平成の時代になっても「閑古鳥が鳴く」という言い方は滅びませんでした。
生き続けています。
皆さんも一度はお聞きになったことがあるのでないでしょうか?「閑古鳥が鳴く」という言葉。
さてこの言葉、意味はどうなっているのでしょうか?
どういう場面で使ったらいいのでしょうか?
由来や類語はどうなのでしょうか?
今回はこの「閑古鳥が鳴く」にスポットを当ててご紹介していきたいと思います。
「閑古鳥が鳴く」とは?
それでは始めましょう。
まずは「閑古鳥が鳴く」という言葉の意味や由来などについて考えて参りましょう。
由来
まずは「閑古鳥が鳴く」の由来からみて参ります。
こういった言葉が現代にまで残っているのは、それなりの由来があるからのようですね。
閑古鳥とは、主にカッコウ等を指す
まず「閑古鳥」の正体からみていきましょう。
「閑古鳥が鳴く」の「閑古鳥」とは「カッコウ」という鳥が正体だったのです。
カッコウの姿を目の当たりにしてみる事はほとんどないでしょう。
里山などに行ったときに遠くの方から鳴き声が聞こえてくる完全なる「山鳥」「野鳥」といった感覚が一般的でしょうね。
カッコウの鳴き声が当時の人に物寂しいと感じさせたことから
カッコウという鳥の鳴き声は一種独特です。
多くの鳥のような「さえずり」のような鳴き方がありません。
ほとんど多くが「カッコー、カッコー」と間をあけて単調に鳴いています。
そしてその鳴き声は、聴いているうちにどこか寂しげで悲しい心のあやを感じさせるのです。
スズメやヒバリのようなにぎやかな鳴き声とは正反対と言えるでしょう。
だからカッコウのことを「孤独」で「物寂しい」感じを受けたのでしょう。
カッコウという鳥は自然界でもほとんど群れている事もありません。
ほとんどの場合、単独行動です。
そして鳴き方が例のように物寂しい鳴き方です。
カッコウをにぎやかな雰囲気に照らし合わせるには無理がありますね。
鳴き声はすれど姿を確認できない鳥、「カッコウ」。
「閑古鳥」としての例えられに相応しいムードがあった事は否定できないムードですね。
喚子鳥が転じ、閑古鳥という言葉が生まれた
「閑古鳥」の由来は、古語にあるカッコウの季語である「喚子鳥(呼子鳥)」というところからきているという説もあります。
喚子鳥、「よぶこどり」と読むこの季語は古くからカッコウが何か物寂し気な様子を人々の間に共感させていたからこそ、このような漢字を当てはめて使われたのでしょう。
まるで人の心の中に一瞬の寂しさというか、無常なるはかない寂しい思いを連呼させるようなカッコウの鳴き声が「喚子鳥」という読み方になったのでしょう。
カッコウの鳴き声はどことなくマイナー調なフィーリングで私たちの胸に刻み込まれたのも頷けるような気がしますね。
意味(由来と区別するために使用しています)
それでは次です。
「閑古鳥が鳴く」の意味について考えてみましょう。
「閑古鳥が鳴く」という表現、一体現実的にはどのようなシーンや場面で用いられているのでしょうか?
