最近よく耳にするようになった、「晒す」という言葉。
インターネットの普及に伴って、今は簡単に個人の情報がネット上に晒される世の中になってしまいました。
今この記事を目にしているあなた自身も、公の場に自分の情報が晒されてしまった、なんて経験があるのかもしれません。
そんな恐ろしくも、無関係の人にとっては常に好奇心の対象である「晒し」の元々の意味や、どういったものが晒されるのかについて詳しくご紹介していきます。
晒すってどういうこと?詳しく説明していきます
晒す、と聞くと、どのようなことが思い浮かびますか?
「雨風に晒す」「人目に晒される」といった言葉の他にも、「晒し首」などという恐ろしい昔の風習を聞いたことがあるという人もいるかもしれません。
大抵は、何かに晒すといった意味合いで使われることが多いですが、その使われ方があまり良いことに対してではない場合は、晒すという言葉は私たちにとってネガティブなものに思えてしまいます。
しかし、そもそもはどのような意味合いで使われていたのでしょうか?
その詳しい意味合いについて、これからご紹介していきます。
晒すの基礎基本
晒すという言葉は、元々どのような意味で使われていたのでしょうか?
また、本来はどのような使い方をされていた言葉なのでしょうか?
私たちが日頃当たり前のように使っている言葉は、本来の言葉の意味とは異なった意味として使われていることも、最近ではあまり珍しくはありません。
いわゆる「誤用」なのですが、例えば次のような誤用があります。
「確信犯」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。
この言葉、現代では「悪いと分かっていながら悪事を働くこと」という意味で使われることが多いのですが、実は間違った使われ方なのです。
確信犯の本来の意味は、「信念に基づき、『正しいことだ』と思い込んで行う犯罪」です。
本来の意味では、確信犯は自分の犯罪を「悪い」ことではなく、「正しいことだ」と思い込んで行っているのです。
これが現代では「悪いと分かっている上で犯罪を行う」といった意味に誤認されています。
このように、言葉の本来の意味とは異なった使われ方をされている言葉も少なくはありません。
では、「晒す」という言葉はどうでしょうか?
本来の意味や使い方、類義語などを見ていきましょう。
辞書的な意味
晒すという言葉の辞書的な意味はたくさんあります。
例えば風雨や太陽の下で何かを当てて干すことを意味したり、また野菜などの臭みを抜くために水に浸しておく行為を意味する言葉だったりします。
これらは動作としての意味ですが、そのほかにも広く人目に触れるようにしたりすることを「恥を晒す」と言ったり、また避けることが出来ない難しい事態に身を置くことを、「危険に身を晒す」と言ったりもします。
さらには、新聞などをじっと見る動作を「目をさらす」と言うこともあり、日常的な動作から精神的なものに至るまで、広い意味合いで使われることの多い言葉です。
使い方
使い方は、辞書の意味で挙げたようなものが多いです。
何かを自然の天候に当てたり、水に浸したりと物理的な動作として使われることが一般的です。
また、人目や危険に身を置くことのように、物理的なものではなく、現状や精神的な意味合いで使われることも少なくはありません。
ただし、「新聞や本などに目をさらす」といった言葉の使い方をされることはあまり一般的ではないでしょう。
ネット社会となった現代では、SNSのようにインターネット上で不特定多数の人間が見られる環境に個人情報などを公開することを「晒す」と表現することが多く、この使われ方はかなり近代的と言えるでしょう。
類義語
晒すという言葉の類義語として、「曝す」という言葉があります。
この言葉は漢字が異なるだけで、読み方や大体の意味は「晒す」と似ています。
自然の天候に何かを当てたり、水に浸したり、また危険な立場に身を置くことなどの意味の時に、この「曝す」という類義語を用います。
一方で、ネット上に個人情報を公開するように、不特定多数の目に何かを晒す時の類義語としては、「むき出す」「さらけ出す」「露呈」「暴露」などの言葉があります。