携帯電話やスマホの普及により今どきの中高校生たちは生まれながらにして、

それらの機種が身近にあるのが当たり前の時代となりました。

そして、携帯電話やスマホにはメールやLINEという便利で簡単な意思伝達手段が備わっています。

これを利用すれば手軽に素早く正確に、相手に自分の意思を伝えられます。

本当に、こんな便利なものが世の中に出ているのですから、

従来までの意思伝達手段の主役だった手紙が廃れていくのもやむを得ないのかもわかりません。

しかし、依然として手紙を使用する機会がなくなることはありません。

それは、やはり手紙を書いて相手に郵送する際の書式や決まり事が今の時代になっても欠かすことのできない、重要な役割を持っているからでしょう。

タイトルにもありますように手紙における書式の代表例、

「前略」や「拝啓」「敬具」など、現代っ子が使ったこともない書き方を紹介していきたいと思います。

PCやスマホの普及でメールが主流になった現代

今は2017年。平成になってもう29年目です。

昭和の末期あたりに誕生したPCや携帯電話は、この30年余りの時間で超飛躍的な発展を遂げました。

PCやスマホさえあれば、ビジネスでも日常生活でも、ほとんどが事足る時代となっています。

相手に自分の要件や意思を伝える「手紙」という手段も格段に様変わりしました。

メールを使えばあっという間に相手に自分の要件を伝えらえますし、料金的にも切手を貼ったりする手紙に比べてはるかにお得です。

これでは、ほとんどの人が手紙をあまり利用しなくなるのも無理はありません。

しかし、ビジネス社会や一般家庭の冠婚葬祭に関しては、相変わらず手紙の役割は生き残っています。

特に日本古来より引き継がれた手紙の書き方については少しも退化していないのです。

手紙を書く機会が激減!

確かにPCやスマホの浸透により、手紙を書く機会は大幅に減ってきました。

スマホのボタン一つをクリックするだけで簡単に要件を送れます。

手紙のようにいちいち封筒と便せんと切手を用意する必要もありません。

ポストまで持っていく必要もありません。

手間も費用も大幅に削減されているのですから、万人が使うのも当たり前なのです。

ところが、格式を重んじなければならない場面での使用に関しては、手紙の書き方が求められます。

例えば、結婚式の招待状。

会社の創立記念日のパーティの案内状。

暑中見舞いや寒中見舞いのハガキ、などなど。

社会の中には正しい書き方に則った手紙の書式が必要とされている場面は無数に存在しているのです。

書き方を知らない・分からない人も多いはず

今の時代、果たしてどれくらいの人がきちんと正しく手紙を書く作法を理解しているでしょうか?

学校に行っていた時に教えられたかもしれない、という事は何となく覚えていても、

その後、手紙を書く機会などなかったために、すっかり忘れている人の方が多いのではないでしょうか?

