この記事では「やむを得ない」という言葉についてみていきたいと思います。

どういった意味があってどういった使い方をするのか。

例文や類語をみながら勉強していきましょう。

「やむを得ない」の意味や使い方を学ぼう!

今回は「やむを得ない」という言葉をみていきます。

意味や使い方をマスターして、ボキャブラリーを増やしていきましょう。

「やむを得ない」の読み方

「やむを得ない」の読み方ですが、「やむをえない」と読みます。

難しくはありませんね。

間違っても「やむをとくない」とは読まないようにしましょう。

「やむを得ない」の意味


それでは「やむを得ない」の意味について説明していきたいと思います。

あきらめるしかない

「やむを得ない」の意味の一つ目は「あきらめるしかない」という事です。

「あきらめる」。つまり事の成就を放棄する、または獲得できたはずの対価や報酬を得られない様相を表します。

もしくは期待した結果が思うようにならなかった事態を指します。

いずれにしても自身にとったら収穫がない状況です。

別の見方をしたら「損」を覚悟で事態を受け入れる、ということにもなるでしょう。

どうにもならない

「やむを得ない」の別の意味は、「どうにもならない」という意味もあります。

「どうにもならない」とは、その事案の結果を出すための手段や方法がないか、あってもそれらに必要な材料や道具が調達できず手を打てない状況を示します。

取り掛かるタイミングや時期を逃してしまったらどうしようもない、という事になるわけです。

夏を逃してしまったら海水浴には行けませんよね。

これこそ「どうしようもない」事態というわけです。

他にやりようがない

「やむを得ない」の意味の3つ目にあたるのが「他にやりようがない」です。

「他にやりようがない」とは、別の方法や手段が全くない、あるいは思いつかない状況です。

これではどうしようもありませんね。

まさしく「やむを得ない」状況というわけです。

「やむを得ない」の由来

それでは「やむを得ない」という言葉の由来について紹介していきましょう。

「やむを得ない」の「やむ」

「やむを得ない」の「やむ」は「已む」。

つまり「止まる」という意味が由来となっています。

「やむを得ない」の「得ない」

一方、「やむを得ない」の「得ない」の方は、「得」、つまり「できる」という意味になっています。

「得ない」のですから、結局「できない」という意味が由来になっています。

「やむを得ない」は、漢文の「不得已」が元々の由来の言葉になっていて、「已(や)むを得ずに」という意味から転じたようです。

「やむを得ない」の使い方


それではここからは「やむを得ない」の使い方を説明していきましょう。

自分がどうしようもない状況のとき

「やむを得ない」を使うときの状況としてまず挙げられるのが「自分がどうしようもない状況のとき」です。

どうしようもない状況とは、打開策も対抗措置も打てない、全くお手上げ状態を指していいます。

このような状況になったときは、あきらめるより手はないでしょう。

打つ手もないときに無理をして動いてしまうと、余計に墓穴を掘ってしまうことがありますからね。

他に道や方法が見つからないとき

「やむを得ない」という言葉を使うときとは、他に道が見つからなかったり方法が思いつかないときに用います。

今、ここにある一つの道や方法だけしかなく、他の方法などが発見できない状況に陥った時にこの言葉を用いるという事です。

つまり例え今ある方法がベストの方法でなかったとしてもです。

何もないよりかはまし、という発想ですね。

融通の効かない事情があるとき

「やむを得ない」は融通の利かない事情があるときにも使えます。

「融通が利かない」とは、方法ややり方を一つだけに固定してしまって、応用の効く方法をとらない手法や人のことをいいます。

このような状況になってしまったら「やむを得ない」と思わず口をついてしまうものです。

それほど「やむを得ない」という言葉は、私たちの日常生活に浸透している、ということが分かるでしょう。

ビジネスなどフォーマルな場で使える

「やむを得ない」は、ビジネスの世界などフォーマルな場で積極的に使用されます。

また使用してもいささかの違和感もない言葉です。

これは「やむを得ない」が比較的、格調があって固い印象を受けるからでしょう。

親しい友人同士や近所付き合いの会話なら「やむを得ないなぁ」とは言わずに「仕方ないなぁ」といった言い方になるからです。

「やむを得ない」は、格式ばったイメージがある言葉といえるでしょう。

「やむを得ず〜」も多く使用する

「やむを得ない」という言い方は、時と場合によって「やむを得ず~」といった言い方にも使えます。

「やむを得ず彼の昇格を見送りました」といった用い方です。

こちらの言い方もかなり格式ばっていますので、ビジネスシーンにおける使用が多いでしょう。

反対に親しい間柄でこの言葉を使ったら、相手のことを信用していない印象を受けてしまいますので、使うべきシーンをわきまえて使いましょう。

「やむを得ない」の例文

それではここからは「やむを得ない」を使った例文を紹介していきましょう。

インフルエンザなら長期の自宅待機もやむを得ない

会社員か学校の生徒かは分かりませんが、インフルエンザにかかってしまい長期にわたる自宅待機になってしまった事に対して、残念だが仕方ない、といって心境を表した例文となっています。

通常、会社も学校も特別な理由がない限り業務や授業に穴をあけるわけにはいきません。

会社員ならば出勤日数によって給与が決まっていますし、学校ならば授業のカリキュラムというものがあります。

どちらも安易に変更できるものではないからです。

しかし、休む理由がインフルエンザでは仕方がないですよね。

周りの人にもうつしてしまったら大変ですからね。

仕事が終わらないから残業をするのはやむを得ない

この例文では、残業というものに対して肯定的な見方をしています。

今や世の中の潮流は、働き方改革によって必要以上の労働は罪悪と見なされるかのような勢いです。

特に残業に対しては、多くの人から悪の根源のような扱いを受けています。

しかし、本来の仕事というものを考えるにあたって、定時の時間内に終わらないならば率先して残業するのが本当の姿ではないでしょうか?

