「朝にシャンプーする」=「朝シャン」。
モーニングシャンプーともいいますね。
世の中で広まり、流行語大賞の新語部門・表現賞に選ばれたのは約30年前の1987年、なんと昭和62年です。
同時にエントリーされていた流行語には、歌人俵万智さんの「サラダ記念日」がありますから、時代を感じますね。
当時は女子高生ブームの走りで、ちょうど世代的にはコギャルやルーズソックスが流行る直前になります。
当時は、朝シャンに特化したシャンプーもいくつか発売されていました。
さて、その朝シャンですが、もちろん今でも「わたしは朝シャン派」という方も少なくないと思います。
朝からすっきりして気持ちがいい、というのは誰しもが認めるところかと思います。
でも、果たして本当にメリットだけなのでしょうか?
朝シャンにデメリットはないのでしょうか?
朝シャンの長所短所を紹介します。
朝シャンするメリット
夜ではなく、朝にあえて洗髪する朝シャン。
シャンプーはいつでも気持ちの良いものですが、「朝」というタイミングの選択にはいったいどんなメリットがあるのでしょうか。
現在でも3人に1人は朝シャン派ともいわれますので、少なからず利点があるはずですよね。
朝シャンのメリットを探ってみたいと思います。
寝癖・寝汗を解消できる
まず大きいメリットでは、朝シャンは寝癖を手早く直せるという利点があります。
髪の質、量にもよると思いますが、太めで固い髪質であれば、夜の間についてしまった寝癖はなかなか手強いものです。
変な方向に折れ曲がった前髪や、いくら手で抑えても跳ね上がってくる後頭部分など、寝癖に悩まされている人は少なくないと思います。
ドラッグストアなどにいけば、寝癖直し専用に主に水を主成分としたスプレー商品があるぐらいですので、このスプレーを使ったり、蒸しタオルで包んだりしているぐらいなら、「いっそのこと洗ってしまえ」という気持ちはとても理解できます。
また体質によっては、寝汗を多くかきやすい人も朝シャン派であるようです。
寝汗の多い人の場合では、夏場になると朝起きると、髪どころか下着やパジャマなどもびっしょりという人もいます。
こうした人であれば、朝シャンに限らず、朝風呂や朝のシャワーの延長上でシャンプーもしてしまうというパターンが主流のようですね。
体の血行をよくする
朝シャンでの洗い方にもよりますが、頭髪を洗う人の場合、冷たい水で洗うという方はごく少数派かと思います。
多くのケースではシャワーでお湯を使って洗っていますよね。
人間の体は朝、目覚めた時はまだまだ本調子でなく、ぼーっとしている人も多いですが、これは血圧や血糖値が低かったり、副交感神経優位のまま眠りのモードから抜け切れていなかったりすることが原因でもあるようです。
朝に熱めのシャワーを浴びて交感神経のスイッチをオンにする健康法もありますので、朝シャンにも体の血行をよくするための効果が期待できるかもしれません。
ただし、冬場は朝シャン後に頭髪を濡らしたままにしておくと、風邪を引くおそれもありますので、しっかりとタオルドライやドライヤーで乾かすことが大切ですね。
朝から気分がすっきり!!