手紙を用いる大きな要件は「お礼」「お詫び」「挨拶」「案内」などといった事案になります。

これらは人間生活上の正式なマナーであり、欠くことのできない常識となるからです。

手紙の書き方というのは、ある程度経験すれば別にどうってこともないことなのですが、

初めて、それも大事な人の元へ書くとなれば、かなりの緊張感を伴う事にもなるでしょう。

やはり、いざという時のために、最低限必要な書き方のルールは知っておいた方がよさそうですね。

覚えておくべし!使い方

やはり社会人となったなら、手紙の書き方はマスターしておくべきでしょう。

会社でのお得意先との慶弔事は重要な仕事の一環となります。

その時にルールに則った書き方もできていない手紙をお客様のところに送ってしまったりしたなら、とんだ恥さらしになってしまうでしょう。

会社のメンツ、丸つぶれになる恐れもあるでしょうね。

では、これから社会人が最低限、知っておいてほしい手紙を書く際のルールを見ていきたいと思います。

「前略」の使い方

それではまず「前略の使い方」からみていきましょう。

手紙の書き出しに使う頭文字

前略は手紙を書きだす一番最初に書く頭文字であり、

これを使えば、面倒な最初の書き出しの定型的な挨拶分や時効の挨拶などを省く効果があります。

そもそも手紙というものは、友人や親しい間柄の人に書く場合は、それほどルールに縛られる必要はないでしょう。

「前略」もそのような間柄の人に用いるべき頭文字なのです。

しかし、目上の人や特に敬意を払うべき人に書く頭文字としては使用してはいけません。

そこが、日本語のややこしいところであり、難しいところなのでしょうね。

前略は英語で例えたら「Dear frend~」といった意味合いの頭文字という意味合いだと思ってもらえたらいいでしょう。

季節の挨拶文を省略して本題を書き始める時に使う

「前略」は、季節の挨拶文を省略した頭文字です。

季節の挨拶分というのは、例えば

「新緑の候、皆さま方に至ってはいかがお過ごしでしょうか」や「新春の候、貴社ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」

といった、ちょっと格式ばった、古いイメージを与える書き出しの決まり文句のことです。

「拝啓」や「謹啓」で書き始めたならば、そのあとに必ずこれらの挨拶文言を続けなければなりません。

何故?という疑問はこの際、置いときましょう。

それが日本語であり暗黙の了解ということになっていますので。

とにかく、前略で始めたらいきなり本文から書きだしてOK,と解釈しておきましょう。

「拝啓」の使い方

では、次に「拝啓」の使い方です。

ビジネスの場でも親戚・縁者に出す場合でも、最も使用頻度の高い頭未字がこの「拝啓」でしょう。

本題の前に季節の挨拶文を入れる時に使う

先程もチラッとご紹介致しましたように「拝啓」を使用する場合は必ずそのあとに季節を表す挨拶言葉を続けます。

季節を表すのですから、当然ながら暑い時期時は暑さを象徴するような言葉を、寒い時期には寒さを表現するような言葉を用いなければなりません。

よく使われる言い方を紹介してみますと、

冬ならば、「厳寒の候」「新春の候」など。

春ならば「桜が咲きだし~」「陽春の候」など。

五月にならば、「薫風の候」「風さわやかな頃」。

真夏の頃には「猛暑の候」「盛夏の候」など。

秋になれば「紅葉の候」「霜降の候」など。

日本語には実にバリエーション豊かな四季を表す言葉があるというのを実感することができますね。

拝啓と使ったならば、必ずこれらの季節を表す挨拶文言から開始します。

理屈ではなく常識として用いるようにしましょう。

『謹んで申し上げます』という意味

「拝啓」という頭文字の意味は「謹んで申し上げます」という意味合いになります。

つまり相手に対して敬意を払い、尊敬と感謝の念を両方込めた意味合い、ということになるでしょう。

「従来通り、懇意にお願いいたします」といった具合で、今後も良好で仲の良い関係を築き続けたい関係でありたい相手に使用する言葉ですね。

勿論、相手を持ち上げている意味合いもありますから、常に丁重で丁寧な文章の手紙の内容になっていなければなりません。

決して友達言葉のような慇懃無礼な言葉遣いをされないようにお願いいたしますね。

「謹啓」の使い方

ではしばしば目につくこともある「謹啓」とはどういった使い方になるのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

