皆さんは、「とばり」という言葉をご存じでしょうか?

小説などを読まないと、なかなかお目にかかれない言葉かもしれませんね。

では「とばり」という言葉の意味について見ていきましょう。

「とばり」ってどういうもの?

よく小説でも登場する「とばり」ですが、一体どういうものなのでしょうか。

「とばり」というものがどういうものなのかを見ていきましょう

小説や詩的な文章でよく見られる


「とばり」という言葉は、小説や詩的な文章で見かけることがあります。

現代の会話では使われることはないでしょう。

源氏物語も、このとばりという言葉はよく使われていたので、古文に親しんでいる方であれば、よくご存知の方も多いかもしれません。

普通の会話ではあまり見られない表現

基本的にそこまで日常会話では出てきませんよね。

そのため、本に親しみがないとか、小説をあまり読まないという人だったら、そんなに聞く機会は多くはないのではないのでしょうか。

「とばり」の意味

では、とばりとはどのような意味があるのか詳しく見ていきましょう。

室内に垂れ下げて隔てとする布

とばりとは、布が垂れ下がっている状態で隔てとなっているものを指します。

少し趣が違うのかもしれませんが、カーテンに近いと言ったらいいのではないのでしょうか。

昔であっても障子などはありました。

しかし部屋が見えないように、室内に布の仕切りがよく使われた事もあります。

現代でも、一人暮らしの方でワンルームにお住まいの方だと、玄関から入ったらすぐに部屋が見えてしまうということで、布で仕切る人も多いです。

やはり、お風呂に入る時も脱衣所がないケースも大変多く、もしもの時に布を取り下げるというのこともありますね。

そのような感じだと、イメージがつかみやすいのではないのでしょうか。

実際にこのようにしている人も多いと思われます。

またその一方で、比喩表現としても使われるので、ちょっと趣を感じる一面がありますね。

たれぬのやたれぎぬ、壁代などとも言う

もちろん、これは「とばり」というだけではなく、たれぬのやたれぎぬ、もしくは壁代というような言い方をすることもありますね。

色々言い方があるところを見ると、やはり日本においてこのような「とばり」は親しまれてきたのだろうなということをうかがわせますね。

ものをおおいかくす物

このようなことから、ものを覆い隠すものとして、少し秘めたるものというような意味合いに変わってくるところもあります。

確かにこの秘めたるものについて、ダイレクトに言うより「とばり」という言い方をする方がなんだか趣を感じさせられますよね。

ものを隔てて区切る物

またこのように秘めたるものとかに使われるというだけではなく、ただ単にものを隔てて区切る物というような意味合いで使われることもあります。

確かに布の一つ垂れ下がっているだけで、このような隔たりが出来たというような感じがしますよね。

だからこそ、このような意味合いとしても使われるところがあります

「とばり」の比喩的意味

実務的に物を覆い隠したり区切るものとして、利用したりするということから、だんだんと表現が生まれてきたところがあります。

では「とばり」の比喩表現とは、どのようなものがあるのでしょうか。

中身がよく見えない様子

基本的に中身がよく見えない様子のことを指します。

先ほども触れたように、秘めたるものという意味合いもありますが、あまり真実がよく見えず、はっきりとしない様子というような感じで使われるようなケースもあります。

このように「とばり」と言うと、中身がよく見えない様子についての比喩表現として使われるということも覚えておきましょう。

特に小説などを読んでみると、このような表現を使われることが時折ありますので「とばり」という言葉が見えたら、もしかしたら中身がよく見えない様子のことを指すのではないかと思った方がいいのかもしれません。

