冠婚葬祭」という言葉は、誰もが知っている言葉でしょう。

結婚式や葬式の時に使われることが多いため、祝い事や故人を送る事を意味する言葉であると認識している人も多いでしょう。

大人になるにつれて、何となくの意味は理解しても、具体的な言葉の意味や語源、どんなことを冠婚葬祭というのかについてなどの、具体的なことまではよく知らないという人もいるでしょう。

とくに若い人ほど冠婚葬祭についての詳しい種類や注意点、マナーなどを知らないことが多いです。

家庭でそうした通過儀礼や行事ごとについて教わっていない人ほど、大人になっても知らないままでいてしまい、いざどこかでその知識が必要になった時に恥をかいてしまうかもしれません。

そうならないように、この機会に冠婚葬祭についてよく知っておきましょう。

若者は意外と知らない?!冠婚葬祭のあれこれ

冠婚葬祭については、高齢者よりも若者の方が知識はありません。

高齢者は人生を長く生きてきた中で、さまざまな知恵を身に付け、また経験を得ていますので、冠婚葬祭を始めとしたあらゆる行事ごとやマナーにも精通している人が多いです。

とくに明治や昭和中期など、国中で当たり前にそうしたさまざまな行事ごとを行っていた時代に生きていた人は、年中行事が習慣的なものでしたので、行事の種類やマナーについて知らないという方が珍しいでしょう。

それが最近では、正月や節分、冠婚葬祭などの年中行事や人生の通過儀礼を行わない家庭も増えています。

結婚式や葬式はいつの時代でも当たり前に行われますが、西洋文化が入ってきてからは昔ながらのやり方で行う家庭も減りましたので、それらの行事本来の種類やマナーに関して知らない人たちも増えてきました。

そうした人たちが家庭を築き、そこに生まれた子どももまた、昔ながらの行事については知らない環境で育つことが多いため、結果として冠婚葬祭についての詳しいことは知らない若者が増えたのでしょう。

時代の流れと共に人の生活も変化しますので、昔からのやり方にこだわる必要はありません。

けれども冠婚葬祭は、形は変化しても未だに残り続けていますので、知らないよりは本来のやり方や種類について詳しく知っておいた方がいいでしょう。

冠婚葬祭とは?

冠婚葬祭についてよく知らない人は、「結婚式のこと」や「葬式のことだろう」と、自分の知っている行事一つだけを行うものだと勘違いしていることがあります。

しかしそれでは、大手の冠婚葬祭を執り行う会社が、結婚式や葬式を同時に受け付けているのがおかしくなってしまうでしょう。

冠婚葬祭とは、年中行事や人生の通過儀礼などをひとまとめにした言葉です。

そのため、場面によって冠婚葬祭が結婚式を表わすこともありますし、また葬式を表わすこともあります。

また、冠婚葬祭と言う言葉の「婚」と「葬」が何を表わすのかを知っている人は多いですが、「冠」と「祭」が何を意味しているのかまでは知らないという人も多いでしょう。

まずは冠婚葬祭についての意味をご紹介していきます。

その意味を知れば、次第に4文字それぞれの言葉の意味も見えてくるでしょう。

意味

冠婚葬祭とは、「元服」「婚礼」「葬儀」「祖先の祭祀」を表わす言葉です。

これらは古来、日本で最も重要とされてきた4つの大きな儀式のことです。

「冠」は「加冠」といって、成年式を意味します。

子どもの成長に伴う諸儀礼のことです。

「婚」は婚礼を意味し、また「葬」は葬式を意味します。

「祭」は葬式に続く、祖先供養の祭りを意味しています。

私たち個人の生涯における重要な節々に行われる一例の儀礼のことで、これらは通過儀礼とも、生涯儀礼とも言われています。

元服は今では行う年齢が変わりましたが、成人式も結婚式も、また葬式も先祖供養も、現代でも受け継がれている大切な行事の一つです。

成人式と葬式は生涯で一度しかありませんし、また結婚式も自分がこれまでの家庭から離れ、新たな家へ入るという重要な儀式の一つでしょう。

さらに祖先の供養も、毎年お盆にご先祖様のお墓参りを行いますので、どの行事も現代でも習慣として行われています。

ただし最近では結婚式を行わない夫婦もいますし、毎年お盆に墓参りに行かない家族も増えてきました。

少しずつ形が変わったり衰退したりはしていますが、少なくとも冠婚葬祭という言葉の意味においては、どれも非常に重要な儀式だと認識されています。

使い方

「冠婚葬祭」は、どのような場面で使われることが多いのでしょうか?