朝シャンで好感神経のスイッチをオンにすることで、体だけでなく心もすっきりします。
温かいシャワーを浴びることで、心も「気持ちいい」と感じることが大切で、気持ちいいと感じることで脳内物質が放出されて「覚醒」を促します。
また、リラックスした時に脳内から発せられるアルファ波の効果も期待できます。
よく眠る前には40度以下のぬるめのお湯に長めに浸かって、リラックスさせると寝付きがいいと言われますが、朝シャンではその逆に、目覚めたばかりで低体温状態にある体にシャワーを浴びることで目覚めへと転換させます。
特に寝不足気味でぼんやりとするようであれば、朝シャンはしっかりと活動状態に体を切り替えるのに役立つかもしれません。
朝シャンのデメリット
良いことばかりのような朝シャンですが、世の中、なかなか良いことばかりとは限りません。
「正しい朝シャン」を実践しないと、かえって心身にダメージを与えてしまう恐れもあります。
朝シャンのデメリットや「正しくない朝シャン」のチェックポイントをみていきましょう。
薄毛の原因になる
朝シャンをすると「薄毛になる」。
これは朝シャンが流行り始めた30年前から既に指摘されていることです。
薄毛になってしまった例として、よく報告されているのは、夜にしっかり洗っているのに、朝にもがっつり洗っていたというケースです。
このケースでは、シャンプーを1日2回以上していることになります。
この場合では、薄毛の原因は、夜シャン、朝シャンの連続過剰なシャンプーが髪、地肌、さらには毛母細胞にまでダメージを与えてしまったのではないかと推測されています。
個人差があるので、1日3回でも4回でもシャンプーしても平気という方もいれば、1日1回でも薄毛を早めてしまうという方もいるかもしれません。
当然、朝シャンのやりすぎはよくないですが、朝シャンをすると必ず薄毛になるというわけでもありませんので、難しいところです。
必要な皮脂まで取り除いてしまう
薄毛になってしまった方に多く見受けられるのが、シャンプーを髪にたっぷりつけて、ワシャワシャと泡立てるやり方で複数回洗っているパターンです。
これをやってしまうと、本来、頭皮を守るために分泌されている皮脂まで界面活性剤の力でごっそり取り除いてしまうため、頭皮にとっては深刻なダメージとなりえます。
昨今のシャンプーは各メーカーの研究開発により洗浄能力が極めて高いものが多く、ほんの少しでも泡立ちよく汚れが落ちます。
髪の量に対し、適量が定められているので、必要以上に多く使うと、残念ながら薄毛、脱毛のみならず湿疹やかぶれが起きる方もいます。
余分な皮脂は洗い流すべきなのでしょうが、体に必要な皮脂もあるので、個人個人の体質などを考慮した選択が必要です。
皮脂が多すぎ、少なすぎても良くないので、やはり何事もバランスが肝心ですね。
しっかりとすすぎができない
朝シャンであれ夜シャンであれ、適当なすすぎでシャンプーの泡を流しきらずに洗髪を終わりにしているのも実は髪にはよくないです。
またお風呂場でシャワーではなく、洗面所などで洗い流すパターンだと、前屈みの姿勢を長時間続けるのが苦しかったり、パジャマや部屋着の首元を濡らしたくなかったりするため、前頭部や後頭部のすすぎがしっかりとできないこともあります。
前頭部の生え際や側頭部のもみあげの辺りは皮脂や汚れが溜まりやすい場所ですし、後頭部の洗い残しはフケ、かゆみの元となるおそれもあります。
また、朝は忙しいので手早くすませようと適当なすすぎになっていたり、シャンプーやコンディショナー、リンスなどの香りを残したいがために、すすぎを軽くすませる人もいますが、これも頭髪へのダメージにつながるそうですよ。
菌、ダニが繁殖する
しっかりとしたすすぎができなかったり、過度の洗髪により皮脂が奪われてしまうと、頭皮はバリア機能が損なわれ、菌やダニが繁殖しやすくなるともいわれています。
カビの一種である菌などが繁殖するとフケやかゆみ、炎症を引き起こしかねません。
いったん菌やダニが繁殖してしまうと、薬用シャンプーが必要になったり皮膚科医に相談が必要になってしまったりすることもありえます。
中には菌の繁殖が深刻だったため、頭全体が小麦粉を被ったようになってしまい、治療のため、丸坊主にせざるを得なかったという気の毒な方もいるようです。
時間がないからといって、適当なすすぎは避けるべきでしょう。
また、洗髪後にしっかりと乾燥させず、生乾きのままで出勤登校してしまうと、蒸れた上、汗も混じってかえって臭いの原因となることもありますので注意が必要です。
皮脂が過剰に分泌されるようになる
「私は脂性だから、朝シャンと夜シャンでしっかり洗浄してるんです」という方。
実は注意が必要です。
脂性だからと、しっかりとシャンプーすること自体は問題ないのですが、必要以上に皮脂を取ってしまうと、体は「お?脂足りてないんじゃないの?」と勘違いして、さらに多量の皮脂を分泌してしまう可能性があります。
体としては脂には皮膚を守るという保護の役割がある以上、ゼロにはしておけません。
脂を洗い流す→もっと脂を出す→さらに洗い流す→もっともっと脂を出す、という負の洗浄スパイラルに陥ると、皮脂はどんどん過剰分泌されてしまうおそれがあります。
朝はバタバタしてすみずみまで洗浄できない
すすぎが大切なのは分かっていても朝は何かと時間がなくて手を抜きがちです。
時間に余裕がない中で、髪をお湯で濡らして汚れを落とすシャンプー前の儀式ももそこそこにシャンプーを手にとって洗っていませんか?
