職場やプライベートに関係なく、普段から良く使われる言葉ですが、言葉の印象が良くないため、時には違う言葉で表現することがあります。
では、「あざとい」を他の言葉で表現しようとする時には、どのような言葉を用いれば良いのでしょうか?「あざとい」の類語をご紹介していきます。
1、小利口
「小利口」とは、「目先のことによく気が付き抜け目のないさま」です。
例えばわざわざ席を立ってゴミを捨てに行くのが面倒臭いと感じている時に、ゴミ箱付近に向かおうとする人を見つけて、ついでにゴミ捨てをお願いする人や、誰かが飲み物を買いに行こうとしているところに、ついでに自分の分もお願いするような人が小利口と言えます。
ただし、これらのことは誰でも日常的にあり得ることですので、必ずしも「小利口だ」と断定することは出来ません。
ではごく普通の人と小利口な人の場合、どんな違いがあるのでしょうか?
それは、その人が打算的かどうかということです。
ゴミ捨ての例であれば、自分が席を立つのを面倒臭いと感じていて、たまたま近くを取りかかった人を見つけて、「利用してやろう」という考えから自分のゴミもお願いしています。
また、飲み物の例の場合には、頼む相手を選んでいることがあります。
ごく普通の人の場合には、自分の分もお願いして、買ってきてもらったらお金を渡すでしょう。
しかし、小利口な人はそこで、あらかじめ飲み物を自分に奢ってくれそうな人に目星をつけて声をかけます。
その結果、飲み物を買ってきてもらい、いざお金を渡そうとして相手から「いいよいいよ」と言われ、ちゃっかりタダで奢ってもらうことをします。
小利口な人は、このように頭の中で常に自分に有利で都合の良い展開になるように想像しながら行動する傾向があります。
2、ずる賢い
「ずる賢い」とは、「悪知恵が働くこと」「ずるいやり方を人よりも思いつくこと」です。
賢い人は、自分のためだけでなく、全体のためや、効率的に物事を運ばせるために頭を働かせます。
一方でずる賢い人では、あくまでも自分だけが美味しい思いをするために知恵を働かせます。
他人を陥れて自分が上にいこうとしたり、自分だけが得をするために他の人をコントロールしようとしたりします。
つまりは、他の人からすれば都合が悪かったり、「悪いこと」とされることに対してよく頭が働いたりする人が、ずる賢い人なのです。
動物で例えられる場合には、よくタヌキが正直者、キツネがずる賢いものとして扱われています。
この「ずる賢い」と「あざとい」は意味が近いですが、あざといが女性に使われることが多い一方で、ずる賢いは男性に対しても多く使われている言葉です。
3、抜け目がない
「抜け目がない」とは、「注意深くて、行動に抜けたところがない」「自分にとって利になりそうなことは、すかさず機を逃さないさま」などの意味があります。
「ずる賢い」「あざとい」と意味が似ていますが、単純に賢いという意味でも使われることがあります。
とはいえ基本的には自分の利益に関することにだけ注意深くなったり、チャンスを逃さなかったりするので、やはり悪い意味として使われることの方が多いでしょう。
「あざとい」や「ずる賢い」よりは、「抜け目がないね」と言われる方が、褒め言葉として素直に受け取りやすくもあります。
正義感の強い人やしっかり者の人の場合、きちんと慎重に行動して、自分で努力してチャンスを掴んだのに、それをよく知らない人から「抜け目がないね~」と言われると、憤慨してしまうこともあります。
そのため真面目な人に対しては「抜け目がない」は禁句の場合が多いですが、一方でずる賢いことを自覚している人にとっては、抜け目のなさを指摘されると、それを褒め言葉として受け取る人もいます。
4、えげつない
「えげつない」とは、「物の言い方ややり方が露骨・無遠慮で節度を越えているさま」「ずうずうしく、いやらしい」「あくどい」などの意味があります。
元々は関西の方言でしたが、現在では方言としてではなく、1つの単語として認識され、使われています。
私たち日本人は、本心で考えていることをそのまま口には出さずに、オブラートに包んだ物言いをすることが多いです。
例えば太っている人に対してストレートに「太ってるね」「醜いよね」と言う人はあまりいないでしょう。
思いやりの気持ちが強い人ほど、例え本心ではそう思っていても、決してそれを口に出すことはしません。
しかし、本人が気にしているそうした言葉をそのまま伝えてしまう人や、相手の痛いところや弱点を平気で攻めてくるような性格の人は、「えげつない人」と表現されることがあります。
また、例えば原価が20円の口紅に、ブランドや広告代を載せて、さらにそこに個人の利益を上乗せして数万円で販売するような人に対して、「えげつない商売するなぁ」などと表現することもあります。
「えげつない」も「あざとい」と意味が似ていますが、「あざとい」という表現をする代わりに「えげつない」と使うことはあまりないでしょう。
また、「えげつない」は女性よりも、男性に対して使われることの多い言葉でもあります。
5、計算高い
「計算高い」とは、「金銭の計算に細かくケチであること」や「利害・損得に敏感」「勘定高い」などの意味があります。