新作の音楽や映画が発表されると、これはどのジャンルに相当するとか分類されているようです。
そして、ジャンルと聞いても、単に分類されていることは分かりますが、どのようなジャンルがあるのか、そしてこのジャンルの作品の特徴が何なのかは、およそのことしか分かりません。
音楽に詳しくないわたしとしては、ポピュラー音楽通の友人に尋ねてみました。
すると、半分わたしをバカにしたような目で見下して、ため息交じりに教えてくれたのです。
古くはワルツから始まり、アメリカで黒人が酒場で弾くピアノ音楽のラグタイム、テンポのいいボサノバ、激しく踊りながら歌うロックンロール、その他ファンク、レゲエ、テクノ、R&Bなど、この程度は常識だよ!と突き放されました。
なるほどと思いながら、これが人気音楽のジャンルかと納得したのでした。
では、クラシック音楽もジャンルごとに分かれているのではと思い、これは自分で調べてみました。
すると、まずは演奏形態で4つのジャンルに分かれています。
①管弦楽曲、②室内楽曲、③器楽曲、④声楽曲、です。
さらにこれらのジャンルは分かれているのです。
①の管弦楽曲とは、管弦楽団(オーケストラ)が演奏する曲で、交響曲と協奏曲、その他に分かれています。
同様に、②~④のジャンルもいろいろと分かれていますが、長くなるので割愛させていただきます。
このように、ジャンルという言葉はよく耳にするのですが、最近は増えてしまって全体像は多くて複雑なのです。
ジャンルとは?
ジャンルの語源はフランス語で、芸術作品を形式や内容で分類した時の呼称です。
例えば、絵画であれば、人物画、風景画、静物画、風俗画などのジャンルに分かれます。
文芸であれば、叙事詩、抒情詩、戯曲、小説などのジャンルがあります。
部門
部門とは、全体を何かの目的別に分割しただけのものです。
例えば企業の組織では、製造部門、営業部門、経理部門などに分割しています。
企業においては目的を達成するために、組織的に効率よく活動ができるように、部門に分けているのです。
そして、部門の中でも、それぞれの役割分担を明確にした部署や係ができています。
国際的な映画の名誉であるアカデミー賞でいうと、部門別に主なものでは①作品賞、②監督賞、③主演男優賞、④主演女優賞、⑤脚本賞、その他の賞に分かれているのです。
種類
ジャンルとは、ある意味では種類と理解してもよいでしょう。
種類の意味は、ある基準で見た時に、性質や形態、目的が似通っているものを抜き出して、それらを集めたものが同じ種類と呼ぶのです。
例えば、夏に収穫される旬の野菜(夏野菜)を基準に考えると、キュウリ、ナス、トマト、オクラ、ピーマン、ゴーヤ、ニラ・・・などです。
これらは夏野菜の種類なのです。
それらの中でも、食べる部位の種類に分けると、①葉菜類、②果菜類、③根菜類、などに分けられるのです。
このように、季節によって収穫される種類があって、さらに食べる部位によって種類分けされて、さらには栄養や色彩など、いろんな基準で種類は分けられるのです。
芸術作品を様式や内容によって区分する
基本的な考え方は、たくさんの芸術作品を何らかの基準で区別する必要に迫られて、ジャンルという表現を考えたのです。
しかし、現実的には芸術表現は極めて多様化しており、複数のジャンルにまたがっていたり、テーマとしてはジャンルが決まっていないような新規な作品も多くなりました。
芸術作品を様式や内容によって明確に区分するのが困難になってきたようです。
具体的な使い方
では、ジャンルを具体的に使う時は、どのような時でしょう。
ジャンルをしめる
新人の人気作家の小説は、戦時中に特攻隊として飛行機で戦場に散った、おじいさんのことを中心に描いた家族の生きざまの小説です。
この中では、おじいさんの戦争に対する怒りと自分の考えだけではどうにもならない運命、残した子供のこと、家族のことを死ぬまで思い続けていたのです。