政治家の先生方が、選挙後の当選祝賀会などでスピーチする時に、中国の故事にちなんだ座右の銘や難しい熟語を紹介して、自分の今の心境や考え方を披露する時があります。

難しい言葉をよく知っているなとか、事前に調べて覚えたんだろうと余計なことを考えてしまうのです。

毎日、日常的にそんな言葉を話しているはずがないと思います。

それといつも不思議に思うのは、相撲の世界の儀式です。

関取が本場所で良い成績を収めて大関や横綱に昇進する時に、その関取の部屋に理事会の使者が伝達に訪れます。

受ける方と伝達する方が正座して対面して伝達のセレモニーを行うのですが、このシーンはTVでもいつも放映されます。

その時に、新しく大関や横綱になった関取が、使者にお礼を伝えた後でこれからの覚悟について口上を述べることが通例になっています。

その時の関取の口上がすごいのです。

こんな熟語があったのかと驚くような、四字熟語が語られるのです。

TVのニュースでは、口上の文字をテロップで流すのですが、それを見てもどのような意味なのかはピンと来ないのです。

難しい四字熟語を述べていると関心するやら驚くやら、お相撲さんがそんなことを言わなくても良いのにと思ってしまうのは私だけなのでしょうか。

悔しいので改めて調べてみると、横綱昇進口上の四字熟語は、「若貴」時代に作ったものだということです。

ちなみに、貴乃花親方が当時に使った四字熟語は「不撓不屈(ふとうふくつ)」の精神で、力士として「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」を貫くと口上したのでした。

「不撓不屈」とは強い意志でどのような苦労や困難にもくじけないことです。

「不惜身命」とは身や命をささげて惜しまないことです。

その後の横綱も、四字熟語を使うことが恒例になってしまいました。

お相撲さんも大関や横綱になると大変なのだなあと思ったものです。

しかし、久しぶりの日本人横綱の稀勢の里の口上は、非常にシンプルでオーソドックスなものでした。

「横綱の名に恥じぬよう精進します」というものでした。

これを聞いた時にはなんだかほっとして、稀勢の里の多くを語らない素朴な人柄に逆に感心したものでした。

これらの四字熟語にある難しい言葉は、その他にも多くありますが、その中でも比較的によく使われる言葉も多いようです。

そんな言葉の意味を知っていたら、さらには自分も使えることができたらと思う時があります。

ちょっと物知りになったように感じて、鼻が高くなるようです。

今回は、そんな難しい言葉をいろいろと調べてみました。

難しい言葉どれだけ知ってますか?

知人の中にも、難しい漢字を本当によく知っている人がいます。

TVで時々放送している漢字のクイズなども、ことごとく回答するのです。

漢字については物知りだなあと感心するのですが、日常生活では要領が悪くてこちらが指導してあげることもあって笑ってしまうのです。

私も、漢字にはちょっと自信があったのですが、先日書店で難しい漢字のドリルがあったので、パラパラとめくって見たのですが半分以上は読めませんでした。

ましてや書くことなど、とうていできないのです。

最近では、PCが普及したので漢字を書くということをしなくなりました。

ある人に何かのお礼をハガキに書いて送ろうとしたところ、挨拶文もスラスラとは書けませんでした。

漢字が正確に書けなくなってしまったようです。

PCやスマホですぐに漢字変換機能を使ってしまうのが癖になって、忘れてしまうようになったのでしょう。

みなさんもそんなことはないでしょうか。

それでも、まだ漢字を読む方はそこそこできるのですが、書く方は無理です。

今回は、難しいけれども、聞いたことがあるという言葉についてまとめてみました。

覚えておくと、ちょっと鼻高さんになれると思います。

難しい言葉14選


漢字の実力を認定するのは、日本漢字能力検定協会が行う「日本漢字能力検定」があります。

通称「漢検」と呼ばれていますが、年に3回実施されます。

受験資格はなくて、子供でもお年寄りでも、誰でも受験することができるのです。

全国各地の施設で行われますので、受験したい時には最寄りの会場で腕試しをすることもできます。

1級、準1級、2級、準2級、3級以下は10級まであります。

2級以上は高校・大学・一般程度のレベルのようです。

1級に合格したからと言って、特にメリットはありませんが、漢字を覚えたことで漢字に自信を持ったことと、難しい漢字が出てくると周りから頼りにされるようになったようです。