商店や旅館などで客足がなく、商売がはやっていないさま
「閑古鳥が鳴く」の意味の1つ目は「商店や旅館などで客足がなく、商売がはやっていないさま」を表しています。
つまり、「暇」「儲かっていない」ということになりますね。
一般的に「閑古鳥が鳴く」という言い方は、人がたくさん集まるのが当たり前のはずの場所やお店などにさっぱり客足がないことを表現しています。
一昔前の商店街や旅館などは来る日も来る日も大勢のお客さんで賑わっていたものでした。
特に何の集客手段を打たずとも勝手にお客さん側からそのお店や旅館に押し寄せていたのです。
盆暮の時期や長期休暇の時期などは放っておいてもお客の方から足を運びに行ったものだったのです。
それが今では様相がガラッと変わってしまいました。
競争相手の出現や趣味の多様化などにより人々の嗜好が変わってしまったのです。
だから何の手も打てなかったところは客足がどんどん遠ざかってしまうのも仕方がなくなってしまったのです。
これこそが「閑古鳥が鳴く」という情景にピタッと当てはまるという訳なのです。
寂れた様子
「閑古鳥が鳴く」の意味の2つ目は「寂れた様子」を表します。
これにはカッコウの鳴き声と掛け合わせた意味合いが籠りますね。
物寂し気に聞こえるカッコウの鳴き声は人の心をつい孤独にさせてしまいます。
その状況を活気がないお店や商店街などの施設に応用して使っているのです。
また現代においてはネット上のサイトやSNSの投稿に対してあまりにも訪問者が少ない場合「閑古鳥が鳴いている」といった表現に用いられているようですね。
いずれにしても人の往来が当たり前の場所に合って、それと相反する状況になっている様を言い表しています。
別にお店の中に本当にカッコウが飛んできて鳴いているのではありませんからね。
あくまでも商売が繁盛していない暇な状態をもじって言っているだけですからね。
「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語
それでは次に参りましょう。
今度は「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語についてのご紹介です。
この言葉には比較的、多くの類語や関連語が世の中に存在しています。
それらをじっくりと紹介していくことに致しましょう。
空いた空間が多く静かであるさま
「閑古鳥が鳴く」状況というのは店内の席が空いておりいかにも店内の空間が多く広く感じてしまう様、あるいは静かに感じてしまう様を言います。
ではこのような状況に近いか、全く同じような状況に置かれている類語や関連語をご紹介していきましょう。
ガラガラの
「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語の1つ目は「ガラガラの」です。
「ガラガラ」という状態は満席ではない、という事になります。
つまりたくさんの人を呼び集めて盛大に催しやパーティを行うはずだったのに、観客席がまばらでガラガラ状態では盛り上がりにも欠けるし主催者側としても採算が取れず「赤字」になる、といった意味合いが込められているのです。
本来、商業目的で行う全てのイベントや商売は、集客することが大前提です。
そうしないことにはその催しや商売が成功したとは言えません。
赤字になってしまったなら全く意味がないのですから。
「ガラガラ」はそういった意味において「閑古鳥が鳴く」とほぼ同じ意味合いを持った言葉と言えるでしょう。
人っ子一人いない
「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語の2つ目は「人っ子一人いない」です。
「人っ子一人いない」は必ずしも商売上の表現だけに留まりませんね。
広く世間一般の事象や物事に使われる表現です。
例えばおとぎ話などでよく使われる言い方ともいえます。
主人公が行き着いた国や村には住人が一人もいない状況を表現する際に使われる言い方ですね。
よってこのような状況のシーンでは「閑古鳥が鳴く」という言い方と区別しておいた方がいいでしょう。
そういった意味では「人っ子一人いない」は「閑古鳥が鳴く」の関連語という位置づけでいいでしょう。
まあ、大きな意味でみたら見渡す限り誰もいない状況は同じです。
ただ、商売上で使うかどうかの違いですね。
