親や先生、上司など目上の人から「もっと向上心を持ちなさい!」と言われたことありませんか?
そんな時は「なんとなく意味は分かるけれど具体的にはどうすれば良いのかわからない…」というのが本音ではないでしょうか。

今回はこれからもきっと出会う機会が沢山あるであろう「向上」という言葉にスポットを当てて、わかりやすくお伝えしたいと思います。

️向上の意味とは?

向上とは読んで字のごとく「上に向かう」という意味があります。

仏教上では「絶対平等の境地」という意味を持ちますが、さらに「そこに向かって進むこと」という意味もあります。

中国語には「好好学習、天天向上」という言葉がありますが、これは毛沢東の言った言葉で「しっかり勉強をして毎日進歩があるように」という意味を持っています。

より良いほうへ向かう


より良いほうに向かうということは、事態が自分にとって好ましくなる事です。

同じ意味を持つ言葉に「上向きになる」「快方に向かう」「上り調子になる」などがありますが、いずれも「向」「上」という漢字を含んでいる場合が多いですね。

禅宗用語で「向上の一路(こうじょうのいちろ)」と言われているのは、まさに最上の境地である「悟り」に到達する一本の道であり、僧侶達はそこに向かって厳しい修行をします。

優れた状態になる

「優れた状態」にも様々な意味があります。

「物の状態が良いこと」「思考力や判断力が高いこと」「他人が持っていないような才能を持っていること」などがありますが、全ての意味において「優れている状態」が「向上」とイコールになります

️向上の読み方

「向」の音読みは「コウ」「キョウ」「ショウ」、訓読みは「む(かう)」「さき(に)」。

「上」の音読みは「ジョウ」「ショウ」、訓読みは「あ(がる)」「のぼ(る)」「うえ」「うわ」「かみ」。

さて「向上」はどの組み合わせになるでしょう?

向上=こうじょう

正解は「向」の音読み「コウ」と「上」の音読み「ジョウ」を組み合わせた「こうじょう」です。

人名としての読み方には「こうがみ」「むかいうえ」「むかいかみ」「むかうえ」などもあるようですね。

️向上の類語

「類語」とは読み方が同じ言葉ではなく、同じような意味を持つ言葉ですが、「向上」には実に様々な類語が存在します。

進歩

より良い方向に歩み進むという意味ですが、人間の精神的なこと、文化的なこと、社会的なことについて用いられるという特徴があります。

例えば「目覚ましく進歩する」「技術的に進歩する」など、より完成形に近付くために努力や時間を経て成長していく様子を表す時に使われます。

反対語は「退歩」で、こちらも人間の技術や能力が前よりも衰えること、例えば「記憶力が退歩する」という使われ方があります。

成長


人間や動物が大きく育つことを指す言葉です。

また「人間は経験によって成長する」のように見た目だけではなく精神的に大人になるという意味でも使われます。

植物の場合は「生長」と表されることが多いです。

生物だけではなく経済や産業が発展するという意味でも使われますが、どちらかと言えばこちらの方が「向上」に近い意味になります。

よくニュースなどでも耳にする「経済成長」という言葉が有名ですね。

改善

直すべき点がある場合に良い方向に改めることを意味します。

具体的な物ではなく、条件やルールなどの抽象的なことを改めて良くすることで、よく使われるフレーズとして「改善の余地がある」という表現があります。

反対語は「改悪」で、物事を改めることでさらに悪化させるという逆効果の意味があります。

進展

より良い方向に進んでいく状態を「進歩」と言いますが、進歩したことによって広がり、新たな段階に展開していくことを「進展」と言います。

わかりやすい例でいうと「彼女との関係に進展があった」というフレーズがあります。

これは気になる女性と両思いになり、恋人という新たな段階に進んだことを意味しています。

好転

物ごとの状況が良い方向に向かうことを意味しますが、ただ単に良くなる方に向かうだけではなく、マイナスリスクを伴う時に使われます。

例えば下がり続けていた株価が上がり始めた場合には「株価が好転する」、深刻だった病状が回復に向かい始めた場合には「病状が好転する」という場面での使い方が正解です。

上達

より良い方向に向かうという意味は「向上」と一緒ですが、「上達」には「技術が向上すること」という意味がすでに含まれています。

例えば「英語が上達した」とは言いますが「英語が向上した」とは言われません。

その場合は「英語力が向上した」が正解です。

つまり「上達」という言葉には「英語力」の「力」の意味ががすでに含まれているということです。

上進

良い方に向かうという意味よりも、ランクや地位が上昇する意味として使われる方が多いです。

例えばボーイスカウトに入っている場合に「カブスカウト」から「ボーイスカウト」へとランクアップする時には「上進式」が行われますし、教員免許を「二種」から「一種」ランクアップする場合も「上進する」と言います。

改良

前出の「改善」と意味はほぼ同じです。

しかし「改善」は抽象的な物ごとに対して使われる言葉でしたが、それに対して「改良」は具体的な物に対して使われるという違いがあります。

例えば「品種を改良する」など、何かの悪い所を改めてより良いものにするという意味になります。

発展

目には見えない「勢い」が盛んになり、より進歩することを「発展」と言います。

「大事件に発展した」「経済発展」など、大きさや広さでは表せないことに対して使われます。

また「これはこれはご発展のご様子で」など、「お盛ん」という言葉と似たような意味で嫌味として使われることもあります。

️向上の使い方

「向上」という言葉は様々なシチュエーションで使われますが、あなたは的確な使い方が出来ていますか?「向上する」と「向上させる」の使い方の違いや、微妙なニュアンスの違いを覚えておきましょう。