周りからも一目置かれるような人になるためにも、ここで覚えておいてはいかがでしょうか。

齟齬(そご)

「お二人の間に齟齬があるようです」などと言われたことがあります。

自分とある人との間で、認識していたことが食い違っていることが分かった時です。

自分はてっきりこういうことだと思っていたのですが、相手はまったく別のことを考えていたので、話が嚙み合わなかったのです。

このように、「齟齬(そご)」というのは、物事がうまくかみ合わないこと、食い違うことを表す言葉なのです。

友人と駅前の喫茶店で待ち合わせをする時に、「いつものところで」などとLINEしておいたのに、なかなか来ないのです。

今度は友人からLINEに「どこにいるんだ?」と連絡が入ります。

待ち合わせの場所を間違えているようなのです。

こんな時に、話が食い違っているということを「齟齬がある」と表現するのです。

友人などとの会話では、「おい、間違っているぞ」などと気安く言えますが、会社同士の交渉などのビジネスの場面では、「間違ってるぞ」などとは言いにくいものです。

そんな時には、「齟齬が生まれたようです」などと表現するのです。

使い方

ビジネス面で食い違いが生じたときに、「齟齬があるようです」などと相手に言い出すということは、「貴社は何か誤解しているのでは?」と自分達の正当性を背景にして相手側に再考を促すことになります。

第三者が、二者の間での食い違いを「齟齬がある」と指摘する時には問題はないのですが、お互いが当事者であれば「齟齬がある」と言うと何かキツイ感じを与えることになります。

この点は注意が必要です。

「齟齬」は何かネガティブな方向に行きそうなときにコメントとして使われることが多いようです。

・年末を控えたコールセンターの朝礼で、「電話でのお客様からの問合せが増えて来るので、齟齬が起きないように注意すること」

・ある問題に関する政治家の発言で、「他党の考え方と我が党の考え方に、何か齟齬があるようだ」

・複雑な機能が増えてきたスマホの新機種に関して、「メーカーとお客様の間で、利用する上での要望に齟齬が生まれたようだ」

・企業の新規開発の現場で、「これは販売員と研究者との間に齟齬が生まれてる」

小職(しょうしょく)

仕事でお付き合いしている得意先の担当者からメールをいただいた時に、「小職は年末までに、横浜の支店に異動することになりバタバタしております」という内容でした。

ここに出て来る「小職」という表現はあまり見たことがないのですが、自分のことを相手に対してへりくだった時の言い方なのです。

本来は、官職(公務員など)にあたる人物が自分を謙遜するために使っていたのが、現代でビジネスで用いられるようになったのです。

同じように、自分のことをへりくだった言い方として「小生」という言葉もあります。

「小職」も「小生」もどちらも相手に敬意をはらって謙遜する言葉なのですが、「小生」は男性が遣う場合が多いようです。

そして、女性は「小生」は使わない方が良いでしょう。

女性の場合は、「私(わたくし、わたし)」を使うのが一般的です。

それと、「小生」は自分と同等か目下の相手に使う言葉なのです。

だから、目上の人に使うと「無礼で生意気だ」と思われることがあるので注意しましょう。

「小職」は男女とも使えます。

相手を敬う気持ちが込められているのですが、何か堅ぐるしい感じがしてしまいますので、冷たい印象を与えてしまうようです。

仲の良い友人や後輩には、「小職」よりも「私」の方がふさわしいと思います。

使い方

ビジネスのメールや手紙には、親しい相手方にちょっと敬意を込めて書く時に使われるようです。

・自分が社内異動で部署が変わった時などに、「この度の社内異動によりまして、来月から小職は第一営業課から第二営業課に移ることになりました。」 

・「小職もゴルフのレッスンを受けることにしました。また一度ゴルフにお誘いください」

当該(とうがい)

