子供の頃から朝礼や集会などで表彰される人っていましたよね。

凡人ではできないような賞を獲得した人がいて、「才能ってすげーなー」と憧れたこともあるでしょう。

しかし、世の中には凡人でもとれる賞というものがあります。

その最たる例が社内表彰と学校での表彰制度を利用することです。

この2つを中心に、どんな表彰制度があるのか、どうすれば表彰されるのかについて紹介していきます。

社内表彰のあれこれ

終身雇用、年功序列が会社の主流だった時代にはたくさん見られた社内表彰。

記念品の時計がもらえたり、金一封がもらえたり、色々ありました。

その時代は物を作れば作るだけ利益になったし、極めてライバル過多という時代でもなかったので、社員のモチベーションを上げて、長期的に働いてもらう(流出を防ぐ)意味が強かったようです。

段々となりを潜めた社内表彰制度ですが、近年は再び注目が集まっています。

会社ごとにユニークな表彰制度を取り入れたり、時代の変化に合わせた表彰の導入事例も見られます。

代表的なものをいくつか見てみましょう。

1.永年勤続

2006年の産労総合研究所の報告によれば、永年勤続表彰制度を実施している企業は8割とのことでした。

表彰と共に贈られる副賞の金一封の平均は勤続20年で7.5万円、30年で13.2万円だったそうです。

とはいえ、業界自体が若いとあまり見られないですね。

産労総合研究所の報告でも述べてられているのですが、そもそも日本の労働環境が変わり、長期勤続を奨励することの意義が問われるようになったため(要するに長く働けば偉いってもんではないってこと)、1998年で調査を中断されていました。

しかし、再調査の要望が高まったため2003年から調査を再開、2006年での発表になったのだとか。

2018年の今再調査をすれば、また結果も変わることでしょう。

一定の年数以上の勤続者に対する功労表彰

終身雇用が主流だった時代に根付いた制度です。

終身雇用、年功序列の出世制度においては、優秀かどうかよりも、長く働くことが偉かったのです。

現代においては、人材の流出が激しい業界において、社員を囲うために導入している程度。

副賞にも色々あって、名前入りの時計といった記念品、金一封、商品券、旅行券、リフレッシュ休暇などが挙げられます。

本当にただ賞状がもらえるだけのこともあります。

2.定年退職


これもずいぶんと減ってきた気のする制度ですね。

もともとは60歳だった定年退職も、年金受給が65歳からになってしまい、じゃあその5年間どうするんだという問題があるため、60代でも働くことが奨励されています。

こうなると、もう定年という概念すらわけがわかりません。

この制度を導入している会社では、退職金がしっかり用意されていることが多いため、定年退職に対する賞は賞状が記念品です。

定年に達した者に対する表彰

今は70代でも働いている人もいるので、なんとも言えませんが一応60歳で定年退職がまだ通例となっています。

退職金給付制度は1000人以上規模の会社で98.3%が導入、50~100人未満で87.1%が導入しています。

金額に関しては勤続年数、自己都合退職か会社都合退職か、総合職か一般職か、高卒か大卒かなどさまざまな要件で変わります。

平均値の最大は、大企業の大卒総合職社員で勤続30年以上の定年退職の場合が2694万円です。

3.改善提案

改善提案に対する表彰制度で有名なのは未来工業という会社です。

未来工業は電気設備資材、給排水などの製造販売がメインで、年間休日は140日、定年を70歳としながら2016年までに毎年増収増益を果たしているスゴイ会社。

この会社では、90年代から改善提案制度を導入しています。

社内環境や仕事の方法を提案するだけで1件あたり500円がもらえ、採用されると3万円がもらえます。

2015年時点で年間9000件もの提案があり、社員は800人ほどなので、1人11件も提案していることになります。

これだけの提案が集まれば、有用なものもありそうですね。

製造業に多い制度でしたが、業務効率化、職場環境の改善が求められる昨今は他業種にも広がってきています。

業務に関する改善の提案や実行者やチームに対する表彰

大きな提案から小さな提案、コンペでプレゼンをするか、目安箱のようなものに入れるかなど募集される形式は会社によって異なります。

未来工業のように、提案するだけでお金がもらえることもあれば、採用されたときに数十万円がもらえるケースも。

とくに、コンペ形式の場合はチームに対して賞金が出ることが多いです。

基本的には業務効率化、生産性や顧客満足度の向上に関する提案の募集が多いですが、その他にも福利厚生の新たな制度の提案だったり、人事評価制度の改善案なども受け付けられることがあります。