最初に書く挨拶の言葉で「拝啓」よりも敬意が高い

謹啓も頭語です。

意味合いは「拝啓」と同様で、相手の方に対しての敬意や敬いの気持ちを表現しています。

では、拝啓との違いは何?と聞かれましたならば。

謹啓の方がより敬う気持ちが強い時に用いる、という感じになるでしょうか。

拝啓がお得意様の比較的、年齢の近い方に用いるとするならば、謹啓はそれより目上の人に対して用いる言葉です。

またはより重要度の高い人に用いる言葉ともいえるでしょう。

謹啓で手紙の書き出しを行ったなら、本文を含め、文章全体を統率の取れた同じ語調で閉めなければなりません。

そこが日本語の難しいところでもあり、奥行きを感じさせる部分でもあると言えるでしょうね。

「敬白」や「謹言」でしめる

手紙の決まり事として、頭文字を使った場合は対になる「結語」という終わりを表す言葉を使用しなければなりません。

例えば、「拝啓」で始まったら「敬具」で。

「前略」で始まったら「草々」で。

「謹啓」の場合は「「敬白」か「謹言」を用いなければなりません。

このルールが守られていない手紙を送ることは、正式なマナーに反しており、

相手に対する礼を逸した行為、となってこちら側の非礼を詫びなければならない事態になり得る可能性を秘めます。

それだけ「謹啓」には重い責任と格式が備わっているのです。

「手紙一つぐらいでたかが大げさな」なんていう発想しか出ないのであれば、あなたはビジネスマンとしてアマチュアクラスという事になりますね。

大切なお得意様をもてなし敬う気持ちを持っていない証拠と思われてしまいます。

そういった方はもう一度、一からビジネスマナーを勉強しなおしてくださいね。

「草々」の使い方

「草々」は「前略」で始めた文章の時のみ、使えます。

このルールをしっかり頭に入れておきましょう。

間違っても「拝啓」や「謹啓」などの結語として使用しないことです。

とんだ赤っ恥どころでは済まされなくなることもあり得ますからね。

「前略」で始めた文は「草々」でしめる

「草々」は「前略」という頭文字で始めた文章の時に使う結語です。

他の頭語の時に使用する言葉ではありません。

「前略」とは、書いて字の如し、至急に要件を伝えたい旨の文章であるため、悠長な事項の挨拶を省かせてもらいますよ、という意味合いをもちます。

そのため、いきなり本文から手紙はスタートします。

でも、それが前略の使い方ですからそれでいいのです。

前略で始めた文章は草々でしめます。

これもいきなりの尻切れトンボのような印象を与えてしまいますが、やむを得ません。

早急な要件の連絡を表していますからね。

『取り急ぎ書いた文章ですみません』というお詫びの意味がある

最後に草々でしめるのは、お詫びの意味あいがこもっています。

今回は急なご連絡で本当に申し訳ございません。

次回、早いうちにこの件の埋め合わせをさせていただきます、といった具合になるでしょうか。

メールが当たり前となった今の時代では考えられないくらいのスローな急のお詫びですね。

でも、それは仕方ありません。

当時はいくら最速の手段を使ったとしても電報です。

でも電報では字数制限で思うような表記はできません。

そこで速達にしてでもこのような書式で真っ先に送ったのが「前略」「草々」の文章の役割といったところでしょう。

「敬具」の使い方

それでは「敬具」の使い方についてみていきましょう。

先にも触れました通り、「敬具」は「拝啓」と対を成した文章の締めに使われます

「拝啓」で始めた文は「敬具」でしめる

「拝啓」で始めた文章は必ず「敬具」という結語を使って文章を終了させます。

間違っても「拝啓」で始めた文章の締めを「草々」にしてはいけません。

何故ならば拝啓で始まる文章は内容も改まっており、至急を要するような慌ただしい内容の文面ではないからです。

『謹んで述べさせて頂きました』という挨拶の意味がある

「敬具」で占めている文章には「謹んで述べさせていただきました」といった意味合いが込められており、

相手に対する尊敬や敬意を包み隠さずに表示した文章であることを表しています。

そういった文章を占める役割を受け持つのが「敬具」です。

拝啓で始めているのにうっかり忘れて「敬具」を書き忘れることのないように注意しましょうね。

他にも知っておきたい手紙の書き方


手紙というものは、一つの日本語の文化であります。

格調高い形式美や日本の四季の移り変わりを巧みに盛り込んで時候の挨拶に使うなど、