「当該」の意味は、今話題になっている事柄に、まさに直接関係していること、まさにそのものです。

また、その担当であることです。

例えば、ある電機メーカーが、新しい機能を付けた新商品を紹介する時に、「〇〇機能を付けた最新のパソコン〇〇型デスクトップ」という商品名であれば、この長ったらしい商品名を繰り返すことになります。

そんな時に、一度商品名を紹介した後は「当該商品は」と簡略化して呼ぶことができるのです。

時間短縮ができるし、聞く方も肝心の機能のことをしっかり確認することができて理解しやすいのです。

まさに目の前で説明している新商品そのものを指しているのです。

ビジネスのシーンでは、「当該」という言葉は便利でよく使われるようです。

どんなに複雑で説明に時間がかかってしまう様なものでも、一度説明してしまえばその後は「当該の製品は・・・」「当該の物件は・・・」などと簡素化ができて楽なのです。

しかも、公式な場面でスピーチしたリ説明するシーンなどでは、「当該の・・・」というように説明すると格好良く映るのです。

しかし、日常の井戸端会議などで、近所に新しくオープンしたスーパーの話題になった時に、「当該のスーパーは」などと言うと非常に堅ぐるしいので、「あのスーパーは・・・」とか「そのスーパーは・・・」などという方が親しみやすいようです。

使い方

「当該」という言葉は、連体詞(名詞を修飾する機能)的な働きなので、その後ろには名詞がくる場合が多いのです。

つまり、先ほど述べた具体的な内容を限定的に指すことから、「先ほど述べた」とか「話題の」「その」などと置き換えることもできます。

しかし、ビジネスシーンでは、「当該」という言葉はよく使われる言葉でもあります。

・ある会社の販売強化月間の業績発表会があった時に、司会者が「それでは、当該期間の業績の推移について各部署からご報告をお願いします」などと促すのです。

・駅前にある市所有の遊休地の有効活用に関しての説明会で、市職員が集まった市民を前にして「当該物件は・・・」などと説明をするのです。

・よく交通事故が発生する危険な交差点に、信号機を設置することで議会で討議が行われていた時に、「当該交差点は・・・」などと場所を特定することもあります。

弊社(へいしゃ)


学校を卒業してどこかの会社に就職した時に、この「弊社」という言葉を知ることになります。

「弊社」と同じように「貴社」や「御社(おんしゃ)」という表現も知ることになります。

「貴社」や「御社」は、就職試験の後の面接を受ける時になって、受ける会社のことを「この会社は・・・」などとは言わずに「御社は、貴社は・・・」と言うように先生や先輩に多分指導されたので、まだ馴染みがある言葉ではあります。

しかし、「弊社」と言うのは就職して一人前の社会人になって、自分が勤めている会社のことを説明したリ紹介する時に初めて使う言葉なのです。

自分の会社をへりくだって言う時の言葉です。

自分の家族のことを、「愚妻(ぐさい)」とか「愚息(ぐそく)」と言うことと同じです。

使い方

ビジネスのシーンでは、相手方に自分の会社のことを「弊社」というのは常識のようになっています。

就職して数ヶ月の研修期間を終えて、先輩に連れられてお得意先に出かけた頃には、自分の会社のことを説明する時には自然に「弊社では・・・」などと言えるようになっているはずです。

・今度の正月休みの期間を尋ねられたときに、「弊社はこの年末年始も休まずに営業を行っております・・・」

・新しい商品を購入してくれたお客様に、「弊社の新商品の使い勝ってはいかがでしょうか?」

・何か問題を起こした企業と間違われそうになった時に、「それは弊社のことではございません」

遺憾の意(いかんのい)

