情緒不安定を辞書で調べてみると、
・心情が安定しないさま
・感情の起伏が激しいさま
というように載っています。
要するに自身の気持ちや感情をしっかりとコントロールすることが出来ず、ちょっとした日常の出来事や相手からの言動によりイライラ感を覚え、それによって強い不安感に悩まされてしまう症状といえるでしょう。
では情緒不安定についての8個の特徴とその対処法を紹介していくことに致しましょう。
不安定になる原因とは?
普段はそれほどでもないはずなのですが、情緒不安定な人はひょんな事からその症状を発動させてしまうようです。
本当に周囲の人たちからみたら「?」と思えるような些細な事でもこの症状を引き起こしてしまいます。
まさに予測不可能といった状態なのです。
よって情緒不安定な人がその症状を引き起こしてしまいやすい原因というのは一つや二つの安易な原因では、片づけられません。
その原因のヒントなるべき情緒不安定な人の特徴を見ていくことに致します。
情緒不安定な人の8個の特徴
まず、情緒不安定な人の特徴を見ていくことにしましょう。
勿論、それらの特徴には複雑に絡んだ原因が隠されています。
その原因が何なのか?も読み取れるよう、紹介していきましょう。
1.感情の浮き沈みが激しい
情緒不安定な人に最も多く見られる症状です。
ちょっとした事や相手との話の途中で突然、感情の高ぶりが起こり、制御不能となって激高したり泣きわめいたりと手の付けられない状態に陥る事をいいます。
そしてしばらく時間が経てば何事もなかったかのように急に大人しくなる。
まさに情緒不安定の代表的な症状がこの感情の浮き沈みの激しさなのです。
この症状、当人にとっても突発的に起こってしまう事なので起こってしまうと自分でもどうやったらいいのか対処の仕様がありません。
まさに制御不能とはこの事か、というくらいの激しさで感情を露呈させてしまうのです。
悲しみや怒りの感情が強い
情緒不安定な人は、特に悲しみや怒りといった負に連鎖するような感情を抑えることができないのが特徴です。
物事を常に悲観的に考えてしまい、それが自分自身の身に一身にふりかかってくる、どうして私だけがこんなに辛い目にばかり会わなければならないんだ、という被害者意識も人一倍に強いようです。
この感情はいかなる場面でも、いかなる相手と会話をしていても起りうる症状のようなのです。
2.感情のコントロールができない
感情の発散を抑えられたらいいのですが、情緒不安定な人は自身の感情をコントロールすることが全く出来ないのです。
多くの人は対人関係上、自身の感情を抑える行動を常とし、同時に必要な範囲内で自己の感情コントロールを行っています。
特に相手に対して「負」のイメージを与える「怒り」や「憎しみ」「憎悪」といった表現は特に表に出さないように自制するよう心掛けています。
ところがこの行動を情緒不安定な人は出来ないのです。
ただそれが出来ないからといってその人たちが不完全で未熟な人間であると結論づけることは出来ません。
情緒不安定でも学業や仕事の面では優秀な人もたくさんいます。
ただ、自己の感情コントロールを人前で出来ない、という事だけなのです。
精神的に疲れている
情緒不安定な人は、絶えず精神的に疲れた状態ともいえるでしょう。
気分の浮き沈みというものは誰にでもあります。
ただ、多くの人はいくら怒りがこみ上げてくるような事態が起こっても「我慢」という別の感情を脳に取り入れて、何とか自己の感情が崩れてしまわないよう、調整しています。
しかし、情緒不安定な人は、この感情コントロールが幼少の頃から上手にできず、そのまま大人になってきてしまっているのかも分からないのです。
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3.考えすぎる
情緒不安定な人は、とかくどんな些細なことに対しても必要以上に考え込んでしまうようです。
そこまで考え込むのなら何か名案が浮かんでもよさそうなものなのですが、結局そういう展開にはいたらず、自身の心をますます不安感でいっぱいにするという悪循環を犯してしまっているのです。
自分の気持ちを整理するのが苦手