洗浄もすすぎもないがしろになって、すみずみまで洗浄できない洗い残しが慢性化すると、皮脂づまりによる頭皮にきびや炎症、ふけの原因にもなりかねません。
専門家の中には「手抜きの朝シャンをするぐらいなら、洗わない方がまだまし」と指摘する人もいるぐらいです。
朝は時間がないからといって手抜きをせず、正しい朝シャンを心掛けましょう。
朝シャンを取って朝食を抜きがち
ただし、時間がないからといって、朝シャンのために朝食を抜くのもNGです。
朝シャンをしてもしなくても健康に大きな影響はでませんが、朝食を抜くことは後々の健康状態を左右してくる可能性があります。
朝食を抜いてしまうと低血糖状態が昼食まで続くため、午前中はぼーっとして体に力が入らず、頭も集中力や忍耐力がなくなりがちです。
また、朝食を抜くと空腹が続くため、お昼ご飯の時にどか食いしてしまったり、血糖値の急上昇のため体に負担をかけてしまうこともあるます。
朝シャンよりも朝食を優先した方が健康のためにはよさそうですね。
紫外線をダイレクトに浴びてしまう
皮脂は頭皮や髪のバリア機能があるので、朝シャンで皮脂を取り除いてしまうと、仕事や学校、買い物になどに出かける際、紫外線に対し、無防備な状態をさらけ出してしまうことになります。
皮脂による紫外線保護機能が回復するのには一説には最低でも5~6時間は必要とされ、日差しが強い夏場に出かける前には朝シャンを控えた方がいいと言う専門家もいます。
もちろん、頭皮の保護は皮脂だけではないので、6時間必要だからといって一概に朝シャンが全否定されるものではありませんが、紫外線線対策も念頭にいれておくことが大切なようですね。
朝シャンするのはなぜ?
