難しい日本語の意味や使い方を知っている人、それをひけらかさないで上手く使っている人、例えば芸能人で例えると又吉直樹さんのような人を目の前にすると、「あ~やっぱり知識のある人って素敵だな」なんて思ってしまいます。
そこで今日は難しいけど知っておきたい日本語の「享受」について詳しくご紹介します。
享受ってどういう意味?
享受とはどんな意味の言葉なのかというと、「あるものをすすんで受け入れて自分のものにする」、という意味を持っています。
これは精神的な面でも物質的な面でも、共通していえることだといわれてます。
享受の意味
享受の意味が分かったところで、それではどうやって使えばいいのかというと、まだなんだかピンとこない方もたくさんいらっしゃいますよね。
そもそも享受とはどんな時に見かけたり、聞いたりするのでしょうか?
享受は日常生活の中でほとんど見慣れない漢字です。
聞けば、とてもかたいイメージで、会話ではあまり使われず、文章でよく使われる言葉です。
受け入れて自分のものにする
例えば世の中には「自由」という言葉があります。
自由はあなたにとってポジティブな意味ですか?それともネガティブな意味でしょうか?
人によっては「自由がいいけれど、自由過ぎるのは嫌」という人もいるし、「自由こそ人生の楽しみそのもの」だと自由を謳歌する人もいます。
この「自由」と「享受」を組み合わせて考えてみると、「自由を享受する」、つまり、自由を受け入れて自分の好きなように楽しむという意味になります。
漢字の観点から「享」を見てみると、「享」には「ありがたく受け取る」という意味があることが分かりました。
つまり「享受」はありがたく受け取るという意味で、「利益を享受する」や「恩恵を享受する」というように使われることが多いのです。
受け入れて味わいを楽しむ
享受を使うシチュエーションにはこんなものもあります。
例えば、現代の生活ですが、スマホが普及したり、自動で部屋を掃除してくれるルンバが人気になったり、年々とっても便利な世の中になって行きますよね。
昔は洗濯は川まで行かなければ汚れた洋服を洗うことができませんでしたが、今では洗濯機に入れてオプションをいくつか選んでスイッチを押せば、乾燥まで終わらせてくれちゃいます。
このような状況を「享受」と組み合わせると、「現代人は利便性の高い生活を享受している」なんて使い方をすることができるんです。
享=捧げる・奉る
享受の享は、元々神や客にごちそうをしてもてなすとか、 供え物や祈りを直にうけ入れる、もてなしをうけるという意味を持っています。
ただ単に受け取るという意味だけでなく、より神々しいもの、有り難く感じるものを受け取るというような意味合いがあるのです。
受=受ける
それに対して「受」の方は皆が良く知っている意味ですよね。
その字のまんま、受け取るという意味を表しています。
読み方は”きょうじゅ”
読み方が分からないという方がいらっしゃるかもしれませんので、ご紹介します。
享受は「きょうじゅ」と読むんです。
今回享受という漢字を見て、難しくて読めなかった人も多かったのではないでしょうか。
享受はそのまんま素直に読めば正しく発音できます。
享受の類語
享受にはいくつかの種類があるので知っておくと便利なものをいくつかご紹介します。(※例え話の内容は架空の内容です。)
受け取る
例えば、あなたが普段仕事で飛行機に良く乗る生活を送っているとします。
利用する航空会社は決まってANA、年間約50回のフライトを利用しているとすれば、あなたはきっとANAのVIPになっているはずです。
VIPになればどんなことが起きるのかというと、空港のカウンターで預けれらる荷物の数はエコノミーよりもビジネスよりも多くなったり、一般の人が列を組んでならんでいるところを素通りして、空いているファーストクラスカウンターを利用することができるようになります。
次に混んでいる税関を通るゲートも特別ゲートを利用することが可能、その後は飛行機の出発時間までラグジュアリーなラウンジで飛行機に乗るのを待つことができます。
もちろん飛行機に乗る順番は一番最初です。