「遺憾の意」とは、「遺憾」に感じた気持ちを持っているということを表現した言葉です。

この「遺憾」とは、期待した通りにならずに心残りであること、残念に思うことです。

ある偉い人が「遺憾の意を表した」ということは、簡単に言うと「あの人が、期待通りにならなかったことを残念がっている」ということなのです。

この遺憾の気持ちには、単に残念だということではなくて、他人の行為を避難している気持ちも込めているのです。

自分の小学生の子供が、学校のクラス対抗のリレーで負けてしまった時に、「遺憾だ」などとは表現しません。

政治家が、他国の行動に疑問を持った時などに「遺憾に思う」と発表するのです。

他国の行動に対して、政治的に批判を込めて発表するのです。

「あの国が、周りの国の期待に配慮せずにあんなことをするなんて本当に残念だ」と言っているのです。

ただし、自分の行動を反省して「遺憾です」などとは使いません。

他人事のように感じられて反省していないように思われるからです。

しかし、自分の会社の社員が横領事件を起こして逮捕されてしまった時などは、会社の経営陣が「遺憾に思います」と身内の行為を批判して反省する時があります。

しかし、「遺憾」には謝罪の意味は含まれていないことは覚えておいてください。

使い方

・他社が自社の特許を活用して、新しい商品を開発したことがマスコミで報道されると、役員がすぐさま記者会見を開いて、「弊社の特許を侵害していることは、大変遺憾に思います」

・自国の領海に無断で侵入して、密漁を行っていた漁船に対して「その行為は遺憾です」

・裏口入学を手引きした業者と学校関係者が捕まった時に、「たいへん遺憾です」

適宜(てきぎ)

この「適宜」という言葉も、ビジネスのシーンでよく見かける言葉です。

この「適宜」という言葉は、その場の状況にちょうど適しているさまを表す言葉です。

そして、その場の状況に応じて、各自がその場に適していると思う行動をとることでもあります。

使い方

その場の状況にちょうど適しているような行動をとるという場合では、

・忙しくて休みがなかなか取れない職場では、部長がやってきて職場のリーダーに対して「みんな疲れているから、作業に支障が出ないように適宜休みを取らせてくれ」と指示したのでした。

・ある販売会社で、売れている商品に少し不具合があることが分かった。

お客様からの問合せがあるかも知れない判断して、社員に対して「もし、クレームの電話があったら、その都度適宜対応すること」と指示しました。

・災害の被災地に応援に来たボランティアの人達に対して、市の職員が「応援に行く地域に別れて行ってもらって、現地では適宜支援をお願いします」

進捗(しんちょく)

会社のあるチームで計画を立てて仕事をしていると、上司から「進捗状況は?」などと質問されることがあります。

この「進捗」という意味は、「物事が進み、はかどる」という意味です。

「捗」という漢字は、手偏に歩くという字を組み合わせたものです。

「はかどる」という意味なのです。

「はかどり」が進んでいるさまのことなのですから、「仕事ははかどっている?」と聞いていることになります。

ビジネスの場合には、「進捗状況」などという表現が多く使われています。

上司に定期的に提出する報告書にも、「進捗状況の報告」やら「進捗状況の確認」などの項目が設定されていることも多いようです。

直属の上司から仕事の状況を聞かれる時には問題はないのですが、「進捗状況は?」という問いかけの状況では、目上の人から部下の人に尋ねる場合の表現です。

部下が上司に、「この進捗状況は?」などと尋ねると、「なんだ生意気な!」と怒られてしまいます。

あるいは、他部署の人に全体の進捗状況を確認する時には、「その後、この件の進捗状況はいかがでしょうか?」などと、柔らかい表現で尋ねるのが良いと思います。

いずれにせよ、仕事の進行状況を確認す時の代表的なフレーズになっています。

使い方

・会社の全体的な報告会で、司会者が「前月の進捗状況について、各部署の代表は簡潔に報告してください」

・ある部署の管理者が、部員に対してメールで指示をしました。

「上期の実績について、計画に対する進捗状況の報告書を月末までに報告してください」

・どうも計画通りには進んでいないと判断した部長は、どの部署に問題があるのかを知りたくて「各自、進捗状況と問題点についてすぐに報告すること」と指示を出したのです。

・他社と共同で何かの事業を計画している時に、相手の会社の進行の状況を確認したくて、先方の代表者に出したメールです。

「懸案の件に関しまして、その後の進捗状況はいかがでしょうか?」

ご足労(ごそくろう)

相手のところに出かけると、「ご足労をおかけしました」などと丁寧にお礼を言われる場合があります。

「わざわざお越しいただき、ありがとうございました。」という意味なのです。

辺ぴなところや遠方から来ていただいた時に、感謝を込めてお礼を言う時のフレーズです。

このように、わざわざお越しいただくことを、相手に敬意を込めてこのように表現するのです。

よく知っている友人なら、「わざわざありがとう」という簡単な言葉でも感謝の気持ちは伝わりますが、親戚の法事に来てもらった親戚・知人などには、やはり「大変ご足労をおかけします」などと丁寧に言うようです。