諸外国には見られない細やかな表現方法と豊かな感受性を感じさせます。

先ほどまで紹介いたしました「拝啓」や「前略」、「謹啓」などの他にも、頭語として「粛啓」「粛呈」があります。

どちらもより一層、「拝啓」よりも敬意を重んじた言葉となります。

それに対を成す結語が「謹言」「頓首」となります。

どちらもより丁寧な印象を与える頭語と結語の組み合わせとなります。

さて、手紙の書き方にはオーソドックスなセオリーがあります。

先程まで紹介してきました「拝啓」や「敬具」などについてはそれらの書き方の中のほんの一つの役割にすぎません。

手紙を書く上での文章全体の構成を把握しておけば、どこに出してもおかしくないほぼ完璧な手紙を書くことができるようになります。

それでは、知っていれば役に立つ、手紙の書き方を紹介して参りましょう。

前文

前文とはここまで紹介してまいりました「拝啓」や「謹啓」などの頭語を含む時候の挨拶や相手への安否、感謝の気持ちを表した一連の文章の事をいいます。

この前文は「拝啓」や「謹啓」を使うことによって初めて使える文章で「前略」から始めてしまう文章には必要ありませんので注意しましょう。

「拝見」などの頭文

前文を書き出すためには必ず「拝啓」や「謹啓」といった頭語を使ってから書き始めます。

一般的な相手が対象の場合ならば「拝啓」の使用で十分でしょう。

しかし、相手が得意先の超重要なところであったり、お世話になった人であったり、

大恩のあるような方であったなら「謹啓」や「粛啓」といった「拝啓」よりも更に丁寧で経緯を評した頭語で書きだす方がいいでしょう。

そういう意味では「拝啓」は同年配同士や仲のいい仲間うちへの手紙でのやりとりなどに使った方が印象はよくなるでしょう。

逆に目上の人や恩師に対して「拝啓」を使うのは、ちょっと礼を逸した行為に映るかも分かりません。

手紙を書き出す時は、相手が自分にとってどれくらい重要な人なのかを考えてから行うことですね。

時候の挨拶


日本には情緒豊かな四季というものがあるおかげで、

手紙の書きだしにはその時の時候や気候具合を簡単にまとめて挨拶文として使用してきた文化がありました。

この伝統は現在も生きており、季節柄を表す挨拶言葉としては申し分ない効果を発揮してくれます。

日常生活でも気候は挨拶に組み込んで使用しますよね。

「今日は暑いですねえ」とか「今日は底冷えがしますね」などのようにです。

お天気を挨拶に用いる要領を書式にして発展させたところに日本の文化の奥ゆかしさを感じる思いが致します。

安否を尋ねる挨拶

手紙の前文には相手の健康状態や現状の安否を尋ねる形式も込められます。

これも手紙を差し出す人の健康や安否を気遣った日本独自の挨拶方法と言えるでしょう。

この時に用いる文章は、当然ながら相手の健康状態がある程度、予測できていることを大前提にして書きます。

なのに、もし相手の方が本当に病気で臥せってしまっているのに「ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」

なんていう感じでやってしまったら、失礼を通り越して人間関係が大きくマイナスに傾いてしまう可能性があるでしょう。

なので、いきなり相手の健康状態を決めつけるような書き出しではなく「お変わりございませんでしょうか」や

「いかがお過ごしでしょうか」など、相手の安否を気遣うような書き出しの方がしっくりくるでしょう。

手紙は相手の様子が見えないだけに細心の注意を払った文言を選ぶ必要がありますね。

お礼やお詫びの挨拶

お礼やお詫びの挨拶文とは、お世話になっている人たちへの遠巻きの感謝の意を込めたお礼の言葉や、

最近、ご無沙汰していて申し訳ありません、といった謝意の意味を込めた文章を書くことです。

これらも前文として用います。

とにかく前文では短い文章の中に、相手の安否や健康事態、今の時候の一言、お礼や謝意の意味を全て含めて書いて行くのです。

人間関係の基本の基本は挨拶です。

いきなり要件から入ることくらい無礼でぶしつけな振る舞いはありません。

正しい挨拶ができるからこそ、健全な人間関係が維持されていくのです。

主文

主文とは文章の中の主な部分であり、要件であり、

書き手の人が手紙を受け取る人に足して伝えたいことの全容が明らかになっている部分の事をいいます。

よって、主文には「いつ」「誰が」「どこで」「何を」「いつまでに」「どのようにして」といった5W1Hの要素が漏れなく、コンパクトに収められていることが肝要となってきます。

