元祖という言葉は「元祖○○」などのように、普段から耳にしたりお目にかかったりする機会が多いと思います。

そしてややこしい言葉に「本家」というものがありますが、違いはわかりますか?

この記事では、元祖という言葉について解説していきたいと思います。

しっかり理解できるようになって正しく「元祖」を使えるようになりましょう。

「元祖」の意味って?

まず「元祖」の意味についてみていきたいと思います。

よく見かける「元祖○○」の意味

「元祖○○」という表現を目にすることもよくあるくらい、「元祖」という言葉は非常によく使用されている言葉です。

「元祖」とは、「家系の最初の人。始祖。物事を最初に始めた人。」となっています。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%85%83%E7%A5%96/より引用

すなわち世の中に今までなかったものを一番最初に手掛けた、あるいは陽の目を見るように働きかけた人物やものごと、という意味になるでしょう。

「元祖サッポロラーメン」とか「元祖スポーツ新聞」などといった言い方も皆、この「元祖」という意味をふまえて表現しているのです。

「本家」との違い

それでは今度は「本家」という言葉について紹介いたします。

「元祖」と「本家」。

この両者は事あるごとに並び称されて使われています。

「元祖」と「本家」の違いについて見ていきましょう。

「本家」の意味

それでは「本家」の意味について見ていきましょう。

よく見かける「○○本家」の意味

「本家」とは、「一族の中心となる血筋の家。流派などで、そのおおもととなる家。家元。宗家。分家の出たもとの家。」となっています。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%9C%AC%E5%AE%B6_%28%E3%81%BB%E3%82%93%E3%81%91%29/より引用

つまり血筋上は同じ家系でありながら、それぞれが分かれて主流を形成する方の側、という解釈になるのでしょう。

よってどちらが先か?という議論になったなら、先に物事を起こした方が「元祖」で決まり、ということになるでしょう。

「元祖」と「本家」を区別していないところもある?

「元祖」と「本家」。

どちらもブランド力があり、世間に名の知れた存在であるという印象はあるでしょう。

それだけにこの両者がそれぞれの名を語っている業界や会社は仲が良い、というふうにはならずむしろ犬猿の仲、というイメージが定着している印象もあります。

特に飲食業界においては、そのような傾向が強く感じられるイメージがあります。

身近な例で考えても、持ち帰り弁当のお店や中華のお店などにおいてそのようなシーンを目にしたこともあるでしょう。

しかし、なかには「元祖」「本家」という区別を行わずに仲良くやっているところもあります。

つまり創業主に支配力といいますかそれだけの「力」があればそのような区別なしに事業を行っているところも多い、ということになります。

「元祖」も「本家」もつまるところ同じ商品を販売しているのです。

互いが争っていたのでは迷惑を被るのは消費者である顧客側となるでしょうね。

2つの言葉の違いの覚え方


それでは「元祖」と「本家」、この2つの言葉の違いの覚え方を統一しておきましょう。

「元祖」=一番最初に興ったところ、あるいは人
「本家」=元祖の家系に属している、あるいは正当な伝承者であって同じ内容の商品、業態を扱うのれん分けした存在ということになるでしょう。