一般的に一つの物事を処理しようと思えば、人間はどうしたら解決できるだろう、といくつかの案を出し、それを一つずつ潰していって最善と思われる解決方を導き出そうとします。
仮にその方法ではじき出した解決法がうまく作動しなかったとしたら、今度は別の方法を考えます。
つまり最善の方法を導き出す間に何度も失敗を繰り返しているわけです。
そして、それらの失敗は成功するための礎だという捉え方を小さい頃に教えられているはずなので、そのことについてクヨクヨしたりすることはありません。
その行為を情緒不安定な人は受け入れられないのです。
気持ちの整理を上手に行えないがために常に何かに対して不安な感情を抱き続けているのですね。
4.パニックになりやすい
情緒不安定な人は、自身の目の前に降りかかってきた出来事に対しての許容量の大きさが小さいようです。
そのため、すぐにどうすればいいのか分からない状態に陥りやすく、俗にいう「パニック」な状態になってしまうようです。
この傾向は自分が子供だった頃から変わらない傾向で、大人になってもいまだに引きずっていることが多いようです。
すぐ感情的になりどうすればいいか判断できなくなる
自分でも「カッ」となりやすいのは分かっているようなのですが、如何せん、それを抑える手立てが掴めないようです。
本人には勿論、悪気はないのでしょうが、相手からしてみるとどうしてこれくらいの事で感情的になるのか?という風に受け取られてしまうようです。
感情的になる、という事は周囲から怒りやすい人、すぐキレる人、というレッテルを貼られてしまっているという事ですね。
人間関係を構築していく上では不利になることだらけです。
しかし、本人もどうやったらいいのか分からないのが本音なのです。
5.優柔不断
情緒不安定な人に見られる特徴の五つ目は、「優柔不断」です。
何かにつけて即断即決が出来ません。
飲食店に食べに行ってもメニューをいつまでも眺めて、なかなか料理を決められないパターンの人になりますね。
優柔不断さは情緒の不安定さにも大いに影響しているようですね。
自分に自信がない
優柔不断の原因、結局それは自分に自信がない事に繋がってしまいます。
自身というのは一日にして身に着くものではありません。
何度も何度も失敗を繰り返し、それでもめげることなく挑戦し続ける意気込み。
この執着心というか失敗してもどんどん前に進んでいける不屈の精神がやがて自身に繋がっていくのです。
優柔不断な人は、簡単に物事を諦めてしまいます。
また争ってでも人と競争して欲しいものを勝ち取るという気概もありません。
これではいつまでたっても真の自身は身に着きませんね。
自信を植え付けるためには何十回でも何百回でも挑戦し続ける気持ちさえあればいずれ勝手に身に着いてくれます。
でも何もしないで自然と身に着いてくれることはまずありません。
自分の手を汚したくないからか、自尊心を傷つけたくないからか、は分かりませんがとにかく自身のなさが情緒を不安定にさせてしまっているのは明らかなようなのです。
6.何事も長続きしない
情緒不安定な人の特徴の六つ目は「長続きしない」という事です。
長続きしないから、自信もつかない、という悪い循環になってしまうのですね。
根気が足りていないと言われても仕様がないかも分かりません。
何かに取り組んで長続きさせられるかどうかは、幼少期の体験も大きな影響を持っているでしょう。
根気が育まれる素養は子供の頃にいかに興味を持ってやることが出来たか。
その部分にかかってくるからです。
幼少期からの行動規範がそのまま今も受け継がれてしまっているといえそうですね。
1つのことを集中してやり続けることができない
一つの事に足して興味を持って長続きするためには、「成功体験」が欠かせません。
そしてどんなに小さな成功であってもそれを一緒に喜んでくれる親の存在も欠かせません。
子供は自分でも「出来る」と思えば興味を持ってどんどんのめり込んでいきます。
そしてそれを親がタイムリーに「褒めて」上げれば子供の達成心はますます強化されておおいきます。
しかし、子供の頃にそういった体験を積んでいないと、大人になってからでは手遅れです。