来ていただいた感謝を込めているのです。

「ご足労」という言葉には、本来ならこちらが出かけなければいけないところを、相手にわざわざ来ていただいたことに対して、感謝の気持ちを表すための言葉なのです。

この意味をしっかりと理解したうえで、相手の行動を敬いねぎらいの言葉をかける意味だと知っておくべきです。

使い方

・ある会社の新商品発表会を、自社のパーティー会場で行うことになりました。

しかし、当日は朝から激しい雨に見舞われました。

そこで発表会の司会者が「本日は、お足元の悪い中をご足労いただき、誠にありがとうございます。」と感謝とお礼を伝えたのでした。

余談ですが、この「お足元の悪い中・・・」という表現は、近年差別用語に当たるということで、表現を控えることも多くなりました。

さらには、脱線ついでに、十分な配慮が行き届かずに失礼をしてしまうことが会った時に、「大変片手落ちのことで・・・」などという「片手落ち」も、差別用語になるのです。

「お足元の悪い中」「片手落ち」は、やはり近年では注意して公の場では別の言葉に置き換えるのが良いかも知れません。

「お足元の悪い中」は「あいにくの雨の中」「お足元が滑りやすい中」に、「片手落ち」は「配慮が行き届かず」などに言い換えることができます。

・打ち合わせのためにお越しいただいた相手に対して、「本日はお忙しい中を弊社までご足労頂きまして、ありがとうございます。」

・何かの集会に招待した相手に対して、「この度は御足労をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。」

恐縮(きょうしゅく)

「恐縮です」この言葉も、社会人になってよく使うようになった言葉です。

ビジネスのシーンでは、よく見聞きする言葉ですが、単に「恐れ入る」という意味だけなのでしょうか?「恐縮です」とは、「恐れ入ります」という意味だと理解していますが、どのような場面に使うのが良いのでしょうか。

そもそも、「恐縮」というのは、自分にとっては過分と思われる目上の人の行為に対して、感謝の気持ちを表す挨拶なのです。

「恐れ入ります」とは相手の行為にたいする敬意を伝える言葉なのです。

自分のせいで相手に何か迷惑をかけてしまう時に、感謝の気持ちを表現しているのです。

「恐れ入りますが・・・」とは、何かの行為を目上の人やお客にお願いする時の表現であって、相手の気持ちを不快にさせないでお願いを聞いてもらうための、柔らかな表現なのです。

この言葉には、謝罪の意味は含まれてはいません。

あくまでも、相手が不快に思わないように配慮した表現なのです。

これに対して、「恐縮です」は相手に迷惑をかけて申し訳ないという感謝の気持ちを表現したものです。

「恐縮です」の使い方で、目上の人から褒められたときに使う場合もあります。

自分には過分に思うくらい褒められた時には、「ありがとうございます」だけでは言い足らないと感じる時もあります。

単に感謝するだけでなく、謙遜さも伝えた方がお礼の言葉としてふさわしいと思います。

そんな時にこの「恐縮です」がより良い印象を与える言葉として多く使われるのです。

使い方

・定年退職した先輩から、息子の結婚のお祝いを頂いた時に、「結婚のお祝いをいただきまして、大変恐縮しております。」

・趣味でやっているあるサークルに、わざわざある著名な先生がやってきて指導をしてくれたのでした。
「親切なご指導をいただきましたて、一同たいへん恐縮しております。」

・会社で新しい顧客を開拓して売上を大幅に伸ばしたことに対して、部長からお褒めの言葉を頂いた時に、「恐縮です」

・お得意先から、先日お届けした商品の状況について、詳細に報告が届いた時に、相手の担当者に対して「ご丁寧なレポートをいただきまして恐縮しております。」

・出張から帰ってきた上司から、現地のお土産をいただいた時に、「恐縮です」

自重(じちょう)

