ニュアンスの違いで使い分ける
それでは「栄える」と「映える」。
どう使い分けたらいいのでしょうか?
基本的にはどちらの言葉を使用してもおかしくありません。
だから余計にややこしくなるのですよね。
そこで文章から受けるニュアンスで使いわけていったらどうかな、と思います。
例えば外見上できらびやかに見えたり美しく見えるもの。
そのような時は「映える」の方を。
仕事や作品制作がうまくいった場合などのような時には「栄える」の方を使うのです。
「栄」は「栄誉」といった意味も含む言葉です。
その人の評価や褒め称えなどのような時には、「栄える」の方が場の状況に合っていると思いますよ。
「出来栄え」の使い方・例文
それでは「出来栄え」の使い方や例文をご紹介していきましょう。
あまりの出来栄えの良さに自画自賛してしまう
この例文に登場する主人公は自ら何かを作成したのでしょう。
それが手芸品なのか日曜大工で作ったものなのかはわかりません。
要は、その出来上がり感の良さが、今までの中でも最高ランクに分類されるくらいの出来上がりだったのです。
自画自賛してしまうくらいだからかなり良かったのでしょう。
いいものが出来上がったとき、人はその良しあしを「出来栄え」が良いと言うのです。
今年のワインの出来栄えはあまり良くない
ワインの「出来栄え」とはずばり味のことです。
そして「今年の」というように時期を断定していますから、今までのワインと比較したうえで出来栄えの云々を評価しているのです。
ワインの出来上がりは外見を見ただけでは判別がつかないでしょう。
やはりワインに精通した人が口に含んで吟味して初めてその出来栄えが分かるということでしょう。
今年の大賞は誰もが唸るほどの出来栄えだった
何かの展覧会かコンテストがこの例文の舞台になっています。
そして大賞をとった作品は今までの作品をはるかに凌駕するくらいの出来の良さだったのでしょう。
誰もが唸るくらいですから相当、優秀な作品のようです。
一般的に「出来栄え」が良いと断定されるものは褒められる対象ということになります。
出来栄えがいいのにけなされる、ということは公式な舞台においてはありえない表現手段なのです。
出来栄えばかり気にしてこだわりが感じられない
芸術作品にしても仕事にしても、そこには個人の特徴を生かした「こだわり」というものが存在します。
つまりマニュアル通りではない、それを逸脱していながらも作品などの出来栄えに華を添える要素となるものがあるということです。
こだわりがあるなしでは人々からの需要の差に大きな変化を生んでしまいます。
つまりこだわりは人にとって役に立つものであり便利で親切なものであるからです。
そのような要素が盛り込まれているものならば多くの人が欲しがることでしょう。
定型的な出来栄えばかり気にしていると、付加価値の高い作品や仕事はできない、ということにもなるのでしょうね。
彼が提出した企画書はなかなかの出来栄えだ
企画書が出来栄えがいい。
つまり求めているものと予算や利益の相互効果が非常に説得力あるものとして計上されているからです。