世の中から見たら「元祖」も「本家」も営業努力を怠らず素晴らしい商品を世に送りだしてくれていたらどちらでもいい、ということなのです。

「元祖」には「元祖」のいいところがあり、「本家」には「本家」ならではのこだわりのいいところがある、ということなのです。

よって両者が切磋琢磨していい意味での張り合いを続けてくれることが共存共栄となって消費者を喜ばせるのです。

そういった意味での覚え方を行いたいですね。

「元祖」の例文

それではここからは「元祖」を使った例文を紹介していきましょう。

1.この店は家系ラーメンの元祖である

「この家」が「元祖」扱いとなっています。

それを象徴する手段が「家系ラーメン」です。

つまりこの家の誰かが家系ラーメンというものを作りだして世に送りだした、ということになります。

ただ、お味の方や世間からの評判について触れていません。

あくまで「この家」の誰かが家系ラーメンを作りだした張本人、ということになるのです。

2.あの人はこの競技に関しては元祖と呼ばれている人だ

例文中の「あの人」が元祖です。

そして元祖と言えた理由は「この競技」が広く世間に認知されたからです。

多くの人の知るところとなった「競技」の開発者、あるいは創始者、という意味合いの文章なのです。

3.あの店は元祖と謳っているが本家ではない

この例文に出てくる「あの店」が元祖です。

ただ「本家」ではない、と言われています。

文中の流れから判断するに「元祖」はどうやら時流に乗り遅れたか何かの原因によって「本家」の後塵を拝しているようです。

つまり世間的には「二番手」という見方になっているのです。

世の中、必ずしも「元祖」だから最も有名であり優秀、ということではないことを訴えた例文です。

4.看板に元祖という言葉が書いてあるとついついお店に入ってしまう

看板に「元祖」と書いてあるところを見ると何かの飲食店なのでしょう。

この例文の「元祖」はある種の強力なセールストークとなって人々の興味をかき立てる役割を果たしてくれています。

「元祖」という言葉からは何か期待感をそそる特別な感慨がイメージされるのでしょう。

勿論、提供される商品の質が「元祖」と見合っていなければリピートされる確率は減る、ということも忘れてはいけませんよ。

5.何か新しいことを始めて元祖と名乗りたい

この例文は「元祖」の説明として基本をおさえています。

つまり「元祖」とは何かの最初であり、「何か新しいことをはじめて」という部分が成功したならばその人は見事に「元祖」と名乗れるからです。

「元祖」と名乗るためにはこういったチャレンジ精神なくして語れないでしょう。

6.元祖という看板を掲げる店は創業年数が長いイメージがある

この例文も「元祖」の特徴を語っています。

何かの事業やお店が長きに渡って行われていれば、必然的に時間もそれに比例して経過していきます。

よって「元祖という看板」を掲げている店の創業年数が長くなるのも頷けるわけです。

2年や3年で消えてしまうお店ではとても「元祖」という言葉を使えないでしょう。

7.油絵の元祖と呼ばれる人の作品展に行ってきた

この例文も「元祖」というものが長い年月と伝統に培われてきたもの、というイメージを伝えてくれています。

一般的に「油絵」という芸術ジャンルは昨日、今日興ったものではありません。

恐らく数百年以上の長きに渡る時間を要しているはずです。

だからこそ作品展を行っている人のことを「油絵界の元祖」という表現を使っているのです。

同時に油絵をこの世に広めた人物が歴史的にはっきりしていないからこのような表現ができる、ということもいえます。

8.店の後継者が元祖という名前を継ぐことがある

この例文に出てくる「店」には恐らく本家・分家のような区別がないか、あっても平和的に営業しているのでしょう。

だから後継者がすんなりと「元祖」という称号を使えるのでしょう。

それだけ「元祖」には多くの人の憧れと尊敬の念が籠っていることがうかがえます。

9.何事にも元祖と呼ばれる人が存在する

この例文では「元祖」についての解釈を述べています。

つまり世間に認められた事業や物事には全て創設者という存在があって、その人達が努力を重ねたから世の中に浸透させることが出来、その事業や物事が定着したのです。

つまりそのようなことを行った人のことを指して「元祖」といっているのです。

10.友達は元祖高層ビルについて調べていた

この例文に出てくる元祖の対象は「高層ビル」です。

但し、調べているビルはかつて最も高層だったビルのことです。

今や高層ビルは当たり前、ものによっては300メートルを超えるビルも珍しくなくなりました。

そんな時代背景にあって例文に出てくる友達は高層ビルの元祖、つまり霞が関ビルのような建物を中心にして調べている、ということです。

