「本末転倒」という言葉は、よく耳にしますが、この四字熟語の意味を理解して使っている人は、どれだけいるのでしょうか?

意外と「本末転倒」の意味を間違えて使っている人がいますよね。

類義語には、「主客転倒」と「冠覆転倒」という四字熟語がありますが、どれも本来の目的と結果が、逆になってしまったという意味です。

出来れば、そんな悲惨な結果にはなりたくありませんよね。

この記事では、本末転倒という四字熟語の意味について考えながら、「本末転倒」にならないために、どのようにすれば良いのか、どんな時に使用するのかということをご紹介したいと思います。

本末転倒な経験はしたくない!

当然のことだと思いますが、誰でも「本末転倒」な経験はしたくないと思います。

思い描いた結果が得られるようにと進んで来た道が、考えていた目標とは、逆の結果で終わってしまうということは、すなわち、失敗を意味するからです。

しっかり目的を定めたのなら、その目的に沿った結果を出したいと思うことは、当然のことでしょうね。

では、そのような結果にならないようにするには、どうすれば良いのでしょうか?

そのためには、まずは「本末転倒」の意味から考えていきましょう。

本末転倒とは?


「本末転倒」とはどういう意味かは、文頭にも書きましたが、「本末転倒」とは、最初の目的と逆の結果が出てしまうことですが、もう少し詳しく、どのような意味で作られて、どんな時に使う四字熟語なのかということを書きたいと思います。

1.過程と結果が逆になる

何故か、目的に向かってやっていたことが、どこか途中から逆の方向へ進み始めてしまって、結果としては最初の目的と逆になってしまうことがありますよね。

例えば、ピアノの練習をしている時に、早く弾けるようになりたくて、楽譜を見なくても暗譜で弾けるようになろうと、あまり楽譜を見ずに弾いていたら、全然違う音で練習をしてしまって、最初から音を見直さなければならなくなってしまったりなど、早く弾けるようになりたいという目標が逆に遅くなってしまうことも「本末転倒」です。

2.目的と手段が逆転する

1.に書いたように書いたように、目的を持ってやっていたはずなのに、早く覚えようとして楽譜を見ずに練習をしていたため、結果として遅くなってしまい、本来の目標と逆の結果になってしまうことがあります。

目的を定めるのは良いことですが、闇雲にやってしまったら、このような結果になってしまうということですね。

3.本筋とずれる


何が目標なのかということを、途中で忘れてしまったら、本筋とずれてしまうことになってしまうのです。

本筋から逸れないためには、目的や目標を忘れることなく、しっかりといつも念頭に置いて取り掛かることが大切なのです。

4.重要なこととそうでないことをとり違える

例えば、将来の夢を叶えるために、アルバイトをしながら大学の学費を稼ごうとしていたら、アルバイトが忙しくて学業に身が入らず、結果として夢が叶えられなかったなど、重要なことは将来の夢のために勉強をするのだということを、忘れてはならないのです。

アルバイトを頑張ったのは良いけれど、それを忘れてしまい、肝心な勉強はおろそかになってしまっては、夢は叶えられワケがありませんよ。

本山と末寺の略

本末転倒の語源は、「本」というのは本山のことで、「末」というのは末寺のことです。

これは、鎌倉時代に、宗派であった本山に最初に建てた寺と、本山の後に建て支配下だったはずの末寺の立場が逆転してしまったことが、「本末転倒」の由来です。

つまり、現代で言えば、本来は子会社だったはずの会社が、主事業になってしまったりなどですね。

「本」は「はじめ」、「末」は「終わり」

文字通り、「本」は物事の根本で、「はじめ」を意味し、「末」は物事の結末で、「終わり」を意味します。

つまり、本末転倒の「本」は始まりで、「末」は終わりだということです。

このことから、始まりと終わりのことを、「本末」としているのです。

元も子もないと同じ?