成人式や結婚式、葬式や先祖供養などの個々の行事を行う際には、それらの個別の行事名を口にしますので、わざわざ冠婚葬祭を使うことはあまりないでしょう。

さまざまな行事をひとまとめにしたこの言葉がよく使われるのは、冠婚葬祭に関わる仕事を行っている会社でしょう。

結婚式や葬式を、依頼を受けて執り行う会社の場合、顧客への手紙や説明などのあらゆる場面で「冠婚葬祭」と使う機会があるでしょう。

また、一家の家長が家庭内での伝統行事について説明する時や、結婚して妻が入った先の家庭で姑から冠婚葬祭の決まり事などを教えられる時などにも、冠婚葬祭という言葉を使われることがあるでしょう。

現代では冠婚葬祭と言えば、主に結婚式と葬式を表わしています。

そのためそれらのどちらも含めて人に話をする際にはよく使われている言葉でしょう。

4文字の意味

「冠婚葬祭」が何を表わしているのかについては、先の意味で簡単に触れました。

次は冠婚葬祭のそれぞれの文字が表す行事について詳しく見ていきましょう。

結婚式や葬式は現代でも行われていますが、昔とはやり方が随分と変わっているところも多いです。

また元服(成年式)に関しても、今の若者は「二十歳になったらやるもの」という認識しかしていないことが多いでしょう。

それぞれの意味については、本来の行事の内容を踏まえてご紹介していきます。

「冠」とは元服を意味する言葉です。

昔は15歳になったら一人前の大人と認められ、社会的な役職や、参政権などを得ていました。

現代でいうところの選挙権や就職などで、これを昔は「冠を頂く」と言っていました。

例えば戦国時代では、幼名と元服後の名前を使い分けており、かの有名な徳川家康は子どもの頃は「竹千代」という幼名で呼ばれていました。

元服後に「家康」の名前を頂き、その後は徳川家康(または松平元康)と名乗り今日まで歴史にその名を遺しています。

昔の日本では、一人前の大人になるまでは幼名で呼ばれ、元服する時に新たな名前をもらっていました。

幼名から正式な名前をもらうことで、その人物は成人として認められ、社会の中では一人前の大人として扱われるようになります。

現代では生まれてから死ぬまで基本的に名前を変えることはありませんので、名を変えるということについては馴染みがなく、違和感を覚える人もいるでしょう。

しかし元服は今でいう成人式のことですので、昔とは成人として認められる年齢こそは違うものの、人生において重要な通過儀礼の一つであることは理解出来るでしょう。

また、現在では「冠」の意味は多様化しています。

成人式はもちろん、他にも人の生涯で重要な節目となる七五三や初節句などのさまざまな行事を表わす言葉として考えられています。


「婚」は婚礼のことです。

結婚式を挙げるのは、昔も今も変わらないでしょう。

結婚式ではこれを祝う者からの祝儀や、また披露宴を行う者の引き出物や会場費用など、大変な出費になりますので、昔は一世一代のお祝いとばかりに開催する側も祝う側も費用を提供してきました。

金銭的な余裕がある家庭ほど、結婚式の規模を大きく豪華に行うのがステータスとなっており、それは現代でも変わらないでしょう。

お金に余裕がある家は、子どもの結婚という門出を祝うだけでなく、参列者への体裁としてもそれなりに大きな規模の結婚式を挙げるところが多いです。

また、昔は一度結婚したら相手の家へと完全に入り、離婚などは到底許されないものでしたので、そうした意味でもとくに嫁に出す家の両親は、「最後の門出」とばかりに精一杯の式を挙げさせてやろうとするところが多かったです。

最近では金銭的な問題から、結婚式を挙げる際にも出来るだけ費用を抑えようとする夫婦も増えています。

中には籍だけを入れて式は挙げないといった夫婦もいますので、結婚式は昔とは違い、必ずやらなければならないものという考え方は変化しています。

とはいえ、めでたい門出であることには変わりないでしょう。

「葬」は葬式のことです。

現代では人が亡くなると、遺族に代わって葬儀会社が通夜や葬儀、初七日などのいっさいの儀式を請け負う形が非常に増えています。

ひと昔前までは葬儀会社はありませんでしたので、人が亡くなるとその故人の町内や村内の代表が遺族に代わって葬儀のいっさいを執り仕切っていました。

いわゆる組合長のような存在が故人の家へと集まって、葬儀をいつ行うのか、どのような形で行うのかなどをすべて決定します。

葬儀会社の場合には葬儀内容は遺族の意向を組んで相談して決めていきますが、昔は組合長が葬儀内容をすべて決めて、遺族は一切葬儀内容には口を出すことはありませんでした。