それでは、主文について少々、見ていくことに致しましょう。

起語

起語とは「さて」とか「実は」「ところで」「突然ですが」「他でもありませんが」など、

ここから新しい要件が始まりますよ、という合図のような役割を持った言葉です。

本文中にはこのような起語は何回も出てくるでしょうし、頭語の次の展開として使用される言葉でもあるでしょう。

よって、読む側の人が読みやすいように、その文章の内容に合った起語を使用するように心がけましょう。

尚、起語は本文が短い場合は、頻繁に使用するとかえって読みにくい文章となってしまいます。

本文の内容やバランスをよく考慮してその文章に相応しい起語を使いましょうね。

本文

手紙を書く最大の目的の部分です。

この本文をしっかりと分かりやすく書かなければ相手に要件を伝えることができませんし、

それまでの前文段階での文章が意味を成さなくなってしまうでしょう。

本文の長さは、伝えたい要件によってまちまちとなるでしょうが、できれば便箋に1枚か2枚までで抑えたいものです。

それ以上の枚数ともなると、読み手側もそれなりの時間を要しますし、慌てて読まれてしまって、伝えたい事が正しく伝わらない事態も起こり得ないとは限りません。

本文の文章は、簡単明瞭に、且つ、きちんと筋道を立てた文章で書きあげることを念頭に置くべきでしょう。

そして書き終わったならば必ず読み返して、文章全を通して伝えたいことがきちんと書かれているか、支離滅裂になっていないか、誤字脱字の類はないか、などをチェックしてくださいね。

手紙を差し出す相手の人が重要なお客様であったり、恩師であったりした場合は、尚更、注意をして見返すことをお願いいたします。

末文

手紙の文章構成の最後の部分を受け持つ箇所で、「敬具」などから始まる締めの文章、結びの文章という位置づけにあたる箇所のことです。

この末文がしっかりと書かれていないと、いかにもバランスの悪い、体裁のよくない手紙となってしまいます。

重要な顧客に手紙を送る場合は最後の詰めを誤らないようにしておきたいところです。

では、以下に、末文についてもう少し説明を加えていくことに致しましょう。

しめの挨拶

日本の手紙の様式は、最後の最後まで感謝と相手の気持ちを労い慮る言葉でしめます。

例えば、

「お忙しい中、突然のご連絡、申し訳ございませんでした」とか

「まだまだ寒い日が続きますが、皆様方におかれましては風邪などひかぬよう、十分にお気をつけください」など、

とにかく、相手の気持ちを心配し機嫌を伺う口調で閉めるようにします。

さて、手紙に慣れていない方にとったら、何もここまで媚び下って書かなくても良さそうな感じがするのではないでしょうか?