4.営業優秀


営業成績に基づく表彰は多いです。

売上を伸ばさなければならない以上、営業マンのモチベーションを高めるには手っ取り早い方法ですからね。

表彰こそなくても、営業成績に応じたインセンティブ制度を導入している会社は数限りなくあります(その分基本給が安い会社もあるけど…)。

優秀な成績・成果を上げた者やチームに対する表彰

成績や成果というものは、企業においては完全に数字で表せるものです。

「頑張ってる」「努力してる」みたいな曖昧なものではないので、評価しても贔屓だなんだと不満を生じさせる余地がありません。

だから導入しやすい制度というわけです。

営業成績目標が課せられ、それに対する個人のノルマを達成した場合や、チームで好成績を上げた場合に贈られます。

5.発明・アイデア

製造業に多い制度です。

新製品の発明、提案、従来品の改良提案などを評価します。

とくに、特許出願まで進むと賞になるケースが多いです。

また、これとは別に公益社団法人発明協会が毎年行っている全国発明表彰があります。

文部科学省、経済産業省、特許庁、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本弁理士会、朝日新聞社が後援しているもので、その歴史は大正8年から。

平成30年度の表彰は既に決まっていて、恩賜発明賞には「有機EL素子及び有機発光媒体の発明」(出光興業)、21世紀発明賞には「放射性廃棄物の処理方法の発明」(理化学研究所ほか合同チーム)が選ばれました。

このような外部のコンテストでの受賞を元に社内表彰も行われることもあります。

法的にいうと発明品は会社だけが利益を貪ってはいけない

特許法第35条「職務発明制度」は平成16年の法改正で、従業者の発明に対してインセンティブを確保しなければならないことに変わりました。

そのインセンティブは「相当の対価」でなければならず、会社側(使用者)の立場が従業者よりも強いことを鑑みて、契約や勤務規則、その他の定めとその対価が支払われるまでの全過程において不合理があってはならないとしています。

この制度が定められた背景に、発明対価請求訴訟がいくつかあります。

まず、平成15年に判決された「補助金請求事件」。

ザックリ説明すると、Yという会社の従業員Xさんが発明した装置を、Yが特許出願し、XさんにはYから21.1万円の報奨金が渡されました。

ところが、この装置はめちゃくちゃ利益になったのでしょう、Xさんからすれば21.1万円の報奨金では納得できないほど優れた発明だったのです。

で、Xさんは「相当の対価」が2億円であるとして訴訟を起こしました。

判決も21.1万円じゃダメだよってことになりました。

他にも「相当の対価が200億円」という、ぶったまげるような判決の出た青色発光ダイオード事件(高裁で和解勧告が出されて8億円になったけど)や窒素磁石に係る発明の対価請求事件などがあります。