ちょっと失敗したりしくじったくらいですぐにやる気が失せてやめてしまうのは子供の頃にやり遂げる楽しさを味わう事ができなかった悪弊でしょう。
これは子供だけの責任とも言えない部分もあります。
つまり親の躾方に正しさがなかったとも言えるのです。
一つの事をやり遂げるための集中力がないのなら、確かに気持ちは散漫とし、しんどい事から逃げ出そうとするのは当然でしょう。
それを無理にでもやらそうとすれば自我との葛藤が起こり、反発したい気持ちとそうさせてくれない世の中の常識との間で複雑な戦いが心の中で起こり、つい感情的になってしまう。
集中力というのはそれほど人格の形成には重要な要素という事なのです。
7.人の目が気になる
情緒不安定な人の特徴の七つ目は「人の目がきになる」ということです。
この部分にも自分の自身のなさが顕著に表れてしまっています。
多少なりとも人付き合いを行い、人生何とかなる、と腹をくくれていたら思い悩むような問題ではないはずなのですが。
情緒不安定になってしまっている人は、自分の事が他人にはどう思われているのか、絶えず気になっている節があります。
どうして気になってしまうのか?そこに自身が情緒の安定化を図れない部分が見え隠れしていると言えるでしょう。
つまり自分の事を良く思ってもらいたい、構ってもらいたい、という欲望が常人以上に心の中に潜んでいるからです。
不安で頭がいっぱいになる
だから、情緒不安定な人は絶えず、不安感を心に宿しています。
自分の事を良く思ってもらいたいのは人間ならば誰でも思う、普通の感情でしょう。
しかし、時として人間は悪い感情を持たれてしまう事もあり得ます。
本人の認識不足もあるでしょうが、良かれと思ってやっていたことが、実は世の中の誰からも受け入れられない常識外れな行為だったりしているかも分からないのです。
通常ならば、人格が成長し形成されていくはずの7歳前後くらいまでに親を通じて、やっていい事、悪い事の区別を教えられます。
いい事をやった場合は褒められる。
悪いことをやった場合は叱られる。
これの繰り返しを経験することにより子供の心は人間と付き合っていくための最低限の基本を身に着けていくはずです。
しかし、大人になっても人の目が気になって常にビクビクしているというのは幼少期において正しく受けていなければならなかったはずの心の教育が歪んでいたか、強圧的・暴力的に押し付けられてしまって正常な自我の目覚めを妨げられてしまった可能性もあり得るでしょう。
こうなってしまったら、自分でもどうやって矯正したらいいのか分からないはずです。
あなたの持っている価値観が間違っていると頭ごなしに言われてしまったら、あなたの心はますますパニックを起こすでしょう。
「怖い」「恐怖」といった感情を深層心理に宿してしまっては人と対等に付き合うのが上手くできないのも無理のない話しなのです。
8.趣味を持っていない
情緒不安定な人の特徴の八つ目は「趣味を持っていない」という事です。
人間はどんな人でも世の中に出ればいい事ばかりがあるわけではありません。
むしろストレスを抱えるくらい、嫌な事の方が多いかも分かりません。
だからこそ、それらの嫌なことをいっときでも忘れ去り、違う世界に頭を切り替えるために「趣味」というものが存在しているのです。
趣味は人間の心にゆとりと安らぎを与えてくれます。
好きな事が趣味になるわけですからそれをやっている間は楽しい気分に浸れます。
脳からも楽しさを満喫できる物質が分泌され私たちの心身を健やかにしてくれます。
趣味とはそれくらい、ギスギスした私たちの日常を是正し心に清らかな清涼水を与えてくれる有難いものなのです。
没頭できるものがないため考えすぎてしまう
しかし、情緒不安定美なってしまっている人は何をやっても長続きしないため、はまる趣味を持つことがなかなかできません。
人間、何かに熱中して没頭すれば気持ちが無の心境に近くなり、心が表れ人と接するのも新たな清々しい気分で接することが出来るものです。
ところが情緒不安定な人は、何かを始めようと思って手をつけてもイライラ感がすぐに起こり、物事に集中できません。
しまいには自分が思うように出来ない事を親しい人に八つ当たり(多くは自身の親)し、欲求不満の解消を行います。