エコノミークラスが列を並んで待っているところをスルーして、VIPは待たずに飛行機に乗ることができちゃうんです。
ANAのVIPになればとにかくフライトは快適、超絶いい気分で飛行機を楽しむことができちゃいます。
このような状態で享受を使うとどうなるのかというと、「私はANAのVIP会員の特典を思いっきり享受している」なんて使い方をすることができます。
利益を得る
例えば、あなたのお爺さんがとてつもないお金持ちだったとします。
お爺さんは年齢にも負けずとても元気だったはずでした。
しかしある日の午後、いつものようにゴルフを楽しんでいると、急に胸が苦しくなって救急車で搬送、急性心不全であの世に行ってしまった、とします。
お爺さんの遺産はなんと3000億円、言い方を変えれば3兆もありました。
お爺さんの直接の家族は娘二人だけ、その内の一人があなたのお母さんだったとすれば、あなたはお爺さんがこの世をさって、約500億円程度を相続することになるのです。
このような状態で享受を使うとどうなるのかというと、「私は祖父の遺産を相続して500億円ものお金を享受した」という使い方になります。
それにしても、こんな話が本当なら相当羨ましいですね~。
利用する
例えば、あなたは最近スマートフォンを使ってショッピングをしたとします。
最初はどこのサイトで購入するのがいいのかさっぱり区別がつかなかったので、とりあえずたくさんの人が利用しているサイトは安心できるだろうと思い、そこを利用してみました。
サイトにログインして欲しい洋服を探していると、あれ?、お店で購入すれば15000円のトップスが、そのショッピングサイトだと30%割引になっているではありませんか!?
お店で買えば15000円の洋服が、スマートフォンを使ったインターネットショッピングならたったの10000円で買えてしまいます。
(10000円でも高い服に変わりはありませんが・・・)
このような状態で享受を使うとどうなるのかというと、「私はスマホの利便性を享受して通常15000円だった洋服を30%引きの10000円で購入できた」という使い方になります。
現代人はアイディア次第で色々享受できるところがあるので、是非皆さんもお得なアイディアを見つけてみて下さい!
恵みを受ける
皆さんは普段の生活の中で自然を大事にしたり、未来の為に緑を守ろうとか、環境を良くしようとか、そんなことを考えたことはありますか?
私たち地球の環境はただ何もしないでいても、永遠に存在できるものではなく、誰かが、もしくはそういう団体が、植林したり、環境を守るような活動をしてくれているおかげで、私たちはいつでもオーガニックで身体に良い食べ物を口にすることができます。
このような状態で享受を使うとどうなるのかというと、「私たちは自然を大事にする人がいるおかげで、自然の恵みを享受する食生活を送れている」という使い方になります。
取得する
日本で生まれた皆さんが、もしも自国を一度も出たことがないとすれば、その恵まれた環境の素晴らしさに気が付くことができないかもしれません。
日本以外の国は一体どんな悪条件が揃っているのかというと、年金制度が不安定で老後は年金受給が必須ではありません。
だったらどうやって生きていくのか不安ばかり、国保は国民全員が入れるわけでなければ、医療は高額で雑、雑菌だらけの病院で治療を受けなければなりません。
日本は24時間美味しくて安全なものが食べられますが、多くの諸外国はそんな状況ではありません。
美味しい・美味しくない・健康に悪そう・オーガニックかどうか、そんな贅沢なオプションではなく、生きるか死ぬかで食べているのです。
このような状態で享受を使うと、「日本人は生まれながらにしてラッキー、国から生きるということを守られ、様々な制度を享受しながら生活を送っている」という使い方になります。
ここからは享受と似たような言葉をご紹介します。
享受の使い方は大体把握してきたので、次は享受ではないけれど、享受に似たような言葉を覚えて、区別し使い分けながら、知識ある知的な大人になってしまいましょう。
享楽
享楽とは、気持ちよく楽しいこと、または楽しみを味わうことを言います。
