「便宜」とはどういう意味で、どういう使い方をするのでしょうか。

例文や類語を参考にしながらしっかり覚えていきましょう。

「便宜」の意味や使い方を覚えよう!

それでは「便宜」という言葉についてみてまいりましょう。

ぱっと見で意味が分かりづらい難しい言葉

「便宜」という言葉。皆さん、なんとなくでも意味をイメージできるでしょうか?

ドラマの中などでは案外、よく使われていたりする言葉です。

「便宜をはかる」などといったセリフを聞き覚えがないでしょうか?

いずれにしても、意味が分かりづらく難しい印象を受ける言葉の一つかもしれません。

じっくりと「便宜」について学んでいきましょう。

「便宜」の読み方

「便宜」の読み方ですが、これは「べんぎ」と読んでください。

それ以外の読み方は特にありません。

「便宜」の意味


それでは「便宜」についてじっくりと説明してまいりましょう。

「便宜」とは大きくみると以下のような意味になります。

「ある目的や必要なものにとって好都合なこと。便利がよいこと。特別なはからい。そのときに適したやり方。」となっています。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%BE%BF%E5%AE%9C_%28%E3%81%B9%E3%82%93%E3%81%8E%29/より引用

では、以下、順を追って説明してまいります。

良い機会

「便宜」とは、「良い機会」ということになります。

それは、ある目的を遂行したり必要になるものがあったときに、それらを助けてくれる行い、ということになります。

例えば、仕事の都合で取引先の社長と面会しなければいけばくなったとして、その橋渡しをしてくれるような行いを平たく見て「便宜」と呼びます。

一般的に面識のない社長にいきなり面談の約束をとることは難しいものです。

それを手助けてくれる行いをしてくれる人の行為を「便宜」と呼ぶのです。

都合が良い

「便宜」とは「都合がよい」と解釈されます。

私たちが日常において行う行為は、必ずしも思うように運ばないこともあります。

そういった時にこちらの思った通りに事が運ぶような事態を「都合が良い」というわけです。

都合が良くなるケースは様々です。

自身の行いの結果、よくなったり思わぬ偶然が重なって都合がよくなる事もあります。

それらの「都合の良い」状態を指して、「便宜がある」という意味合いになるのです。

何かのついで

「便宜」とは「何かのついで」という意味もあります。

何か、ことを行う時に本来の目的以外で起こり得たことを「便宜」と呼ぶことがある、ということです。

「何かのついで」で起こったことは、事を実行した人にとっては思わぬ儲けもの、という扱いになるわけです。

特別な計らい

「便宜」を表現するにあたって、特に的を得た説明がこの「特別な計らい」という意味になるでしょう。

「計らい」とは事を成し得るにあたって別の人が裏方となって、あるいはこっそりと本人には内緒で手助けを行う行為です。

「便宜をはかる」という言葉は、この「特別な計らい」が元々の意味になっているといっても過言ではないでしょう。

適したやり方

「便宜」とは「適したやり方」という意味もあります。

つまり、なにかの物事に対する最もいいやり方の事を意味する、という事なのです。

ただ、日常的には「適したやり方」を「便宜」と解釈して使用している場面は、あまりお目にかからないでしょう。

こういったケースがあるから、「便宜」という言葉が難しい、というイメージが定着していっているのでしょう。

音信

「便宜」には「音信」という意味も含まれています。

「音信」とは、「手紙などによる連絡。便り。」という意味があります。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E9%9F%B3%E4%BF%A1_%28%E3%81%8A%E3%82%93%E3%81%97%E3%82%93%29/より引用