「本家」の例文


それでは次にまいります。

今度は「本家」の例文をご紹介していきましょう。

1.一族によって本家が守られている

この例文に登場する「本家」、一族によって守られているということですから非常になくてはならない存在なのでしょう。

本家あっての一族、という図式が見事に成り立っています。

2.本家が定めたルールに従う

この例文からは「本家」がいかに影響力を持っているかを推し量ることができます。

「本家」がルールまで定めるということは非常に権力の強い本家なのでしょう。

3.わが一族は書道の名門本家としての誇りを持っている

この例文にでてきます「本家」は名門であり、かつ「元祖」ともいえる分家筋との確執があるのかもわかりません。

そうでなければ必要以上に本家としての誇りを内外に知らしめる必要もないはず。

伝統と格式を重んじる書道の世界の厳しさを感じさせますね。

4.書道本家という看板を掲げている

こちらの例文も書道界の厳しさと伝統を守る必死さが伝わってきます。

本家としての看板を掲げているのですから当然ながら「元祖」をうたい文句にするもう一つの別派があるのかもわかりません。

その対抗心の表れが「看板」という言葉からにじみ出ている感じがしますね。

5.本家の血筋を大切にしている

この例文に使われている「本家」はその家系の本流を指すものなのかどうかは定かではありません。

「本家」という表現を使っているということは、今や分家扱いとなった「元祖」の家系があるかも分からないからです。

いずれにしても家という個体は「血縁」というものを重要視します。

血筋には抗えない効力が存在しますからね。

本家の血筋は個人の力ではどうしようもないほど存在感がある、ということなのです。

6.我が家は本家ではなく分家である

この例文でははっきりと「本家」と「分家」についての表現がありますね。

別に世の中一般からみれば「本家」であろうが「分家」であろうがかまわないことなのですが、その家系一族に属している人間からみたらものすごく大きな問題なのでしょう。

ただこのような悲哀を感じるのは「本家」に飛ぶ鳥を落とすくらいの繁栄があってこそといえるのですが。

7.本家を絶やさないようにするために婿養子をとる

いつの時代においても「家」という概念は「個」の思想をはるかに凌駕した何ものにも抗えないものなのでしょう。

特に100年以上も続くような名門の血筋の家系ならば尚更、自分の代で家を消滅させることはできないでしょう。

特にその家の存在が「本家」となっていたらなおさらです。

本家の血筋を絶やさないようにするために婿養子を取るのも存続のための一策となるでしょう。

8.分家は本家の墓ではなく、新しく建てるものだ

この例文では「本家」と「分家」の悲しいサガを表現しています。

本家筋に属するグループは主流派。

反する分家筋は支流というか跡継ぎになれないグループです。

よって同じ墓に入ることを本家筋が許さないのでこのような事態を表した例文となったのでしょう。

ただ、もしかしたら元々の元祖は本家ではなかった可能性もあります。

今は本家と呼ばれているグループも、かつては分家扱いだったのが時の経過とともに家の繁栄が逆転してしまったのでしょう。

9.家族一丸となって本家代々受け継いだものを守る

「本家」というところには先祖から代々に渡って守り継がれてきたものがあります。

それは物であったり技術であったりします。

それらのものを家族が一丸となって守る行為は、本家に属する家族の宿命ともいえるものでしょう。

事の良し悪しは別として、そのような家系に生まれてきたからにはやらなければならない定めなのです。

10.友人のお店は創始者から代々引き継いだ本家である

創業数十年以上、というお店は創始者から代々引き継いできた伝統があり家族が一丸となってそれを守ってきたことにより、誰の目からも疑いようのない「本家」として認知されている家族もあります。

この例文に登場する友人の家がまさしくその例のようです。

今後もその伝統を守って本家としての役割をしっかり果たしてもらいたいですね。

「元祖」と「本家」を正しく使い分けよう!

今回は「元祖」と「本家」について違いや正しい使い方について説明してまいりました。

もう一度、繰り返しておきますと最初に興したものが「元祖」、「本家」はそのグループに属している「一派」という扱いです。

よって「元祖」がそのまま「本家」になるケースもあれば、いつしか立場が逆転して「元祖」が分家になってしまって主流派ではなかった一派が「本家」になってしまうケースもある、ということです。

「元祖」と「本家」の意味の違いをしっかり理解して普段の会話に役立てましょう。

「元祖」も「本家」も日常生活に頻繁に出てくる言葉です。

しっかり理解して使いこなしていきましょう。