とどのつまり、親離れが全然できていない事を露呈してしまう羽目になるわけです(親も子離れが出来ていないケースが多々あるようです)。
これでは何かに打ち込んだり没頭したりする以前の問題になってしまう訳なのですよね。
心の充足感を早く見つける手段を発見出来たら、気持ちは大きく変わるはずなのですが。
情緒不安定の対処法
それではここからは、情緒不安定になってしまっている人の症状を何とかして和らげることを考えてみましょう。
情緒不安定は昨日今日かかった簡単なものではありません。
その人の幼少期から積み重なられてきた人生の教訓・経験・親からの教育・躾などが複雑に絡み合って構成されてしまったものだからです。
ちっとしたくらいの簡単な助言や知恵程度で治ってしまうようなものではありません。
私もこれまでの人生において自分自身の事、それまでの職場の同僚、家庭環境を顧みると多かれ少なかれ、似たような事象があったと確信しております。
それらの体験を思い出しながら対処法と言うまでにはおこがましいですが、私なりの意見を書いてみたいと思います。
食事と運動で対処
まず一つ目に思い浮かぶ対処法は「食事と運動」です。
人間の健全な生活において「食べる・寝る・運動する」は欠かせないものです。
どれか一つが欠けてしまっても成長バランスは大きく崩れ心身の健やかな育成に悪影響を及ぼすでしょう。
まず人間は生きていくために食事をしなければなりません。
「食べる」こと。
この行為は人間のみならず全ての生命が死ぬまで行わなければならない必須の行動です。
そして食べたら、運動です。
食べてばかりで満足な運動を行わなかったら脳の活性化は図れません。
脳細胞の死滅を速めてしまい若いうちから老人化した頭になってしまう可能性もあるでしょう。
栄養バランスのとれた食事と適度な運動は血行をよくし新陳代謝の促成を促し、心身の発育になくてはならない効果・効能を発揮してくれます。
どちらかが著しく欠けてしまうと人間の心の部分にも悪影響を及ぼすだけに食べる事と運動する事は疎かにしてはいけない事なのです。
ストレスを解消させる
食事も運動も、どちらも私たちのストレス解消に大きな役割を担ってくれています。
食事をすることによって身体に必要な栄養素を採り入れ、運動を行う事によって代謝機能をアップさせています。
これらの身体の働きによって私たちの身体は免疫性を保ち心身の発育、成長に必要な栄養を体の各部に送り込むことができます。
しかし、食事で摂る栄養素が偏ったり、少な過ぎたり暴飲暴食になってしまったりすると、バランスの取れた体作りに支障をきたしてしまいます。
そこにプラスして運動不足となると万病の元である肥満を防ぐことが出来なくなってしまいます。
情緒不安定の一因に、甘いものの摂り過ぎはよくありませんが適度な糖分の補給は疲れた脳への格好の休息効果も与えてくれます。
そのためにも食事は三度に分けてしっかり摂らなければなりません。
反対に無理なダイエットもストレスを増大させる元です。
栄養バランスも崩れやすくなるのでほどほどにしていただきたいところもあります。
情緒不安定の対処のためもありますが、心身の健やかなバランスを保つためにも食事と運動をもう一度見直してみてはいかがでしょうか?
1人で行動する
情緒不安定な人がその症状を発してしまう最大の要件は、人間関係です。
他者との関わり合いで自身の自我をうまくコントロール出来ない為に、期待しない情緒不安定な症状が発生してしまうのです。
ならば、思い切って自身を人のいない環境に身を置き、極力他者との接触を避けてまわる、というのも一つの手かも分かりません。
ただ、成人した今の身となってはかなり困難な対処法ではあります。
これでは引きこもりを奨励しているようなところもありますからね。
よって、自身を1人にする環境を一日のうちでいつに設定するのか、にかかってくるでしょう。
人に気を遣わない環境を作る
情緒不安定な症状も時間をかけて根気よく対処していけば、徐々にでもその効果は表れてくると思われます。
だから段階的に人との接触のタイミングを増やしていけばいいのではないでしょうか?