代わりに遺族は組合長や葬儀に参列した人たちへ料理や飲み物、お礼などを振舞い、そのお世話をすることが多かったです。

葬儀当日の受付や手伝いなどは、隣近所の家の人が行うことが多かったため、昔は人が亡くなれば村や町同士で助け合うのが当たり前であり、自分の住む地域の人たちと深く関わり合っていました。

しかし現代では核家族が増え、村や町の中に住む人たちの関わりも薄くなってきました。

マンションのような集合住宅では、隣や上下に住む人がどんな人なのか知らないことも多く、また一戸建てに引っ越してもろくに近所と関わりを持たない世帯も増えています。

そのため葬儀を行う際にも、近所同士で助け合うことが少なくなり、代わりに葬儀を代行してくれる葬儀会社が中心となっています。

「祭」は先祖の霊を祭ることの全般を意味します。

現代では法事やお盆などの機会に、お墓参りをしたり、お坊さんを呼んでお経をあげてもらったりしますが、それが冠婚葬祭の「祭」の部分に当たります。

日本人は昔から先祖代々の供養を欠かさずに行ってきました。

「どうしてやらなければならないのか」ということをわざわざ考えるまでもなく、「先祖の供養を行うのが当たり前」として私たちの体に染みついていますので、現在でも多くの人々がお盆や法事では先祖や祖先の霊を供養しています。

しかしこれらは、自分の両親や祖父母から代々受け継がれる行為でもあるため、核家族化が進んだ現代では、墓参りの習慣がなくなった家庭ではお盆に先祖の墓へ参らないところも増えてきました。

とはいえまだまだお盆や法事では先祖の墓参りをする家庭は多いため、「祭」は日本人にとって重要な通年行事の一つであることには変わりないでしょう。

冠婚葬祭の例

冠婚葬祭がどのような意味を持ち、また一つひとつの言葉の意味についても理解出来たと思います。

続いて冠婚葬祭の例について具体的にご紹介していきます。

現代では冠婚葬祭の際にどのような行事ごとを行っているのか、以下に挙げていきます。

「冠」は、昔は元服を指していました。

現代では元服の儀式がなくなった代わりに、成人式の儀式が行われています。

他にも子どもが出来たら帯祝い、生まれたら出産祝い、成長の家過程で七五三や初節句などの行事を祝うことがあります。

「冠」では生涯の通過儀礼の中でも、おめでたいことがあった時にお祝いとして儀式を行うことが多いです。

また、それらの儀式は生涯でもたった一度しか行われないことが多いため、それだけ個人にとっては重要でおめでたいことでもあると考えられています。

だからこそわざわざ「行事」などという形式的な形にして祝うのかもしれませんね。

帯祝い

帯祝いは、「着帯の祝い」とも言われています。

妊娠5ヶ月目の戌の日に、妊婦に白色の腹帯を巻き、安産を祈る儀式のことです。

戌の日に行う理由としては、犬は比較的お産が軽いため、その犬にあやかって自分も安産で子どもを産めるようにと願掛けをするためだと言われています。

昔は今のように医療機関が整っておらず、出産は妊婦にとって命がけでした。

難産になればその分母体も赤ちゃんも命の危険にさらされるため、苦しむことなくスムーズに出産出来るようにとどの母親もが祈っていました。

また、現在では医療技術が進み、出産は昔よりは随分と楽になりましたが、だからといって完璧に安心して産めるということではありません。

母体や赤ちゃんの状態によっては、命の危険にさらされることもありますので、できるだけそうならず、健康に出産が出来るようにと現在でも帯祝いの儀式を行う人は多いです。

出産祝い


出産祝いとは、自分の身内や友人などが出産した際に、それを祝う贈り物のことです。

出産するということは、それだけ大変な思いをして新しい命をこの世に産み落とすということです。

命に別状もなく、健康に赤ちゃんを産むことが出来たことは素晴らしくおめでたいことですので、それを祝う気持ちから出産祝いが贈られるようになりました。

出産祝いは贈る人によってさまざまです。

両親や上司からであれば金銭のお祝いもありますし、また友人であればおむつケーキなどのベビー用品の贈り物もあるでしょう。

贈り物の種類は何であれ、おめでたいというお祝いの気持ちの込められた贈り物は、受け取る側にとっても嬉しいことでしょう。