また、自分ができる部分ができない人の気持ちを理解したくても不器用だからこそ理解できず、お互いにできない理由を追及しているうちに指導者と生徒の両者が疲弊してしまい時間だけが無駄に過ぎていくこともあります。
自分と同じ分野で不器用な人への指導であれば効果を発揮しても、それ以外の人にはスパルタ指導者になってしまう恐れがあるので気をつけましょう。
スパルタな教え方での注意点3個
スパルタな教え方であっても、お互いに信頼関係ができていれば生徒や部下がついてきてくれて成果を発揮することもあります。
時代遅れと言われがちなスパルタですが、双方がそれを望んでいる場合は一概に悪い教え方であると断言できるわけではありません。
しかしながら、どんな指導であってもスパルタすぎると徐々に不満が溜まってしまいます。
最初はスパルタ指導を受け入れていた生徒や部下も、それが続くと反抗心ばかりになってしまうこともあるでしょう。
スパルタな教え方をする時にはどのような注意点を覚えておかなければならないのか、スパルタすぎる指導にならないためにも指導者の立場にいる人に向けて解説していきます。
やり過ぎ
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということわざがありますが、何事もやり過ぎは厳禁です。
最初は良い指導であっても、それが行き過ぎてしまうとやり過ぎとして批判されるでしょう。
最初は支持してくれていた生徒や部下も、それが当たり前になってしまうと嫌気がさして離れていってしまい、結果的に指導が失敗に終わってしまうというケースも少なくはありません。
どんな状況であってもやり過ぎには注意しましょう。
暴力
特に、暴力のやり過ぎには注意しなければなりません。
たとえば同じ立場の生徒同士で「失敗したらデコピン一発」とミニゲームのように遊んでいる場合は良くても、それが指導者からの押しつけになってしまうと、途端にミニゲームではなく恐怖政治になってしまいます。
暴力で支配してしまうと、生徒や部下の自主性を奪ってしまい委縮させ、どんなに良い指導をしても絶対に届かなくなってしまいます。
「強い力の暴力はNGでも弱い力で少し小突くくらいなら問題ない」というわけではありません。
指導者側からの暴力は、どんな理由、どの程度であっても生徒や部下に恐怖心を与えてしまいます。
指導の際にスパルタになることはあっても、絶対に暴力には訴えないようにしましょう。
暴言
身体的な暴力だけではなく、暴言による心の暴力にも注意が必要です。
たとえば家庭教師をしていて「この問題が解けないと先生悲しいなぁ」や「この問題が解けないとガッカリしちゃうから頑張ってほしい!」程度の言葉であれば、生徒のやる気を出して発奮させるためにも有効な手段になるでしょう。
しかし、これがやり過ぎてしまうと「この問題が解けないとガッカリだ。教えた価値がなくて悲しい」などの表現になってしまいます。
そうなると、身体的な暴力と同じように生徒を委縮させてしまい信頼関係は壊れていくでしょう。
暴言は、最初から暴言になるわけではなく「ガッカリしちゃうから頑張ってほしい→ガッカリさせないでほしい→ガッカリだよ→教えた価値がない」のように徐々にエスカレートしていく傾向があります。
同じ失敗を繰り返してしまう生徒や部下であっても、言葉が厳しくならないように注意しなければなりません。
時間をかけすぎる
暴力や暴言に気を付けているからといって、絶対にスパルタ指導にならないわけではありません。
行き過ぎた長時間の指導も、スパルタ指導になってしまうので時間配分にも注意しましょう。
たとえ生徒や部下の方から「まだできる」と言われても、適切な時間に休憩を入れるのは指導者の義務だと考えておけばスパルタ指導を防ぐことができます。
長時間の指導をしても集中力が切れてしまい効率が悪くなってしまいます。
お互いにイライラして、暴力や暴言の原因となってしまうこともあるでしょう。
また、生徒や部下は自分のやる気をアピールするために休みたくても「まだできる」と言っている可能性もあります。
指導者側は、こうしたことまで想定して時間配分を決めた方がスパルタ指導と言われないだけではなく、効率の良い指導ができるようになります。
理不尽な要求をしてないか
やり過ぎていない指導がないからといって、スパルタ指導にならないわけではありません。
スパルタ指導にならないためには、要求のレベルにも注意しなければなりません。
たとえばまだお箸も持てない年齢の子どもに完璧なテーブルマナーを要求するのは明らかにスパルタ指導でしょう。
それと同じように、新入社員に対してミスが全くない完璧な仕事を求めたり、競技の初心者に対してレベルの高いプレイを要求するのもスパルタ指導にあたります。