日本の四字熟語は様々ありますが、中国から入ってきている四字熟語も結構あります。
やはりお隣の国だからこそ、私たち日本人にも中国で使われていた言葉はよく使われています。
現在日本語でも使われている漢字も中国から入ってきたものです。
いろいろな四字熟語がありますが、中には意味が分からなかったものや、漢字から何となく推測できるけど正確な意味が分からないものもありますね。
そんな中でも今回は「朝令暮改」という言葉について見ていきましょう。
なんとなく知ってる朝令暮改について!
皆さん、朝令暮改はご存知ですか?
「ちょうれいぼかい」といって、朝に出された命令が夕方には変わるという事を言います。
漢字から推測ができる四字熟語ですね。
ではもう少し掘り下げてみていきましょう。
朝令暮改ってどういう意味?
朝令暮改は、先ほども触れたように朝に出された命令が夕方に改められるという意味です。
いろいろなことがすぐに変わってしまう様子を指します。
朝に出された命令が夕方にかわるとなると混乱してしまいますね。
意味
意味合いとしては、朝に命令されたこともすぐに変わることからあてにできないという意味合いがあります。
方針がすぐに変わってしまって、混乱している様子を指すこともあります。
使い方
では、どのような場面で使われるのでしょうか。
例えば、日本の政策がいろいろと変わる様子で「日本の朝令暮改ぶりは昔からだ。」というような使い方をすることがあります。
そのほかにも「采配が朝令暮改だ」という使い方がなされることがあります。
類義語
朝に出された命令が夕方に代わることを朝令暮改と言いますが、似たような四字熟語はいろいろとあります。
では、若干違うけれど類義語に等しい四字熟語についてみていきましょう。
朝令夕改
朝令暮改と同じく朝に出された命令が夕方に変更されて一貫しない様子を指します。
やはり昔の中国においても、いろいろと法について考えても実践してみたら、思いのほか違う方向性だったことがあったのかもしれません。
だからこそ、朝令暮改と同じくこのような四字熟語が誕生したのかもしれませんね。
それほどに新しい法はすぐに改正しないといけないほどに不都合が生まれることがあったのでしょうか。
朝改暮変
こちらも朝令暮改と同じ意味の言葉で、「朝改暮変」の意味をネットで調べても「朝令暮改に同じ」と解説されるほどに全く同じ意味です。
漢字から見ると朝に改められ暮れに変わるという意味合いから、朝改暮変を数日間繰り返しているような印象を著者は抱きます。
そんなにどんどんと変わっていったら対応するこちら側も大変だと思ってしまいます。
やはり、命令を出しても実際にうまくいかないことがあるということでしょうか。
朝三暮四
今までは朝改暮変とほぼ同意語の意味を見てきました。
確かに類義語に当てはまるのかもしれないけれど、若干意味の違う言葉が出てきました。
確かに決まりがコロコロ変わるという意味合いでは同じなのです。
ですが、朝三暮四のほうは目先の違いに囚われて結果が同じことに気づけないことを指します。
なぜ朝三暮四と言われるようになったか。
猿好きの祖公が家計が苦しくなったという事で、「ドングリを朝に3つ、夜に4つに減らしたい」とサルたちに言ったそうです。
そうすると、サルたちは「少ない!」と怒ります。
そこで祖公が「わかった。じゃあ、朝に4つ、夜に3つにしよう。」と提案したところ、サルたちは喜んでその提案を受け入れたのです。
確かに朝は多くもらえますが、夜に減らされているので結果的にサルたちのえさの量は少なくなっています。
でも、猿は朝に4つドングリがもらえるとの目先のことで喜んだのです。
反対語
では、朝令暮改との反対語を見ていきましょう。
首尾一貫
「しゅびいっかん」については聞いたことがある人も多いことでしょう。
この首尾一貫は主に方針や考え方のことを指し、初めから終わりまで全くブレがないことを指します。
常に考えが筋が通っていることを言うのです。
やはりこのような生き方ができる人はかっこいいなと思いますよね。
幼稚園時代の幼馴染にも当時から「保育士になりたい」と言っていて、大人になって会ってみたら本当に保育士になっていた子がいました。