真実が分からない様子

このように中身がよく見えない様子ということから、真実が分からない様子についても比喩表現として使われます。

確かに何か布に覆われ隠されたものの中は、何が行われているのかとか、何が入っているのかというのが、よくわからないところがあります。

そのため、この「とばり」の内側の真実はよくわからないというような意味合いで使われることがあります。

このように見てみると、真実がわからないというのも非常に的を得ているといえるでしょう。

「とばり」は人名にも見られる

このような比喩表現などもあり、大変趣のあるとばりという言葉ですが、何と名前としても見られることがあります。

主に女性の名前として使われることも多いですが、男性としても特に不自然ではありません。

非常に文化的な感じの名前ですので、非常に素敵な名前と言えるでしょう。

「とばり」を漢字で書くと…


ではこの「とばり」という字を漢字で書くと、どのようになるのでしょうか。

色々と何通りも書き方がありますので、見てみましょう。

例えば日記帳などいうような感じで、こちらの漢字については非常によく見たことがあるのではないのでしょうか。

こちらも「とばり」ということがあります。

よく人名として使われる「とばり」という名前についても、こちらの漢字を使われるケースが多いです。

こちらは少々見慣れないですが、「貫通幌」などのように、主に鉄道などで用いられていることも多いでしょう。

こちらも「とばり」と読みます。

こちらも「とばり」と読みますが、どちらかと言うとテントのような感じを想像すると分かりやすいのではないのでしょうか。

上から屋根のように張り巡らされるような感じの布のことを指します。

こちらもとばりですが、裏地のない着物など、どちらかと言うと、着物など着るものに関して使われることも多いです。

よく見る「とばり」の使い方

このとばりというのは、覆い尽くすものというような意味でもありますが、色々と比喩表現として使われるところもあります。

では「とばり」の使い方などについて見ていきましょう。

小説や歌詞で見られる「とばり」

小説などでよく見られる「とばり」ですが色々と意味があります。

ではこのとばりが色々と使われる例文などを見ていきましょう。

夜のとばり

夜のとばりというと、暗闇で周りがあまりよく見えなくなるような様子を表します。

確かに日中の明るさに比べると、夜はちょっと暗いですよね。

最近は色々とネオンの光や電灯などがあるので、夜がそんなに暗いというようなイメージはありません。

しかし、昔はそのようなものは全くありませんでしたので、夜と言うと本当に真っ暗でまるでカーテンに追われたかのような暗さだったのでしょう。

暗闇で、辺りがよく見えない様子がよく伝わりますね。

青のとばり

端的に言うと気持ちがブルーになったというような言い方をしますが、このような気持ちのことを日本的に言うと「青のとばり」という言い方をすることがあります。

具体的な使い方としては、青のとばりに巻かれているというような言い方をすることもあります。

白のとばりや紫のとばりもある

このとばりは青だけではなく、白や紫などもあります。

紫と言うと、なんだかモヤモヤした気持ちを感じさせられるところはありますね。

本当に明確にならないような様子が伝わってきます。

ネットで調べてみてもあまり詳しく出てこないので、想像するしかなくなりますが、やはり見ていると、このように色を入れたりしてくれるだけで、なんとなくこんな感じなのかなというのが伝わりますね。

和歌で見られる「とばり」

この「とばり」ですが、もちろんこのような小説だけではなく、和歌に見られます。

では和歌で見られる「とばり」について見ていきましょう。

紅葉のとばり

秋になるともみじのシーズンになりますが、もみじが覆い茂って見えなくなる様子が伝わってきます。

もみじで覆われているように生い茂るもみじを想像することができるのではないでしょうか。

どのような意味合いを知ってから聴くと、非常に趣を感じられるところがありますね。

霧のとばり

霧が降りていて、周りがあまりはっきり見えないような様子も「とばり」と言います。

とばりという言葉を使うことによってなんだか趣のある言葉に感じさせるところがあります。

「とばり」は趣のある言葉

「とばり」という言葉には、本当に趣を感じさせられるところがありますね。

和歌や小説などに使われるのも非常に納得がいきます。

ロマンチックさを感じる場面

美しい景色を想像させられたりロマンティックな感じがするというのは、このとばりという言葉がその役割を負っているような気がしますね。

美しさや切なさなどを表現する場面

さらには美しさや切なさというのを感じられるところがあります。

だからこそ、ビジネス文章には向かないところがあるようです。

ビジネス文章で「霧のとばりがある季節になりましたが」というような表現を使われるのは見たことがありませんよね。

情緒的な表現なのでしょうから、使うシチュエーションは気を付けたいものですね。

とばりの使い方例文

では「とばり」の使い方の例を見ていきましょう。

夜のとばりが降りて辺りは暗くなった

辺りがだんだんと暗くなってくる様子が、なんとなく伝わってきますね。

夜のとばりが下りて辺りが暗くなったと言うと、本当に暗闇という感じがします。

これは特にのどかな所に行くとそれを感じますね。

本当に街灯があまりなく、一軒家がまばらにあるというような感じですので、本当に夜のとばりが下りたという表現がピッタリというところはあります。

夜のとばりが降りる前に家へ帰ろう

先ほども触れたように真っ暗になってしまうということから、その前に家に帰ろうというのが非常によく伝わりますね。

大人になると暗くなるから帰ろうというような感じがなくなってきますが、子供の時を思い返すと、やはり暗くなる前に帰ろうというような気持ちになったものです。

部屋のとばりが彼女を隠している

これは、本当に彼女の姿を隠しているというような感じがしますね。

ただこの彼女が隠れているのは確かなのだけれど、彼女は何をしているんだろうというような不思議な感じがしますね。

この彼女は一体何をしているのだろうというような不思議さが、その小説を読み進めたいという思いになるところがあるのだなとも思います。

彼の思考はとばりが降りたかのようだ

こちらも「とばり」という意味がはっきりとわかることによって、あまり彼の思考がはっきりとしないかのような、よくわからないというような感じがよく伝わります。

確かに人間の考えていることというのは、分かるようで分からないというのもありますよね。

だからこそ、とばりが降りたかのようなというような感じで言われると、その彼の思考が布に覆われているかのように、よくわからないというような感じがよく伝わります。

実際に布はなくても、まるでそうかのように考えが分からないというような感じですね。

とばりが降りたように景色が見えない

まるで布に覆われたかのように、景色が見えないような感じも非常によく伝わりますね。

小説などで使われるのかなというような気がします。

青いとばりが私の心の邪魔をする

こちらは完全に比喩表現で、まるで気持ちが霧に覆われたかのような感じが伝わります。

そしてこのような感傷的な気持ちが、心を邪魔するという表現がよくありますよね。

「とばり」をサラッと使えばかっこいいかも

確かにこのとばりという言葉をさらっと使えばかっこいいなとは思います。

ただ相手を選ぶようにしましょう。

気をつけないと「とばりって何?」と聞かれ、その説明に追われることになります。

ただ、感傷的な美しい表現として非常に使ってみるのはお勧めです。