もしあなたが接客や営業系の仕事をされていたのなら、思い切って転職を計り余り人との接触が多くない職種に変更するというのも一つの手かも分かりません。
もしくは社内の異動をお願いしてみるかです。
本来ならば人と関わり合う職業に就いて働くことは自分自身の成長と人間性の育成のためにはすこぶる都合のいい環境といえます。
しかし、無理をしてやり続けたらあなたの情緒不安定が更に悪化して、対人恐怖症や自閉症にまで発展してしまう可能性も否定できません。
今の職場の状態のままで何とかなりそうならいいのですが、それが元で食事も喉を通らないというような事態にまで行ってしまっては一大事です。
自身の今の環境を冷静に降りかえってどうすれば自分にとってべストな行動なのか、じっくり吟味してみましょう。
しっかりと睡眠をとる
食事と運動のところでもチラッと書きましたが、人間にとって睡眠も不足させてはいけない重要な役割を担ったものなのです。
私たちの脳は24時間以上の稼働には耐えられない仕組みになっているようです。
あなた自身も自分の集中力がどれくらい続くのか試した事があるのではないでしょうか?ところが人間の集中力の持続性は驚くほど、長時間の作業には耐えられないようなのです。
例えば受験勉強。
若かった10代の頃は結構、机に長くかじりつくことも出来ていました。
しかし、長い時間、机に向かっていたからといって脳の活動のピークはそれほど持続していないのです。
人間のマックスの集中力はせいぜい60分くらいが限度。
それ以上、頑張ってみたつもりでいても生産性はジワジワ下降しているのです。
だから、疲れてしまっている脳に適度な休息を与えてあげないといけないのです。
睡眠が足りないと思考力が低下する
例えば明日、大事な会議の資料を使用するため、今日中に作成しなければならなかったとします。
今日は徹夜で資料作りをやらなければなりません。
さて果たして徹夜作業でまとまりのあるバッチリの資料を一晩で作成できるでしょうか?
夜中は誰でも眠くなります。
脳が休息を求めているからです。
そんな時に脳をフル回転させて効率のいい仕事をやろうと思っても無理があることは百も承知でしょう。
そういった状態の時は思考が完全に停滞しています。
当然ながらそのような時に重要な判断を下す作業はできません。
やろうと思えば余計にイライラが募るばかり、自然と情緒も不安定になってきます。
よって十分な睡眠をとりましょう。
まずは寝ることです。
眠って脳に休養を与えることです。
ただ、あまりに長時間の睡眠は脳の活動を妨げる恐れもありますね。
自分の最適な睡眠時間を掴みましょう。
適正な睡眠時間を確保して活動中はイライラ感が募ってこないように脳にゆとりを与えましょう。
褒めてあげる
情緒不安定な症状に悩む人は、幼い頃から親からの愛情をたっぷりもらっていたのでしょう。
よって自身が褒められる事に至上の喜びを感じるようになっているのです。
それは親であろうが友達からであろうが。
しかし、反対に叱られたり怒られたりすることに対する免疫がありません。
それは子供の頃からそうやって育てられた背景があるからなのですが、社会人になった今でも、その傾向が改まりません。
だから、本人は人知れず苦しんでいるのでしょう。
こうなってくると自然に「自分は世の中の役に立たないダメな人間だ」というレッテルを自分に貼りつけてしまいます。
こうなってしまうと情緒不安定さはなかなか改善されてきません。
自身が抱えている自分に対する思いの払拭が最大のテーマとなってきますね。
自己否定のイメージを取り除く
まず、些細な事でもどんな事でもいいですから、物事を悪く捉える癖を見つめ直しましょう。
要するにネガティブ発想からポジティブ発想への転換です。
しかし、生まれてこのかたずっとネガティブ思考でもって自己否定を繰り返してきた人間が一朝一夕で発想の転換ができるほど、情緒不安定の是正は簡単な事ではありません。
しかし、人生のどこかのタイミングでやらないとあなたは永遠に自己否定の情緒不安定人間で終わってしまいます。