著者のように考えがコロコロ変わり、結果的に主婦に収まっている人とは違うなと感心したものです。
終始一貫
「しゅうしいっかん」もまた、終わりも始まりも一貫していることを指します。
こちらもよく日常生活で使われますね。
よく悩みごとの掲示板を見たりすると「終始一貫して結婚に反対している母」などという内容で相談されていたりするなど、それほどになじみ深い言葉です。
先ほども触れたように、終始一貫もしてない著者が唯一終始一貫したことは、母と(母の)男友達の付き合いを断固反対したことくらいです。
いかに終始一貫していない人生なのかがうかがえてしまいますね(汗)。
朝令暮改のメリット
朝令暮改というと「コロコロ変わる」というようなネガティブなイメージで取られることがあります。
でも、やはりどんどんと変わりつつあるこの世の中ですので、一度決めた方針を変えざるを得ない場面はいくらでもあります。
具体例を挙げると、日本はカジノが禁止されているのは非常に有名ですね。
ただ海外でカジノをすることに関して言えば特に禁止されていません。
でも昨今、インターネットを使ったオンラインカジノなるものがあります。
拠点は海外だけど、日本に居ながらにしてプレーができます。
このカジノ禁止令を出した時に、まさかインターネットが発展して、日本に居ながらにしてカジノができるとは想定されていなかったのです。
ですので、どんどんと決まりが変わることも悪いことばかりではありません。
では朝令暮改のメリットを見ていきましょう。
PDCAサイクルが短くなっている証拠
「PDCAサイクルとは何ぞや?」からですね。
「plan(計画)-do(実行)-check(確認)-act cycle(改善)」の頭文字のことです。
やはり経験豊かという事であれば話は別かもしれませんが、人間の頭で考えられることは限りがあります。
いろいろと臨機応変に対応できる方も多くいます。
そのような方はいろいろな場面を経験しているからともいえます。
実際に実行してみたら不備があることはいくらでもあります。
ですので、それを確認したうえで改善していく事で、より実践に即した決まりにすることができます。
先ほどのカジノについてですが、まだ改善がされておらずネットが発展して久しいです。
中には敢えて日本人向けに日本語で書かれているオンラインカジノのサイトまであります。
ですが、まだオンラインカジノについては法的にグレーゾーンです。
今カジノ法案が可決されたことからテコ入れされるのでは?とは思いますが、こちらのほうは朝改暮変ではないようです。
コミュニケーションの頻度が上がる
企業においても、このような決まりを決める時は上層部の方と現場の方とで話し合いをしていく必要があります。
よく上の方が考えることは現場ではあまりそぐわないという事はありますよね。
最近は企業が生き残るのは大変になってきています。
ですので、現場の声をしっかりと聞くことに趣を置いている経営者の方も多いことでしょう。
やはり実際にお客様と関わっていたり、実際に何かを修理するような立場の方に即した改善をしていく事で、ひいてはお客様の満足度が増すこともあります。
また、大問題を起こして経営者などの責任者が記者会見をしているようなケースでは、上層部の方が現場の問題をあまり把握していなかったようなケースもありますね。
でも、朝令暮改でいろいろと上層部の方と現場の方が話し合ったりすることで、問題点を早期に発見できることもあります。
ですので、コロコロ変わるのは良くないと思いがちですが、その分コミュニケーションが図れる点では良いですね。
【コミュニケーションについては、こちらの記事もチェック!】
何となく生きていない
江戸時代のように鎖国をしていた時代であればともかく、今や国際社会です。
昔と同じというわけにはいかないことが増えてきています。
例えばですが、工業系でも海外で人件費を安く抑えることもできるようになってきた今。
昔と同じようにしていてはその苛烈な競争に勝てないのです。
ですので、それこそ朝令暮改でいろいろとこの国際化社会に晒されつつ、自分が勝ち残っていく方法を模索していく必要があるのです。
例えばですが、価格競争ではなく敢えて品質の良い日本製に拘るのも一つの案ですね。