そもそも、朝シャンの必要性はどこにあるのでしょうか。
30年も前に提案され一定の市民権を得ている朝シャンですが、なぜ夜ではなく、朝なのでしょうか。
確かに流行始めのころは「みんながそうしているから」という気持ちもあったかもしれません。
ですが、現在はライフスタイルの多様化が進んでおり、それほど朝にこだわる必要もないような気がします。
なぜ朝シャンを選ぶのか、もう1度振り返ってみましょう。
寝癖を直すため
朝シャンのメリットとして、はっきりと分かりやすいのがやはり「寝癖を直しやすい」「髪をセットするのが楽」という点だと思います。
時間がない朝だからこそ、ブラシで髪をとかし、濡らし、蒸しタオルで寝癖を直し…なんてやっているひまはありませんよね。
多くの人の場合、朝シャンには30分も掛からないでしょうから、手早くやれば、ちんたらちんたらと寝癖直ししているよりはよっぽど手っ取り早そうです。
しかも、ドライヤーで乾き切る直前の髪は水分量のバランスもよく、さらさらつやつやで髪の理想状態とも言われますので、セットも手軽に済ますことができるのもメリットとして大きいかもしれません。
頭をすっきりさせるため
朝シャンは実に爽快な気分になります。
朝の目覚めの儀式に組み込んで習慣化している人も多いでしょう。
人間にとって、水ないしお湯を浴びるという行為は気分だけでなく、交感神経、副交感神経の切り替えスイッチにもなります。
眠くて眠くて仕方がないときに、冷たい水で顔を洗うとしゃっきりとした気分になるのと同様ですね。
加えて後頭部をお湯などでほどよく温めることで、血流も活発になり、脳の働きが活性化されるという研究もあるようです。
朝シャンに限らず、朝シャワーも元気な朝を迎えるにはとても有効なようです。
シャンプーの香りを残すため
1987年に朝シャンのCMが放映されたころには、朝シャンを意識した香料入りのシャンプー&リンスが発売されていました。
ちょうどコギャルブームの直前ころで、女子高生というカテゴリーが社会的にも注目を浴び始めた時期です。
このためか、女子高生を中心におしゃれに気を遣う女性が増え、朝シャンの流行をけん引したとみる向きもあるそうです。
女性たちの間で朝シャンが流行ったのは、朝にシャンプーすることで、汗臭くなくなり、同時にシャンプーの香りを周囲に振りまけることができるというメリットもあったからでしょう。
夜にお風呂に入らないでいい
朝シャン派とひと言でいっても、実はさまざまなパターンが存在します。
ひとつは「夜お風呂に入ってシャンプーして、朝シャンもする派」。
もうひとつは「夜お風呂では髪を洗わず、朝シャンだけする派」。
さらには「夜はお風呂に入らず、朝シャン、朝シャワーだけの派」ですね。
1日の汚れを落とし、深く熟睡するのには入浴はメリット大ではありますが、徹夜明けだったり、疲れすぎていたりするときは「お風呂が面倒くさい」と感じることも少なくないと思います。
朝シャンや朝シャワーで手軽に済ますだけでも、不潔感は相当緩和されますので、お風呂が面倒あるいは嫌いだという人に朝シャン派は多いのかもしれませんね。
朝シャンする時の注意点を抑えよう!
メリットありありの朝シャンですが、ちゃちゃっと手早く適当にシャンプーしてしまったのでは、効果は半減、いえ、むしろデメリットばかりになってしまう場合もあります。
注意点を抑えて、「正しい朝シャン」を身に付けましょう。
夜にコンディショナーだけ
間違った朝シャンのひとつに「洗いすぎ」というのがありますが、これを回避するユニークな方法として、夜はお湯で汚れを落とした後、コンディショナーやリンスだけで済ますという手があります。
人間の体には、日中に生じた疲労やダメージを夜間に回復する機構が備わっています。
成長ホルモンという言葉を聞いたことがある人も多いかと思いますが、このホルモンでみても、夜間に大量に分泌されて私たちの健康維持に役立っています。
朝シャンに向けて、夜にコンディショナーやリンスだけというのも、実はこの修復のメカニズムを意識し、髪のダメージをリペアするという点ではとても理にかなった行為といえます。
ただし、朝シャンした後、シャンプーだけで済ませてしまうと、キューティクルが開いたままで一気に乾燥してぱさぱさの髪になってしまいます。
香りを残すためではなく、髪の水分を維持してつややかな髪にするためにも、コンディショナーやリンスを使った方がよさそうです。