スカスカの
「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語の3つ目は「スカスカの」です。
「スカスカ」という言い方も普段は満席になっていなければおかしい場面であまりも空席が目立っていたり、人の往来がないような状況の時に用いられます。
ただ、「閑古鳥が鳴く」ほどには商売上での用い方は少ないでしょう。
「スカスカ」は席が満席になっていない状況や食べ物の(例えばカステラやお饅頭)の中身が詰まっていなくて空間が多いような場面でもっぱら使われる言葉です。
よって「閑古鳥が鳴く」ほどの物寂しい状況とは、ほど遠い印象を受けるでしょう。
むしろ「スカスカ」は相手や物事に対して滑稽な印象を持った場合に使われる「愛嬌」のある表現ともいえるでしょうね。
店に人がほとんど来ないさま
今度の類語はより「閑古鳥が鳴く」状況に近いものと言えます。
そもそも「閑古鳥が鳴く」というのは「見せに人がほとんど来ないさま」を表現した言い方。
ずばり「商売」に限定した言い方なのです。
よってこれからご紹介致します類語・関連語は「閑古鳥が鳴く」とほぼ同じ意味合いと思っていただいていいでしょう。
客足がまばら
「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語の4つ目は「客足がまばら」です。
「客足がまばら」は当然お客さんで埋まっていなければならない時間帯に席が埋まっていない状態を指しています。
また、「客足がまばら」という事は、お客さんは遥か遠方からこの場所に詰めかけてくれるはずの場面想定をしています。
それがなし得ていないという事は、その企画やお店自体に人気がないのか、台風などの悪天候や交通手段の乱れなどの原因によってお客さんが来たくても来れない二次的な理由があった場合に起こり得る状況でしょう。
いずれにしても「客足がまばら」では主催者やお店の経営者は頭を抱えてしまいます。
ショーや催し物は期間限定で会場を抑えていますから客足がまばらだったら大打撃です。
飲食店などのお店にしても1ヶ月間、このような状況が続いたら死活問題に発展するでしょう。
商売を行うにあたって、客足が確保できないという事態は「非常警報」が発令されているのと同じようなものですからね。
寂れる
「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語の5つ目は「寂れる」です。
「寂れる」という言い方、これは結果というか過去形になっています。
つまり、もうそのお店は全く繁盛する方向性が見えない、ということなのです。
これはお店の立地や広告の入れ方もありますが、店員さんを含む店長の姿勢にも問題があります。
つまりお客様を迎え入れる姿勢が全くない・なかったから「寂れる」お店になってしまったのです。
「客商売」というのは何をおいても「お客様」を最優先にして行動しなければなりません。
繁盛するお店というのは、いかにして「顧客満足」を上げるかをいつも真剣に考えているものなのです。
それをレジに立っていてもおしゃべりばかり。
お客様が入店しても「いらっしゃいませ」も言わない。
笑顔もない。
気遣いもない。
これでは「寂れる」のも仕方ありませんよね。
そんな自分の不甲斐なさを差し置いて、店が暇な事を閑古鳥のせいにしていたら、いまに本物のカッコウが襲ってくるかも分かりませんよ(冗談ですからね)。
不入り
「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語の6つ目は「不入り」です。
この言い方は主演俳優が出演した映画や舞台などでのお客さんの入り方を見る場合によく使われます。
要するに「ヒット」したか「こけたか」のどちらかという事になります。
「不入り」はその映画やお店の人気のバロメーターとして使われてしまいます。
そういった意味では「閑古鳥が鳴く」と非常によく似た用い方と言えるでしょう。
最近はいくら有名で人気のある役者さんやアイドルが映画に主演で出演しても「大入り」とはなかなかならない時代になってしまいました。
それはどうしてなのか?やはり顧客は本物を求めているからでしょう。
役者ならば「演技力」。
飲食店ならば「美味しい」かどうかです。
