しかしマルチタスクが必ずしも生産性を高めるわけではなく、もしかしたらマルチタスクによって生産性を下げてしまっているかもしれません。
少なくとも、マルチタスクを行うと作業を並行して進めることはできても、一つの作業に要する日程は長くなってしまいます。
場合によっては、マルチタスクは避けた方が望ましいケースもあるでしょう。
5:ゴールが曖昧
仕事をこなす上では、ゴールとなる大きな目標を一つ設定して、そこから逆算してどのように行動していくべきかといった細かな目標を立てていくのが最も効率的だと言われています。
そのためゴールが曖昧なままに動き出してしまうと、自分でも効率の悪いことを行ってしまうでしょう。
必然的に無駄な作業も増えてしまうため、ゴール設定が曖昧なままで進むのは生産性を高める上でおすすめできません。
6:優先順位が曖昧
マルチタスクによって生産性を下げる可能性があるとはいえ、だからといって常に一つの仕事に対してだけ集中するというのは難しいかもしれません。
社会人であれば基本的に一つの案件と並行して複数の案件にも気を配らなければなりません。
そういった時、優先順位が曖昧だとどのように動くべきかの指針も自分で立てられず、仕事量がどんどん増えていってしまう恐れがあります。
優先順位を付けるのが苦手な人ほど、マルチタスクで抱え込む量も多くなってしまい、生産性がどんどん下がっていくということもあります。
7:面倒なことを後回しにする
誰でも複雑な仕事や気難しい上司とコンタクトを取らないといけないような面倒な仕事をするのは気が進まないと思います。
そうした面倒な仕事はついつい後回しにしてしまうのも無理はありません。
しかし面倒な仕事は基本的に他の仕事に比べて時間がかかりますので、後回しにすればするほどあとからのタスクが多くなってしまいます。
そうなるとキャパオーバーになってしまい、最初は順調だったのに急に生産性が下がってしまうこともあります。
結局、面倒だという自分の感情を優先して優先順位を見誤ることによって不利益が生じてしまうのです。
8:丁寧すぎる
丁寧な仕事をすることは大切ですし、ミスが多い仕事よりは丁寧な仕事の方が評価されるのは当然です。
しかしだからといって、不必要なところまで丁寧にしたり、丁寧にするために数時間を費やしてしまうと生産性が低いと思われてしまいがちです。
たとえば表を作成して説明をする時、もちろん見た目も大切ですが、大切なのは表の中身や説明の仕方です。
それなのに表の背景に使う画像を森林の画像にするか花畑の画像にするかといった本筋と関係ないところまで悩み過ぎると、生産性が低くなってしまうでしょう。
丁寧な仕事ができるのは良いことですが、時間をかける価値がある部分なのかは常に意識していなければなりません。
9:断るのが苦手
誰かに頼られると断ることができず、ついつい自分の仕事として引き受けてしまう人もいるでしょう。
周りからは良い人だと思われますが、そういったことが続くとキャパオーバーになってしまい本来の自分の仕事に手が回らず、残業が増えてしまう恐れもあります。
そうなってくると生産性が低く仕事ができないのに周りに良い顔ばかりする人だと思われてしまうかもしれません。
誰かを手助けするのは良いことですが、時には自分のキャパシティを見極めてしっかり断る勇気も持つようにしましょう。
仕事の生産性が低くなる背景
先ほど、日本は生産性の高い人材を求める割に個々人の能力が追い付いていなく、過重労働やパワハラの原因になっているという説があることを紹介しました。
では、なぜ日本には生産性が高い人材がそれほどいないと言われているのでしょうか。
仕事の生産性が低くなってしまう背景について考えてみましょう。
賃金制度
最近では裁量労働制を導入する会社も増えてきましたが、日本ではまだまだ残業することによって残業代が発生する賃金制度を採用している会社の方が多いと言われています。
つまり所定の休憩時間だけをとって定時に帰る生産性の高い人よりも、勤務時間内は休憩時間を多めにとって毎日数時間残業して帰る生産性の低い人の方が、毎月の給料が高くなってしまうのです。
こういう制度の元では早く帰って余暇を楽しもうと考える人よりも、今後のために会社でダラダラと仕事をして残業代を多くもらおうと考える人の方が多くなりがちです。
結果的に、個々人が生産性を上げようとしないため仕事全体の生産性も下がってしまう傾向があります。
長時間労働が当たり前
さらに日本では残業を美徳とする価値観が長い間信じられていたため、残業してこそ意味があると考える人もいます。