「本末転倒」の類義語とよく間違われるのが、「元も子もない」という言葉。

ですが、似ているようで大きな違いは、「本末転倒」は逆の結果になってしまったことで、「元も子もない」は、全て失ってしまったということです。

「元も子もない」は、立場が逆転してしまったのではなく、全て水の泡になってしまったということですから、「本末転倒」とは違う意味ですね。

【「元も子もない」の意味や使い方は、こちらの記事もチェック!】

本末転倒なことをする人の特徴

それでは、本末転倒なことをする人とは、どんな特徴があるのでしょうか?

まず、最初から目標に向かって一貫したことをやっていれば、逆の結果になるということはないでしょう。

どこでどう筋道を外れてしまうのか、その特徴を分析していこうと思います。

1.目的や目標がしっかり定まっていない人

確実に目標を定めていれば、途中で忘れてしまうことはありません。

このような結果になってしまう人は、大概、曖昧な目標を立てているので、他のことに夢中になってしまうと、本来の目標を見失ってしまうのです。

まずは、しっかりと目標を定めて、途中道を外しそうになっても、すぐに軌道修正できるくらい、決して目標を忘れないように計画を立てましょう。

2.意志が弱い

意志が弱い人は、途中で挫折してしまったり、楽なことに目が行ってしまうと、本来の目標を忘れてしまいます。

「本末転倒」になってしまってから、後悔してもはじまらないので、しっかりと強い意志を持って進んでいきましょう。

3.優先順位がわかっていない

何から始めれば良いのか、優先順位が分かっていない人は、その道に進むための道筋が分かっていないため、楽なことや目先の利益があるものから始めようとしてしまいます。

物事には、優先順位というものがあるので、それを分かっていない人は、道を外してしまって、前述した学生のアルバイトのように、学業よりアルバイトを優先してしまい、「本末転倒」になってしまうのです。

4.計画性がない

夢を叶えるためにアルバイトをしていたはずなのに、いつの間にかアルバイトで知り合った友だちと海外旅行を計画していて、気付いたら旅行のためにお金を貯めてしまって、アルバイトで稼いだお金を全部旅費でつぎ込んでしまった…

その結果、学費が払えなくなってしまったり、勉強もせずアルバイトをして旅行ばかりして、夢を叶えるどころではなくなってしまったら、これぞ「本末転倒」ですよ。

5.自分が本当にすべき事が分かっていない

優先順位が分かっていないということは、つまり、自分がやるべきことが分かっていないからということです。

それは、目的が不明瞭でしっかりと定まっていないため、何をやらなければならないのかさえ、分かっていないのでしょう。

それでは、「本末転倒」になっても当然ですよね。

6.すぐ他人に感化される

すぐ他人に感化されてしまう人は、他人がやっていることに興味を惹かれてしまうと、気持ちが揺らいでしまって、本来の目標を忘れてしまい、あっちこっちに目的が変わってしまうのです。

要するに、優柔不断な人は、何をやっても「本末転倒」になってしまうということですね。

【感化については、こちらの記事もチェック!】

7.パニックになりやすい

ちょっとしたことで、気持ちが動揺してパニックになりやすい人は、強い意志がないので、混乱すると行動できなくなってしまうのです。

度々このような状態になってしまう人は、楽な方へ楽な方へと気持ちが向かってしまうため、目標に到達する前に迷いがあって、本来の目的とは逆の方向へ向かってしまうのです。

8.想像力が不足している

夢を叶えるため、目標を達成するためには、どのような過程を進めば良いのか?
想像力が不足している人は、その過程を想像することも、目標を達成した時の喜びも想像できないので、意欲も弱くなってしまうのです。

想像力がある人は、目的を達成しているイメージを描くことができるので、目的達成する意欲もわくのです。

9.学習能力が不足している

学習能力が不足している人は、目的を達成するためには、どんなことをやらなければならないのか分かりませんし、その過程を進む途中でも、何をすれば良いのかさえ分からなくなってしまい、本来の目的とは逆の道を辿ってしまう結果になりがちです。

