室町時代から私たちの国「日本」で伝えられて来た「無垢」という言葉、この「無垢」という言葉は「白無垢」「無垢材」「無垢な人」など、様々な明るいシチュエーションで使われています。
一体この言葉はどこからやって来て、どんなアイデンティティのある言葉なのか、無垢の魅力をご紹介します。
「無垢」を使いこなそう!
知っているようで実はあまり知らない!?
無垢という言葉を覚えて、使いこなしてしまいましょう!
1.無垢の意味とは
「無垢」の意味を考えると、まず最初に頭に浮かんで来るのが「無垢な少女」などに使われる、純粋なとか、汚れのないという意味と、建築材で良く使われる、ヒノキなどを代表する無垢材を思い出します。
無垢の意味としてはどちらも正解で、汚れの無い純真を指す意味合いと、木材の種類を表す言葉も含められています。
1.元々は仏教用語
無垢という言葉は元々仏教から来た言葉です。
無垢という漢字は、「むく」と読みますが、無垢の「垢」は本来は「あか」と読むのが一般的です。
ではなぜ「無垢」になると「く」と読むのかというと、仏教の世界では「く」と読むから「く」と名付けられ、それが人々にも定着するようになったのです。
仏教の本には「大正新脩大蔵経」がありますが、この本の第十九節に、唐代釈弥陀山訳「無垢淨光大陀羅尼経」があります。
これは中国の書物を日本語に訳したもので、後に日本文化が構成される基調概念となってゆく、大切な教えなのです。
この中に「表裏を白一色で仕立てた袈裟」というものが出てきますが、本の中でこれを「白無垢」と呼んでいるんです。
白無垢といえば、結婚式で花嫁が着る憧れの着物のことですよね。
これなら若い人でも知っている人が多いと思います。
昔から「白」=祝い事に使う色というイメージが定着していますが、これは室町時代に「白を祭事色に用いていこう」と決められたことから始まったと言われているんです。
つまり「白無垢」は室町期より、花嫁衣裳や経帷子を指す代名詞となったのです。
礼服が洋式化して白から黒に転じる明治期以降、この白と無垢という概念は、神前挙式をはじめ日本文化を構成する概念として再認識・継承されてゆきます。
2.煩悩が無いこと
煩悩とは、心身にまとわりついて、心をかきみだす、一切の妄念・欲望のことと言われています。
この煩悩という言葉は、仏教の世界でとても重要視されている言葉で、仏教のたった一つの目的である、「苦」の消滅と深い関係があるのです。
結婚や恋愛や人の人生は永遠ではありません。
必ずいつか終わりが来るものであり、日々少しづつ変化するものなのです。
人は欲求を満たすと幸せのドーパミンが放出されてような気になってしまいますよね。
ずっと食べたかった世界一のケーキを食べた時、ずっと欲しかったものが手に入った時、いづれも、自分のものになった時に幸福感を感じるはずなのです。
でも、仏教の教えでは、欲求を断ってこそ、幸せがやってくる、無垢な心こそ、最上級だと教えているのです。
3.心身共にけがれていない
無垢の意味には「混じりものがない(純粋)」という意味もあります。
「垢」は、「不純なもの」という意味、そして「皮膚に付く垢」「水垢」などという意味で一般的に使われるようになっていきました。
それに反比例するように「垢」に「無」をつけて「無垢」は「垢が無い」、だから「純粋」という意味になっていったのです。
4.表も裏も全て同じ色の布地
無垢の布地と呼ばれる生地はどんなものなのかというと、表も裏も全て同じ色の布地のことをいいます。
つまり柄が入っていたり、裏と表の色が違うものは無垢かどうかの観点からいえばNGなのです。
2.「白無垢」とは
白無垢(しろむく)とは、表裏白一色で仕立てた和服のことを言います。
無垢とは、梵語で汚れが無い純真を指し示します。
白無垢といえば結婚式の花嫁だけが着るものかと思っていたので、まさか切腹の時も同じものを着ていたなんて、かなりの驚きがありました。