現役時代も名大関として人気者でしたが、この人は指導者としての方が優れた才能を発揮しました。
実子の2人、若貴兄弟を横綱に、貴ノ浪を大関に、貴闘力や安芸乃島を関脇に、その他数多くの関取を育成しました。
ここですごいのが、二子山部屋の力士には同じようなタイプが一人もいなかったことです。
どの力士も、顔つき・体型・取り口全てが個性的でした。
一番凄かったのは貴ノ浪(後の音羽山親方2015年急逝)です。
相手にもろ差しを許し土俵際に攻め込まれてから自分の相撲が始まるという珍しい相撲取りでしたが、それでも二子山親方は 型にはめようとはしませんでした 。
また出世を諦め若手力士いじめが生きがいとなっているような古参力士には、意を含んで辞めてもらい若手がのびのび稽古できる環境作りを、徹底して行っていたのです。
二子山部屋から個性的な力士が育ったのは必然でした。
4. 個性がある人に対する世間の目が変わってきた
役所や名門といわれるような大企業では、あまり個性的すぎる人は出世できません。
重役にはなれたとしても、事務方のトップや社長には敵が少なく当たり障りのない凡庸な人がなるケースの方が多いようです。
凡庸な人は組織を守ることには誰よりも熱心で、構成員に安心感を与えます。
例えば東芝の社長たちは、凡庸であっても野心の強い人がほとんどでした。
それも社業とは関係ない「経団連会長になりたい」などという個人的なものだったため、結果として粉飾決算にまで手を染めてしまいます。
この東芝問題は日本の組織の危うさを白日の下にさらすことになってしまったため、個性の強い人に対する世間の目も徐々に変わっていってしまいました。
5. 自分を持つということの大切さ
自分をしっかり持つことは大切です。
しかし地位のある人たちは、それを自分の立場を守ることに転化するばかりです。
森友学園や加計学園問題を見てれば、多くの人が実感しているでしょう。
登場するメンバーは一見個性的でも、彼らの振舞いは個性を発露していることとは違うと思った人も多いのではないでしょうか。
どの人も保身ばかり考えており他の目標はまるで持っていない傾向にあったため、他人にも自分にも恥じないしっかりした自分というものを確立したいものです。
6. 個性的な人は大化けする可能性がある
個性的な人というのは上司や同僚の評価も2つに分かれているため、組織の中では微妙な立場に置かれていることが多いものです。
そのため懐の深い上司に潜在能力を理解してもらったり、自分を慕ってくれる同期や後輩を作ることも大切でしょう。
実際そうしたことの積み重ねで社長にまで登り詰めた人も存在します。
7. 個性を伸ばすには親の教育が肝心
何かと口を出してくる両親のもとでは、個性を伸ばすことはなかなか難しいもの。
箸や鉛筆の持ち方を矯正する分にはかまいませんが、子どもの趣味趣向まで親の好みで選別してしまってはいけません。
ある将棋のプロ棋士の自伝に「ウチの遺伝子で、お前が将棋のプロでやっていけるわけがないじゃない。」と母親に言われ落ち込んだという記述がありました。
子どもの決意を試すためには有効かもしれませんが、まだ気持ちの強くない子どもにとってはひどい仕打ちと言えるものです。
その子にどんな才能があるかなど誰にもわからないことなので、否定から入るのは百害あって一利なしです。
8. 十人十色を受け入れる心を持とう
狭い交際範囲の中で過ごしていると、多種多様な個性に接することができません。
そうして過ごしていると思いがけないタイプの人に遭遇した場合、感動するよりも受け入れがたいと警戒してしまうことでしょう。