人間誰しも一つくらいは苦手なことや、トラウマに感じていることがあるはずです。
完璧な人間など世の中には存在しません。
そんな様々な苦手だと感じるもの中に、高い場所を苦手と感じる「高所恐怖症」というものがあります。
今回は高所恐怖症をテーマにして、高所恐怖症の人の特徴と、具体的にどのような場所を嫌がるのかということなどをご紹介していきたいと思います。
高所恐怖症とは
高所恐怖症の人は、身の回りを探せば一定数の割合で存在しているのではないでしょうか。
そもそも、人間は本来高い場所を危険な場所だと認識しています。
そのため、高所恐怖症ではなかったとしても、ある程度恐れを感じるのは当たり前の感覚です。
しかしながら、高所恐怖症の人は、怖いと感じるレベルが普通の人よりも全く違います。
高所恐怖症
高所恐怖症とは一体どのようなものなのでしょうか?
その名前の通り恐怖症の一つとして認識されています。
恐怖症とは特定のある一つのものに対して、心理学的もしくは生理学的に異常な恐怖を感じる症状のことを表している言葉です。
つまり、高所恐怖症とは高い場所に、心理学的や生理学的に異常な恐怖を感じている症状のことを言います。
高い場所に行くと落ちてしまうのではないかと不安になり、足が震えたり、立てなくなってしまいます。
症状がひどい場合、嘔吐することもあるようです。
人によって恐怖に陥る程度は違う
高所恐怖症は、人によって恐怖を感じる程度は大きく異なります。
本来人間は高い場所に身を置くことによって恐怖を感じるのは当たり前です。
正常な感覚を持っているのであればその場所から落ちてしまってダメージを受けてしまうことを回避するため、恐怖を感じるような感覚は誰もが持っているのです。
しかし、高所恐怖症がかなり深刻な状況な人は、ちょっとした高さでも怖くなってしまうのです。
例えば、脚立に登って作業をする場合、一般的に考えて1メートル程度の脚立に乗ったところで、そこまで大きな恐怖を感じたりすることはほぼないと思います。
なぜならば、それぐらいの高さであれば、もしそこから足を踏み外して落ちたとしてもそこまで身体的にダメージを負うわけではありません。
足が震えるほど危険な場所ではないのです。
しかし、高所恐怖症の人は、その程度の高さまで足を運んだだけで足がすくんでしまうくらいに恐怖を感じてしまうのです。
高所恐怖症の原因
ここからは高所恐怖症の原因について詳しくご紹介していきたいと思います。
理由もないのにいきなり高所恐怖症になることはあまりないかもしれませんが、場合によっては原因が不明という人もいるでしょう。
ここでは、原因になりえることをご紹介していきますので、自分に当てはまるものがないか確認してみてください。
過去のトラウマ
まずはじめにご紹介する高所恐怖症の原因は「過去のトラウマ」です。
高所恐怖症になってしまう大きな原因には過去のトラウマがあるかもしれません。
大きなトラウマを抱えている場合、大人になってそれなりに時間が経った後もその記憶が残り続けてしまうのです。
自分が感じた恐怖が大きければ大きいほど、いつまでたってもその恐怖から解放されたりすることはないでしょう。
子供の頃に高い場所から落ちて怪我をした経験や、かなり高い場所に足を運んでしまって想像以上の恐怖を感じてしまったといったような経験をしている人は、過去のトラウマとして記憶の中にすり込まれているのかもしれません。
記憶にない人も、幼いころにそのようなことがあったかもしれません。
想像力が豊か
「想像力が豊か」ということも原因として挙げられます。
想像力が豊かな人は、他の人が感じられないようなことも感じてしまうことが多いのです。
つまり、他の人よりも繊細に感じ取ってしまいやすいため、他の人が何も感じないことでも敏感になってしまうのでしょう。
そのため、高いところに行くとここから落ちてしまったらどうなるだろうという想像ばかりしてしまうのです。
高所恐怖症の人の特徴
では、高所恐怖症の人にはどのような特徴があるのでしょうか。
自分や周りの人に当てはまるかチェックしてみてください。
物事を考えすぎる
高所恐怖症の人の特徴の一つとして「物事を考えすぎる」ということが挙げられます。
物事を考えすぎてしまうため、かなり過剰な考え方に陥ってしまうやすいのかもしれません。
例えば、先程も話しに出た、脚立に登った時に感じる恐怖ですが、一般的な人であれば、1メートル程度の脚立に登ったところで、そこまで危機感を感じることはありません。
なぜならば、その脚立から落ちてしまったとしても大してダメージを負うことは少なく、そこまでリスクのある行動だとは考えないからです。
しかし、物事を考えすぎてしまう人は、例えばその場所から落ちてしまった場合に、どのようなことが起きるのかということを先読みしすぎてしまいます。
本来はありえないようなことなども想像してしまい、自分の中でそれが恐怖の一つであると認識をするようになってしまうのです。
その場所から落ちたときにどのようになるのかということなのは関係なく、自分が恐怖だと感じてしまった瞬間に高所恐怖症が発症してしまう可能性は十分考えられます。
普段から様々な物事に関して考えすぎてしまう一面をもっている人は、高所恐怖症に通じるものを持っている可能性があります。
考えすぎることも必要ですが、時には考えすぎないことで上手くいくこともあるのかもしれません。