例えば、いつも彼氏がいて、とっかえひっかえだけれども楽しい生活を謳歌している女性のことを「彼女は人生を享楽している」といいます。
また、今話題の不倫、結婚しているのに別の女性とホテルに行ったり、一夜をともにしたりする男性のことは、✖「人生を享楽している」とはいいません。
法律やモラルに則って人生を楽しんでいる人=享楽しているといえるのです。
快楽
これは知っている人が多い単語ですよね。
「やっと自分の知っている単語が出てきた」なんて思った人も多いのではないでしょうか。
快楽・・・下ネタ系の例も多いのですが、今回は言葉を学ぶというのが目的ですので、別の例をご紹介します。
例えば、あなたが結婚して主婦になったとします。
旦那様はある程度名の知れた大企業で課長クラスの立場を担当しています。
夫婦は大金持ちとは言えないながらも、妻であるあなたが働かなくても、十分暮らしていけるだけのお金が入ってきます。
将来の為に節約しながら生活することもできるけれど、あなたは楽するという快楽を求め初めてしまい、高級ジムに通ったり、高い服、高い宿・・・いつしかラグジュアリーなものしか受け入れられない人間になっていってしまいました。
このような状況を例にすると「私は苦労して働いている旦那を横目に、快楽を求め続ける妻になってしまった」なんて使い方をします。
受益
受益はちょっと難しい単語ですよね。
「なんとなく利益を得る的なことかな?」と思いつつも、正解なのかどうかが曖昧な人、多いはずです。
受益とは、「利益を受けること」、そうです、意外とそのまま、想像通りの意味で正解だったんです。
例えばどんな時に使うのかというと、株のディーラーが株取引で勝って儲けを生んだとします。
その利益を受け取る為に銀行に行った時、受付の人に「すみません、この間株でまた儲けが出ちゃって、今日はその時の利益を受益しに来ました」なんて風に使います。
逸楽
逸楽、これは結構難しい言葉ですよね。
どんな意味なのか想像するのも、難しい言葉です。
逸楽とは何かというと、「気ままに遊び楽しむこと」なんです。
例えば、海外旅行にこなれている家族が友達を引き連れて、今流行りの民泊などしながらバケーションを楽しむ時、「彼らはこの夏のバケーションを逸楽し、帰りの飛行機ではクタクタながら幸せな気持ちでいっぱいだった」なんて使い方をします。
口語では使い難いものの、ちょっとしたお手紙などに逸楽を使えば、相手はきっととても気分が良くなるに違いありません。
難し過ぎず、でもちょっとフォーマルで素敵な言葉、逸楽はそんなイメージの言葉です。
謳歌
謳歌は良く知られた、それ程難しくない言葉です。
一般的に良く知られているなのは、人生を謳歌する、青春を謳歌するなど「おもいっきり楽しむ」というような意味で使われます。
実は謳歌には他の意味もあるんです。
それは「声をそろえて褒めたたえる」という意味、例えば「国民は現大統領の功績を謳歌した」なんて時などに使われます。
後者の意味は知らない人も多いので、知っておくと知的アピールができて便利な単語です!
享受の使い方
享受を使った例を2つご紹介します。
①安倍政権の経済効果によって、大企業はここ数年、法人税免除など様々な恩恵を享受しているにも関わらず、末端で働く従業員には、ほとんど還元されていない。
②私は生まれた時から親・親戚・祖父母などから大変可愛がられて、裕福で温かい生活を享受されてきたが、いまだにその恩を返しきれないでいる。
享受を正しく使いこなそう!
如何でしたか?
享受の意味を知った上で、享受と似たような意味の言葉も覚えておけば、細かいシチュエーションの違いによって、言葉が使い分けられるので、周囲から「あれ、何だか最近知的な感じになってる?」と褒められるようになるはずです。
こうやって楽しく難しい言葉の違いを学んでいけば、あっという間に言葉遊びの虜になってしまうかもしれません。
話し手の言葉を聞いて「あれ?それって本当にその単語で正しい?」なんて指摘できるようになってきたら、それはあなたが言葉上級者になった証です。
日本語には素敵な言葉がたくさんあるので、是非色々覚えて行ってみて下さい!