知名度や人気だけに頼って本来、磨いておかなければならないものを疎かにしてしまえば「不入り」になるのも仕方なし、という事ですね。
商品が売れず商売にならないさま
「閑古鳥が鳴く」の意味には「商品が売れず商売にならないさま」という見方もできます。
つまり「商売繁盛」になっていない、という事ですね。
そこにはさまざまな原因が潜んでいます。
ここでは主に顧客相手のお店を対象にして「閑古鳥が鳴く」的な類語・関連語をみていきましょう。
商売あがったり
「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語の7つ目は「商売あがったり」です。
「商売あがったり」これは時代劇を見ていたらよく出てくるセリフの一つですね。
「あがり」つまり「売り上げ」が思うように上がらない状況を指していっています。
売り上げが上がらなくなる原因は様々です。
多くは客数が増えないからですね。
商売というものは「客単価」×「客数」です。
一人当たりのお客さんがいくら、お金を使ってくれるか、そして一日に何人のお客さんが来店して買い物をしてくれるか。
この2つの要素が絡む事によってお店の売り上げは上がっていきます。
という事は「商売あがったり」という状況になったということは、このどれかが悪化しているのか、それとも両方ともダメなのか、という事になってしまいます。
「閑古鳥が鳴く」的な状況はその一瞬だけを取り上げてみているところもありますが、「商売あがったり」は中長期的に商売の業績が思わしくない現状を連想させます。
早く「商売あがったり」になった原因を突き止めて対策を打ちたいものですね。
開店休業状態
「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語の8つ目は「開店休業状態」です。
これはお店を開けていても全くお客さんが来てくれない状態ですね。
まさに「閑古鳥が鳴く」というわけです。
ただ、笑っている場合ではありません。
「開店休業状態」では本当に「商売あがったり」です。
売り上げが上がらないのではお店を出している意味がありませんから。
お店を出すのにも様々な経費がかかっています。
街中のいい場所にお店を出そうと思ったらそれだけ家賃や維持管理費が多くかかってきます。
だからといって人も寄り付かない辺鄙な場所にお店を出したら1ヶ月も持たないでしょう。
それくらい立地は重要な要件なのです。
しかし、そこそこの場所にお店があるとして「開店休業状態」になっているとしたら、立地以外の何らかの問題がある事になります。
商品の価格が高過ぎるのか、品揃えが悪いのか、ボリュームがないのか、スタッフに笑顔がないからか、店長にヤル気がないからか。
どちらにしても高い経費を毎月、払っているのです。
それを回収して利益を出さない事にはお店の利益で食べて行く事もできなくなります。
ここは店長の力で何とか「開店休業状態」を脱出する算段を立てましょう。
まるで商売にならない
「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語の9つ目は「まるで商売にならない」です。
商売にならないのでは本当に意味がありませせん。
「閑古鳥が鳴く」どころの騒ぎではないでしょう。
本当に「まるで商売にならない」のなら思い切った転機を考える必要もあります。
つまりお店をたたむ覚悟をするかどうか、です。
大体において「閑古鳥が鳴く」と言っているうちはまだ余裕があります。
本人にも商売を立て直す策や作戦は持っているはずです。
自身があるからこそ、「閑古鳥が鳴く」とも言っていられるのです。
しかし、「まるで商売にならない」と本気で思ったのなら事は深刻です。
速やかに原因を調べ無理だと思ったら早期撤収する勇気を持つべきでしょう。
商売で成功するためにはいついつまでに「損益分岐点」の黒字ラインを突破できるかを考えなければなりません。
そのための戦略がないことにはどうしようもありません。
「まるで商売にならない」ならない状態は、はっきり言って「ジ・エンド」と同じ意味です。
早急なる結論を出すことをお薦めいたしますね。
連想される言葉
それでは次に「閑古鳥が鳴く」で連想される言葉についてみいく事にしましょう。
いずれも商売の成否の関わってくるだけにシャレにならないシビアさが伝わってくるでしょう。