高いところに対してマイナスイメージが強すぎる
「高いところに対してマイナスイメージが強すぎる」ということも挙げられます。
本来人間は高い場所に恐怖を感じてしまう生き物です。
なぜならば、それなりの高さになってしまうとその場所から落ちてしまって自分の体にダメージを負ってしまうというリスクを想定するからです。
そうなれば、当然ながら人間は恐怖を感じて自分の体を守ろうとします。
なので、高いところに関してはマイナスイメージを持つことが当たり前の感覚ではあるのです。
ですが、高所恐怖症になってしまう人の特徴としては、このマイナスなイメージを強すぎるのです。
それが考えすぎてしまう性格のせいなのか、過去のトラウマからなのかは人それぞれですが、何かしらのきっかけがあってマイナスイメージが強くなってしまっているのでしょう。
高いところには近づかない
「高いところには近づかない」のも特徴の一つです。
これは考えてみれば当たり前の考え方になると思うのですが、恐怖を感じてしまうような場所に自ら進んで足を運ぶような人は基本的にいませんよね。
もし変わった考え方を持っている人であれば、自分が危険だと感じてるような場所に飛び込んだりする人もいるのかもしれません。
ですが、それは割合としてはかなり少ないと思います。
一般的には自分が嫌だと感じてるような場所や行動などはしないのが当たり前です。
高い場所に恐怖を感じている高所恐怖症の人は、高いところには近づかないようにするでしょう。
高所恐怖症の人が怖がる場所とは
高所恐怖症になってしまうことによって、本来は恐怖を感じなくてもいいような場所でも恐怖を感じてしまいます。
しかし、一般的な感覚を持っている人からしてみればこの怖さはなかなか理解することができないと思います。
そこで、具体的に高所恐怖症の人は、どのような場所で恐怖を感じてしまうのかということを日常生活の中で起こりえる場面で詳しくご紹介していきたいと思います。
自分自身が該当しているかどうかを確認する意味も込めて、これからご紹介する項目をチェックしてみてください。
ビルの中
高所恐怖症の人が怖がってしまう場所の一つとして「ビルの中」が存在しています。
一般的な感覚を持っている人からしてみれば、ビルの中が高い場所であると感じることは少ないと思います。
確かにビルの高さ自体を考えてみると高い場所であるということは理解することができますが、外の景色が見える場所ではない限りは、恐怖を感じることはあまりないはずです。
しかし、高所恐怖症の人は、外の景色が見えなかったとしても恐怖を感じてしまうことがあるようです。
これは、自分が高い場所だと認識しているかどうかということが大きなポイントになります。
なので、外の景色が見えなかったとしても、高い場所にいるのだと認識をすることによって、恐怖が生まれてしまう可能性があるのです。
屋上
屋上は、比較的高い場所に位置している場所になりますので、高所恐怖症の人からしてみるとかなり恐怖心を感じてしまう場所なのではないでしょうか。
しかし、たとえ屋上だったとしても、フェンスなどの柵がある場合はそこまで過度な恐怖心を感じることもないはずです。
ですが、高所恐怖症の人からすると、屋上という場所自体が高い場所を象徴しているような意味合いもあります。
そのため、どうしてもその場所に対して恐怖を感じてしまいやすくなります。
たとえ屋上から地面を見下ろしたりしたりせずとも、高い場所であるということを認識した時点で恐怖心を感じてしまうのです。
エレベーター
エレベーターに関しても、高さを象徴する場所ですよね。
一般的に考えるとエレベーターの中が密閉されている場合が多いので、そこまで高さを意識したりすることは少ないと思います。
ただ、エレベーターに乗るということ自体が高い場所に移動しているということになります。
たとえ外の景色が見えないようなエレベーターの構造だったとしても、恐怖を感じてしまう人は多いのです。
外の景色が見えるようなクリアなエレベーターの場合は、さらに恐怖を感じてしまうでしょう。
エスカレーター
エスカレーターに乗るということは、エレベーターと同様に高い場所に移動しているということになります。
それが結果的に高い場所だと認識をして、高所恐怖症の症状が現れてしまう可能性があるのです。
エスカレーターは、高所恐怖症の人でなければ、そこまで恐怖心を感じるような構造にはなっていないと思います。
基本的に安全性の面は考慮されて作られているはずなので、エスカレーターに対して恐怖心を感じてしまう場合は、極度の高所恐怖症になってしまっている可能性があります。
高所恐怖症を理解しよう
今回は高所恐怖症をテーマにして、高所恐怖症の症状であったり、原因や特徴、そして高所恐怖症の人が怖がってしまう場所についてご紹介をしていきました。
今回ご紹介した内容を踏まえて考えてみれば、ある程度高所恐怖症という症状について理解いただけたと思います。
一般的な感覚を持っている人からしてみれば嘘だと思うような考え方かもしれません。
しかし、高所恐怖症の人からしてみれば、本当に恐怖を感じる場面は、日常の中でかなり多いのです。
もしも身近に高所恐怖症で悩んでしまっているという方がいるならば、少しでも高所恐怖症の方の考え方を理解し、力になってあげられりように今回ご紹介した内容を活用してみてください。