10.物事の価値を判断できない

どちらの方が価値があるのか、どちらを優先した方がより良い結果を得ることができるのかということが、正当に判断できない人は、やはり優先順位も正しく判断できません。

物事の価値を正しく判断できないと、間違った方向を選んでしまい、本来の目的とは逆の結果になってしまうのです。

11.誘惑に弱い

「あっちの方が面白いよ。」と、友だちに誘惑されてしまうと、あっちフラフラ、こっちフラフラと気持ちが移ってしまいがちになるので、それでは目標が明確に定まらず、「本末転倒」の結果になりがちですよね。

本末転倒の例文

次に、「本末転倒」を使う例文を用いて、「本末転倒」の正しい意味を分かり易くして覚えていただこうと思います。

どのような時に使われる四字熟語なのか分かれば、本来の意味と使い方が分かると思いますよ。

1.バイトばかりして勉強の時間がなくなれば本末転倒だ

夢を叶えるために大学へ進学して、親の負担を減らそうと高い学費の一部を自分も稼ごうと思ったため、いっぱいアルバイトをしていたら、身体を壊して勉強がおろそかになってしまい、留年してしまったなんて、「本末転倒」だった。

2.バイトが忙しくて高校中退したなんて本末転倒だ

せっかく大学へ進学するために、学費をためようとアルバイトをしていたら、忙しくて勉強をする時間がなくて、試験の結果も成績も悪く留年をすることになり、やむを得ず、中退することになってしまった。

このように、アルバイトに夢中になって中退してしまったら、「本末転倒」だ。

3.高級ブランドを買うために食事をしないで病気になるなんて本末転倒

高級ブランドを買いたくて、一生懸命仕事をして、食費を削ってお金を貯めようと食べずにいたら、身体を壊して入院して、莫大な入院費がかかってしまった上に、仕事も退職することになってしまったなんて、「本末転倒」だった。

4.節約のため暖房を使わなかったので風邪を引いて、本末転倒だった

とても寒い日に、光熱費を節約していたので、ブルブル震えながら我慢して暖房を使わなかったら、風邪を引いてしまった。

結果、病院へ行くことになり、診察料と薬代がかかってしまって、せっかく節約したつもりが、「本末転倒」だった。

5.材料を全部揃えたのに作らないなんて本末転倒だ

通信販売で「ミニチュアのお城」を作ろうと、毎月手作りキットを少しずつ定期購入して集めていた。

毎月送られてくる部品を見ては、ワクワクしていたけれど、仕事が忙しくて作る時間がなくて、結局、一部分も作れず、部品だけ全て揃えてしまったなんて、「本末転倒」だった。

6.節約のために遠くの街まで買い物に行くなんて本末転倒だ

遠くのドラッグストアで、いつも行っているドラッグストアより、トイレットペーパーが安く売られていたので、わざわざバスに乗って買いに行ってしまった。

あとで冷静になって家族に話してみたら、交通費の方が高くついてしまって、節約のためなのに、これではいくら安く買えても、わざわざ交通費をかけて、遠くまで行ったのに、「本末転倒」だったねと言われてしまった。

7.ダイエットの運動をし、お腹が空いて逆に食べ過ぎて太ったのは本末転倒

最近ちょっと太り始めたのが気になって、ジムに通うことにしましたが、トレーニングが終わって帰宅する途中、ラーメン屋の前を通ると、美味しそうなラーメンの匂いがしたので、我慢できずに大盛りラーメンと半チャーハンと餃子セットをガッツリ食べてしまった。

帰宅して体重を測ると、トレーニング前より増えていて、これではせっかくダイエットのために、ジムに通ってトレーニングしても、「本末転倒」だなぁ…

8.集客のために安売りし過ぎて売上が落ちたら本末転倒だ

客を集めるために、思い切って他の店よりも大安売りをしようとした。

しかし、客が集まったのは良いが、あまりに安く売ってしまったため、売り上げはマイナスになってしまった。

売り上げの計算もせずに、客を集めるために安売りして赤字になってしまったら、まさに「本末転倒」だった。