用件だけサラッと書いて送っておけば、それで十分、相手に伝わるはずでは、ともお考えになるでしょう。

しかし、これでは正しい日本語やその表現方法が廃れてしまうばかりでビジネス上にとっても何らプラスにはなりません。

そもそも手紙というのは目下の者が目上の人に対して、お伺いやお願い事があった時にしたためたもの。

だから、礼儀作法を1枚の紙に凝縮させて自身の人と成りを表現しているのです。

確かにメール1本でサッと送れる現代ならば、このような煩わしいマナーを覚えなくてもいいでしょう。

しかし、それでは殺伐としており人間味もありませんし、心が全く感じ取れない伝達方法となってしまいます。

はるか遠い異国の地から、あなたの事を気にかけて心配していますよ、という心情を伝えたいがために、手紙という手法が存在するのです。

確かに手紙という伝達手段はスピード性ではメールに勝てません。

しかし、真心を伝えるという点にかけては、メールは手紙に遥かに及びません。

いくら字が汚かろうと、多少の誤字脱字があろうと、その文面を見た読み手側は、あなたの人間性を推し量れます。

そして親近感を抱くのです。

画一的な文字と構成で終始している、メールからは相手の人間味を推し量ることは出来ません。

いくら絵文字などを使ってもです。

終わりよければ全てよし、という諺があるくらい、手紙の末文が担っている役割は想像以上に大きなものがあるという事を認識できたらな、と思う訳なのです。

結語

もう何度も出てきている言葉ですので、意味はお分かりだと思います。

結語は頭語と対を成す手紙を構成する上でなくてはならない存在の言葉です。

前略には「草々」。

拝啓には「敬具」。

謹啓には「謹言」「謹白」「敬白」など。

いずれの結語にも謹んで申し上げます、という敬意が高い事を示していたり、目上の人に送る丁寧な言い回しの意味が込められています。

手紙を書く人は頭語と結語の組み合わせを間違えることなく、しっかりと使用するようにしましょう。

後付け

手紙には末文が終わった後で「後付け」と呼ばれる文言を書き添えることもあります。

では、後付けについて少しばかり見ていくことに致しましょう。

日付・著名など

後付けとは末文のあとに書かれてある、日付やその手紙を書いた人の名前の署名などの事を言います。

この後付けはいかにも、かつての郵便事情を物語る時代性を感じます。

手紙を受け取った人というのは、その手紙が実際に書かれてから何日か経ってから受け取っているわけです。

メールならば送ったその瞬間に到着しますが、切手を貼って郵便局に持ち込んでそこから配達される手紙はそういう訳にはいきません。

普通郵便ならば早くても2日間はかかるのではないでしょうか。

そして、その手紙を書いた人が誰なのかを判明させる手段が署名です。

どこの誰から届いた手紙かもわからないようだったら、気味が悪くて手紙の中身の真偽性を疑いますからね。

書かれた日付と書いた人の名前。

メールでもこの機能はもれなくついています。

結局、メールは手紙の機能の後追い機器。

手紙の機能がいかにコンパクトで機能満載であったかが良く分かると思いませんか?

副文

副分とは、主文で書き忘れた要件などの付け足しや、特に念を押しておきたい事柄を目立たせるための繰り返し機能の役目を負った文章です。

一般的には後付けのそのまた後に書かれている場合が多いでしょう。

では、副文についてもう少し、紹介していきましょう。

追加文

副文とは、つまり追加文という意味になります。

本文で書き忘れた事、本文で書いているが、特に重要なので繰り返し伝えておきたい事、

更に相手への健康上の問題の気遣いなど、最後の最後に書く事によって、より印象度を高め、認識してもらいたい、という効果があります。

ただ、副文にも注意すべき点があります。

弔電、結婚、お見舞い、及び目上の人に対しては使わないようにしなければなりません。

これは副文の性質がどちらかというと、上から見た視線で相手に伝えている節が感じられるからです。

及び、冠婚葬祭ごとにおいて繰り返して要件を伝えることは作法に反します。

これらの点に注意して使用すれば、それほど違和感なく使用できるでしょう。

正しい書き方を覚えておけば役立つ


如何だったでしょうか?現代人が忘れかけている手紙について紹介して参りました。

特に前略や拝啓の使い方の違いやそれに対を成す結語の組み合わせなど、ご理解いただけたでしょうか?

今の時代(2017年2月)において、確かに案件や要件を伝える手段は圧倒的にメールが占める割合が多くなってしまったようです。

簡単に素早く手軽に行えるメールの機能は、現代生活において、非常にマッチしていることは疑いようの余地がありませんね。

しかしながら、メールには手紙のような奥ゆかしさや温かみは感じません。

それはメールが所詮、機械でできた発送手段から来ているところが大きいのでしょう。

その点、手紙はオール手作りです。

文字も住所のあて名書きも全て書いた本人が行います。

メールのように字がうまい、下手というハンディを取り消してくれる便利な機能はありません。

素の自分が出てしまいます。

しかし、だからこそ、それがまたいいのです。

何より、手紙の文面からはその人の性格や息づかいが手を取るように伝わってきます。

驚くような達筆の人、字が小さくて読みにくい人、思いっきり子供のような字を書く人。

字はその人の人間性を表しています。

メールのような全て同じの活字ではありません。

人間が1億人いるならば、書かれる字も1億通りあるわけなのです。

喪失感が著しい現代において、改めて手紙を書く効果を再認識されてみてはいかがでしょうか?

携帯もPCもなかった時代の人が文通という手段を用いて気持ちを伝えあった感覚が分かってきますよ。

当然、ビジネスや仕事、私生活でも手紙の正しい書き方を知っていれば役に立つこと請け合いです。

親しい友人に、一度、練習のつもりで書いてみたらどうですか?