どちらも似ているような言葉に捉えることはできますが、似て非なる言葉です。
叱るというのは良い方向へ導こうとする前向きな思いが込められるものですが、一方の怒ることは感情が高ぶって思わず腹を立ててしまう意味があります。
つまり怒るという感情は自分の心を満たそうとする心理があるわけです。
もし相手に叱られたり怒られたりする場面では相手がどのような心理で言っているのかを見て判断することが相手との関係を考える上で大切です。
怒るは自分の感情をぶつける行動
前述したとおり、怒ると言うのは感情の高ぶりで相手に腹を立てていることです。
ですがなぜ怒るのでしょうか。
怒る人は相手にはもちろん自分に対しても何かしらの感情を抱いています。
つまり相手のした行動が自分の中ではあり得ないことであり、許せないことをしたわけです。
それは自分の怒りであり、他の人が怒るようなことではないかもしれません。
その人の価値観が相手と大きく差を感じることで怒りがこみ上げてくるのです。
怒るという心境は自分に向けられているということもあるというわけなのです。
自分の嫌な気持ちにさせた、それが怒りとなって相手にぶつけてしまうということでしょう。
自分の鬱憤をはらすため
たまたまストレスが溜まっているときに爆発させる行動を取ることがあります。
もちろん相手が怒らせるようなことをしたために怒っているわけですが、ある意味自分の鬱憤を晴らすことも同時にしていることもあるわけです。
鬱憤を晴らす対象とされることは怒られた側も迷惑な話ですが、怒らせたほうも悪いと言えば悪いのです。
怒りっぽい人であるとその怒りはしばらく続くことがあります。
イライラが止まらず機嫌が悪いことがあったり、無視されるなど自分の感情をコントロールできない人もいます。
怒りやすい人はそもそもの性格である場合もあります。
周囲に怒りっぽい人がいるときは怒らせないように工夫するこも必要です。
叱るのは相手を思いやる行動
怒ることの意味はだいたい理解できたでしょうか。
では叱るというのは具体的にどのようなことでしょうか。
「怒りっぽい人」というのはいますが「叱りっぽい人」というのはいません。
怒りっぽいのは性格であり、自分の感情を抑えることが苦手です。
そう考えると、怒ると叱るの意味が違うことは少し理解できるのではないでしょうか。
また叱る行為というのは親が子供を叱るというのがあります。
子供のしつけのためにやってはいけないこと、間違ったことをやってしまったときに叱ることをします。
つまり親は叱ることで常識やモラルを子供に教えることをするわけです。
叱ることは人を育てる行動でもあるということが分かります。
相手のことを思えばこその行動だと言えるでしょう。
より良い関係を築くため
子供に対してだけではなく、日常でも叱るという行動は取ることはあります。
基本的に叱るというのは目上の人から叱られることが多いものです。
例えば職場では上司が部下など、主従関係がある場合に取る行動が多いわけです。
上司が部下を叱るのは叱咤激励のような意味でする人もいますし、仕事でミスをした部下を叱ることもあるでしょう。
ただここでミスを怒るという上司もいます。
そうした上司は部下の失敗は上司の失敗であるということが許せない心の狭い上司であるということが分かります。
叱ることは部下が今後ミスをしないために部下のことを思って取る行動です。