学力の向上

現状の学力を改善するためにより良い結果を目指すことを意味します。

使い方としては「学力の向上を図る」が一般的ですが、「図る」という言葉にも計画的に実現を目指すという意味が含まれています。

混乱しがちなのが「学力を向上する」と「学力を向上させる」のどちらが正しいのか?という問題です。

この場合は「学力を向上させる」が正しく、「学力を向上する」ではなく「学力が向上する」が正解です。

向上心を持つ

私たち人間が生きていくうえで「向上心を持つ」ことは大きなメリットがあります。

今の自分に満足することなく、常に目標を持ちそれに向かって努力をすることが「向上心を持つ」ことです。

決して他人から強要されるのではなく、自分発信で「もっと上を目指そう!」と思える人ほど、人間として成長できると言えるでしょう。

パフォーマンスの向上

ビジネスシーンでよく使われる言葉です。

そもそもパフォーマンスというのは歌やダンスなどのエンターテインメントやスポーツの能力を表す言葉というイメージがありますが、ビジネスシーンにおいては「技術」「性能」「成果」「能力」「業績」など様々な意味を持っています。

つまりより良い結果を出すことを目標として技術や性能を進歩させたり、成果や業績を伸ばしたり、能力を使うことを意味します。

生活水準が向上する

「生活水準」とは簡単に言えば「生活の状態」「暮らしぶり」など、生活の質のことであり、健康や教育、労働条件、保険など様々な条件を踏まえたうえでの暮らしやすさのレベルのことです。

「生活水準が向上する」ということは、何らかの変化によって暮らしぶりが良くなるという意味で、経済的なことだけではなく精神的な意味も含まれています。

能力を向上させる

自分自身で技術などを上達させるために練習をしたりトレーニングを重ねることです。

またすでに習得している技術に磨きをかけるという意味合いでも使われます。

最近の言葉で言うと「スキルアップ」という単語が同義語です。

こちらも自動詞である「向上する」を使うことができる表現ですが、その場合は「能力が向上する」となります。

向上意欲が強い

勉強でもスポーツでも仕事でも「もっと出来るようになりたい!」「もっと上を目指したい!」という気持ちを持って取り組む人は「向上意欲が強い」または「向上意欲がある」人です。

反対に「向上意欲が弱い」または「向上意欲がない」人は、何事に関しても積極的に取り組むことなく、やる気がないというイメージが強いです。

️向上に関する四字熟語

四字熟語にはそれぞれ直接的にはわからなくてもそこに隠された意味がありますが、直接「向上」という単語が使われていなくても同じような意味に分類される四字熟語もいくつかあります。

日進月歩

「日月」と向上の同義語である「進歩」を組み合わせた四字熟語で、日々絶えず進歩しているという意味です。

特に技術的な進歩について使われることが多く、例えば「科学技術は日進月歩である」「医療技術の発展は日進月歩だ」という使い方ができます。

同じような意味を持つ言葉としては「急速な発展」「飛躍的」があります。

日々精進

毎日コツコツと努力をして上を目指すことです。

そもそも「精進」という言葉は仏教用語ですが、一つの事に集中して努力をすることという意味があります。

よくアスリートが「これからも日々精進です」というフレーズを口にしますが、その道を極めようとするストイックさが滲み出ていますね。

またビジネスシーンにおいても年上の人に使う言葉として「精進します」という言葉がありますが、非常に好感度の高い敬語です。

切磋琢磨

骨や石など硬いものを切って磨くという意味がある「切磋」と、同じく硬いものを打って磨くという意味がある「琢磨」を組み合わせてできた四字熟語です。

自分の知識や技術を磨いて、さらに向上できるように努めるという意味がありますが、もう1つ「仲間同士でお互いに高め合う」という意味も含まれています。

熱心に仕事に励むことができて、仲間意識も強いというイメージが強くなるので、面接などで自分自身をアピールする時に使える四字熟語です。

水滴石穿

あまり親しみの無い四字熟語ですが、読み方は「すいてきせきせん」又は「みずしたたりていしをうがつ」となります。

直接的には一滴の水でもずっと同じ場所に落ち続ければ石に穴をあけることもできるという意味で、諦めずに根気よく続ければきっと目的を達成することができる様子の例えです。

何事にも真摯に向き合ってコツコツと努力することが得意な日本人らしい四字熟語でもあり、座右の銘として使われることも多いですね。

格致日新

「格致」は本質を突き詰めて知識を深めるという意味がある「格物致知」を略した言葉で、「日新」は日々新しくなるという意味があります。

読み方は「かくちにっしん」又は「かくちひにあらたなり」であり、日々本質を追い求め知識を深めながら向上していくことを表します。

「向上」の同義語らしい漢字が使われていない四字熟語ですが、本物を追い求めるという強い向上心を表現するにはピッタリの言葉です。

下学之功

こちらもあまり馴染みのない四字熟語ですが、読み方は「かがくのこう」となり、同じ意味の四字熟語に「下学上達(かがくじょうたつ)」があります。

「下学」とは身近にある簡単なことを学ぶという意味ですが、まさにそれが「功を奏す」ということです。

新しいことにチャレンジする時にいきなり難易度が高い事から始めるのではなく、簡単なことから始めて向上していくものだという教えになります。

️向上心を持つことは大事なこと

いかがでしたでしょうか?
こうして見てみると「向上」という言葉にはポジティブな意味しかありません。

つまり「向上心を持つ」ということは自分にとってプラスになることばかりで、目標を達成できたり、自分に自信が持てるようになるという結果が待っているということです。

「向上心を持ちなさい」という言葉は、本当にあなたのことを大切に思っているからこその助言なので、ありがたく受け取っておきましょうね。