人が社会で生きて行く中で、必要になる素質・能力のうちの一つに「真摯さ」というものがあります。
良く「真摯な態度」や「真摯な姿勢」という言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか。
この「真摯(しんし)」というのは、人が人として正しくあるために、とても大切なもの。
自分以外の誰かと信頼関係を築いたりする際はもちろん、仕事を成功させていくためにも非常に重要になる要素です。
さて、ではこの「真摯」という言葉について、皆さんは正しく理解ができているでしょうか。
周りから「真摯な姿勢が素晴らしい」を評価されたり、はたまた「真摯な姿勢が足りない」と指摘されたりした経験がある人も中にはいると思います。
今回はこの真摯に含まれている言葉の意味を知り、その受け止め方や使い方について考えて行きましょう。
真摯な態度をとれる大人になるために
真摯な態度というのは、あらゆる経験を積んで学び成長していく中で、身につけて行くもの。
真摯であろうと意識していなくても、大人になるにつれていつの間にか真摯と呼ばれるに相応しい態度を取れるようになっている人も多いのです。
1.真摯とは?
真摯(しんし)というのは、真面目で熱心なことを指す言葉です。
「真摯な態度」は物事に真っ直ぐ向き合い、熱心に取り組んでいる様子のことになります。
ひたむきに真剣に、物事へ注力する姿は、健気でとても慎ましく感じられ、実に好感が持てるものでしょう。
類似する言葉には「誠実」「忠実」などが挙げられます。
いずれも私利私欲で身勝手な行動をするのではなく、真心や誠意など、人としての心の在り方がきちんとしていること。
物事に真っ向から堅実に努めていることを指しています。
決して軽く使う言葉ではなく、それぞれの言葉には確固たる信念や想いの大きさが込められていることでしょう。
真摯という言葉の漢字の成りたちは、真面目や真実という言葉に使われている「真(まこと)」と手で捕らえることを意味する「摯(し)」。
組み合わせると「偽りのない真実をとらえること」という意味になりますね。
人が「本当に真面目であること」を表しているのでしょう。
2.「真摯」の使い方とは?
日常の中で真摯という言葉を耳にする機会は少なくないと思います。
とはいえ、自ら言葉にするとなると、どういう時に使っていいのかよく分からない人もいるのではないでしょうか。
間違った解釈で誤った使い方をしないように、「真摯」を使った文章を例に見ていきましょう。
1.結果を真摯に受け止めた
試合などで敗北してしまった時など「結果を真摯に受け止める」という言葉で現状を真っ向から受け止めるという姿勢を表すことがあります。
この場合、試合に負けてしまった自分の弱さをしっかり受け入れる強さや誠実さを示していることになるでしょう。
「たまたま負けた」「運が悪かった」など見苦しく言い訳をすることなく、今の実力を精一杯出し切った結果、相手の実力には及ばなかったのだと結果を受け止めるということ。
これはとても勇気のいる行動です。
こうした真摯さに欠ける人は、あれこれ言い訳をして自分の敗北から目を逸らしてしまうので、成長することは難しいでしょう。
ありのままの結果を真摯に受け止めて、振り返り、反省し、改善するひたむきな姿勢があってこそ、本当の意味でステップアップをしていけるというものです。
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2.真摯な姿勢で伝統を守り続ける
「真摯な姿勢」というのはよく使われる言葉です。
これは真面目に愚直な態度で、物事へ真剣に取り組む人の意識の高さを示しているもの。
例えば伝統と歴史がある文化財や工芸品を、次の世代に繋いでいく重要な役割を担っている人など。