手紙などによる連絡を「便宜」と言われても、恐らくピンとこないのが実情でしょう。

「便宜」という言葉は、実に様々な意味があるのですね。

便り

「便宜」には「音信」同様、「便り」という意味もあります。

「便り」もほぼ音信と同じ意味です。

「便り」のことを「便宜」という言葉で使う風習は、今の世の中ではほとんど聞かないことの方が多いでしょう。

「便宜」という言葉の多用性を感じさせる意味ですね。

様々な意味を持つ「便宜」

以上のように「便宜」には実に様々な意味が込められています。

これらの意味を正確に理解しておかないと日常会話の中では使いにくくなってしまうでしょう。

そこでここから先は「便宜」という言葉の使い方を徹底的に解説していくことにしましょう。

「便宜」の使い方


「便宜」という言葉の正しい使い方をみていきましょう。

「便宜」+〇〇で使用されることが多い

「便宜」という言葉は、それ単体としてはあまり用いることはない言葉です。

しかし、「便宜」にプラスして他の言葉をつける事によって様々な用いられ方が現れてきます。

実に多様性に富んだ言葉だといえるわけです。

それでは、以下にいくつかの実例をあげておきましょう。

「便宜的」

「便宜的」。

この言葉は日常会話においてよく使われます。

「都合がいいこと」「便利がいいこと」といった意味合いで使われます。

「便宜的」はビジネスの場においてもよく使われます。

しっかり把握しておきましょう。

「便宜上」

「便宜上」も日常において頻繁に使われます。

こちらも「都合」や「便利」といったシーンで用いられます。

「便宜的」も「便宜上」も、使うべきシーンが自身と当事者間に何らかの因果関係や損得関係があることが前提となります。

全く利害関係がない者同士が、「便宜」を使う場面にはならない、という事になるからです。

「便宜を図る」

「便宜を図る」も非常によく使われる言葉です。

特にドラマなどのシーンにはしばしば、出てきます。

例えば、市の公共事業に複数の業者が競合した際、市の側の人間が、特定の業者に便宜を図て落札しやすいように情報を流す、といった具合です。

「便宜を図る」は、当事者間に何らかの利益供与の意思がある場面に使うと、最もしっくりくるでしょう。

「便宜を与える」

「便宜を与える」も「便宜を図る」と同じような意味合いを持ちます。

つまり、対象となる人物が有利となるような「得」や「いいもの」を与えるという事になるからです。

このように「便宜」のあとに「図る」や「与える」という言葉を続けると、少々、印象のよくない事柄がイメージされてしまうことになってしまうのです。

「便宜性」

「便宜性」は先に出た言葉とは違い、何かの物事に対して都合がよくなったり、前よりも便利になる、という意味合いが生じます。

また、「便宜性」という表現の仕方には、特定の誰かに便宜を図る、といった意味合いは感じられません。

このように「便宜」の後ろにどのような言葉をプラスするかで言葉の意味が大きく変わってくるのです。

「便宜」を使った例文

それではここからは「便宜」を使った例文を紹介して、より一層「便宜」という言葉をイメージ付けましょう。

相手の便宜を考慮し、やり方を変える

この言葉に出てくる「便宜」は、自分に対して何らかの「いいこと」や「都合のよいこと」を提供してくれたことに対する、感謝の意を表した意味合いになっています。

やり方を変える、ということは今回の便宜があったから、もっとやりよい手段が見つかった、ということになっているという事ですね。

ここでは便宜的に表記を統一する

この「便宜的」は、文章の表記を簡単にして、誰でも分かりやすいようにするための手段ということになります。

つまり「都合よくする」「便利にする」といった趣旨が根底にあるということになりますね。

問題を解決するために便宜的処置を行う

この例文の「便宜的処置」とは、問題を早く解決させるため、特別なヒントや協力手段を提供した、ということになります。

つまり難解な部分を先送りしたり、資金を提供して簡単に事が運ぶように援助したということです。

このような表現は、ビジネスの場面ではよく登場してくるでしょう。

長い間、あなたには便宜を図ってきた

この例文に出てくる「便宜」は、あきらかに「利得」です。

つまり提供者が何らかの理由で「得」「便利」「都合」「金品」などを提供してきた、ということです。

ドラマなどによく出てくるセリフですね。

便宜を図るために複数の選択を用意する

この「便宜」は「都合がよくなること」「便利になること」、あるいは「利益を得ること」といった意味合いが考えられます。

「便宜を図る」ための行いとは、自身になにかいいことがかえってくることを期待しているからです。

「図る」とは一種の「策略」という意味がありますからね。

便宜上の理由とはいえ少し無理がある

この例文の「便宜」は物事の「簡易さ」を表しています。

「簡易」つまり「簡単」にすることで、多くの人に理解してもらえるように翻訳しているとでも言ったらいいでしょうか。

こういったっ表現もビジネスの現場においては、よく使われる言い方といえます。

「便宜」の類語

それではここからは「便宜」の類語を紹介していきましょう。

好都合

「好都合」とは、都合のいいタイミングがまさに今起こっている、あるいは起こるだろうと予想されるさまです。

「便宜」は都合のいいことという意味もありますから、まさに意味を同じくする類語といえるでしょう。

有益

「有益」とは、「利益があること。ためになること。また、そのさま。」となります。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%9C%89%E7%9B%8A/より引用

