悲愴とは
辞書によると、「悲しく痛ましいことやそのさま」という意味で、「悲愴な面持ち」「悲愴感」という使い方をするとなっています。
読み方も一緒で、意味も被っているところもあり、使い方も似ているので、この二つの言葉は非常に紛らわしいですね。
でも、先ほど考えた「悲壮」とは、はっきりとした違いがあるのに気づかれたでしょうか?
悲しく痛ましいこと
悲しくて痛ましいというと、悲しみの中でも、より深く、やりきれない気持ち、耐えられない気持ちを想像します。
がっかりしたり、残念に思ったりするというものではなく、胸や心が痛みを感じるほどに辛い気持ち、悲しい気持ちを表現する時に使う言葉が「悲愴」です。
愛する人を亡くした時に感じるような、胸が張り裂けるような感じとも言えます。
悲愴はただ悲しんでいる
このように悲愴には、健気さや、心を奮い立たせるというような前向きな要素は一切ありません。
ただただ悲しんで、憔悴しきっている様子を指して用いられます。
ちなみに、ベートーベンのピアノソナタ第8番の表題は、こちらの「悲愴」です。
悲壮感は悲しくても頑張っている
一方「悲壮感」は、悲しい状況でも、辛い出来事があったとしても、なんとか踏ん張っている様子や、前を見て必死に生きようとしていることが意味合いに含まれます。
悲しみにのまれて、ただただ泣いたり、嘆いている「悲愴」と、悲しみを抱きつつも、心を奮い立たせて、頑張っている「悲壮」の違いを理解していただけたでしょうか?
似ているようで、全く意味合いが違うことがわかりましたね。
一般的には、「悲壮」の方でも、悲しんでいる様子と思われがちなので、頭をきちんとリセットして、正しい意味でこれから考える「悲壮感漂う人の特徴」を見てくださいね。
️悲壮感漂う人の18個の特徴
ここまで悲壮感の意味を考えてきましたが、真の強さや前向きな様子など、積極的な面が含まれることから、悲壮感がある人に対する見方にも、少し変化が生まれたかもしれません。
悲劇の主人公やヒロインをイメージすると、わかりやすいですよね。
しかし、褒め言葉として使えるかというと少し微妙で、その場の状況や交友関係の深さを考えて、慎重に使う方が良いでしょう。
その理由は、これから見る、人が悲壮感を感じる見た目や態度が、必ずしも万人ウケするものではないからです。
しかし悲壮感漂う人は、なんか気になる存在であったり、応援したくなったり、守ってあげたくなるような人を惹きつける雰囲気があるのも事実なので、そんな複雑で奥が深い悲壮感というオーラを持った人の特徴をじっくり紐解いていきましょう。
表情が暗い
周囲の人に「怒ってる?」「落ち込んでるの?」とよく聞かれるなら、表情が暗いと自覚した方が良いでしょう。
自分では普通にしているつもりでも、周りからは暗い表情に見えるのです。
眉間にシワが寄っていたり、目が笑っていなかったり、口角が下がっていたり、目に覇気がない場合に、人は表情が暗いと感じます。
元々の顔の作りもありますが、表情は内面が出てきます。
ですから、嫌なことを考えていたり、辛いことを思い出していれば当然沈んだ表情になりますし、楽しいことを考えていれば明るい表情になります。
いつも楽しいことだけを考えていることはできませんが、やはり明るい表情の人と一緒にいると元気をもらえますし、気分も上がります。
表情が暗いと、悲壮感の中でも悲しみの方を人に印象づけてしまうことでしょう。
笑顔が悲しそう
笑顔なのに影が見える瞬間は、まさに悲壮感が漂っている瞬間でしょう。
「目」は口ほどにモノを言うという言葉もあるように、どんなに笑顔を作っていても目が笑っていないなら、悲しげな様子や、奥に秘めた闇みたいなものを相手は感じ取ります。
ですから、笑顔という明るさと反比例するその感情に、なんとも言えない複雑な気持ち、悲壮感を感じるのです。
自分に自信がない
自信がないのは、謙虚なこととは違います。
自分に自信のない人の特徴として、自己評価が極端に低いことや、人の評価に過敏に反応するというものがあります。
どんな人でも、短所と長所があるのに、自分の短所ばかりに目を向けて、「自分は何をやってもダメだ」と自分で勝手に落ち込んだり、萎縮したり、諦めたりしてしまうのです。
また、他の人の目を気にして、批判されることを過度に恐れたり、自分の意見を言わないことも自分で自分を認めていないからでしょう。