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真摯に受け止めるの意味は?ビジネスでの使い方と注意点を解説


真摯(しんし)という表現は、普通の会話では使わない言葉です。

井戸端会議で話しをしている時に、おばさんが「そのことは真摯に受け止めるわ」なんて言うことは無いと思います。

多分、「家に帰ってから本気で考えてみるわ」ということになるでしょう。

このように、「真摯」という言葉は、何か重みのある言葉のように感じます。

そういえば、ある企業が何かの不祥事を引き起こし、社長や役員が謝罪会見する時にも「このたびの出来事は、真摯に受け止めております」というように発言しているのを聞いたことがあります。

丁重に心から受け止めるには、真摯な状態でなくてはならないのです。

真摯とは、真面目で熱心なさまのことです。

真面目に一生懸命に受け止めるということでしょうか。

このように、真摯という表現は、日常の会話で使うよりは、ビジネスの世界や丁重な受け答えをする時に、重みのある言葉だと思われます。

同じ発音でも「紳士」という言葉があります。

この紳士とは上流社会の人という意味で、さらに上品で礼儀正しく教養があることも指しています。

このことから、「真摯に考える」と聞くと「紳士に考える」つまり上品に礼儀正しく考えると誤解した時もありました。

読み方が同じですが、意味は全く違っているのです。

「真摯」という言葉は、政治家も好きな言葉のようです。

国会答弁で、異論が多く出て紛糾した時に、相手の意見をしっかりと聞くという意味で「真摯に受け止める」と回答するのです。

すなわち、いい加減に意見を聞くのではなくて、その一つのことに対して真面目に真剣に意見を聞いていますということなのです。

興奮気味に質問して来る相手に対しては、真摯に回答することで冷静さを確保できるようです。

しかし、夫婦喧嘩で興奮している奥さんに、「おまえの言いたいことは分かった。俺も真摯に受け止める」なんて言ったら、茶化されていると思ってかえって興奮するかも知れません。

つまり、真摯という言葉は、使う場所やタイミングも重要だと思います。

この記事の目次

真摯に受け止めるってどういうこと?

真摯という漢字は、本当という「真」と、しっかりと手に持つ、掴む、まじめという意味の「摯」からできています。

「真摯に」という表現は、真面目にとか真剣にという言葉とは、少しニュアンスが違っています。

というのも、「真摯に」という言葉の中には、大切なことに対して「一途に」という気持ちが強いことです。

「真面目」とはいい加減なところや嘘偽りがないという精神的な意味が強く、「真剣に」とは遊び半分ではなく必死で何事かに取り組むという意味です。

「真摯に」という意味は、真面目で真剣な様は同じなのですが、何かの目標に向かって一途に取り組むという決意を表しているのです。

何があっても、目的はブレずに真面目に真剣に取り組む姿勢を表しています。

「真摯に受け止める」とは、与えられた何かに対して、それを一途に真剣に受け止めるというということです。

例えば、大手企業でなにか不祥事が発覚した時には、それ以外のことはさて置いて、まずはその不祥事のことに関して認識するということです。

その後は「真摯に対応する」、つまり原因究明や再発防止などの善後策を真剣に検討する、ということに繋げていくのです。

簡単に言うと、わき目も降らずにそのことに集中して対応する、ということです。

片手間ではやりませんよと、あえて宣言することです。

ビジネスでよく使われるフレーズ

真摯という言葉は、ビジネスの世界でも良く使用されます。

というのも、ビジネスでは信用が大切ですので、彼の言うことは信頼できると認めてもらうためにも、いい加減なことは言えません。

確信のる事、事実をキチット伝える必要があるからです。

そこで、ビジネスの大事な場面で、「弊社としては真面目に真剣にこの案件に取り組みます」という時には、「真摯に対応させていただきます」となる訳です。

このように、「真摯」はビジネスシーンにおいてとても有効な言葉で、短い文章のなかに「真摯に」という言葉を書き加えるだけでも、そのテーマについて真面目に、真剣に取り組んでいることを暗に伝えているのです。

この言葉を聞いた方も、安心して任せても良いかなと思ってしまうのです。

また、例えば数社から仕事の提携の話しが来た時に、どの企業が良いかを見極める時にも、「弊社は、何ごとにも真摯に取り組む企業です」と言われると、仕事に対して熱心な企業だと考えてしまいます。