「利益がある」という部分を取り上げれば、「便宜」と同じ意味になってきます。

ただ、文章中での使い方は「便宜」とは少々、違ってくることに注意しましょう。

簡便

「簡便」とは、「簡単で便利なこと。手軽なこと。また、そのさま。」となります。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E7%B0%A1%E4%BE%BF/より引用

「簡単」「便利」「手軽」といった意味が「都合がよい」と通じるところが多々ありますので、「簡便」は「便宜」の類語として扱います。

ただ、用い方は少々難しいかもしれません。

「便宜」同様、日常のシーンにはあまり使わない言葉だといえるでしょう。

軽便

「軽便(けいべん)」とは、「扱い方が手軽で、便利なこと。また、そのさま。簡易。」となります。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%BB%BD%E4%BE%BF/より引用

「手軽」「便利」という意味が「便宜」と同じ意味合いとなってきます。

ただ、この「軽便」も日常的にはあまり使いません。

郵便物や荷物を取り扱う時ぐらいでしょうか。

利便

「利便」とは、「都合のよいこと。また、そのさま。便利。」となります。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%88%A9%E4%BE%BF/より引用

「利便」こそ、「便宜」とほぼ同じ意味の言葉と思っていいでしょう。

「利便を図る」という言い方もあります。

ビジネスシーンでも使われます。

どちらもほぼ、同一の言葉だと認識してください。

有益

「有益」とは、「利益があること。ためになること。また、そのさま。」となっています。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%9C%89%E7%9B%8A/より引用

「ためになる」というのはつまり「都合がいい」とほぼ同じ意味ですから、「有益」は「便宜」と類語扱いで異存はないでしょう。

ただ、文章的には同じような使い方は難しいかも分かりません。

「君にとっては有益な話だ」などといった言い回しならば、会話として自然だと思います。

「便宜」とは少しばかり、用い方が違うということです。

特別扱い

「特別扱い」とは、「他とは違う扱いをすること。」つまり、「特別」ということになります。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%89%B1%E3%81%84/より引用

他者と明らかに待遇が違うというわけです。

「特別扱い」はすなわち「便宜」を図ってもらったのと同じことになります。

よって、両者は類語扱いで問題ないでしょう。

恩恵

「恩恵」とは、「恵み。いつくしみ。」となります。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%81%A9%E6%81%B5/より引用

「恵み」ということですから、言葉をかえれば「都合のいいこと」ということになります。

「恩恵を受ける」といった表現は、あきらかに「便宜を図ってもらった」と同じ印象を受けることでも、両者の類語性は異存のないところでしょう。

厚生

「厚生」とは、「人々の生活を健康で豊かなものにすること。」となります。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%8E%9A%E7%94%9F/より引用

良い方向にもっていく、という意味合いになりますので、大義的にみたら「便宜」とニュアンスは同じだということになります。

ただ、「厚生」には否定的な意味合いはほとんどありませんので、そういった部分では「便宜」とは区別しておいた方がいいでしょう。

とりあえず

「とりあえず」とは、「ほかのことはさしおいて、まず第一に。なにはさておき。何する間もなく。すぐに。」という意味になります。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%95%A2%E3%81%88%E3%81%9A/より引用

「便宜」には「なにかのついで」という意味もありますので、この部分において「とりあえず」が類語扱いとなります。

両者とも日常会話においては、あまり使う機会の少ない言葉ともいえるでしょう。

暫定

「暫定」とは、「正式な決定がなされるまで、仮の措置として、とりあえず定めること。」となります。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%9A%AB%E5%AE%9A/より引用

「便宜」の「適したやり方」と意味的には近い解釈となります。

ただ、この意味での使い方も日常的にはあまり馴染みがないでしょう。

仮の措置としての意味で使うならば「暫定」の方が広く世間に認知されているでしょう。

「便宜」はいざというときに使える!

今回は「便宜」についてみてまいりました。

「便宜」という言葉にはいろいろな意味があるということがお分かりいただけたと思います。

「便宜」をしっかり正しく理解していれば、用途に応じた使い分けができます。

いざという時に「便宜」をサッと使えたら、あなたのコミュニケーション能力は格段の進歩を遂げることでしょう。