時間は余裕をもってとる
慌ただしい朝に隙間の時間をなんとか見つけて朝シャンしようと思っていたのでは、洗浄やすすぎがおろろかになってしまいます。
午前6時45分から7時5分まで朝シャンタイム!と決めてしまうなど、余裕をもったタイムスケジュールで朝シャンをした方がいいでしょう。
髪の長さや髪質、シャンプー、リンス、コンディショナー、中には白髪染めなども含め、ご自分の毛髪のケアにかかる時間を想定して、どのぐらいの時間が適正なのかを把握しておいた方がいいかもしれません。
朝シャンのために早起きするのは結構なことだと思いますが、そのために他にしわ寄せがこないような工夫も大切ですよ。
シャンプーは優しく泡立てる
朝シャンでも夜シャンでも、シャンプーの泡立ては優しくすることが基本です。
中には手に取ったシャンプーの液体をそのまま濡らした髪に刷り込んで泡立てる人がいますが、これ実はあまりオススメはできません。
シャンプーの原液がじかに頭皮につくダメージがある上、泡立ちが悪いからと追加でシャンプー量を足してしまいがちです。
ぜひ1度、時間がある時でよいので、しっかりお湯で予洗いした後、シャンプーをあらかじ手で優しく泡立ててから洗ってみてください。
手でいったん泡立ててから髪につけるようにすると頭皮へのダメージが軽減されます。
洗浄力が強いシャンプーを使わない
最近では、過剰な皮脂を徹底的に洗い流す強烈な洗浄力を誇るシャンプーも存在します。
皮脂が多い方が週に数回お使いになるのは問題ないと思いますが、毎朝毎朝、強力に洗浄してしまうことはかえって頭皮の脂質バランスを崩し兼ねず、育毛のつもりがかえって薄毛を促進させてしまうことにもなりかねません。
上手に使えば高い効果が望ますが、単にすっきりする目的で朝シャンで使うのは控えた方がいいようです。
髪の毛はちゃんと洗い流す
すすぎはシャンプーの基本です。
泡立てる云々よりも、シャンプー前にお湯で行う「予洗い」と「すすぎ」がとても大切です。
香りを残したいからとまだ泡が残っているようなすすぎ方は問題外です。
すすぐときの注意点もあって、頭から滝に打たれるようにシャワーのお湯をかけたのでは、お湯は頭の表面部を伝い落ちるだけで、髪の根元や頭皮にシャンプーが残るおそれがあります。
両手の指の腹で、優しくマッサージするように流すとすすぎの効果は高いようです。
また、耳周りや襟足など、流しにくい部分もしっかりと洗い流すようにしましょう。
そもそも朝シャンとは?
流行始めてから30年以上も経つ朝シャンなので、ごく普通に会話でも使いがちです。
でも一体、朝シャンという言葉はどこから生まれてきたものでしょうか。
朝シャンの歴史をひもといてみましょう。
朝シャンという言葉の由来
そもそも朝シャンというのは「朝にシャンプーすること」から来ています。
1987年に大手化粧品メーカー資生堂が、人気だったアイドルタレントの斉藤由貴さんを使ったCMで用いたフレーズが始まりとされます。
シャンプーは夜のお風呂の時にするものという固定観念を崩し、体臭や汗、脂などに敏感な女子高生をターゲットに一大ブームとなりました。
朝シャンと関連して、このこの年代から制汗剤やリップクリームも女子高生たちの必須アイテムとなり、いつでも可愛らしく、いい香りがする女子がモテるといった風潮が強くなりました。
朝シャン自体は資生堂を始めとする化粧品メーカーがシャンプーの消費拡大を狙って新提案を仕掛けたともいわれていますが、臭いに敏感な国民性を巧みについた心理戦略ともいえるかもしれませんね。
朝シャンする人の割合
かつて行われたネットアンケート(サンプル数約9万4000件)では、夜1回のみの洗髪が68%を占めたそうです。
一方、「朝1回」や「朝と夜両方」「1日3回以上」なども合わせた「朝シャンあり」派は31%にも上ったそうです。
31%といえば、100人中31人、つまり、ほぼ3人に1人は朝にシャンプーしているという統計になりますから、思っていたよりも多いと感じた人が多いのではないでしょうか。
現在ではライフスタイルの多様化がさらに加速していますから、「朝シャン」という定義に縛られなければ、いつ、どのタイミングでシャンプーをしているか、さらに細分化されるかもしれませんね。
薄毛が気になる人は「湯シャン」がおすすめ!