この例文の主人公は、残業をするしか今の仕事を決着させる手段がない、と言っているのです。

それだけ仕事に対して責任感がある証拠といえるでしょう。

勿論、正規の残業に対する対価を企業側も正しく支払ってこそ、働く側のモチベーションもアップすることを忘れたくないですね。

彼はやむを得ない事情で本日欠席となりました

この例文では、欠席に対する理由付けを問題提起しています。

つまり、欠席するに値する理由だったということが実証されたからです。

学校にしろ会社にしろ、急遽、欠席が認められるような理由は、本人の予期せぬ怪我や病気などか、家族の不幸ごとに限定されてきます。

もしくは通勤・通学手段に予期せぬ異変が発生し、移動が困難と認められた場合でしょう。

そのようなケースならば「やむを得ない」理由として認められるということです。

それ以外の個人的な理由では、欠席は認められないというのが一般的な社会通念というわけです。

理由があればやむを得ないものとして受け入れる

この例文で受け入れられる理由とは、公序良俗に則って、社会通念を著しく逸脱していない理由ということです。

例えば、大学入試。

決められた時間内に館内に入場することが受験者に果たされています。

ところが予期せぬ交通機関の遅れなどが発生した場合がこのケースに当てはまります。

つまりそれが「やむを得ない」理由として受け入れられるわけです。

よって、個人の過ちによるミスは「やむを得ない」理由とならないということです。

目覚まし時計をかけ間違えて起きれなかったとか、交通ルートを間違えて遅刻したとか。

「やむを得ない」理由として多くの人に認めてもらうためには、公的な理由が必要となるというわけですね。

台風の影響でやむを得ずイベントを中止にする

自然災害の中にあって、台風は十分「やむを得ない」理由という効力を発揮するものです。

野外イベントにしろ、テナントビルでの営業にしろ、そこに行き着くまでの交通機関に甚大な影響を与えるのは必至です。

特に野外のイベントとなったら安全対策が徹底されなくなるのも誰の目にも明らかです。

自然の猛威を甘く見てはいけません。

台風の強烈な暴風雨はいかなるものをも中止に追い込める「やむを得ない」現象なのです。

電車が止まったのでやむを得ずタクシーで向かう

電車が何らかの理由で止まってしまったのでは、移動手段の確保としてタクシーを使うのは、十分「やむを得ない」理由として認められるでしょう。

公共交通機関というものは、特別な理由がない限り、ダイヤ通りに運行されるものです。

それが使えないのならば、仕方ありません。

別の手段を見つけなければなりません。

タクシーを使うということは、やむを得ない措置として十分、認められるはずです。

「やむを得ない」の類語

それでは「やむを得ない」の類語を紹介していきましょう。

仕方がない

「仕方がない」とは、「どうすることもできない」「他によい方法がない状態」であり「やむを得ない」という意味にも使われます。

つまりほぼ同一の意味合いの言葉であることが分かります。

よって、「やむを得ない」を使わない代わりに「仕方ない」を使っても文章的にも会話的にもなんら違和感はない、ということがいえます。