新製品や技術開発など有益な成果を上げた者やチームに対する表彰

上記は特許の場合でしたが、新製品や技術に関する発明に対して相当な対価を与えない場合、従業員の不満が爆発してしまうのは確実です。

1個も売れない新製品だったらまだしも、それが数億円規模の売上を叩き出したにも関わらず、10万円程度の報奨金しかもらえなかったらどうなるでしょう。

訴訟ともなれば裁判も長引くし、そこにかかる費用だってバカになりません。

しかもそれだけの発明をした人ですから、余所の会社に移られてしまったらたまったもんじゃありませんよね。

正当な評価をすることは会社の利益を守る上でも重要なことなのです。

表彰はもちろんするし、報酬を与えるのも当たり前といえます。

こればっかりは凡人には厳しいかも…

新たな製品を生み出すからには、それなりの知識と発想力がないと、どうしようもないので凡人よりはセンスが必要かもしれません。

ただ、才能あふれる人と共同であれば、名を連ねられる可能性があります。

6.善行

善行は稀な表彰制度です。

その名の通り「善行」ですから、会社の利益や業務とは直接の関係がない行動も表彰してもらえます。

例を挙げると、災害支援、ボランティア、環境問題への取り組み、人権活動などです。

模範となる行動のあった者やチームに対する表彰

災害地域でのボランティア活動など社会奉仕の行動をとった者あるいはチームに贈られます。

これができたのは最近のことで、会社自体にCSR(社会貢献)が求められるようになったことが背景として考えられるでしょう。

資本主義の基にガンガン稼げばよかった時代が過ぎ、なんなら社会主義よろしく世間に利益を分配しないと叩かれる時代になってしまいまったというわけですね。

良くも悪くも。

そんなわけで、ボランティア活動に参加するための有給休暇の取得を奨励する企業、業務の一環として環境問題への取り組みに山林へ社員を派遣する企業などが増えてきました。

その流れもあって、社会人としてより地球人として模範になるような社員を表彰する制度が発展を続けています。

7.無事故無違反

建築系や運送業で導入事例が多く見られます。

命にかかわる仕事ですから、注意喚起の意味も含めて導入されるようです。

事故安全運転などで勤務成績が良好な者やチーム対する表彰

自損、他損問わず、安全面に配慮し、それを守り通した人に贈られます。

毎年金一封が贈られることもあれば、勤続年数に応じてという場合もあり、会社によってさまざまです。

8.技能奨励

営業の人であれば成果が見えやすいですが、技術職の場合、発明表彰だけではハードルが高すぎます。

そのため、周囲の技術者たちのお手本になるような技術を持っている人や、スキルアップをした人に技能奨励として賞を贈る制度が導入されています。

IT企業に多いです。

エンジニアやプログラマーの仕事は、専門性を持っていない人間にとって「すごいのはわかるけど、何がすごいのかはわからない」って感じなので、その部署の専門性のある人、上司などが会議で決定します。

資格の取得

その業界にとって有用な資格を取得した人に贈られることもあります。

飲食チェーンであれば、栄養士の資格をとった人、プログラマーならC言語プログラミング能力認定試験1級合格、不動産なら宅地建物取引士の国家資格合格などです。

これらを持っている人がいると業務の幅が広がったり、責任者に任命しやすくなるため、会社としては「この資格を取ったらボーナスが出て表彰もされますよ」と予め推奨していたりします。

おまけ.ユニークな表彰例

世の中には「え?そんなことも?」と驚くような表彰があります。

3つご紹介しましょう。

1つ目は「大失敗賞」。

これは、工場用部品などを製造する太陽パーツ株式会社で導入されている制度です。

読んで字のごとく、大失敗をした社員を表彰します。

これはその人を囃し立ててやろうという悪意のものではなくて「何かに挑戦した結果が失敗である」としてチャレンジ精神を失わないようにするものです。

2つ目は「サンクス賞」。

医療IT企業のエストコーポレーションのユニークな表彰制度の1つで、毎月もっとも「ありがとう」をメッセージフォームでもらった人に贈られる賞です。

3つ目は「セクシー賞」。

お弁当やケータリング総合モールの運営を行うスターフェスティバルが導入している賞で、仕事に対する姿勢や周囲への影響が良かった人を毎月投票によって選出するものです。

なぜセクシーという名前なのかはちょっとわかりませんでした。

社内で表彰されるためにできる6個のこと!

表彰されるのを目的に働くのもいかがなもんかなぁ、とは思いますが、どうせなら表彰されてみたいですよね。

発明などはかなりハードルが高いですが、誰でも目指せることに限ってご紹介します。

1.長く勤務しよう

勤続年数や定年退職に表彰制度が導入されている会社なら、長く勤務するだけで表彰してもらえます。

仕事の出来はともかく、長く働けばOKです。

もちろん、よっぽどポンコツだとリストラされて元も子もないですが、平均的に働いていれば大丈夫でしょう。

ただし、永年勤続や定年退職に対する表彰制度は大手企業ですらドンドン廃止していっていますから、自分がやっと表彰されるような年数に達したころに制度自体がなくなっている恐れはあります。