「朝シャン」のメリット、デメリットを紹介してきましたが、男性、特に薄毛や抜け毛が気になる人では「湯シャン」という選択肢も捨て置けません。
シャンプーを使わないため、頭皮への刺激が少ない分、洗浄力については賛否が分かれるところではあります。
ですが、「湯シャン」で髪にハリ、コシ、ツヤが戻ったという報告もあります。
「湯シャン」とはどんなものか?気になるところですよね。
湯シャンとは?
「湯シャン」は端的にいえば、「お湯だけでシャンプーする」ことを指します。
みなさんもシャンプー前にお湯で髪を濡らす「予洗い」は欠かさないと思いますが、湯シャンはこの予洗いの強化版と言えます。
薄毛に悩む男性を中心に湯シャン派も存在するのは事実で、化学的な成分が含まれるシャンプー類を使わないため、自然な状態に戻るという動物が持つ復元力で髪質も復活したという声を少なからず耳にします。
自然界の動物はシャンプーを使わなくても健やかな毛質を維持できていることから、最初のうちはべたつきや臭いが気になっても、やがて頭皮バランスが適正化されると、みちがえるほど髪が綺麗になるという主張が推進派には多いようです。
一方で、皮脂を洗い流すには洗浄力不足であることもどうしても否めず、人によっては、臭いがひどくなったり、皮脂づまりで吹き出物ができたり、炎症、かゆみを訴える意見もあります。
湯シャンの方法
湯シャンの方法でもっともオーソドックスなのは、ブラッシング後、髪をあらかじめ濡らし、頭皮をマッサージするようにお湯でシャンプーするというパターンです。
当然、マッサージ後はすすぎもし、タオルドライ、ドライヤーと行程が流れていくのは通常のシャンプーと一緒です。
マッサージをするように洗うことで頭皮の血行を促進し、リンパの流れも活性化するので、髪にとっては負担が少ない洗髪方法といえるでしょう。
一方で、髪がきしきしするほどシャンプーで何度も洗髪している人からしてみれば、湯シャンでは髪がきしきしすることはありませんし、何度洗おうがシャンプーで洗った時の爽快感は得られないので、物足りないと感じることもあるかもしれません。
とはいえ、特にお金が掛かるわけではなく、1度や2度で失敗するものでもないので、1度試してみるというのは大いにありかと思いますよ。
35~38度のぬるま湯で丁寧に洗髪
湯シャンで洗う際の注意点としてはあまり熱湯を使わないという点です。
40度を超えるような熱いお湯では、頭皮に負担がかかってしまいます。
シャンプーを使った時と比べてどうしても洗浄力で劣る湯シャンでは、毛穴をもみほぐすように汚れや皮脂を浮き上がらせて流す必要あります。
ですので、熱い湯ではなく、35~38度のぬるめのお湯が湯シャンにはオススメです。
洗う際も全体を一気に洗うのではなく、前頭部、頭頂部、側頭部、後頭部と部位別に丁寧にもむようにしていくのが大切といわれます。
朝シャンはやり方次第!(まとめ)
朝シャンは健やかな生活に役立つ効果的な部分もあると同時に、夜に行う普通のシャンプーの感覚でやってしまうと、デメリットもあるというのが理解してもらえたかと思います。
ただ、メリット・デメリット双方を見てもらって分かるように、朝シャンの注意点というのは結局、夜にシャンプーする時でも同じように気を付けなくてはならないのです。
そのため、朝シャンは絶対ダメで、夜シャンが文句なしに素晴らしいという論拠になり得ません。
朝のルーチンとして正しい朝シャンを組み込むことで、1日のスタートを気持ちよく切れるという点に注目すれば、選択肢として十分検討に値すると思います。
朝シャン、夜シャン、いずれを選ぶか、自分のライフスタイルと照らし合わせて選んでみてはいかがでしょうか。