類語というよりも全く同じ意味の言葉、といってもいいでしょう。

しようがない

「しようがない」とは、「うまい方法がない」という意味になり全くもって「やむを得ない」と同じ意味として使える言葉といえます。

ただ、「しようがない」はニュアンス的に柔らかい物腰に聞こえます。

よってあまり肩肘張らなくていい人間関係の間において頻繁に使われる言葉です。

友達同士や夫婦間の間で遠慮なく使える言葉と思っていいでしょう。

致し方ない

「致し方ない」は、「仕方ない」「やむを得ない」をさらに丁寧に表現した言葉です。

よって使用範囲は制限されてくることが想像できます。

会社や組織における上司と部下の関係、師弟関係、顧客との会話などかなりかしこまった言い方が要求される場面で使用する言葉であることがわかるでしょう。

詮方ない

「詮方(せんかた)ない」とは、成すべき他の方法が思いつかない状態の時に用いる言葉です。

意味的には「やむを得ない」と全く同じです。

ただ、「詮方ない」はかなりかしこまった言い方になりますので用いる状況は、親しい間柄などではあまり使う機会はないでしょう。

そういう意味では「やむを得ない」と同じく、使う場面が限られてくる言葉なのです。

そうするより他ない

「そうするより他ない」という言い方もよく使われる言い方です。

むしろ「やむを得ない」よりも広範囲で使われているでしょう。

意味的には「やむを得ない」とほぼ同じです。

言葉から受ける印象は、「やむを得ない」よりもまだソフトです。

よって使われる場面が制限されず、幅広い用途で使われるという事です。

打つ手がない

こちらも「やむを得ない」と同様の意味を持つ類語です。

「打つ手がない」の方が、使う側の諦めの気持ちをより強調している感もありますね。

「やむを得ない」だったらば、いろいろと打開策を講じた結果、仕方なくあきらめようという一種の満足感のようなものも感じられますが、「打つ手がない」と思ってしまうと諦めムードいっぱいの敗北感、といったニュアンスを感じてしまいます。

言葉の使い道は、状況や空気に影響されてきますので場の雰囲気をよくつかんだ上で使いましょう。

よんどころない

「よんどころない」とは、「そうするより仕方がない」または「やむを得ない」という意味になります。

まさしく「やむを得ない」と全く同じ意味の類語という扱いです。

ただ、使用する機会が少ないのは否定できないでしょう。

日常会話ではあまり聞き覚えのない言葉の一つです。

よって使用する機会を慎重に吟味して使いましょう。

手当たり次第にこの言葉を使っても、相手が正しく意味を理解してくれるかどうか、わかりませんからね。

「やむを得ない」を正しく使いこなそう!

今回は「やむを得ない」という言葉について触れてまいりました。

「やむを得ない」は少々、かしこまった言い方になりますから、使う場面や用途をよくチェックしてから使えば、かなりインパクトのある印象を相手に与えることとなるでしょう。

また「やむを得ない」にも多くの類語があります。

状況や場面を見極めて使い分けていけば、あなたのコミュニケーション能力は大きくアップしていくでしょう。