例えば、『これまで経験した事やその内容+然り+最終的な結論、結果、導き出した答え』をくっつける事によって、より文章が洗練されて相手に伝えたい事をまとめることが出来ます。
具体的な使い方を例文と共にご紹介してみましょう。
「然るが故に答えはこのようになる。」
「そうであるから」という意味で使う場合の例文として、「然るが故に答えはこのようになる。」が挙げられます。
この例文の意味は、「そうであるからこそ答えはこのようになる」となります。
つまり、この然りの前のこの例文の場合は、問題に対しての解説があったと仮定することが出来ます。
問題の解説をひとしきり行った後に、結論の前に然りという言葉を付け加えて、然り以降の最終的な結論を強調していると考えることが出来ます。
この例題文と同じように他のこともいい表すことができます。
例えば、「今まで私はずっと自分の為になると思って肉体的なトレーニングを行ってきた、然るが故に、今の私には以前と比べようもない筋肉と精神的な強さを手に入れた」というような文章を作ることが出来ます。
これは、「自分自身のためになると思って肉体トレーニングに励んできて、その結果として今の自分は、以前とは考えようもつかないような筋肉と精神的な強さを手に入れました」という意味です。
このように然りという言葉を上手に使えば、過程の話をして最終的な結論をより強調して相手に伝えることが簡単にできます。
然りという言葉を使って説明をすればより論理的な内容で相手に話をすることができ、話を聞いている人も分かりやすく話を理解することができるでしょう。
話を簡潔に明確にするという特徴的な使い方ができる方法と認識してください。
6.2つの事柄に対して、逆にしても同じようなことが言える場合
2つの事柄に対して、逆にしても同じようなことが言える使い方があります。
相手と会話をしている時に、2つの別の事柄の両方に当てはまることを説明することがあると思います。
両方に当てはまると言うことは、当然ながらその順番を逆にしてもどちらにも当てはまるということです。
そのような事を説明をする時に、然りという言葉を使って表現することができるのです。
「通訳者は英語から日本語に通訳をするし、その逆もまた然り。」
例文として、「通訳者は英語から日本語に通訳をするし、その逆もまた然り。」が挙げられます。
この例題文の意味は、「通訳をしている人は英語から日本語に通訳をして、その逆である日本語から英語に変換するということも行う」というような意味合いとして理解することが出来ます。
つまり、 通訳の仕事をしている人は全く逆のことをその業務内容として行なっているということです。
他にも、「本来人間の精神である心と肉体である身体が通じ合っているものであり、心の状態が悪ければ体の状態も悪くなってしまいます。そしてその逆もまた然りです。」という例文を作ることが出来ます。
この例文の意味は、「人間の心と体はつながっており心が悪ければ体も悪くなってしまいますし、逆に体が悪いと心も悪くなってしまいます」という意味になります。
このように逆の事を肯定したり、同じようにあてはまるような事を説明するときに用いられるのです。
いちいちすべてを説明するのも面倒な時には「その逆も然り」という文章を付け加えます。
それだけで、逆もあり得るという事を説明する手間を省いたり、より説明を論理的に行い、理解してもらえる方法と考える事も出来ます。
7.「さりげない」=「然りげ無い」
「さりげない」=「然りげ無い」という意味で使う場合があります。
さりげないという言葉は日常会話でも多く使われる言葉ですよね。
さりげないという言葉は普段ひらがなで用いられることが多いですが、漢字にしてみると不思議な事に然りという言葉を用いて表現します。
然りげ無い心遣い
例文として、「然りげ無い心遣い。」が挙げられます。
然りげ無い心遣いは、「相手に対して行う心遣いか大々的なものではなく、そっと行ったりする」という意味として解釈することができます。
然りの意味である「その通りである」という言葉の意味を考えた時に、「その通りでない心遣い」と訳すことが出来ます。
さりげないの意味としては「何事もないように振る舞うさま」を意味しており、なんとなく「その通りでない心遣い」の意味から派生されたような印象を受けますよね。
然りを上手く使うコツとは
ここからは然りという言葉を上手に使うコツについてご紹介をしていきます。
然りという言葉はとても便利な言葉ですが、使い方を間違ってしまうと相手に意味が伝わらなくなってしまいます。