そのため、ほんしんを見せなければ見せないほど、どんどんストレスが溜まってしまうのです。
最初は、ほんしんを隠して自分の思い通りに話が進むことが楽しく、快感を覚えることもあるでしょう。
しかしながら、それが続いてしまうと、次第に「自分は何をやっているのか」という自問自答が始まってしまいます。
そうなると、たとえ自分の思惑通りに物事が進んでいてもストレスが大きくなってしまうのです。
素直な人に対して嫉妬してしまう
トラウマなどが原因でほんしんを出せない人ばかりではなく、相手に気に入られるためにほんしんを隠したり、相手より優位な立場に立つためにほんしんを隠したりするなど、自分の意思で必要だと思った時にだけほんしんを隠す人もいるでしょう。
しかし、そのように自分自身でほんしんを隠している場合でも、素直な人に対して嫉妬してしまうというデメリットもあります。
素直な人を見ていると、自分よりも人に好かれて楽に生きているように見えることもあるでしょう。
自分でほんしんを隠すことを選択したはずなのに、なぜか自分自身の方が嫌な人間であるように感じられて自己嫌悪に陥ってしまうこともあります。
そのように嫉妬している自分を自覚することで「自分で選んだくせに」とさらに自己嫌悪に陥ることも少なくはありません。
自分のほんしんが分からなくなる
実はほんしんを隠しすぎる最大のデメリットは、自分自身のほんしんが分からなくなってしまうということです。
最初は「本当はAだけど周りに合わせてBにしておこう」と判断で来ていたはずなのに、だんだんその状態に慣れていくことで「周りに合わせておこう」という思考になってしまい、自分の気持ちを忘れてしまいます。
自分のほんしんが分からなくなってしまうと、自分自身で決断することができなくなります。
そのため環境が変わってほんしんを言わなければならなくなっても何も言えず、最終的には「自分の意見が何もないつまらない人」だと思われてしまうこともあるのです。
言いたいことを心に秘めてしまう人の乗り越え方
自分の意思でほんしんを隠すことを選択する人もいますが、中にはほんしんを言いたいのに過去のトラウマが原因になってどうしてもほんしんを言えなくなってしまっている人もいるでしょう。
誰かに責められたり馬鹿にされたり否定されたり、あるいは取り返しがつかないトラブルを起こしてしまったりして、ほんしんを言うのが怖くなってしまっている人もいます。
では、そのように「ほんしんを言いたいのに言えない」や「隠しているうちに、ほんしんを言うことが怖くなってしまった」という人はどうすれば良いのでしょうか。
ここではほんしんを言いたい時の乗り越え方を紹介していきます。
自分を責めない
ほんしんを言えない人は「自分の考えを言うだけなのにどうしてできないんだ」や「今日も自分の意見を言えないなんて、ダメな人間だ」など自分自身のことを責めてしまいがちです。
しかしながら、まずは自分のことを責めるのをやめましょう。
自分を責めてしまうと、さらに自分に対して余計なストレスやプレッシャーを与えてしまい、ほんしんを言う際に委縮してしまいます。
自分を責めずに「気軽に言えそうな時に言う」という気持ちを持ちましょう。
「今日は絶対にほんしんを吐露する」など意気込み過ぎず、リラックスした状態でほんしんを言おうとすることが大切です。
いきなり改善しようとしない
ほんしんを言えない人が陥ってしまいがちな失敗は、急に全てを改善しようとすることです。
なんでもハッキリ物事を言える人に憧れて、自分も常に発言できる人間になりたいと思ってしまっていないでしょうか。
もちろん最終的な目標を持つことは良いことですが、いきなりそうしたフェーズに到達しようとするのは無理があります。
多くの仕事があっても一つ一つ地道にこなしていかなければならないように、いきなり全てを改善しようとしても無理をするだけになってしまいます。
「今日は少しだけ言う」や「周りとの反対意見を考えてみる」など徐々に動いていくことを意識しましょう。
ほんしんを話せる場を見つける
ほんしんを隠すことがくせになってしまっている人が、いきなり大きな会議などの注目を集める場で自分のほんしんを話すのは非常に難易度が高いでしょう。
今までなかなかほんしんを言えなかったという人ほど、簡単な場所からステップアップしていかなければなりません。
会議などの重要な場面で急にほんしんを言うのではなく「今日は何が食べたい」や「○○に行ってみたい」など、人生にそれほど影響を与えない場面でほんしんを言う練習をしていきましょう。
自分の友達や恋人、家族など甘えられる存在に対してほんしんを言う練習をするなど、相手を選んでほんしんを言う癖をつけていくこともおすすめです。
言葉の表現を変えて伝えてみる
今まで、ほんしんを言ったことでトラブルになった経験を持っている人はほんしんを言うことが怖くなってしまっているかもしれません。
そのようにトラブルを避けるためにほんしんを隠しているという人は、発言する前に言葉の表現を変えることでほんしんを伝えることができるようになるかもしれません。