このように何となくやっていくのでは済まされない世の中になってきています。
もちろん、企業だけではなく私たちにも言えることです。
今や私たちがしているような仕事もAIロボットに奪われるかもしれないと話題ですね。
何となく会社勤めをすれば安心という世の中は終わりつつあります。
ですので、就労に囚われず現金収入を得る方法を考える必要がありますね。
化学変化
このように常に変化している世の中です。
朝令暮改の精神で変わりゆく世の中に対応していかなくてはいけません。
ですので、それに対応するためにどんどんと新しい刺激を取り入れていかなくてはいけません。
そして、自分の生活圏だけにとどまらず、いろいろな人に会うことでより、柔軟かつ迅速に現状についていく努力をすることが現代では求められます。
昔営業所で働いていた時、取引先の営業の男性が「一流のセールスマンは女性の扱いがうまくなければならない。」と仰っていました。
著者自身も女性ですので、男性の視点については詳しくはありません。
男性同士ともなれば理解できることも多いでしょう。
ですが、こと女性ともなれば性別も違いますし、考え方も違います。
男性は女性が怒り出してもなぜかわからないこともあるようですね。
でもこの難しい関係でも積極的に関わり、制することでビジネスも成功するというのです。
このようなことも普段自分が得意な人以外に関わることで化学反応を起こすことができる例ですね。
著者は変化が苦手なタイプで現在は専業主婦になっています。
ですが、できる範囲でこの情報化社会を制する努力をしたいなと思ったものです。
境界線が明確
今まで朝令暮改のメリットについて述べてきましたが、なにがなんでも朝令暮改が万能というわけではありません。
中には絶対に変えてはいけないものもあります。
これは非常に極端な例です。
例えば「消費者の方のための商品づくりを!」という方針で取り組んできたけど「消費者は二の次!利益最優先で!」と大幅に方針を変えるのは良くないですね。
ただ、「消費者優先の商品づくり」という方針はそのままで、効率化するためにネットを活用をしよう!というのは悪くないですね。
このように朝令暮改で、良いところと良くないところの境界線を明確にできるのは、日々朝令暮改に取り組んでいるからともいえます。
会社のアプローチが分かる
特に新人さんであれば、覚えたと思ったのにいきなり制度が変わるともなると、人によっては士気が下がることがあります。
このような言い方が正しいのかはわかりませんが。
この多様な変化にも食らいついていこうと思える人なのか、最低限勤められればそれでよいと思っている人なのかが分かります。
もしかしたら多様な変化についていけずに「辞めたい」という新人さんもいるかもしれません。
中には辞めたがる新人さんがいることを残念に思う方もいらっしゃるかもしれません。
(言い方は良くないかもしれませんが…)
そのような方をふるい落として、士気が高い社員に集まってほしいのであれば、朝令暮改はもってこいです。
軌道修正ができる
コロコロと決まりが変わるのは良くないと思いがちです。
ですが、良い方向性に考えたら軌道修正ができるという事です。
何度も済みませんが、先ほどのカジノについてもインターネットが発達して、オンラインカジノが問題になった当初から改正をしていたら、こんなにグレーゾーンは続かなかったかもしれません。
朝令暮改にすることによって、素早く軌道修正ができるのは決して悪いことではありません。
良い言い方をすればすなわち「臨機応変」という事になります。
常に変化を受け入れ、うまくその変化に対応できることで良い意味での朝令暮改ができるのです。
朝令暮改の意味を正しく知って使おう!(まとめ)
朝令暮改についていかがでしょうか?
著者は何度も触れているように臨機応変が大変苦手です。
ですので、今回のことは勉強にはなったけれど、活用できるかな?という不安があります。
ですが、この変化が著しい世の中ですので、この変化にできる限り食らいついていきたいと思いました。
皆さんはいかがでしたでしょうか?
著者のように苦手な人もいるかもしれません。
しかし、今の世の中を生き抜くという意味合いでも朝令暮改を正しく理解して、使いこなしていきたいものですね。