販売不振
「閑古鳥が鳴く」で連想される言葉の1つ目は「販売不振」です。
「閑古鳥が鳴く」ということはお店に全然、お客さんがやってこないという事です。
そういった事態になってしまえば自ずと店内に陳列している商品は売れません。
スーパーであれ、百均ショップショップであれ、お客さんが朝から1人も来なかったら当然ながら売り上げというものは出来ません。
そういった状況がもし1ヶ月も2ヶ月も続いたとしたら…。
経営者にとったら背筋が寒くなるのを通り越して会社の存亡にかかわる非常事態宣言を出さずにいられなくなるでしょう。
この「販売不振」には様々な要因が考えられます。
消費者の目は敏感であると同時に飽きっぽいものです。
ヒット商品が出たらすぐに飛びつき、そしてすぐに競合他社が追随した商品を送りだし、市場はすぐに飽和状態に陥ります。
このように売れる商品を常に世に送り出すことがいかに難しいことか、を、身をもって知っているのが経営者であり店長のはずです。
「販売不振」は「閑古鳥が鳴く」と言って騒いでいられるようなやわな状態ではないことを上層部の面々は胆に銘じることですね。
閑散とした
「閑古鳥が鳴く」で連想される言葉の2つ目は「閑散とした」です。
確かに「閑古鳥が鳴く」状態になればそのお店の店内は「閑散」とした状態になります。
例えば夏の海の家。
海開きになっている7月から8月だから人が大挙してビーチに押し寄せ、海の家も繁盛するのです。
しかし、季節が9月になって海水浴のシーズンも終わってしまえば浜辺は一気に閑散とします。
そんな時に海の家を開いていても「閑古鳥が鳴く」だけなのは誰の目から見ても明らかですよね。
本来ならば人がたくさん押し寄せてくる場所が閑散としているから「閑古鳥が鳴く」と言えるのですよね。
商売というものはタイミングを逃してしまうと一銭の儲けにもならない、という事です。
落ち目
「閑古鳥が鳴く」で連想される言葉の3つ目は「落ち目」です。
「落ち目」にはなりたくない、と誰もが思っているのではないでしょうか?
いかなる悪条件が自らの上に降りかかってきたとしても、それを振り払ってせめて最低線のレベルだけは守り通そうとするのが人間のはず。
いくら閑古鳥が鳴いていたとしても「落ち目」にだけはなりたくないものです。
「落ち目」になってしまうと何が最も怖いかというと、「心」すなわち精神が病んでしまうことです。
人間というもの、一旦落ち目になって負け犬根性が身についてしまうとなかなか元の姿に回復できません。
下手をすると酒に溺れて一生を台無しにしてしまう恐れもあるのです。
よって「閑古鳥が鳴く」状況になってしまった時、早急に手を打てるかどうかが勝負の分かれ目です。
例えその時はいい結果が出なかったとしても必ずやあなたのとった行動は違う形で成果を上げるでしょう。
一生、落ち目気分になってしまったら大変です。
何としてでも手を打っておきましょうね。
使い方
それでは次です。
今度は「閑古鳥が鳴く」を実際に使われている場面を想定してご紹介していきましょう。
お客が減り、閑古鳥が鳴いている商店
「閑古鳥が鳴く」の使い方の1つ目は「お客が減り、閑古鳥が鳴いている商店」です。
現代日本の特徴の一つが「商店街の衰退」です。
かつてあれだけ賑わっていた商店街。
それが今やどうでしょう。
そのほとんどが寂れてしまって「シャッター街」と化してしまっています。
これはある地域だけに起こっている問題ではなく、日本全国で共通に起こっている症状です。
しかしながらこれも時代の趨勢です。
時代が変わる事によって顧客の嗜好も代わり、それに対応できる施設が次から次へとオープンしていきました。
ショッピングセンターやスーパーマーケット、ホームセンターやパワーセンターといった大・中規模小売店の出現は多様性を求める顧客の指向性を見事にキャッチして繁盛を続けています。
一方の商店街、ハッキリ言ってこれらの商業施設に太刀打ちできません。
「価格」「ボリューム」「品揃え」。
売り上げを上げるべき最もベーシックとなるこの3要素すら用意することが出来ません。
これでは消費者は買い物のしやすい郊外の商業施設に流れてしまうはずです。
お客が減り、閑古鳥が鳴いている商店街。
これは来たるべきしてなってしまったビジネスの一端なのでしょう。