自重の意味は、①自分の品性を大事にして卑下しないこと、自尊の意味と、②言動を慎んで軽はずみなことをしないことの意味があります。

また、③その人の健康を心配して注意を促す、つまり自愛の意味もあるようです。

ビジネスのシーンでは、何か失敗をした部下に対して、言動を慎んで静かにしていろと注意する②のシーンで多く使われるようです。

同じような言葉として「自粛」というのがあります。

どちらも何かの行動を慎むという意味合いが含まれているようです。

使い方

・結婚もしないで遊び惚けている息子に対して、「そろそろ自分の将来を考えて、自重した方が良いぞ」と自分を大事にしろと注意したのです。

・社内でみんなが眉をひそめるような行動をする部下に対して、「おまえは、もう少し自重した方が良い」と忠告しました。

・忙しく動き回っている知人に対して、「お忙しいようですが、何卒ご自重ください」

留意(りゅうい)

「留意」とは、あることに関して心をとどめ気を配ること、注意するという意味です。

「留意する」という言い方をする場合が多いようです。

同じような意味で「注意する」という言葉があります。

この「注意する」には、気を配るだけでなく、何かを警戒する、用心するという意味合いが強いのです。

むしろ、忠告するという意味でもあります。

「細心の注意を払え」と危険を警戒させることがありますが、「細心の留意を払え」とは言いません。

使い方

・一日の朝晩の温度の差が激しくなって来た時に、「気温の変化が激しいので、服装に留意しなさい」

・ゲリラ豪雨が多くなってきたので、「電車の運行状況に留意してください」

・お酒を飲み過ぎるようなので、「健康に留意しなさい」

【留意の使い方については、こちらの記事もチェック!】

来訪(らいほう)

「来訪」とは、相手に来てもらうことです。

自分の家や会社に来てもらうだけでなく、どこかの場所で待ち合わせをする時に、そこに来てもらうことも指します。

これも「来訪」です。

これの反対語は「訪問」になります。

誰かに、ここまで来てほしいとお願いする時に「来てください」という代わりに「御来訪ください」となるのです。

使い方

・会社の創立記念のパーティーに、お得意先を招待する文書で、「〇〇様の御来訪をお待ちしております。

・招待客が会場に到着すると、受付が会場の担当者に「〇〇様がご来訪になりました」と伝えるのです。

堪能(たんのう)

「堪能」とは、十分に満足したことを表す言葉です。

美味しいものを食べてから、この料理に堪能したと喜びを表現するのです。

「堪能」は、「かんのう」とも読みます。

この時の意味は、「技術や学問などの才能が優れている」ことを表します。

この「堪」という文字は、優れているという意味を持っています。

だから、「あの日本人の子供は、小さいのにフランス語も堪能(たんのう)だ」とその才能を褒める時にも使います。

本来なら、堪能(かんのう)だというべきなのですが、たんのうという方が一般的になっているようです。

使い方

・「一度は食べたいと思っていた郷土料理を、じっくりと堪能した」

・「家族旅行でハワイの夏を堪能した」

・久しぶりに休暇を取って「日本海で船釣りを堪能した」

以降(いこう)

「以降」とは、日常でも良く使われる言葉です。

「18日以降に延期されました」などという表示に、18日は含まれているのかという素朴な疑問を持つこともあります。

「以降」とは、その時(その日、その時間)からずっと後という意味です。

この例では、18日も含んでいるということになります。

同じように「以後」という言い方もありますが、「以後」は正確には日時は分からない場合に、ある出来事が解決した後でという意味が強いようです。

使い方

・「5日以降であれば、いつでも商品をお渡しできます。」

・「次回以降は、作った診察券をお持ちください」

ちょっと難しい言葉を覚えるとカッコイイ!(まとめ)

ちょっと難しい言葉も知っていれば、何かの時にも役立つことが多いようです。

「あの人は、結構もの知りじゃないか」「難しいこともよく知っているね」などと周りの人から感心されることもあります。

ちょっと自慢できますね。

今回の難しい言葉は、ぜひ覚えておいてほしい言葉でもあります。

いろんな場面でもよく見かけるし、あなたがスピーチしたり手紙を書いたりするときにも役立つことでしょう。