そうなりたくないのなら、思いっきり意識して自身の発想の転換に着手するべきでしょう。
とにかくどんな事でも「いいように」考えましょう。
「感謝」しましょう。
「ありがとう」を言いましょう。
悪いことをしたら素直に「ごめんなさい」と言いましょう。
まずはそこからです。
この言葉を無理をせずスムーズに言えるようになれば、あなたの情緒はかなり安定してきているはずだと思いますよ。
不安なことを紙に書く
情緒を安定させる方法の五つ目は「紙に不安な事を書く」という作業です。
聞いただけでは小学生にさせるような簡単な方法のように聞こえますが、案外この方法、リラックスできるのですよ。
人間は五感をもって様々な情報を脳に伝達します。
それらの情報を基にして脳は体の各部位に指令を伝達します。
熱いものを触ったら放せ、いい匂いを嗅いだらお腹が減る、という具合ですね。
さて情緒に不安のある方は、脳への伝達手段が読む、聞く,話す、に偏っているとは思いませんか?つまり日常会話のレベルだという事です。
そこに「書く」という作業をプラスするのです。
この「書く」と言う作業。
思った以上に心が落ち着きます。
最近は書店で「般若心経」を模写する冊子が結構売れているとも聞きます。
また「大人の塗り絵」という本も良く売れているようなのです。
いずれも書くという作業を通して脳に変化や刺激を与え知的な好奇心を育んでく方法といえるでしょう。
書くことでストレスが軽減
昔は教育の基本は「よみ」「かき」「そろばん」でしたね。
読んで覚えるだけでもダメ。
書いて覚えるとなお良し。
算盤を使って手も動かしながら声も出して行えば更に頭に入る。
と、こういう訳です。
つまり書くことによって聞いただけの知識がよりハッキリとあなたの頭の中に入っていくことになります。
これを続けていくと不思議と心が落ち着き精神の安定を見ることができます。
だから般若心経の本があれだけ人気を呼ぶのでしょう。
戦国時代の武将、徳川家康も心を落ち着けたり鎮めたりするときは般若心経を書きなぞっていたそうです。
書くことは思わぬストレス発散の効果を与えてくれるのですね。
趣味を持つ
情緒不安定な人の対処方、最後は「趣味」です。
特徴のところでもご紹介致しましたように、情緒不安定な人はこれといった趣味を持っていません。
でもここは情緒の安定化を図るために是非とも趣味の素晴らしさを再認識してもらうべく、何かを初めて貰いたいところです。
趣味に没頭して考える暇を与えない
情緒不安定な人にとってどうして趣味がいいのか?それは人間、好きな事に没頭すると時間の経つのも忘れて一つの事に熱中できるからです。
勿論、何かに熱中している間は情緒が不安定になる心配などありません。
目の前でやっていることがあまりに楽しいからそれどころではないのです。
趣味はあなたに「楽しい」という気持ちを思い起こさせてくれます。
人間の情緒は楽しい事、嬉しい事などが多ければ多いほど、安定してくるのは自明の理ですよね。
あなたの心は以上の対処法を実践することによって復活することは可能なのですよ。
最後に
如何だったでしょうか?情緒不安定についてその特徴や対処法などを紹介させて戴いました。
情緒不安定は病院に行けば一種の病気の一つとして治療の対象になるかも分かりません。
しかし、本人に情緒不安定な症状から脱却したいという強い意志があるのならきっといい方向に向かっていくことと信じています。
絶対に治らない症状ではありませんからね。
情緒不安定は。
カウンセリングを受けてみよう
もし、本格的に情緒不安定な症状から脱却を試みようと思うのならば専門の病院でカウンセリングを受ける、という手段もあります。
一人で思い悩むよりも専門の先生に診察してもらって、いろいろなアドバイスをもらえばきっとあなたにとっては心強いアドバイスとなるでしょう。
ただ、短期間でどうこうしようと思ってもそうは問屋がおろさないのが情緒不安定の厄介なところです。
気長にゆっくりと焦らずに対処していきましょう。
あなたの志次第できっといい方向に向かっていくと強く信じることから始めましょうね。