バーゲン初日なのに、デパートは閑古鳥が鳴いていた
「閑古鳥が鳴く」の使い方の2つ目は「バーゲン初日なのに、デパートは閑古鳥が鳴いていた」です。
デパートもかつての栄光を取り戻せず、苦労している業界の一つです。
昭和の初期から戦後にかけて大手のデパートはそれこそ、庶民にとったら憧れの的、欲しいものはここに行けば何でも揃う、というのが売り文句でした。
しかしそれも一昔前の幻想になってしまいました。
今やデパートは値段も高く品揃えも悪い、そして買い物に行きにくい、という3拍子揃った「不良債権」と化してしまった感があります。
そんなデパートがチラシを打ち出してバーゲン開催を宣伝しても期待したほどの客数は集客できない、というのがこの使い方の例になっています。
しかし催事コーナーやデパ地下といった「特化」した売り場は比較的好調です。
今後のデパートの命運を握る売り場であるといえるでしょうね。
いずれにしてもかつての「栄光」を知っている人から見たらデパートの凋落ぶりは歯止めが利きません。
出店計画や商品構成をどうするか、見直すのか撤退か。
経営者の肚の見せどころでしょう。
ネット通販の影響で閑古鳥が鳴き、次々に閉店していった
「閑古鳥が鳴く」の使い方の3つ目は「ネット通販の影響で閑古鳥が鳴き、次々に閉店していった」です。
これはいかにも今の時代の世相を反映していますね。
実店舗はネットの台頭により苦戦を強いられているどころの騒ぎではありません。
ハッキリ言って「絶滅」の淵においやられている企業がいくつもあります。
消費者は、自分の購入したい商品をまず実店舗に行って見定めを行います。
価格や中味を調べ終わったらそのお店で購入せず、ネット通販やネットショップで購入するのです。
ではどうして消費者はネットで物を買うようになったのか?それは価格が明らかに実店舗よりも安いからです。
全く同じ商品なのにネットで買った方が3割以上、安く買えるケースはざらではありません。
特に所有しているお小遣いに限界がある人にとったらネットで買った方がよっぽど「お得」という図式が成り立つかたです。
しかし、この買い方、必ずしも賢い買い方とは言い切れない部分もあります。
それはネットだと正規品が届かず模造品や偽物の商品が届く事もあり得るからです。
また、例えきちんとした正規品が届いたとしても十分な補償が受けられなかったり酷い場合は最初から壊れた商品が届く場合もあります。
ネットで購入した際はこれらの対応、処置が厄介なケースが多いのも事実ですね。
つまり消費者は安い買い物をやった割には十分な満足感を得られていないケースも多々、あるという事です。
しかしながら今の時代の大勢はネットショッピングが圧倒的に有利になっています。
よって競争力のない店舗はこの世から淘汰されていくのもやむを得ない時代に突入しているのです。
何とも悲哀を感じさせる話ですね。
「閑古鳥が鳴く」を正しく使おう(まとめ)
如何だったでしょうか?今回は「閑古鳥が鳴く」を大テーマにして以下のテーマについて紹介して参りました。
・「閑古鳥が鳴く」の由来
・「閑古鳥が鳴く」の意味
・「閑古鳥が鳴く」の類語や関連語
・「閑古鳥が鳴く」の使い方
です。
「閑古鳥が鳴く」という言葉は今の時代でも立派に通用しています。
ただ、本来の使い方としては商売のことについて、や商店が繁盛しているか?といった分野に焦点を当てた言葉だという事が分かると思います。
よってネット上で自分のサイトの訪問者数が大きく減少した時に「閑古鳥が鳴いているなあ」というニュアンスで言うのはちょっと意味合いが違ってくる、という事を理解しておいていただきたいところですね。
そして本文中でも何度か触れて参りましたが、「閑古鳥が鳴いている」と言っているうちは、まだそのお店には多少なりとも余裕があるという事です。
対策次第ではまた元の活気のある状況を取り戻せる自信があるからこそ、このような言葉を使う事が出来るのでしょう。
そういった意味では「落ち目」の状況になってしまったなら、もう「閑古鳥が鳴く」などとのんきに言う事もできなくなっているでしょう。
商売における「落ち目」は、「倒産」という事ですからね。
だから「閑古鳥が鳴いている」状態の時にいち早くその原因を探り、即座に対策を打つことが求められるのです。
手をこまねいていたら本当に取り返しのつかない事態になってしまいますからね。