させていただきます」は自分の事を売り込む絶好の決め台詞ですが、それを言うまでには準備すべき作業の行程を怠らないように事を運びたいものですね。

お勧めの表現

では次に参りましょう。

ビジネスシーンではあなたがどのような言葉を使ったらいいのか、迷う局面は五万と出てきます。

いつも「させていただきます」という言い方で通るのかどうかも定かではありません。

そこで「させていただきます」に代わる、しかし意味的にはほぼ同じな言葉を覚えておきましょう。

咄嗟の場合に「させていただきます」が出なかったとしても別の言葉をサッと用いれば。

あなたの評価は落ちませんからね。

「いたしました」でしっかり伝わる

「させていただきます」とほぼ同意味の別の言い方は「いたしました」です。

これは「やる」「する」の謙譲語となっています。

よってこの「いたします」を応用して使えば実際のビジネスシーンにおいてもさほど困った局面には陥らないでしょう。

「させていただく」と同じ謙譲語

「いたしました」は「させていただく」という意味と全く同じです。

どちらも謙譲語として相手に伝わります。

実際には「いたしました」は「いたします」という言い方に変えて用いればそれで十分、相手にあなたの真意は届くでしょう。

ただ、この「いたします」で気になるのは最近、メールなどのやり取りによく使われる「了解いたしました」という表現です。

「いたしました」に「了解」という言葉をくっつけただけの言葉ですが、メールが普及してからはこの言葉がなにかにつけて用いられるようになってきた気がします。

さて果たしてこの「了解いたしました」は、尊敬語や謙譲語にあたるのでしょうか?

この問題については意見が分かれるケースがあるようなのですが、私が長らくビジネスの場で経験し、気づいた事を率直に申しあげると、答えは「ノー」でしょう。

年長者や上司に対して「いたしました」という言い方をするのは別に誤ってはいませんが「了解」という言葉が問題なのです。

「了解」は自分と同年齢か下の者に対して使う言葉です。

よっていくら「いたしました」という謙譲語を使っているからとはいえ上司や年長者に「了解」という言葉を使ってはいけません。

もし、上司や年長者に同じような意味の言葉を使うのなら「かしこまりました」という言い方にするべきでしょう。

このように日本語というのは本当に自分の主観だけで判断して使うと、あとでエライ目に遭う可能性があります。

特にビジネスシーンで使う場合は本当に注意して言葉を選択しましょうね。

自分がすることに対しての表現

「いたしました」は自分がすることに対しての表現なのです。

だから誰に遠慮もいりません。

あくまで自分の意思で事を行って行けばいいのです。

勿論、「いたしました」だったら過去形となるので結果報告のような使い方になりますね。

これから行おうという意思を伝えるのなら「いたします」という言い方の方が相応しいでしょう。

「いたします」は「やる」「する」の謙譲語ですから、伝える相手は当然ながら会社やチームの上司であったり年配者や年長者に使うのが相応しいですね。

とにかく、一旦、自分の口から「いたします」と言ったなら、途中で頓挫しないよう気をつけるべきです。

それくらい、口から出た「発言」というのは社会的責任が発生するというのを胆に銘じましょう。

「いたします」を大安売りのように乱発して結局、何一仕事が出来なかった、というのは本当にいただけませんからね。

どういった局面で、あなたに任される仕事の中身がどれくらいの難易度なのか。

これらを冷静に且つ、素早く分析し、判断する能力が求められる事になるでしょうね。

相手の許可や恩恵といった条件は関係ない

「いたしました」には相手の許可や恩恵といった条件などとは関係がありません。

という事は先ほどから申している通り、「自己責任」という形で成り立っている言葉、という認識を持たなければならないでしょう。

「させていただきます」には微妙な狡猾心と出世を望む名誉欲とが交錯した感を抱かせます。

上司に己のセールスポイントを売り込んであわよくばいい仕事をもらってそれを成功させて覚え目出度くなってやろう、という発想です。

なのでビジネスマンとしての自信の力量を思いっきりアピールする必要があるのです。

そこには少なからずの自信もないことにはなかなか「させていただきます」とは言えないでしょう。

一方の「いたします」はそれに比べたら責任を相手に求めているところがありません。

またガツガツしていると事も感じさせません。

ただ、淡々と功名心というものではなく自身の責任感に則って仕事をやりこなそう、という感を抱かせます。

勿論、どちらが良くてどちらが悪い、というものではありません。

その人のアピールの仕方が違うだけですからね。

それによって伴ってくる成果や評価もその時次第。

早く結果を求めてポストに就くか、ある程度の時間をかけて到達点にたどり着くか。

それはその人の持ち味に左右されるでしょうね。

正しい意味を知って正しく使おう

如何だったでしょうか?「させていただきます」について

・「させていただきます」とは
・「させていただきます」の正しい使い方
・「させていただきます」の間違った使い方
・お勧めの表現(「させていただきます」に迷った時に)

という点を中心にして紹介して参りました。

それにしても日本語に使い方というのはややこしいものです。

いくら学校で国語を勉強しても、漢字をたくさん覚えても意思の伝え方を一度でも間違えると、取り返しのつかない失敗を招く事が多々、あります。

学校では世の中に出てからの「コミュニケーション術」というものは教えてくれません。

全て自力で失敗しながら覚えていかなければいけないのです。

そんなややこしい言葉選びの中の一つがこの「させていただきます」かも知れません。

「やります」とか「やらせろ」とか「やりたい」などというような言い方をすれば、もしかしたらあなたはいっぺんに干されてしまいかねない難しい選択肢の一環のはずなのに、世の中に出るまでそんなことは誰も教えてくれません。

そういった意味ではお金を払ってお客様気分でいられた学生時代と、お金をもらうようになる社会人とでは雲泥の差があるのを感じてしまいますね。

いずれにしても、今回ご紹介させていただきました「させていただきます」。

正しい意味を知って正しく使うことが今のあなたの使命です。

でも、この文章を一通りお読みくださった方はほんのわずかですが、世間の人をリードしたかも分かりませんね。

今後は、もっともっとたくさん使う事によって、より確かなものとしてあなたの能力の一つに加えてくださいね。